●プロカカシだけど何か質問ある? 夜間、ほっかむりした男が畑を歩いている。 オッサンは畑泥棒であった。 とか言ったらいきなりすぎるだろうか。それに今日び畑泥棒なんて何のリスクがあってやってんだよって話でもある。 なのでちゃんと言い換えよう。 オッサンの趣味は畑泥棒であった。 「ククク、このスリルたまらねえぜ。農家のおじさんにもちゃんと予告状を出しておいた。ヤマは高ければ高い程いいしな、ククク」 土のついた手で口元の涎を拭う。 今日の得物はナスだ。秋になればしっかり熟して美味しくなる秋ナスを収穫時期のちょっと手前でもぎ取るという鬼のような所業を彼はいたく好んでいた。 「おおっと、青い宝石がごろごろしてやがるぜ。どれからもぎ取ってやろうか……ん?」 がさりと背後で何かが動いた気がした。 ハッとして振り返る。 懐中電灯の光がちょっとホラー映画っぽく動き背後を照らすが、そこには何もない。 「気のせいか……」 ゆっくりと前に向き直――ると見せかけてもっかい振り返る! やっぱり何もない。 おっさんは首を傾げて前に向き直った……と、その時! 巨大なカカシが目の前に突如出現! 『畑を荒らすのはァァァァァァァ!!』 『DA!』 『RE!』 『DA!』 ずぼぼぼぼっと周囲から飛び出してくるカカシの群。 そう、よく漫画とかで見る棒を十字に合わせて顔と麦わら帽子と手袋で人っぽく作ったアレである! それがオッサンを素早く取り囲むと、独特な高速ぴょんぴょん移動でマイムマイムし始めた。つまりすげー勢いで周回しているのだ。 『TEN-CYU(天誅)!』 オッサンの前後左右からおもいっきし突き刺さるカカシボトム! すごいふざけてるけど実際喰らったら死ぬほど痛い攻撃である! 「かかしが襲ってくるなど……ばか、な……ガクッ」 ふつーの人間であるオッサンは分かりやすいセリフを吐きつつがくっとおっちんだのだった。 ●Q「立ちっぱの仕事暇じゃない?」 A「脳内で電波ソングリピートしてる」 アークはブリーフィングルーム。 ドアを開けたあなたを待っていたのは、片足立ちで両腕を広げたアイワ・ナビ子(nBNE000228)であった。 いや、別に殺人拳を繰り出そうってわけじゃなく。合衆国ニッポンポンしようってわけでもなく。 じゃあ何してんのかっていうと。 「今、カカシの気持ちを理解しようとしている」 暇しているのだった。 ナビ子の説明によると、なんでもとある畑にカカシのエリューションゴーレムが現れたらしい。 やたらフザけてるくせに意外と戦闘力はちゃんとしていて、カカシマーシャルアーツと(誰が呼んだか)呼ばれる必殺格闘術を駆使して侵入者へ容赦なく襲い掛かってくると言う。 このまんまだと畑泥棒やら畑の持ち主やらがカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックの被害に合うのだ、とかいう小学生が考えたような事件である。 カカシの数は全12体。 こいつらを全部撃破すれば依頼完了、completeである。 「カカシって足疲れるんだなあ……今度サロンパス貼ってあげよう」 こんな(動きだけは)凶悪なエリューションを倒せるのはきっと君しかいない! 頼んだぞ、リベリスタたちよ! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 9人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年10月19日(金)22:37 |
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■メイン参加者 9人■ | |||||
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●カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタック 「カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックじゃねーか、再現度高けーなオイ」 顎を上げる『愛の宅急便』安西 郷(BNE002360)。 「カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックじゃねーか、再現度高けーなオイ」 顎を上げる『リング・ア・ベル』ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)。 「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか、再現度高けーなオイ」 顎を上げる『境界の戦女医』氷河・凛子(BNE003330)。 振り返る郷とベルカ。 凛子は咳払いして。 「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか、再現度高けーなオイ」 親指を立て合う三人。 「一体何をやってるんだ彼らは……」 そんな彼らの横で、『正義の味方を目指す者』祭雅・疾風(BNE001656)は余人の目をしていた。 「それにしても畑泥棒。無茶しやがって……これ以上の被害が出る前に、カカシを倒しておきたい所だな」 「ああ、その通りだ。農業は多少ギられるくらいの覚悟でやってるもんだ。この程度で殺しちゃいけないぜ」 「確かに、神秘の理不尽で死なれると私達の本義に反するからな。ということでお前は帰りなさい」 「あ、はいそれじゃあ失礼しますんで」 ほっかむりをしたオッサンがへこへこしながら帰って行った。 うむうむと頷くベルカ。 「誰ですか今の人……」 凛子は眼鏡をくいっと上げながら、『今日のノリはずっとこんな感じなんだろうなあ』という想像をしていた。 「秋ナスは嫁に食わすな……それほど美味しいから勿体ないんだそうです。だからアーリィさんも一緒に食べましょう」 『鏡操り人形』リンシード・フラックス(BNE002684)は漬物もみもみ(非商品名)で作った茄子漬けに爪楊枝をさし、『ゲーマー人生』アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)へと突き出した。 「へえ、美味しいのは知ってるよ。折角だから頂くね」 「ちなみに……」 リンシードがカメラ目線でキラーンとやった。 「この茄子は一個まるごとアーリィさんに食べさせています。さあ、ピンを発注しましょう。ひざまずいて上を向き茄子を必死に加えるアーリィさんのピンを」 「リンちゃん何言ってるの!? これちゃんと食べやすく切られてるよ!? あとどこに話しかけてるの!?」 「何処でしょうね……さて、食べましたね。これで私達は運命共同体。では行きましょうかアーリィさん」 笑顔が怖いリベリスタランキング1位(アルタ前調べ)のリンシースマイルを浮かべつつ、すすすっとスライドアウトしていくリンシード。 「え、それどういうこと!? 共同体ってどういう意味なの!? まってリンちゃーん!」 それを追いかけていくアーリィ。 さて、彼女達が画面(?)から消えた所で。 「カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックじゃねーか、再現度高けーなオイ……って、出遅れたわね、完全に」 『重金属姫』雲野 杏(BNE000582)が胡坐をかいて(地面から5センチ浮いて)皿の上のナスを摘まんでいた。 それを横から摘まみとる『不誉れの弓』那須野・与市(BNE002759)。 「ちなみに秋茄子云々は、体温を冷やすから女性に食べさせるといけないという意味も含まれているとかいないとか」 「あぁ、だからビールが美味しいのね……」 カシュ。 「所で杏様、背中合わせになってくれぬかのぅ」 「いいけど飛ぶわよ?」 「でも翼の加護とか用意しとらんし」 「大丈夫大丈夫、ロープ持ってきたから。ベルカちゃんちょっとちょっと」 「承知した同志雲野。これでいいか」 ギャグボールを掲げるベルカ。 全力で首を降る与市。 「ではこれか」 しぶしぶ出してきたロープを受け取って、杏はびしぃーんと女王様てきなポーズを取った。 「杏様、わしちょっと嫌な予感がして来たんじゃが」 「大丈夫、戦闘に支障が無いように亀甲縛りとかにするから」 「何をさせる気じゃ!?」 うわーやめてーと言いながらUFOキャッチャーよろしく杏に吊上げられていく与市。 その様子を黙って見送りつつ、『朧蛇』アンリエッタ・アン・アナン(BNE001934)は少し綺麗な目をした。 「カカシとは畑を守り、すなわち人々の生活を守るもの。その案山子が守るべき人々を襲うとは何事でありましょうか。確かに畑を荒らすなど許されることではありませんが、だからといって人々を脅かせるとは本末転倒。本当のカカシの姿を見せて差し上げます」 キラーンと輝く片目。 そしてアンリエッタはカメラ(ないけど)の方を向き、ちょっとキメ顔でこう言った。 「こう言っておけば、締まりますよね?」 締まりませんよ。 ●カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックと書き続けるとゲシュタルト崩壊する。 畑に到着。疾風は屈伸運動をしてから、じゃきっとナイフを構えた。 同じく銃を構えるベルカ。 「情報によれば彼等は地中に潜み、突如現れてこちらを取り囲む可能性が」 「カカシのカカシたるゆえんだな。ただ問題は姿も隠している」 『畑を荒らすのはァァァァ――あっ』 『あっ』 皆が入る前からずぼぼっと円形の陣を組んで登場するカカシーズ。 気まずげに振り返ったカカシとベルカの目が合った。 『もう一回やり直しても?』 「いや、流石に駄目だ」 ならば仕方ないとばかりに此方へ向き直るカカシーズの皆さん。 凛子はここぞとばかりに手袋の裾をきゅっと引っ張り、メガネを光らせてこう言い放った。 「貴様等は何者だ、名を名乗れ!」 『後藤タカシです!』 『藤原マコトです!』 『伝道ヨシミです!』 『山田プリンスです!』 「普通に名乗るなあああああああ!」 ベルカのドロップキックが炸裂。 カカシーズはうわーやられたーと言いながらドミノ倒しになって転倒した。 がくりと膝をつくベルカ。何か大切なものを失ったかのように唇を噛みしめ、畑の土を殴り続けた。 「カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタック とは何だったのだ。カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックとは一体、カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックという名をかたりたいためだけのカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックだったというのか! カカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックを求めた私達のカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックはカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックではなくただのカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックをカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタックしたカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシアタック――」 「ええいやかましい!」 そこへ郷がダンプカーとともに乱入。 というかベルカを跳ねた。 「畑を荒らすってことはこういうことだ! 今俺が、お前の目の前で、全身全霊で畑を荒らしてやるんだよォォォォォォォォオア!」 郷はアクセルを踏み込むと、ちょっと常識じゃありえないようなスピンドリフトを決めまくった。 というか畑にダンプ入れるって時点でもうはみ出しちゃうくらいオーバーキルなのにこれ以上何をするというのか。 『うおおおおやめろおおおおおお! 畑を荒らすなとは言ったが消滅したらどうするつもりだあああああ!』 カカシがそこの車停まりなさーいと言って警棒を振るが、トラック野郎安西郷は警告完全無視で暴れ回った。 関係ないけどトラック野郎のトラック捌きは常識を逸しているので非常に参考になる。本当に関係ないけど。 『こ、こうなったら仲間を人質に取るんだ! ブーツをゴム長靴と間違えてズボンの裾入れちゃった所などと写真に撮り脅すのだ!』 『合点承知の助!』 カカシがキシャーとかいいながら凛子へ襲い掛かる。 が、そこへ立ち塞がる影があった!。 「お待ちなさい!」 『き、貴様は!』 そう、そこに割り込んだはカカシのポーズをとったアンリエッタ。 蟷螂拳をこうぐわーって横に開いて片膝を上げたような、そんな感じのポーズで身構えていた。 宿命の敵に再開したかのようなBGMがかかり、なんか荒野を転がってそうなわしゃわしゃしたやつが間を通る。 ハゲタカが頭上をぐるぐると飛び、その足が大地に降りたその時――。 『どちら様ですか!』 「アンリエッタと申します!」 『よろしくおねがいします!』 案山子たちは左右から棒状の腕をせいっせいっと突きこむが、アンリエッタはそれを手の平で円を描くように受け流し、次々と攻撃を無力化していく。そう、逆グルグルパンチのごとく。 『くっ、その動きはまさか!』 「これはこの間観た太極拳映画からヒントを得たもので、太極拳とはゆったりとした動作で行う老人向け健康法と思われがちですがその歴史は古く攻撃と防御を一体化させた型が隠されており身体の大小に関わらず優れた護身術となるのです!」 最後にカカシたちをてやっと掌底ではり倒し、本日二回目のキメ顔をカメラに向けた。 「名付けてカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシディフェンス……見習いなさい!」 『でもそれ案山子関係ないよね』 「……はい」 アンリエッタは、キメ顔のまま頷いた。 その一方。 「さあアーリィさん、合体です!」 「えっ何当然の様にちょっと待って待ってうわわわわっ」 リンシードはアーリィの膝の上に立ち自らの膝を両手で抑えて貰いつつ背筋と腕を伸ばしてピンと立って見せた。 あと関係ないですけど『トップスを使用します』と書くとアンダーウェアを脱ぎ捨ててなんかするみたいに見えますね関係ないですけど。 「これでカカシの気持ちが分かる筈!」 『なんのその程度ォ!』 棒状の腕を右へ左へ突きこんでくるカカシーズ(作画使い回し)。 リンシードはそれをにゅるにゅるっと左右に腰を振りながら回避。 「カカシの心を知った私達にその攻撃は通用しませんよ」 『でもそれサボテンですよね』 「ハッ……!」 「リンちゃん先に気付こうよ」 驚愕の表情をするリンシード(割とレア)。 カカシたちは黙ってアーリィの膝のあたりを地味に蹴り続けた。 「あっ、やめてっ、いたたたたっ」 「連結部分を襲うとは卑怯な、あっ、アーリィさんちゃんと抑えてもわらないとっ、と、とっ」 かくして、リンシードは顔から、逆にアーリィはお尻から畑に突っ込んだのだった。 「……オチが見えたわ」 虚空を見つめ、杏はそんなことを呟いた。 「どこに向かって言っておるのじゃ。あとあんまり動かれると……うくっ、ロープが食い込んで……っ」 片目をつぶって身をよじる与市。 二人は互いをくくりつけ合ったうえで空に浮いていた。 「そうよね、今那須野与一は拮抗縛りだものね。さあピンを発注しましょう。顔を赤らめて亀甲縛りの食い込みに身をよじる那須野与一のピンを」 「何言っとるのじゃ!? これ普通に腰と肩を交差縛りしとるだけじゃろ!?」 「全てのステマが悪いわけじゃないの。悪意あるステルスによって全体の印象が悪化しているだけ」 「だから何の話を!?」 「さながら空中攻撃要塞ね。防御力は無いけど」 「なぜ突然プレ通りのセリフを!?」 「それは……」 杏はフッと微笑んで、再びカメラ(ないけど)を見やった。 「この戦法に、明らか無理があるからよ(そしてプレが見事に空振したからよ)」 「そんなことじゃろうと思ったわ!」 与市はうわーんと言いながらきりもみ落下し、畑へと二人纏めて突っ込んだのだった。 ●カカシサイクロンジェットアームストロングサイクロンジェットカカシアタック ←間違いさがし 「畑は消毒だー! ヒャッハー茄子を浴びろー! 命乞いをしろー!」 ベルカがフラッシュバンでフルコンボだバンしている間……。 「さあ見なさい私のカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシディフェンスを、この説明だけでプレを五割以上消費して他にやることの無くなった私のカカシサイクロンジェットアームストロングトルネードカカシディフェンスを!」 「アンリエッタさん無理しないで、回復ならちゃんとするから」 「ぐ、そう言われてみると急に体の力がっ」 なんだかんだ言ってフルボッコにされていたらしきアンリエッタ。くてっと倒れて凛子に支えられた。 というか、膝の上に頭を置かれた状態である。 白衣女性による膝枕である。 白衣女性による膝枕である。 白衣女性による膝枕である! 「何気ない動作がいやにフューチャーされている気配がします……」 と言って、凛子は天使の息をふーふーした。 そう言うスキルではないけれど、ふーふーされた所を想像すると楽しめるのではかろうかそう言うスキルではないけれど。 「ちなみにダメージ部位は……ここですね?」 凛子はアンリエッタの額辺りをさすってこう言った。 「痛いの痛いのとんでいけ」 白衣女性によるいたいのとんでけである。 白衣女性によるいたいのとんでけである。 白衣女性によるペインズペインズゲタウヒア! 「たった二行のプレイングがいやにフューチャーされている気配が」 その一方で。 「貴様の必殺マイムマイムをまともに食らうわけにはいかん! カウンターのフラッシュバンをくらえー!」 ベルカはひとり、カカシ相手に奮闘していた。 「さて、那須野与一」 「さっきからフルネームで呼ばれ続けてるのが微妙に気になるが何用じゃ杏様」 「飛んでいいかしら」 「さっき落ちたばかりじゃからやめい」 などと言いつつ、杏と与市はチェインライトニングとインドラの矢を畑の中心で乱射していた。 神秘戦に代表される『とりあえずこれやっとけば勝てるんじゃね?』の二大スキルを連発されては流石のカカシたちとてやってられない。何がやってらんないかって、全てのシーンでこのダメージ影響を描写しなきゃならないのがだ。もし描写されてなかったら描写と描写の間にビリビリメラメラしてウギャーしているのだと思って頂きたい描写してないけど。 「しかし本気で撃ってるだけとは……つらいのう」 「空振りの結果はいつもつらいものよ……」 『貴様等かァ! さっきから描写と描写の間にビリビリメラメラしてくるのはァ!』 『ショックのあまり前後の会話が繋がらなかったりするだろうがぁ! どうしてくれるぅ!』 さり気にタフなカカシたちがずらりと並んで杏たちへと襲い掛からんと欲す。 然らば応戦せしめんと身構えた杏殿の心中いかばかりや。 『かかれぇい!』 カカシが一斉にダイビングアタックを仕掛けようとした正にその時。 「ハイスピードダンプカートルネードアームストロングサイクロンダンプカーアタッキャァァァァァアアア!!」 『ギャアアアアアア!?』 横から突っ込んできたダンプがカカシを撥ねた。というか轢いた。 これがハイスピードアタックだっていうんだから世の中どうかしている。何がどうかしてるかって、これで単体攻撃な所だ。 「ダンプに乗っても攻撃はできる……そう、信じれば夢は叶うんだよ!」 ダンプで相手轢いた直後に言われると非常にアレなセリフである。 「あと、荒したこの畑は責任を持って俺が買い取ろう。そして耕し直してニラを植える!」 「あっ、そうですかそうですかそれは丁度良かった。しめて二百五十万になります」 「えっ」 ダンプの助手席側から領収書を出してくるオッサンに、郷はハイライトの消えた目で振り返った。 いっぽーそのころ。 「言い忘れていたが――ハロウィン前にカカシ退治だ。行くぞ、変身!」 疾風はカカシへと飛び掛り、ナイフで素早く斬撃。 しかる後虚空を放って後衛カカシを切り裂くと、左右から飛び掛って来たカカシに対応してナイフの柄部分を操作。激しい電流を発生させつつ大回転切りを繰り出した。 『サスケェー! じゃなかったカカシィー!』 倒れていく仲間に悲しみの叫びをあげるカカシ。 「見た目はアレだが動きは凶悪だ、油断するな!」 「分かりました。ではアーリィさんちょっと失礼」 「え、リンちゃん何ってうわぁ!?」 アーリィの後頭部がぎゅむっと踏まれ、対してリンシードは天高く跳躍。 今更のように剣を振り上げると、カカシを頭上から一刀のもとに斬り伏せた。 「どうですこの見事な連携、組体操から編み出した技です」 「え、えう……」 頭をさすりながら顔をあげるアーリィ。 そこにはなんと……。 なんということでしょう。 おいしそうな茄子が実を付けていた畑は、匠の技により跡形も無く土砂に塗れ、粉々になったカカシの残骸が荒野の非情な現実を感じさせます。 これには畑の持ち主もびっくり。膝から崩れ落ちて号泣していますね。 そしてオチらしきオチが無いこの話にも……。 「リンちゃん、カカシの気持ちって何だったの?」 「……お前のようなカカシがいるか!」 このように全くオチることなく、どこまでも投げっぱなしに終るのでした。 めでたし、めでたし。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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