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トラウマ怪獣・箪笥の角に小指ぶつけ太郎

●箪笥の角に小指ぶつける恐怖を味わえぇい!
「ぬううおおほおおおおおおう!!」
 ハゼみたいな顔したオッサンが片足を抱えて飛び跳ねた。
 何故かって?
 いい年したオッサンがこんなポーズとる機会なんて精々、深爪したか脚吊ったかもしくは……。
「箪笥の角に小指をぶつけたぁぁぁぁぁぁぁア!」
 寝転がってごろごろと転がるオッサン。
 ちゃんと説明しておかないと『アイツ』の凄さが分からないので言っておくが、オッサンは業界ではそこそこ名の知れたリベリスタさんである。どのくらいかって言うとご近所商店街の魚屋さんも知ってるくらいだ。つまり無名だ。
「痛ええええええええ死ぬうううううううう!」
 そんなオッサンがアヘ顔一歩手前の表情で壁や卓袱台に激突しまくっているのだから、その痛みたるや凄まじいものがあるのだろう。
 しかしここで、何が何でも触れておかねばならないことがある。
 そう。
『ククク、さぞかし痛かろう。何せこのオレサマの角にぶつかったんだからなあァ!』
 箪笥が勝手に歩いて、なんか喋っていたのだ!
 脚を抱えたまま涙目で見上げるオッサン。
「馬鹿な、俺は確かに回避したはず。角どころか表面にすら触れていないぞ!」
『だろうなぁ、だから貴様の感覚に直接植え付けたまでよ。箪笥の角に小指をぶつけた痛みと恐怖をなあ!』
「な、なんだってえええええ!?」
『さあ喰らえ、次は何もないと思って深い段差に踏み出してしまった時のストンッていう恐怖感だぁ!』
「いぎゃああああなんかガクーってくるううう!」
 口から泡吹いて倒れるオッサン。
『ククク、他愛もない……所詮人間などこの程度よ』
 箪笥はオッサンの存在などもうどうでもよいとばかりに路上(なんとこのやり取りは外で行っていたのだ!)をてくてくと歩いていったのだった。

 その後。
 アークリベリスタであるあなたへこの依頼が来ることになる。
 依頼内容、エリューションゴーレム『箪笥の角に小指ぶつけ太郎』の討伐。
 彼は任意(複数可)の相手になんか軽くトラウマになりそうな地味かつ多彩なダメージをじわじわ与えてくる強敵なのだ!
 放っておけば日本人類に巨大な恐怖がまき散らされることになるだろう。
 阻止できるのは、そう……君しかいないのだ!


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 10人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年11月13日(火)23:44
 八重紅友禅でございます。
 一日に一度以上はどっかの角に小指をぶつけ、遣る方ない怒りに満ちています。
 どうしても発散できないのでマンガとかでよくある死亡スレスレの攻撃をうけた主人公のマネとかして気分を誤魔化しています。
 ぐ、ぐおおあ……なんということだ……! みたいな。

 依頼内容はEゴーレムの討伐です。
 たおせりゃいいんですが、地味に厄介な敵なので気を引き締めて遊びま……じゃなくて戦……やっぱり遊びましょう。

 敵の数は三体。
 箪笥、冷蔵庫、テレビという三種の神器一歩手前の三人組みが住宅街を闊歩しています。
 攻撃のパターンは非常に多彩で、わかっているだけでも
 箪笥の角に小指ぶつけた痛み(ダメージ)。
 階段無いと思ってたら一段だけ下がってた時の感覚(ショック系)。
 新品のコピー用紙で指ビッてやった感じ(ダメージ)。
 冷蔵庫にとっておいた干物が化石になっていたときのショック(隙系)。
 深夜につけたテレビ番組が凄まじく衝撃的だった思春期の想い出(隙)。
 あなたのオリジナル地味トラウマ。
 など多数。バリエーションが無駄に豊かです。
 BSあるっちゃありますが、BS回復すりゃいいって問題じゃないのはご想像に難くないと思います。
 頑張って生きて、そして耐え抜いて下さい。
参加NPC
 


■メイン参加者 10人■
スターサジタリー
麗葉・ノア(BNE001116)
クリミナルスタア
神城・涼(BNE001343)
★MVP
ソードミラージュ
レイライン・エレアニック(BNE002137)
ナイトクリーク
三輪 大和(BNE002273)
ナイトクリーク
兎丸・疾風(BNE002327)
インヤンマスター
九曜 計都(BNE003026)
プロアデプト
御厨 麻奈(BNE003642)
ホーリーメイガス
石動 麻衣(BNE003692)
レイザータクト
ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)
クリミナルスタア
秋月・仁身(BNE004092)

●最初からクライ(トラウ)マックス
 モニターの前の君!
 箪笥に限らず、家具や家の角に足をぶつけたことはないか!
 怒りと痛みと憎しみと、それが完全に自業自得であるが故に発散できないというジレンマ!
 それが敵に回った時……君は、果たして君は打ち勝つことが……!
「できるかああああっ!」
 『巻き戻りし残像』レイライン・エレアニック(BNE002137)と『chalybs』神城・涼(BNE001343)は劇画フェイスでブラウン管テレビをかち割った。
 煙と火花を吹いて悶絶するテレビに背を向け、頭を抱えてシェイクする二人。
「夜中に御色気番組だと思ってテレビ見てたらホラーだったときのさ、あの『これからどうすりゃいいの感』はさあっ、どうしょもなくねえ!?」
「ぴにゃああああ! やー! いやなのじゃー!」
「お、おおう……『トラウマには絶対に負けない』とかフラグ臭いこと言ってたのを描写されるまでもなくメッタメタにやられているであります……」
 激しくヘッドバンキングしてる二人に若干引く『ギャロップスピナー』麗葉・ノア(BNE001116)。
 が、そのままじゃ話が始まらないので咳払いして顔をつくりかえた。(大魔神が変身する時の動きで)
「ファントムペインという言葉を御存知ですか。もう無い筈の腕や脚に痛みや痺れを感じるという……ならば足の小指がない自分にも、箪笥の角に小指をぶつけた痛みはあるということ。とどのつまり、自分にとっても貴様等は排除対象だっつーことでありますよ! タンス、ミナコロスベシ!」
「ノアやん口調口調、ニンジャぽくなってる」
 脚のローラーできゅいーんとバック走行してくるノア。
「と言うわけで皆さん、お願いします!」
「やらんのかい!」
 『他力本願』御厨 麻奈(BNE003642)は態々そばまでバックしてきた彼女の後頭部にハリセンをスマッシュした。
「フッ、女の子に頼まれたとあっては前に出ないわけにはいきませんね」
 『猫かぶり黒兎』兎丸・疾風(BNE002327)が一輪の薔薇を指ではじきながら言った。
「何故なら僕は、リベリスタ(おとこのこ)だから」
「…………」
 沈黙する少女達を背に、もう一度薔薇を指で飛ばす疾風。
「何故なら僕は、リベリスタ(変態対応係)だから!」
「はよいけやっ!」
 尻を蹴飛ばされ、疾風はテレビ(画面かち割れ中)に頭から突っ込んで行った。
「ぎゃああああああビデオ予約した番組が野球で埋まってるうううううううボス戦中にブレーカー落ちてるううううううう!」
 早速トラウマアタックを受けている疾風である。
 どうてもいいが、現代の17歳のセリフとは思えない。

 疾風たちが分かってても感じちゃうびくんびくんしてる間のこと。
 『蛇巫の血統』三輪 大和(BNE002273)は胸の前で手をぎゅっと握った。
「タンスの角。それは人類が自分の手で生み出してしまった最強の敵……その化身を相手にして、勝てるのでしょうか。否、勝たねばならないので――ンつぅ……」
 びくんと背筋を伸ばす大和。
 回想(ほわほわほわん)。
 自転車を新しく買い替え、ぴかぴかの自転車を前にさあ風になるのですとか思って跨ろうとした正にその時、以前の自転車にはついていなかった荷台……そう、荷台の部分に膝がガッて当たるその痛み!
 うっかりそのまま跨ろうものなら蹲る訳にもいかず、調子が狂ってペダルを踏み外し今度はそのペダルが脛にガッ!
「………………ッ」
 直立不動のまま、下唇を噛んで痛みに耐える大和。
 さりげにレアシーンである。
「大丈夫か同志三輪!」
 後ろからフラッシュバンを投げ込んで支援に回る『リング・ア・ベル』ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)。
「さっきの痛かった、痛かったぞ……新しいコピー用紙でピッとやっちゃった時の痛みと屈辱……だがこれ以上はやらせなワギャン!?」
 見えない波動(?)を受けてばたんと倒れるベルカ。
 回想(ほわほわほわん)。
 何だか寝苦しい夜のこと。うっかり目が覚めてしまってもーしょーがないなー寝なおそうと爪先で布団を手繰り寄せようと思った矢先……うっかりふくらはぎに力を入れてしまってビーンと吊る……あの逃れようのない感覚!
「ら、らめえええええええっ足吊っちゃうのおおおおおおおおお!」
 地面で奇妙にエビぞりしながらびくんびくんするベルカ。
「皆しっかりするッス! 楽しい事を、もしくはメタなことを考えてやり過ご……はうあっ!?」
 『レッツゴー!インヤンマスター』九曜 計都(BNE003026)が額にキュピーンと何かを光らせて仰け反った。
「こ、これはハードな戦闘依頼でフェイト使用を書き忘れて情けなくピチュった時の『ごめん皆ほんとごめん』的感覚ッ!? そしてこれはスキル活性を間違えて『お前の守護結界ねーから!』と言われてる感覚!? 更に仮プレのまま少ッくない文字数で出発して『お前の名声値と台詞ねーから!』と言われる感覚ゥ! 空気を、空気を読んでください、一行だけでいいからッ!」
「ど、どうした同志九曜! どこの次元の話をしているんだそれは!?」
「皆さん気を確かに!」
 『おとなこども』石動 麻衣(BNE003692)がしんせーのいぶきーとか言いながら(いや別に言っちゃいないが)回復空間を展開。皆のトラウマを一時的ながら払ってくれた。
 そしてずびしっと冷蔵庫たちへと指をつきつける。
「箪笥? テレビ? 冷蔵庫? うちにはクローゼットしかないしコンビニが冷蔵庫代わりですしテレビは液晶壁掛けですからね! お前らの出番などもはやないのです! とっとと出直してきてください!」
「…………」
「…………」
「…………」
 E箪笥とEテレビとE冷蔵庫は身を寄せ合い、何かをごにょごにょと囁き合った。
「ちょっと、何話してるんですか……」
「いや、どう考えても『お金は山ほど稼いでるけど出会いもないしテキトーな生活でいっかービールうめえ』な生活風景だと思って……」
「やめて下さい私を売れ残るアラサーみたいに言うのは! 26歳! 適齢期ですから!」
「リアルタイムでエヴァみてた当時の中学生少女たちが今ミサトさんと同年代かあ……そしてシンパシーの方向がアスカからミサトへ変わるわけかあ……」
「やめてっ!?」
「…………ええと」
 『親不知』秋月・仁身(BNE004092)は割と後ろの方で援護射撃をかけながら状況を見守っていた。
 驚くべきことだが、皆ちゃんと戦闘行動はとっているのだ。
「トラウマとか言われても分からないんですよね。隠し持ってたエロチックな本が勉強机の上に並べられてたり、冷蔵庫に入れておいたプリンが食べられてたり、見てたテレビのチャンネルをニュースに変えられるとか、押し入れに閉じ込めてご飯抜きとか、クリスマスプレゼントに聖剣伝説だつってんのにせがれいじり買ってくるとか、夜トイレに行くときに両親の夜の営み目撃しちゃうとか、先生のこと間違ってお母さんと呼んじゃうとか、人ごみの中でお母さんの手握ってたと思ったら他人だったりとか……そういうの全然分かんないんですよ、僕!」
「分かんない割には詳しいなお前……」
「後ろの人の実体験か何かか……」
 同情の眼差しみたいなもんを送ってくる箪笥。
 仁身はじんじんする小指を必死にさすりながらそっぽを向いた。
 実際、痛いモンは痛いという。

●トラウマ? 愛用のウッドチェアに繭ついてて、気付けば家中毛虫だらけになってたことかな。
「ンつぅ……」
「ぐ……」
 麻衣と仁身は蹲って小指を抑えていた。
「知ってるか知らないかに関わらずとりあえず痛いって……」
「しかもしれが微妙に我慢できる範囲って……」
 地味につらい。
 二人は陽光に照るアスファルトを見下ろしながら、そんなことを思った。
「………………」
 その一方で、疾風は白目をむいて仰向けにぶっ倒れている。
 泡とか吹いてたし、痙攣もしてたが、外傷らしい外傷が全くなかった。
 強いて言うなら、うわごとのように『ぎるがめっしゅ……』とか呟いていた程度のことだ。ちなみに意味は不明である。
「み、皆さん……」
 仲間の惨状に冷や汗をながす大和。
 攻撃を避けてんだか当たってんだからもはや分からなくなってきたが、攻撃のパターンはなんとなく分かってきた所である。
「大丈夫。覚悟していれば攻撃の手が鈍ることはありませひゃん!?」
 階段無いと思った時に段差でガクーッてくる感じにびくっとする大和。
「ぅぅ……貴方が、滅びるまで、攻撃を辞めないッ!」
 15歳じゃああんまり言わないような慣用句(?)でライクラ連射する大和さんであった。
 とりあえず庇いやすい位置に移動してみる涼。
「やべえな、ここは俺がなんとかするしか……ぐおっ!?」
 額を抑えてびくっとする涼。
 回想、某年2月14日。
 女の子が可愛くラッピングした箱を突き出してきて、やっべえ俺どうやって返事したらいいんだろと思って頭かいたりしてたら相手が『○○くんに渡してくれませんか』とか言ってくるあのガッカリ感。しかし勘違いしたのは自分だし相手の所為にするのも格好悪いし何より今から『じゃあ、俺と付き合ってみる?』とかクールかつロックなことを言おうとしていた自分への激しい怒りがないまぜになり結局『あ、おお、渡しとくー』とか軽く答えてしまう自分への更なる怒り!
「グアアアアアアアアアアア!?」
「だ、大丈夫ですか神城さん!?」
「そのくらい自分で渡せよな畜生おおおおおじゃなかったもっと来いいくらでも受けてやるぜ畜生!」
 そして箪笥相手に取っ組み合いを始める涼である。
 とかやってる横では。
「んほおおおおおおお尖ってる歯で自分の口内噛んじゃった時の痛みと絶望感なのおおおおおひぎいいいいいいいい!」
 ベルカが口を押えて地面をごろごろ転がっていた。
 人によってはそこから口内炎になって一ヶ月近い苦痛を味わうことになるので、非常にキツいのだ。
 必死に宥めにかかる麻衣。
「私犬だからっ、犬ビスハだから!」
「お、落ち着いて下さい。もっと別方向にイメージを変えて」
「私は犬ですううううううひぎいいいいいいい!」
「そう言う意味じゃなくて! ヒィッ!? ベルカさんやめて、笑顔のまま白目向かないで下さいっ! 麻奈さんっ、こっちを手伝って下さ……あ」
「………………」
 麻奈は『うヴぁあ』って顔で足元を見下ろしていた。
「なんか、見知った肌界闘士が罵ってくれとか言いながら尻向けてくる映像が見えるんやけど……なんやのんこれ……なんやのん……」
「麻奈さん戻ってきて!」
「あとさっき飲んだ麦茶がめんつゆやったんやけど……なんやのん……これ……やんやのんほんま……」
 徐々に蹲り、地面に『の』の字を書き始める麻奈。
 目からハイライトを消す仁身。
「麻奈さんはもう無理です。レイラインさんに至っては…………もう」
「…………はい」
 同時に振り向く二人。
「にゃひゃああ!? 落ちた、今落ちた!?」
 レイラインが路上で首ブリッジしていた。
「口内炎を上から噛んじゃった感覚がぁ! だめなのじゃあ! それいじょうは、な、なにも食べられなくなっちゃうのじゃあ……なんでもだめになっちゃうのじゃあ……」
 ハイライトの消えた目から涙を流しながら舌を伸ばしてびくんびくんするレイライン。
「セーブデータ消えちゃう、なんか消えちゃうのじゃ……あっ、だっ、めっ、前足避けたと思ったら、後ろ足で踏んじゃ、だ、だめなのじゃ、あああああああああっ!?」
 これ何の依頼だっけ。
「らめなのじゃぁ……改札口にまできて……財布も何もなかったら……いやあ、見てるのじゃあ、行列作った後ろの人が見てるのじゃあ……」
 最後には額に還暦って書かれてダブルピースする謎の状態に陥るエロイライン・エロアニックさん(60)であった。
 挿絵申請お待ちしております。

「ンぐおあああああっ!? ローラーぎゅるんぎゅるんしてて脛からイった時の苦しみがっ、旋回中にコンクリにガッってやったときの痛みがっ! ……ハッ!」
 一方その頃、膝を抱えてごろんごろんしていたノアが、ハッとして起き上がった。
「このままでは全滅してしまう。全員の目からハイライトが消えてしまう。計都さん、何かありませんか!」
「ふむ……」
 小指をゆっくりとさすりながら顔を上げる計都。
「なんかこの三人、不法投棄現場で意気投合したって感じするッスね……よりここはサイメモ・ハイリーで読み取って……っと」
 ジャジャッと同時に身構える計都とノア。
 二人は高速で箪笥たちの周りを回ると、連携技を発動させた。
「スーパーNDKターイム!」
「ねえ・いま・どんな気持ち!?」
「今時箪笥とか邪魔だし! 引手の金具錆びてるぅー!」
「ねえいまどんな気持ち!?」
「白アリ湧いちゃって買い替えるしかないかー!」
「ねえいまどんな気持ち!?」
「アナログ放送終わっちゃったけどー?」
「ねえいまどんな気持ち!?」
「霜とらないといけない冷蔵庫とかー!」
「ねえいまどんな気持ち!?」
「「や、やめろおおおおおおっ!!」」
 箪笥たちは互いに身を寄せ合い、頭(?)を爆発させて悶絶した。
 そして、描写こそ無かったもののリベリスタたちがぶち込み続けた攻撃が蓄積したのか、どさどさとぶっ倒れるのだった。
「く……我等のトラウマを逆に刺激するとは……見事なり……」
 倒れたままビクビクとする箪笥さん。
「だが忘れるな。人の心ある限り、トラウマは地味に堪り続けるもの……我を倒しても第二第三の箪笥が貴様の小指に激突するのだ、フ、フハハ、ハーッハッハッハッハ!」
「やかましいっ!」
 ライター着火。
 タンスはめらめらと業火に焼かれ、そして灰と化したのだった。

 こうして、凶悪なエリューション『箪笥の角に小指ぶつけ太郎』は倒された。
 しかしリベリスタ達のトラウマが無くなったわけではない。
 この長い人生の中で時折思い返しては、かつての苦しみに悶絶することだろう。
 だがそんな時こそ気を強く持ち、笑って空を見られる人間になろうではないか。
 そう、彼女の様に……。
「ありがとうなのじゃ……はは……ぴーすぴーすー……」
 ダブルピースで青空を見上げるレイライン。
 彼女の目には、もはや光はなかったという。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした
MVPは一番エ……悲惨だったレイラインさんに差し上げます。
還暦おめでとうございました。