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スーパードリーム大戦 鋼魂ロボットバトル!

●OPENING!
 いきなりこういう話をされると困るかもしれないが。
 『ドリームスフィア』というアーティファクトが存在する。
 どういう経緯で何がどうなってんのか良く分からないが、所有者の枕にスッと入れ替わって夢へ干渉を行うという自律型アーティファクトである。
 夢の中である程度宿主の理想を叶えつつ、一定のラインまで来たらボコボコにして心を折るというやけにイヤな習性をもつ。
 今回、そのドリームスフィアが入った夢が、大体こんな感じだった。

「ロケット――ナァァァァァァァアックルッ!」
 黒鋼の全身鎧、ではない。
 五階建てのビルに相当するレベルの人型歩行戦闘機械。そう、ロボットである!
 彼の腕が肘関節から離脱し、ロケット噴射によって高速で飛ぶ。途中通過した中学校の窓ガラスが一斉に吹っ飛んだ。
「なんの、当たるか……!」
 背部に翼型ブースターを装着したスリムなロボットが高速で飛翔。ロケット噴射で飛んでくるパンチを螺旋飛行でかわすと、掌部接続型ビームライフルを連射した。
 ビームは一発残らず全て黒金のロボットに命中するが、両腕を振り上げた体勢のまま微動だにしない。
「ハンッ、豆鉄砲だぜ!」
 がしょんと何処からともなく戻ってくる腕部。
 そう、夢の宿主は戦闘ロボットどうしのリアルな対戦を楽しんでいたのだ。
 溢れる高揚感。
 迸るアドレナリン。
 ジェットの音とエンジン音。
 鋼のぶつかる熱い音!
 重厚なボディに、鋼の魂!
 宿主のテンションは最高潮に達していた……が、しかし!
『フハハハハハハハハ! 散れィ、雑魚ロボットども!』
 突然、盛大な爆撃が起こった。
 戦っていたロボットたちが次々と爆砕され、面影の無いスクラップへと変貌していく。
「な、なんだ!?」
 宿主、黒鋼堂少年は頭部コックピットより天を仰いだ。
 そして、度肝を抜かれた。
 ドラゴンの如き機械怪獣。
 スリムながら悪魔の如きシャープなシルエットをしたロボット。
 正体不明の巨大エイリアン。
 正にロボットものの悪役と言うべき存在が次々と飛来してくるではないか!
『我等は悪徳同盟! 貴様に灯った鋼の魂……握り潰してくれる!』
 そう、やつらこそがドリームスフィアの送り込んだ夢の先兵!
 黒鋼堂少年の心を折り、精神を破壊せんと襲い来る魔の手なのだった!

●INTRODUCTION!
 アークの優秀なリベリスタたちよ、よくきてくれた!
 今日は君達にいつもとは少しだけ違った戦いをしてほしい!
 そう、君達はアーティファクト『ドリームスフィア』に触れることで夢に介入し、夢の先兵を倒すという任務に当たって欲しいのだ。
 だがフィールドはあくまで相手の夢。法則に沿って戦う必要があるだろう。
 その法則というのが……そう、ロボットバトルだ!

 説明しよう!
 ロボットバトルとは、リベリスタが本来持っているスペック、スキル、装備を最大限にトレースした分身とも言うべきロボットに搭乗し、夢世界で戦うというものである!
 このロボットはいわば君の魂、君の心の相棒だ。故に操縦方法など態々学ぶ必要はない! まるで君の手足の様に、スムーズに動かせることだろう! 無論、そこには君自身の浪漫が必要になるぞ!
 戦う敵は全部で5体。
 それぞれのスペックをおおまかに説明しよう!

 ・機械怪獣ドラゴV2
  重機械とエイリアンが融合した恐ろしいロボットの化物。
  巨大な翼と鋭利な爪。そして灼熱の炎を吐き出す恐ろしいロボットだ!

 ・ジャイアントG
  紫のカラーリングに巨大な腕、足、そしてボディ!
  パワーとタフネスなら誰にも負けないスーパー系だ!
  パニッシャーパンチとパイルバンカー、そして胸からのファイナルキャノンが武器だぞ!

 ・最新型高機動二足戦車『悪徳号』
  人体をフルコピーしたことで実現したスムーズな動作系。そして着脱展開式増加装甲と専用バズーカ砲によって単独作戦にも対応した装備になっている。だがシステマチックかつ正確な動きが最大の武器だ。

 ・高位精霊機リュシフェル
  精霊力変換機構を搭載した悪魔の機体。タイムラグ無しで高位の魔方陣を精製し、強力な魔法装備を次々と使ってくるぞ!

 ・機導戦艦グレートリヴァイアサン
  百足型のフォルムをした巨大な飛行戦艦。耐久力はトップクラス。
  無数の砲台と破壊力抜群の主砲を装備しているぞ!

 少年の夢を救えるのは……そう、君だけだ!


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年10月24日(水)23:50
八重紅友禅でございます
たまには、こんなシナリオもいいですね。
ロボットバトル、しようぜ!

●戦闘について
 自分が巨大化+機械化して戦う、くらいの認識で構いません。
 フォルムは割と事由が効きますが、大体人間に近いフォルムにして下さい。限界がなんちゃらタンクくらいの気持ちで。
 大きさは好きに選べますが、戦闘システムは大体一緒です。距離感とか微妙にアレですが、その辺は夢なので空気を読んで色々します。
 武装は装備している武器やスキルに依存します。威力もまんまなので、あまり無茶は効かないでしょう。

●プレイングはこんな感じに
 どんなロボットなのか
 どんなふうに戦うのか
 版権で怒られないレベルか
 その辺を意識してみて下さい。
 あとは己のロマンをバシバシ解き放ちましょう!
 『元ネタ』なんて言葉は忘れましょう!
 好き放題、遊びましょう!
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
★MVP
スターサジタリー
ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)
クロスイージス
祭 義弘(BNE000763)
ナイトクリーク
五十嵐 真独楽(BNE000967)
スターサジタリー
麗葉・ノア(BNE001116)
ソードミラージュ
鴉魔・終(BNE002283)
スターサジタリー
ブレス・ダブルクロス(BNE003169)
覇界闘士
鳴神・暁穂(BNE003659)
レイザータクト
ユイト・ウィン・オルランド(BNE003784)
クロスイージス
白崎・晃(BNE003937)
   

●参戦作品紹介
 ――高機動革醒リベルギア
 ――『新フランス代表』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)

 コックピット内。金髪の女は青い軍服を脱ぎ捨てた。
 ダンスステージのような場所の丁度中央。そこへライフルのストックを突き立てた。全身を幾何学な線が走り、周囲の景色がリアルに表示される。
 両目を開く女。
 僅かに揺れるボディースーツの胸部。
「ミュゼーヌ。三条寺。リベルギア、出るわよ!」

 ――装甲騎兵イージス
 ――『侠気の盾』祭 義弘(BNE000763)

「少年の浪漫にして大人の夢。それを食らうお前達を……絶対に許さん!」
 運転席左右のレバーを握りしめ、フットパネルを緩やかに押し込む。
 激しいエンジン音と振動。
 人の形をした棺桶。
 足の裏に組み込まれたタイヤが回転を初め、彼は瓦礫の海へと駆け出した。

 ――勇者乙女まこにゃんJ
 『ビタースイート ビースト』五十嵐 真独楽(BNE000967)

「もしも可憐(キュート)も妖艶(セクシー)も手に入れたなら」
 巨大なハート型水晶の中へ導かれるように入り込む少女。
「まこまは」
 高層ビルがぐらぐらと動き出す。
「可憐も」
 池袋ショッピング街が二つに割れ。
「妖艶も」
 ひとつの『人型』が腕組みをして現れる。
「超えて見せる!」
 ピンクシルバーの曲線装甲が艶やかに光り、『それ』は両腕を広げた。
 胸のハートを中心に、全身へと巡る女子力。
「まこにゃんJ、すいっちオン!」

 ――箱舟警察レイバノア
 ――『ギャロップスピナー』麗葉・ノア(BNE001116)

 『〇式二足歩行型特別補給車両』。
 モノクロカラーの装甲板にはそう刻印されていた。
 剥がれ飛ぶことが前提の。
 拉げるのが当然の。
 装甲版にはさらにこう。
 『これは兵器ではない』。
「むおおおっ、この出るトコ間違えた感! しかし誰かが言ってました、最後にものを言うのは知恵と勇気!」
 キーを刺して捻る。ディーゼルエンジンの癖満載の音がした。
 ほぼ剥き出しの運転席の中。
 開かれゆくガレージシャッターを見る。
 その車両は、跪いた人間の形をしていた。
「麗葉ノア、出動します!」

 ――煌めきのタクト
 ――『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)

「その純粋な憧憬、壊させはしない!」
 青年は普段のキャラを捨て、服を脱ぎ捨て、男子高校生の制服と共に黒色物体へと滑り込んだ。
 脊髄よりすとんと入り込んだかに見えた彼は、『黒色』の中に入ったことで完成した。
「超機動闘士ブラックイレブン! 颯爽、登場!」

 ――機動革醒リベリスタ00
 ――『さすらいの遊び人』ブレス・ダブルクロス(BNE003169)

 どこかの基地のカタパルト。
 彼のどこかスリムな人型兵器は、その全長に並ぶほどの巨大ライフルを携えていた。
 コックピット内。液晶パネルを操作していた青年はにやりと笑った。
「これは確かに燃えるな。イッチョ、やってやるぜ!」
 パーソナルコンピューター起動音に似た音と共に画面に表示される文字。
 『GOD BREATH』
 途中までがバックスペース消去され、『GO』の部分で止まった。
「ブレス=ダブルクロス、出るぜ!」

 ――GEAR戦士鳴神
 ――『蒼震雷姫』鳴神・暁穂(BNE003659)

 青い装甲。
 スリムなボディ。
 三階建家屋の影に隠れる程度のそれは、シャープな肩と膝、そして額から伸びた一本の角。
「あたしの拳が轟き輝く」
 乗用車を跨いで一歩。
「この身に宿る雷で」
 花畑を跨いで一歩。
「全てを、打ち砕く!」
 バチリとスパークした拳を握り、それは空を見上げた。
「雷神機、鳴神暁穂!」

 ――ニンジャマンブレード
 『フェイトストラーダ』ユイト・ウィン・オルランド(BNE003784)

「来いハンゾオオオオオオ!」
 煌びやかな苦無を天に翳した途端、どこからともなく武者鎧が降ってきた。
 しかしそれは鎧と呼ぶには巨大であった。
「とう!」
 跳躍と共に額へ吸い込まれる少年。
 彼が入った途端、何処からともなく現れた兜や劍、槍や槌が集まり装着。
 胸には『将』『軍』の文字が輝いた。
「忍者将軍、ハンゾウ号! こんなこともあろうかと、用意しておいたでござるよ!」

 ――機動戦艦シラサキ
 『立ち塞がる学徒』白崎・晃(BNE003937)

『出撃準備完了。いつでもどうぞ』
『お土産買って来てねー』
「買えるか! っていうか誰だお前!」
 中華服の、糸目の少年。
 彼は耳のスピーカーに手を当てて両脇に現れた空間表示ウィンドウにがなった。
 レバーを握り込む。
「なに、俺はこういうのを待ってたんだ。ゲーマーとして無数のロボットを空想してきた力を、今見せる時! いくぞ!」
 グリーンにイエローラインの人型戦闘機。
 踵部分のストッパーが外れ、ラインに沿ってそれは宙へと躍り出た。
「晃、出撃!」

●限界バトル ~Z~
 爆縮。
 爆散。
 黒鋼の鎧を纏った巨大人型ロボットは吹き飛び瓦礫に埋まった。
『フハハ、フハハハハハハ! 他愛もないな。これが貴様の夢か、鋼の魂か! せめてもの餞だ、悪徳連合の総力によって潰れるがいい!』
 腰から高硬度カトラスを抜いた悪徳号が瓦礫を飛び越えて跳躍。その刃が陽光に光ったまさにその時。
「――ッ!」
 明後日の方向より徹甲弾が飛来、超音速でブレードを破壊すると、駅前モアイ像の鼻先だけを砕いて地面に突き刺さった。
『な……誰だ、この一帯のロボットは片付けた筈!』
「ところがどっこい、また九機もいるんだよ……な、皆」
 ウィンドウに向けて笑って見せるブレス。
 ビルの影から飛び出したミュゼーヌ機がライフルを連射しながら突っ込み、悪徳号へと組み付いた。
「悪徳同盟、貴方達の野望はここまでよ!」
『小癪な――!』
 悪徳号は相手を蹴飛ばし、腰部分についたバズーカ砲を発射。
「マルチロックオン、ガトリングファイア!」
 対してミュゼーヌ機は脚部にエネルギーを集中。高速機動で爆弾を回避すると、爆風を背に胸部の四連機関砲を乱射。更に肩部機関砲を解放しつつ反転。更にライフルを死角へ向けて乱射しながら弾幕をまき散らした。
 その足元をけたたましいモーター音をあげて駆け抜ける小型のマシン、義弘機。
 武装はハンマーとラウンドシールドのみ。
 しかし彼はドミノ状に倒れたビルを潜ると、ジャイアントGへと突撃した。
「光あれ!」
 重量差体格差共に圧倒的な相手の足首へハンマーを叩きつけると、弾頭爆薬が炸裂。
『ぐう、ちょこまかと……!』
 バランスを崩してビルに手をかけるジャイアントG。それだけで崩れた瓦礫が大量に降り注ぎ、義弘は芸術的なドライビングでそれらを交わして見せた。
「こっちは引き受ける。『そっち』は任せたぞ」
「おっけい!」
 一歩一歩で民家を潰せる程の巨大人型兵器、真独楽機が到来。その左右をドラゴV2とリュシフェルが挟み込んだ。
『グギャアアアアア!』
 激しい炎と魔法弾が大量に叩き込まれる。
 各部の装甲で爆発を起こす真独楽機。
「わ、わ、やったね! カースサイクロン!」
 尻尾部分がしなってリュシフェルへと繰り出される。
 巨大な魔方陣で受け流すリュシフェル。
『大きいだけの的だな! くらえ!』
 魔方陣から火の鳥が飛び出し、真独楽機へとぶち込まれる。
「んにゃああああああっ!?」
 腕をばたばたと振りながらビルと共に転倒する真独楽機。
 その後ろをきゅらきゅらと駆け回りながらノア機が固定弓を構えた。
「爆撃はやめよう! やめよう!」
 右へ左へハンドルをきって瓦礫や爆撃をかわすと、黒鋼のロボットへと接近。
「少年、大丈夫か少年!」
『う、ううん……』
 うめき声だけが無線越しに聞こえていた。
「もう君はひとりではないのだ、今回復するからな!」
 特殊タンクを投げて緊急修理を図るノア機。
 倒れた真独楽機にも同じようにタンクを投げると、そのままビルの間へと逃げ込んだ。
「ふはははは空から見下している間はこの凡骨を捉えることはできま――あ」
 正面十字路からスライドインしてくる悪徳号。ちゃっかりとバズーカを構えていた。
「しまったああああああああ!」
 腕を片腕をばたばたと振り回すノア機。その胸部に巨大な弾頭が衝突。激しい爆発を起こしてノア機を吹っ飛ばした。
「ノア殿、大丈夫でござるか!」
 ショッピングモールに頭から突っ込み、脚部の漏電音だけを返すノア機。
「い、今助けに――うおおお!?」
 駆けだそうとしたユイト。その側面からはドラゴV2の激しい炎が襲い掛かった。
 咄嗟に背後の武装を一斉射出するユイト機。迎撃するのか? 否。
「緊急防御でござる!」
 組み合わさった武具が超磁場を発動、熱量が若干ながら弾かれる。
「ユイト!」
「そう長くは保たないでござる、早くそっちを!」
「任せろ、オレの出番だな!」
 色とりどりの魔法弾を謎のジグザグ軌道で回避する終機。両手首から展開したビームソードを鳥のように広げると、リュシフェルの胸部装甲目がけて一閃した。
「ソニックブレード! からの――」
 更にすれ違いざまにもう一閃。
「アイスディブレイク!」
『こ、これは……!』
 たちまち氷に包まれるリュシフェル。
「隙あり、コンビネーションアタックだ!」
「唸れ、無限の雷!」
 機体内の動力炉から雷のパワーを引き出す暁穂機。
 対して高い熱量を引き出す晃機。
 二人は両サイドからリュシフェルへ飛び掛ると、同時に拳を繰り出した。
「神の鉄槌、蒼雷拳!」
「いっけぇ、光破重厚拳!」
 二人はすれ違い、パンチはリュシフェルの両肩を吹き飛ばす。拳を振り抜いた姿勢のまま停止する晃機と暁穂機。二人の背後でリュシフェルは爆発四散した。

『グギャアアアア!』
 ドラゴV2は火の海に沈めとばかりに大量の炎を周囲へとまき散らす。
 それをギリギリ耐えていたユイト機だが、装甲はじょじょに溶け始めいくつかの部位が小爆発を起こし始めていた。
「こ、これ以上は……」
「大丈夫、真独楽がついてるよ!」
 盛大な足音と共に駆け込んでくる真独楽機。
「スパイククロー!」
 腕部分に折りたたまれたクローが展開し、ドラゴV2へと繰り出される。
 激しい衝撃に炎の勢いが止まる。
「今だよ!」
「かたじけない! 電磁苦無!」
 大きく飛び退きながら苦無を投擲するユイト機。ドラゴV2の首に突き刺さった。刺さっただけ……ではない。
 途端に激しいパルスを発生。ドラゴV2は各部の機能を停止させてその場に倒れた。
『グ、グガガ……!』
「まこにゃんJが負けるワケないでしょ。仲間がいて、守りたい世界が、明日がある。今が命を……乙女力を燃やす時!」
 胸部のハートからピンク色のビームが発射される。それはドラゴV2を貫通すると、背後のビル五棟を大きなハート型にくりぬいた。
 地響きをたてて沈むドラゴV2。
『何っ、あの機械怪獣がやられただと!?』
「降参する?」
『冗談ではない!』
 ミュゼーヌはライフルと肩部ガトリングを連射しながら乱数軌道で接近。しかし悪徳号は展開式装甲を広げて全ての弾丸を撃ち弾いていた。
『フン、所詮は実弾兵器。厚い装甲の前には無力!』
「そいつはどうかな」
 カァン、という音がした。
 と同時に悪徳号の左足が爆発、身体が盛大に傾く。
『な、何ィ!?』
 振り向いた彼が見たのは、遠いビルの屋上でライフルを構えるブレス機だった。
「ブレス=ラブルクロス」
 一方コックピット内。
 液晶画面に映るターゲットをロック。
 ブレスはトリガーを引いた。
「狙い撃つぜ」
 二発目の徹甲弾が悪徳号の頭部を貫通。
 爆発を起こして跪く。
 そんな悪徳号を踏みつけにし、ミュゼーヌ機はライフルを掲げた。
「次は――!?」
『この俺様だ!』
 頭上から降り注ぐ瓦礫。
 それを軽くかわしたが、足元が大きな影に覆われていたことにミュゼーヌは気づいた。
 気づいたが、もう遅い。
『圧し折れろ!』
 降り注いだのは瓦礫ではなかった。
 そう、ジャイアントGそのものが跳躍からの踏みつけを仕掛けて来たのだ。
 周囲の瓦礫が吹き飛ぶ。耐える暇も無く胸部を展開。ジャイアントGは凄まじい破壊光線を発射した。狙いはブレス機。
「おいおいマジかよオーバーキルだろ!」
 ビルから飛び降りて逃げようとするが、そんな動作すら覆ってしまう程の光線が彼を包み込んだ。
「ブレス、ミュゼーヌッ!」
 振り向く義弘機。踏み下ろされたジャイアントGの足から必死で逃げている最中である。
 だからこそ、その一瞬の隙が命取りとなった。
 まるでサッカーボールを蹴るように足を振るジャイアントG。義弘の機体は激しく回転しながらビルを突き破り、腕や片足を拉げさせて落下した。
『一発当たってしまえば脆い物だな。トドメを刺してやろう』
「「させるかあああっ!」」
 晃機と暁穂機が横合いからドロップキック。
 傾きかけたジャイアントGから一旦飛び退きつつ、晃機は肩と胸から光線を連続発射。
「エネルギーにはこういう使い方もある!」
「そのまま押しといて!」
 暁穂機は天高く飛び上がって身構えると、全身に雷エネルギーをいきわたらせた。
「くらえ、雷閃舞!」
 独楽のように高速回転する暁穂の回し蹴りがジャイアントGへ連続ヒット。
 そこへ終機が飛び掛り、両腕のブレードを背中に突き刺す。
「機体性能、操作技術、確かにそれは必要だ。だが……最後に勝敗を分けるのは正義の心、誰かを守ろうとする心だ! そうだろ義弘!」
「ぐ……う……」
 拉げた脚を無理やり立たせる義弘機。しかし漏電激しく、膝関節でおきた小爆発によって今度こそ転倒した。
「エネルギーが足りない、もう少しだけ……!」

 一方。
 ショッピングセンターの中でノアは上下逆さになっていた。
 頭から家屋に突っ込んだ機体の運転席で、シートベルトだけで引っかかっている様子である。
「なあ零式よう、まさかコレで終わりたあ言わねえですよな」
 ナビゲーションディスプレイはブラックアウト。無線通信機だけが生きて、義弘たちの声を拾えていた。
「冷や水所じゃねえですか、爺様(旧式)よ。表じゃ子供(新型)たちが戦ってんだ……だ、か、らっ」
 足を振り上げる。
 そして、エンジンらしき部分を思い切り蹴っ飛ばした。
「動けよ!」
 どるん、と音を立てるディーゼルエンジン。
 ノアはレバーをひっつかんで叫んだ。
「それでこそだ零式!」

 瓦礫を蹴っ飛ばして上半身を起こすノア機。
 投射弓の照準を勘でセット。
「義弘、受け取れェ!」
「……!?」
 発射されたタンクを後ろ手に掴む義弘機。
 自力でタンクを交換すると、腕を大きく振った。
「俺は狭気の盾、ゆえに斃れん!」
 義弘の投擲したハンマーが命中。激しい爆発と共にジャイアントGが倒れ、目の光を失った。

『おのれ……まさかこれ程とは……!』
 グレートリヴァイアサンは上空からの爆撃をやめ、船体先端から主砲を露出させた。
『これでトドメとしてやる、主砲……射(て)えええええええ!』
 地面を根こそぎひっくり返すかのように叩き込まれる高エネルギービーム。
 しかしそれは、ある地点を境に二本に分離、後方のビルを大量に破壊・融解した。
 その一点とは?
「魔力っていうのは、こうやって使わなきゃね……」
 ほぼ全身が溶けかかったミュゼーヌ機であった。
 コックピットの中までダメージが伝わっているのか、ぴったりとしたボディースーツが所々破れている。各所から火花が散り、両腕は衝撃によって吹き飛んでいた。もはや目の届くところにはない。頭部も半壊し、首の接続部が露出している。
「ねえ皆、本当に『これで終わり』だと思う? 私は思うわ。あの戦艦……踏み潰してやりたい」
「同感であります!」
「やるか」
「準備はOKだぜ」
「一斉攻撃、だな!」
 地を蹴って飛ぶミュゼーヌ機。
 それを追いこすように終機、暁穂機、晃機が飛翔。リヴァイアサンの上部へで身構えた。
『な、何!?』
「少年よ、心に焼き付けろ。これが正義の輝きだ!」
 両腕の剣を一本に纏め、巨大なビームソードを大上段から振り下ろす終機。
 その傷口目がけて雷エネルギーを暴走させた暁穂が突撃。
 拳で無理矢理貫き、凄まじい爆発を起こした。脱出ポットで飛び出していく暁穂。
「あとよろしく!」
「応ッ!」
 晃機が両腕を翳して飛び掛るが機銃が殺到。装甲を引っぺがしにかかるが。
「重装甲パージ、駆け抜けろ相棒!」
 重い服を脱ぎ捨て、スピードを増した晃機が十字の光を発射した。
「無限機関超過出力、必殺煌光双刃斬!」
 終機の刻んだ縦筋と交差させるように横一線。
「続けていくよ、女子欲ビーム!」
 真独楽が胸からハート型ビームを発射。両手に持ったユイト機と義弘機を全力投擲した。
「悪夢ごと、撃ち砕け!」
「支援機舐めんなでござる!」
 炸裂弾頭を仕込んだ拳を叩きつける二機。
 彼らが落下するタイミングを狙って、ノア機が投擲弓を構えた。
「とっておきの特別弾頭をくらえええええ!」
 着弾、爆砕!
 そしてラストは。
「ちゃんとくっついてろよ!」
 ミュゼーヌ機を抱えたブレス機がリヴァイアサンの上へ着地。ライフルを突き立てて徹甲弾を連続発砲。
 ワンテンポ遅れたミュゼーヌが、脚部に集中した魔力を思い切り振り下ろした。
「踏まれて果てなさい――魔落、猛襲脚ッ!」

 ある日、少年は夢に見た。
 爆発と共に墜落する巨大戦艦。
 それを見上げる九機のロボット。
 それは……希望、そのものであった。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
※このリプレイはフィクションです。実在の人物団体ロボットアニメゲームマンガとは一切関係ありません。

お疲れ様でした。
正直あと五千文字は書きたいっすね!

MVPはミュゼーヌさんに差し上げます。
以前からのアレがあったとはいえ気合の入り方がハンパ無かったので。
あと胸揺れてたので。