●秋空 空は青く、澄み渡っていた。人気の無い田舎の中の廃屋、その周囲を囲うように山茶花の生垣があり、辺りに甘い香りを漂わせていた。生垣といっても枝は伸び放題であるが、それでも綺麗に花は咲き、人の手が無くとも生命のたくましさが良く伝わってくる。 廃屋は元は丁寧に作られたかやぶき屋根なのだが、住む人が居なくなって久しいのか雑草が生え、一部は腐ってゆがんでしまっている。それは中も同様で、ボロボロに剥がれた障子と、その奥のシミだらけの畳やくすんだ色のたんすがかつてここに住んでいたであろう生活の気配を感じさせる。 このままおそらく、この廃屋は何も無ければ自然と朽ち果ててしまうだろう。しかし、わずかばかりの運命が、それを変えてしまった。 山茶花の枝が伸びていく、まるで手足のように。意思を持って伸びていく、荒れ果てた庭を覆い、腐った土台や材木をいたわるように這い上がり、囲む。畳の上を広がり、家財道具を包む、在りし日を思い出すように。 大きく時間をあけずに、家屋は小さな山のようになった。光は完全に遮断され、廃屋の中は植物で埋め尽くされ、真っ暗になっている。ただ縁側、一番広かった山茶花の進入口だけはまだかろうじて床が見えていた、ちょうど一人分が座れるかという小さなスペースが。 そしてゆっくりと、半透明の山茶花の花弁の色合いをした人型の幽霊のようなものが。その上に鎮座した。 ●山茶花 「これが私の見た『物』よ。座敷童にしてはちょっといたずらが過ぎると思う」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)が肩をすくめて言った。小さな肢体を深くイスに預け、ゆっくりと呼吸をする。そして可憐な唇から、淡々と言葉が語れる。 「敵はエリューション・エレメント。花の精霊って言えばいいのかしら。山茶花に似た色の人型の影、みたいなものが一体。それと山茶花の生垣から作り出された小さい人形のようなものが六体。場所は……山奥にある廃村、その中のひとつの廃屋。緑の小山みたいになっていて、山茶花が咲き乱れているから現地に行けばすぐわかる。幸いまだ被害者が出ていないから、早いうちに退治して欲しい」 時間は明るいうちでも接触は可能だから、好きな時間に行くと良い、と付け加えるイヴ。 「人型の影は10メートル以内の敵全員に枝を伸ばして隙を生み出し弱らせる攻撃をしてくる。攻撃力はさして高くないけど、危険であることには変わりない。それともう一つ、山茶花の香りを単体に飛ばしてくる。これは当たるとマヒ状態になるから十分に気をつけて。あと、周囲に山茶花の枝があると、何かしら利用してくるかもしれない」 言葉を吐き出すとゆっくりと一息つき、軽く自分の腕を撫でるイヴ。 「小さい人形の攻撃方法は単純、近づいて鞭のような腕を振りぬくだけ、ただ……耐久力が少なくなると自爆する。自分の周囲にトゲを撒き散らすから、出血は免れないと思う。威力も高いから倒すなら確実に倒すように心がけて」 リベリスタ達を見つめて、イヴはそっと目を細める。いつものように全員の覚悟を問うように、しかしもとより信頼していると言うように。 「大丈夫、貴方たちなら勝てる。勝って、古い因縁を断ってあげて」 そう言って彼女はリベリスタ達を送り出した。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:春野為哉 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年10月15日(月)23:23 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●秋空に舞う 秋の空は夏よりは低い、しかし鱗雲は高く遠く、まるで魚の群れのようであった。時刻は昼過ぎ、リベリスタ達は山茶花に覆いつくされた家にたどり着いていた。 その風景は本当に小さな山茶花の山といった風で、あたり一帯に、山茶花の香りがただよっていた。もしこれが戦うことなどなければ、どれほど綺麗な光景であったかと誰かが思った。その思いは任務を受けたリベリスタ達の多くができることなら家を壊したくはない、と思うほどに。 リベリスタ達の立てた作戦はこうだ『陰陽狂』宵咲・瑠琵(BNE000129)『赤錆烏』岩境・小烏(BNE002782)『ならず』曳馬野・涼子(BNE003471)『碧海の忍』瀬戸崎・沙霧(BNE004044)の不意打ちに強く、偵察能力の高い四名が先行。内部の状態、相手の出方を確認してから残りの四名『合縁奇縁』結城・竜一(BNE000210)『微睡みの眠り姫』氷雨・那雪(BNE000463)『境界の戦女医』氷河・凛子(BNE003330)『LowGear』フラウ・リード(BNE003909)が少し遅れて続くというものだ。後続組も勘の鋭い者が配置され、相手の領域であるということを最大限に意識、警戒した隙のない配置となっている。 「菊人形のように風情があるのぅ、山茶花の家となると。立ち退きをしてもらうのが少々心苦しいのじゃが」 式符・影人を操り、偵察の中で更に先行させながら瑠琵が軽く肩をすくめながら言う。鮮やかな紫色の髪が揺れ、優れたバランス感覚を持つ彼女は自分の庭のように、潜入した庭を歩く。家屋は正面の入り口から家屋本体までやや距離があり、小さな畑や庭のようなものも見えるがそれらも全て表面が山茶花の枝で埋め尽くされていた。 「自分も少し前まで田舎に居たから、懐かしい光景だ……」 小烏は山茶花だけでなく、土や木の香りまで肺に満たしながら懐かしんでいた。ここまでの道中は人の気配こそもうないものの、かつての生活の気配は良く感じられ、過去を思い起こさせるには十分であった。 「あのエリューションもそういうの、思い出しているのかな」 油断なく周囲を警戒しながら、涼子がぽつりとつぶやく。事前情報でわかる限り、敵の人形は爆ぜてしまう。そして縁側にだけは枝を伸ばさず、そこに座っているエリューション。あまりに人間的なその行動と、使い捨てられるであろう人形たちとの落差に、涼子は軽く自分の髪を指で撫で、目を細めた。 「それは多分、違いないと思うわ。私には廃屋にしか見えなくても、思い出があれば輝いて見える。子どものころの玩具みたいなものだわ」 沙霧も小さな声で同意しながら、ゆっくりと呼吸する。脚を止め、感覚に従い、三人と目を合わせる。敵の気配、聞こえる声のようなもの。必要であれば先手を打つために四人が身構える。 そして目を向ける。 「これは……」 小烏が思わずつぶやく。 「さっさと始めた方がよさそうじゃな、後ろにもそう伝えよう」 瑠琵が影人を後ろの四人に連絡するために向かわせながら、目を細める。 そこには、庭先で遊びまわる六体の人形と、それを表情はなくとも、楽しげに見つめているというのがわかる山茶花色の人の影が鎮座していた。あまりにも幻想的で、平和さえ感じさせるその光景が。早く始めなければ、刃を鈍らせるとその場に居た四人に直感させた。 わずかに強く吹いた風が、山茶花のにおいを濃く感じさせた。 ●小さい秋 「おっぱじめるのが早くないっすか?」 「悪い、少しドジ踏んだ。だが辺りは確認できたから問題はない。茶は出してくれなかったがね」 フラウたちが影人に誘導され、凛子の援護による低空飛行状態で現場に到着したときにはすでに敵も味方もにらみ合う状態ではあったが、まだ戦端は開かれていない。小烏は肩をすくめて軽口を叩いてみせる。 (……ドジ、か。偵察ミスったりするような人たちじゃないと思うっすけど。そう言うなら言う事情があるんっすね) 目を細めたフラウは前衛に布陣、敵を見据えながら独りごつ。 「ドジでも奇襲でガタガタになったとかじゃないんだ。気にしないでいくぞ!」 日本刀とブロードソードを構えた竜一が声を張り上げ、全員の意識を戦闘に向ける。彼は道中何かと風景に郷愁を感じ、見つけ、都会育ちでもこうなるのかと感心していたが。そのときの様子とは一変して鋭く、集中力を高めている。 「……なるほど」 戦闘状態になり、眠そうにしていた那雪がエリューションたちの深淵を覗き込み、直感的に理解する。それを自分の中で咀嚼し、飲み込む。可愛そう、なはずはないと自分に言い聞かせ。水晶の刃を持つダガーを構える。 「確実に敵の頭数を減らします。治療は任せてください」 飛行中の凛子がマナを制御しながら後衛に布陣する。これから先、たとえひっそりと暮らすのがこのエリューションの目的であったとしても悲しみを生み出す、そうなる前に確実に終わりを迎えさせる、彼女ははっきりそう意識していた。 リベリスタ達は瑠琵とその影人、竜一、小烏、涼子、フラウ、沙霧の六人が前に出て敵の人形にそれぞれ対応、那雪と凛子が後衛に布陣し、更に各々飛行をはじめとする足場、枝の対策も万全に行っている。 人形たちは警戒するように鞭のような腕を伸ばし、リベリスタ達を威嚇する。それを見てもなお、縁側に不気味に座っていた影はようやく立ち上がり、その山茶花色の腕を十字架のように広げる。そして開戦の合図というように自分の周囲に、濁流のように枝を伸ばした。それらは獲物を捕らえる網のように広がり、リベリスタ達を飲み込むように襲い、傷つける。 「こんな、もの!」 涼子が枝に肌を傷つけられながら強引に突破し、こぶしを振り上げる。人形の一体を正確に捉えた蒼穹の拳が、鈍い音を立ててめりこむ。枝葉の軋む音がなぜか耳につき、それがまるで子供の悲鳴のように聞こえる。それが涼子の苛立ちを煽り、ぶつけるために全力で振りぬく。 「コイツから狙うよ!」 「おう、オレに任せろ! こいつも血に飢えていんだ、やらせてもらう!」 大きく声を張り上げた涼子に負けじと声を上げる竜一が包帯を巻かれた右腕を疼かせながら全力の一撃を叩き込む。枝葉の体を痛快な音を立ててへし折り、引き裂く。肩口から一気に裂かれた人形はたたらを踏み、大きく隙を見せる。二度にわたる大きな打撃の直撃を受け、人形の体が不自然に膨らみ、歪み始める。 「自爆なんて冗談じゃないわ! 大切な場所なんでしょう!」 すぐにその異常を察し、影相手に通じるか怪しいと思いながらも沙霧が素早く人形へと刃を突き立てる。人形の中心部、心臓の辺りに突き立てられた刃に呼応するように一度大きく身を跳ねさせ、人形は自爆するかに見えた。 「っ……!」 間に合わなかったか、沙霧が一瞬身構えるがそうはならず。人形がぼろぼろと崩れていく。刃を引き抜き、驚きながらもバックステップを踏む沙霧。その視線を影に向けるが、表情のないその姿から意思を読み取ることはできない。 「意思があるのでしょうか、彼らにも」 一連の流れを見ていた凛子が疑問をつぶやきながら、神聖の息吹を味方に吹きかける。前衛の多くが受けていた枝による能力の阻害が、次々と癒されていく。強力な癒しの力を背景に、リベリスタ達は更なる攻勢に出る。 「あったとしてもぶっ飛ばすのには変わりないっすけどね。ちょいと失礼するっすよ」 目を細めたまま、冷静につぶやいたフラウが、一息で人形の懐に飛び込むとナイフが閃く。ぞぶりと深く突き立てられたナイフが、器用に人形が動くのに使われている枝を切断、行動を阻害するようにダメージを与える。 「そうじゃのぅ、生まれと縁が違えば避けることもできたじゃろうが。残念ながらそうではない、やることには変わりないのじゃ」 「けど家が大事ってんなら、そこは共通見解ってやつだろう? さぁこっち来い」 「そう、できることならそうしよう。多分それが……」 式符・鴉を放ち、瑠琵がやれやれと肩をすくめる。影人を手近な人形のブロックに使い、攻撃を集中させない。それに続き、小烏と那雪が別々の人形相手に式とナイフを飛ばし、それぞれの注意を強く引く。 影はそれを何をするでもなく見つめ、人形たちが瓦解していくの、まるでそうなることがわかっているかのように見る。不気味に静かな田舎の家、その庭先でまだ始まったばかりだというのに。 ●焚き 戦闘はリベリスタ達が終始押していた。執拗とでも形容すべきほどに人形たちの行動をブロックし、勘の鋭い者、注意を払った者、素早い連携と怒りによる人形の操作が功を奏し人形一匹の自爆すら許してはいなかった。全体攻撃による傷を負えば凛子が治療し、危険な一撃は瑠琵の影人が受けきり、消滅するころには人形は二体までに減っていた。 「っ……くるぞ」 那雪が不穏な気配を感じ凛子に声を向け、注意を促す。影が腕を振ると突風とともに山茶花の華が散り、舞い上がる。凛子は想定していた通りに腕で口と鼻をふさぎ、惑わされまいと防御の姿勢をとる、が。 「なっ……!」 想定していたはずの伸びた山茶花の枝による不意打ち、しかし腕で視界の一部が塞がれたわずかな隙に脚を絡めとられ、無理やり地面に引き摺り落とされる。その衝撃で肺から空気が絞り出され、山茶花の香りが脳髄が痺れるほどに濃くなだれ込んでくる。背をそらし、麻痺した体にのたうつ。そして同時に痺れた脳に浮かぶある虚像。在りし日の記憶の断片。 「おっと、大丈夫かい氷河の姉さん。落ち着いて息をしな。そしたらこのまま押し切ろうか」 「はい、助かりました……!」 小烏がブレイクフィアーを使い、すぐさま麻痺を解く。同時に周囲の味方にも影響が及び、残っていた隙や弱体も解除され、リベリスタ達の体勢はまた整う。 「家を壊したくない、出てきな」 そうしている内に残った人形の内一体を粉砕し、竜一が低い声色で視線を影に向ける。影はそうすると、ゆっくりと歩み始める。竜一の言葉を理解したように、その言葉に同意するように。 「これで最後、一気に行くわ」 同じく、残った人形を素早く切り裂いた沙霧も影に視線を向ける。髪が風に揺れ、山茶花の花弁が絡みつく。この場に居るリベリスタ達全員が、あの影の意思を悟ったように身構え、視線を、意識を集中する。 「朽ちても思い出は消えないもの、アンタもそれを理解してるっすよね……!」 わずかな沈黙、破ったのはフラウ。細い肢体が残像すら残さない速度で接近し、影のわき腹を切り裂く。確実な手ごたえを感じながら、後続のために素早く位置取りを変える。 「そのために生まれたのだろうな、貴方達も」 追撃、那雪が関節のように見える部分にナイフを投げ、突き刺す。影は脚から根が生えたようにその場から動かず。ただ腕を振りぬく。反撃に枝が伸び、またリベリスタ達を飲み込むがそれももはや無駄なあがきに等しい。 「古き因縁、断ち切ってやろう。家主の下へ逝くが良い」 瑠琵の星儀が放たれ、枝ごと影が影を包み込む。呪いが蝕み、影がまた傷ついていく。傷つくたびに強く、山茶花の香りが増し、まるで散る間際の花のようであった。しかしまだ影は立ったまま、散ることはない。今この一瞬をまだ味わいたいと、暴力であっても関係なく。打たれ、撃たれ、それでもなお倒れず、最後の瞬間まで。自分を繋ぐ糸が断ち切られるその瞬間まで。ただこうしていることが自分の願いであると言わんばかりに。 「エリューションは倒すしかないけど……!」 涼子が今一度懐に飛び込み、下からえぐりこむように拳を打ち込む。確かな、影でありながら人の身のような重さがその身に反動として伝わる。致命の一撃を涼子は確信し、小さくその影だけに聞こえるようにつぶやく。 「花を殺すのは仕事じゃない。静かに向こう岸を思って咲くといい……」 彼女の拳がそのまま影の胴体を貫く。涼子の鋭い眼光を、影が覗き込んだような気がした。数瞬の沈黙、影が一気に散り、その散った破片が花弁となる。辺りが甘い香りと花吹雪で満たされ、天高く舞い上がる。 そうして一枚の花弁も残らず涼子の周囲から飛び去った後、戦いは終わりを告げた。 ●山茶花 時刻はまだ十五時を過ぎたころで、竜一は持ち込んだお茶とお茶菓子を全員で楽しもう、と誘った。彼はさわやかな笑みを浮かべて、手早く縁側で準備を始める。静かにこういう場所で過ごすのも良いとにぎやかに言う彼にリベリスタ達は誰も拒絶せず、ゆっくりと時間を過ごすことになった。 戦いの後、エリューションを倒した後に伸びた枝が退き、枝に包まれていた家屋の大部分がわずかながらに修復されていた。縁側から眺める山茶花と、その先の山や雲、太陽が調和がとられたその光景は、リベリスタ達の休息を後押しした。 フラウは一番最初にエリューションが座っていた縁側のポイントを確保。そこは庭への入り口から一直線上にあり、一番眺めのいい場所だった。目を細め、湯飲みを手に持ちながら静かにたたずむ。その様子は奇妙な行動をとったエリューションに対して、想いをはせているようだった。那雪はその隣に座り、一緒になって景色を眺めていた。彼女も気にかけていた家屋の損害はほぼゼロであり、そのことに安心しながら田舎の空気と日向の心地よさに、うとうとと途中から瞳を閉じていた。 涼子は同じ縁側でも少し離れた場所に座り、じっとしていた。庭を見て回ったときにこっそり石でも積もうかと思ったけれど、それにふさわしい場所ではないと感じ、やめた。この場所の風景を自分が覚えること、そのほうが弔いの意思をどこかで表示するよりは良い、それが結論だった。 小烏はサイレントメモリーを使い、家の中、古い香りに満ちた中で大黒柱に触れて記憶の断片を読み取っていた。身長を測ったのか傷がいくらかついており、そこから断片的なぬくもりを感じ、小烏はきっとこの場所に咲けて幸せだったのだろう、と一人うなずいた。 それを横目に、沙霧と凛子は家屋の中をゆっくりと歩いてみて回った。古い家具がいくつか残されていたが中はどれも空で、思い出の品、というのようなものは見つからなかった。ただ落ちていたもの中に写真のない写真立てや、落書きの痕のようなものが残る襖も見つかり、長く家族が住んでいたということはしっかりと感じられた。その時感じたものは、凛子にとって先ほど山茶花の香りがぶつけられたときのものに似ていた。 そうしていると、いつの間にか姿を消していた瑠琵が縁側に座っていた。どこに行っていたのか、と竜一が問うと肩をすくめ、探し物だとはぐらかす。不思議そうにする竜一を楽しげに見た瑠琵は一言。 「白い山茶花の花言葉は、理想の恋。じゃったかのぅ?」 一つの古い因縁を断ったリベリスタ達は、そうして心行くまでこの風景と家屋を楽しんだ。それがこの家の最後の望みと、言わずとも理解していたから。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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