●第一話 いきなりピンチ! 謎の魔法少女軍団現る!? 「ママータスケテー!」 「クケケケ、助けを呼んでも無駄だァ!」 何処にでもあると言えば語弊があるかもしれないが。 赤モヒカンに棘肩パッドをつけたトリビーストハーフの男が黄色帽子の幼稚園女児を街中で(街中で!?)追い詰めているという光景であった。 もうトリアタマが怖すぎるせいで周りの人もオロオロするばかり。 しかも無駄に沢山いてコケークケケーと周囲に威嚇をし続けているので手が出せない。 トリアタマは二の腕から無駄に生えた鶏的羽毛をばっさばっさやりつつ無駄に威嚇ぽいポーズをとった。 「貴様は俺様の『幼女の足を只管なめ続ける』という性癖のはけ口となるのだァ!」 「イヤーッ!」 「お待ちなサイッ!」 サコーンと地面に突き刺さる四角形の何か。 「これはっ、ツインファミコンの2Pコントローラー! 通常のファミコンに対し若干ボタンが固いが連射機能とほんの少しだけ長持ちするマイクパーツでユーザーに愛されていた今や幻の……!」 「そうよ、そして――!」 ビルの上に突如現れた少女は各所にモーションセンサーのついた黒いボディスーツを身に纏い、大胆にも屋上からダイブした。 「これでも食らいなさい!」 背中のバックパックから灰色で筒状の物体を取り出す。 「それはっ、SFスーパースコープ! 当時ご家庭シューティングだけでもなんだか反応が悪いと忌避されていた中であえてロケットランチャー型のコントローラーを出し各メーカーから『これどうすんだよ感』を誘ったと言われるあの幻の……!」 「でも俺、あれ千葉の中古雑貨屋で見たぞ!」 「マジでか!?」 「おしゃべりはそこまでよ!」 少女は狙いも適当にトリガーを連打。爆破トラップが作動しトリアタマたちがコケーと言いながらひっくり返る。 そして地面に落下制御スキルによって着地! 「魔導ゲーマー、フェリス・シダーコイン! お楽しみの所悪いけど、乱入プレイさせてもらうわ!」 ビシッときめる少女。そう、彼女は正義のリベリスタなのだ……が、しかし! 「ククク、こんなこともあろうかと……出て来い我が部下達よ!」 「ピピーッ!」 暗殺者のような目をした金髪リーゼントのヒヨコビーストハーフたちがどこからともなく登場。小刻みに反復横跳びしながら少女を囲んだ。 「ものどもやれぇい!」 「「ピピーィ!!」」 サングラスを光らせヒヨコリーゼント達が飛び掛る。 彼らの強烈な殴るけるの暴行、そして棘ハンマー。少女はみるみる内に体力を削られ、そして……。 「くっ……」 少女はボロボロの状態でDDRパッドの上に倒れた。 頭をがしっと踏みつけるトリアタマ。 「どうやら多勢に無勢だったようだなァ」 「私をどうする気……!」 「8歳を超えた女に興味はない。ヒヨコリーゼントたちにくれてやるさ。コケケケケケ、死ねぇー!」 鋭利なクローが振りかざされる。 少女の運命はここで閉ざされてしまうのか! 本来ならばそうだ! だが……! ●挑戦者、現るッ! 「ハオウッ――!」 アイワ・ナビ子(nBNE000228)がなんか腕をぐわっと広げる感じのポーズをとっていた。 「ショーコーへぶしッ!」 なんか撃とうとしてくしゃみキャンセル。 「あーダメだこれ。今なら出せると思ったんだけどなあ。萎えちゃったなー」 鼻をかみながらぼやくナビ子。 くるりと振り返ってなんか言った。 「あ、なんかフィクサード事件起きてるっぽいスよ?」 とある街中。 小規模なフィクサード集団『虚華骨慌』がヘボい性犯罪を犯そうとしている。 だがそこへ乱入プレイするリベリスタ少女が現れたのだ。 放っておけば多勢に無勢。冒頭で説明した通りの感じで少女はゲームオーバーしてしまうだろう。 だがその状況を救える存在……つまり君がいる! フィクサードは戦闘力はヘボいが根性は無駄にあるという多数ジョブ混合チーム。遠距離に対応した棘ハンマーと近距離用のクローを分担して妙に機敏に動くと言う! 彼等を撃退し、正義の少女を救うのだ! 「棒来ないよ棒が。私は四段消したいんだっつーのなんで十段も溜るんだっつー……あ、むり、これ以上はむり、あっ、やっ、ら、らめえええええ!」 初代GBをぴこぴこやりつつ絶叫するナビ子。 ハッと顔をあげ、あなたの方を見た。 「あ、どうも! フィクサード事件のほう、宜しくお願いします! ってことでコーンテニューウ!」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 9人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年10月15日(月)23:07 |
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■メイン参加者 9人■ | |||||
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●ディスクシステム時代を思い出せェ! 「8歳を超えた女に興味はない。ヒヨコリーゼントたちにくれてやるさ。コケケケケケ、死ねぇー!」 OP冒頭直後、などと言うとメタが過ぎるだろうか。 振り上げられたクローが陽光に輝き、今まさに少女の喉笛へ突き刺さらんとしたまさにその時、二つの銀光が閃いた。 一つはトリアタマの額に、もう一つはクローを弾いてアスファルトの地面へと突き刺さった。それを見下ろして目を剥くトリアタマ。 「これは……インベーダー時代にクレジットに必要だからと経済状態とは無関係に増産されたという百円玉!」 「え、なんだそれ知らなかった!」 少女の声に振り向くと、『魔法少女ラヴィアンローズ』ラヴィアン・リファール(BNE002787)と『近代的魔法少女ムエタイゲーマー』滝沢 美虎(BNE003973)が背中わせに立っていた。親指でコインを弾き上げ、頭上で交差。それぞれ互いのコインをキャッチした。 「いんさーと・こいん!」 「連コの時間だぜ、台バンの準備はいいか?」 二人はばばばっと左右非対称に構えると、武装したヒヨコ頭たちへ拳を向けた。 「魔法少女ラヴィアンローズ、参上だぜ!」 「魔法少女、ムエタイゲーマー美虎、ここに推参!」 「え、ムエタ……」 「待てぇい!」 ゲーセン向かいのビル。その二階に入っているファミレスの窓を無理やり開けて『ヤクザの用心棒』藤倉 隆明(BNE003933)が現れた。 隣の窓からは『立ち塞がる学徒』白崎・晃(BNE003937)が現れた。 「力と力のぶつかり合う狭間に己が醜い欲望を満たさんとするものよ、その行いを恥と知れ。人、それを外道という!」 「なんだその決め台詞。俺も考えて来ればよかった! あとちょっと下がれ!」 「いや待て、俺の決め台詞まだ終わってねえんだ!」 左右から同時に窓を開けたもんだから半分しか開かずどっちが先に出るかで無言のもめごとを起こす二人。 そんな二人を、ヒヨコ頭たちは生暖かい目で見つめていた。 「そうか、帰ってもいいぞ」 「おいそこは『何者だ!』て聞くところだろ!」 「貴様等に名乗る名は無い!」 「晃テメェ俺の一番大事なセリフを!」 ごりゃごりゃもつれ合いながら最終的には窓枠ごと一緒に落ちてくる晃。 一連のやり取りを見守った後で、トリアタマ咳払いした。 「四人か……だが未だに多勢に無勢。コケケケケ、俺達グレートチキンパワヘッズの敵では」 「そこまでだよ!」 ゲーセンの上にある飛行機模型にすちゃっと飛び乗って現れる『おこたから出ると死んじゃう』ティセ・パルミエ(BNE000151)。 「変態さんに生きる資格なし! 魔法少女のあたしたちが相手だよ! ちなみに名前は無いよ……猫だからね!」 今日一番のドヤ顔をキメるティセ。 トリアタマは神妙に頷いてから、両手のクローを高々と掲げた。 「ククク、一人増えた所で変わりはせん。トリコシクローの錆と」 「待てい!」 「ケツガアァー!」 何処からともなく飛来する菊の花。 ゆらりと現れた『合縁奇縁』結城 竜一(BNE000210)が流し目キメながら高速すり足で寄って来た。 「一つ人世の初心者狩り、二つ不埒な台バン三昧」 顔を覆っていたプレイヤーカードの束をポケットにしまい、竜一は目を光らせた。 「三つ淫らなロ……」 「「…………」」 「醜いハメ技の鬼を、退治してくれようミスターアイキドー!」 「ミスターアイキドー!?」 「こいつ今エロ思考に捕らわれてなかったか!?」 「っていうかコイツ結城竜一だぞ! 名前くらいは知っているだろう!」 「あのDTの……」 「あのシス婚の……」 「あのアークの……」 「お前らちょっと屋上出ろ」 血走った眼で指をクイクイする竜一。 トリアタマは眼鏡(伊達)をクイクイすると彼等へと向き直る。 「えー、もういないか? いるなら今の内に出て来い!」 叫んでみるトリアタマ。 数秒してから、人ごみに混じる感じで『ゲーマー人生』アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)と『世紀末ハルバードマスター』小崎・岬(BNE002119)に注目が集まった。 「へー、ジョイスティックの持ち方ってそれが正しかったんだー」 「でもワインもちした方が楽だよね」 「ボクはキーボーダーだからあれだけど、兄ィは釣りコンで波動拳だせるってー」 「へー、じゃあドラ剣でも出せるねー」 「ねー……ぁっ」 注目を察して身構えてみる二人。 「汚物は消毒だー!」 「お、おぶ!? 魔法少女じゃなかったの? あれ恥ずかしいなって思ってたんだけど!」 「うむ……」 もはや賢者の目をしはじめたトリアタマ。 ちょっと身構えてみて、反応が無いなと確認してから本格的に動き出そうとしたその時――。 「待ちなさいフィクサ(ぎゅいいいいいん)うああ五月蠅い!」 口元にあてていた2コンマイクを地面に叩きつける『暗黒魔法少女ブラック☆レイン』神埼・礼子(BNE003458)。 関係ないが、このマイクはスタート・セレクトボタンのゴムが予算の問題で入れられないと分かった時に誰か何かに使ってくれるだろうと代わりに入れたデバイスだったそうだ。何が当たるか分からん世の中である。 礼子はとーうといってファミレス(窓の無い所)から飛び降りると、しゅばっと鎌を構えて見せた。 「魔法少女ブラック☆レイン参上! もう君達の好きにはさせない……ボク達が、ってあれ? なんで皆もう疲れてるの?」 礼子はカメラ目線でぱちぱち瞬きすると、とりあえずこーんてにゅーとか言ってみた。 連コ乱入ほどきついものは無い。 ●フェリス・シダーコインは良く行くゲーセンから名前をもじっているぞ! 若干存在を忘れられそうになっている魔導ゲーマー・フェリス。 この隙に逃げるのもアリかなぁとか思ってそろそろーっと這うように離脱を試みていたが、しかし。 後ろから竜一がコアラの如く抱き着いてきた。 「フェリスたん危ない! ここはオレが庇うからね!」 「みぎゃー!?」 「他意はないんだ、お仕事だもの! モーセンスーツとかエロいよね! いったいどこのモーションをセンサーするのかにゃーブッヒヒヒィ!」 「ミギャアアアアアア!」 竜一の頭をしこたま殴るフェリス。 「ちょっとなにこれ、バッドステータスか何か!?」 「モーションセンサーでリアルな動作を表現するなら乳揺れもちゃんとすべきだと思うんだ、オレ」 「黙ってろ、この変態!」 竜一をくっつけたままキャーキャーいいながら走り回るフェリス。 そんな彼女をよそに、トリアタマたちとの戦闘は始まっていた。 「ピピィー! ペンキで色付けして売りさばいてやるピィー!」 凶悪な顔をしたヒヨコアタマたちが一斉に飛び掛ってくる。 「マジカル、ティセ対空!」 いっちにーのさーんとか言いながら業炎撃を繰り出すティセ。 ちなみにこの技の出し方は通信教育で配信されていて、『ジャンプ中に炎を出しながら蹴りを三回出しましょう』と書かれているらしい。無茶言うな。 炎をあげて迎撃されるヒヨコアタマ。 その左右を抜けたヒヨタマ達を、晃と美虎が迎え撃った。 「今宵のバックスパゥアグローブは血に飢えておーる」 今日のために用意したものか、独特な色のマジカル衣装をひらりとさせる美虎。 飛び込んできた相手にがっぷりと組み付いて膝を入れる。更にブレーンバスターに若干近い投げをいれつつ、足を大きく掲げるモーションをとった。 「とらぁ――」 溜め二秒。 「でぃすとらくちょん!」 脳内でぐりんってかんじのコマンドを入れ、突撃からの連続蹴りを入れてやる。 その一方で晃は。 「ゲーセンの禁じ手、リアルファイトナックル!」 目の前の台を飛び越えるかのような華麗なジャンプからの打ち下しパンチ。 もしかしたら何度も脳内で練習したかもしれないその技がヒヨコアタマへ繰り出される。 「ピピィ!」 美虎の相手をしていたヒヨコアタマ同様軽く転がるが、そこへ晃は容赦のないジャスキャ連射を叩き込んだ。 「くらえっくらえっくらくくらえっくらえっくっ……フッ……くらえっ」 途中微妙に弱攻撃が出るのはお約束というやつである。 「今日は後衛なんてやめて突っ込むぜ! ロックマン2の最終ステージで全滅したら5面くらい戻された怒りを! 超絶魔界村が一面しかクリアできない悲しみを! お前らにぶつける!」 おもっくそ突っ込んでからの神秘パンチ。 相手が手を出す隙も無いくらいの連続パンチをむだむだ言いながら叩き込み、キュピーンしてからのロードローラー召喚。 「リリカルロードローラー!」 上から相手に降らせてからのフレアバーストで思い切り爆発させた。 ここまで派手にやっても普通のフレアバーストだっていうんだから滅茶苦茶なもんである。 「最高にハ(ピー)」 「うわっとそれ以上言わせないよ!」 アーリィが何かの権利に抵触しそうな部分を消すべく天使の歌を発動。 何処からともなく『ピー音』がラヴィアンへと被さった。 ついでにポーズにもモザイクがかかった。 そうとうギリギリだったらしい。 「ふう……危なかった。依頼が公開停止になんてなったら大変だもんね。あ、わたしは回復がんばるから、みんな頑張ってね!」 「よし任せとけ!」 隆明は素早くヒヨコアタマの背後に回るとナギッとか言いながらバックスタブ。 テーレッテーしながら悠然としたポーズを決め、カメラに向かって言った。 「命は投げ捨(ピー)」 「もう、みんなはしゃぎすぎ!」 腕をぶんぶんと振るアーリィである。 「よーし、じゃあボクがそういうのに触れない程度にヤってみるぜー。いくよーアンタレス!」 岬はすかさずトリアタマに向かって首ブリッジ。 「美代子の腹筋!」 「…………」 「むー、通じない。じゃあこれでどうだー! 25時の(ピー)えっなんでダメ!?」 トリアタマにひたすらアンタレスを横スイング打ちしつつ振り返る岬。 余談だが、きょうび通常攻撃で550出るリベリスタってお化けなんじゃないだろか。 「すこぐマニアックかつニッチだけど、それはあれ……あの人のアレだから……」 アーリィがもじもじと指をつきあわす横で、礼子が妙なセクシーポーズをしながらトリアタマを長髪している。 「ふふふそんな子供っぽいこじゃなくてボクみたいな大人の魅力を秘めたコンパクトボディ……さしずめMGジェットのように! 持ち運びできて尚且つコンビプレイもでき1Pの気分を損ねたら引っこ抜かれる運命を体感できるあの……!」 「そんなぐぐっても出んような化石ゲーを……さては貴様40は回っているな?」 「誰がロリババアじゃ! バグ画面……もしくはたけしの挑戦状のクリア直前くらいの顔面崩壊をかましてやるのじゃ!」 礼子が鬼気迫る顔でうりゃりゃーと鎌を振り回す。 その一方でヒヨコアタマたちはハメ技や初心者狩りの餌食となり泣きながら帰って行く。 フェリスはフェリスで竜一に『バンゲーの乳揺れは少し不自然だと思う』という謎の主張に嫌々付き合っていた。 かくして戦いはいつのまにやらクライマックス。 何故だかしらんがトリアタマだけが残され、リベリスタたちがじわじわと周りを囲むという鬼畜な展開になったのだった。 本日数度目のドラマ復活をしてくる礼子。 「レインちゃん倒せーないーよーふふふ、ボクのドラマ値をなめじゃだめだよ」 「ふふふ、一度倒されてもフェイトで連コが許される。それがヒーローってもんなんだよ!」 「伊達に死にゲーやってねーぞこのやろー!」 「おいでおいでー」 手をくいくいやって挑発してみるティセ。そして溜って行く脳内超必ゲージ。 右見ても左見ても殺気だったリベリスタばかりで、トリアタマはちょっと泣きたくなった。 そのようすを、もはや全く話について行けなくなったアーリィーが道端のベンチに腰かけて『天使のー歌ー』とか呟きながらハイライトの消えた目で見つめている。 ゲーム好きの設定をどこかで活かしたい。あと吸血鬼設定も活かしたい。そんな気持ちでいっぱいのアーリィである。 そんな彼女の気持ちと裏腹に、四角いマルチタップを掲げる礼子。ハドソン製9人プレイタップである。アレ本当に売れたのかなあ。 「さあ皆、力を合わせて最後の敵をうつよ!」 「あ、私これ参加しなきゃダメ?」 64コンをハンマーのようににぐるぐる回しつつ、フェリスは死んだ目でぼやいた。なんかもう完全につかれているらしい。 「とりあえず皆超必うつから、それに混じる感じで、ね」 「んー……」 身振り手振りで説明する竜一に生返事しつつGBパッドを接続。 一方で、ラヴィアンや隆明たちがトリアタマへ一斉に飛び掛る。 「行くぜ、これがアークの超必殺技だ! リリカルドラム缶!」 どっからかドラム缶を取り出してフレアバーストするラヴィアン。 爆発に吹っ飛んだ所へ晃が為ポーズで迎え撃つ。 「見せてやる……白崎の拳を!」 なんかこう、どっかで見た感じのアレをリーガルブレードで叩き込む。 更に吹っ飛んだ所へ美虎が鷹の様に飛び掛り。 「究極神拳ふぃにっしゅ・ひむだー!」 炎のエフェクトと共に回し蹴りを繰り出し、トリアタマを迎撃。 隆明は頭上を飛び越えて行く敵を見ながら脳内でバーンアレからの昇竜アレというオリジナルコンボを想像しつつ、黙って蒼穹の拳を2連打で叩き込んだ。 波動アレの所まで想像して、がくりと膝をつく隆明。 「エネルギー系の飛び道具が、無い……」 「落ち込むなよー、代わりに決め技いくからさー」 よいしょとアンタレスを構える岬。竜一と一緒にぐるーんってカンジのコマンドを脳内入力すると、ラリアットと大切断アタックを同時に繰り出した。 さっきから浮きっぱなしでずっと吹っ飛ばされていたトリアタマが今にしてようやく画面端と言う名の壁に激突した。 「ぐふ……せめて最後のセリフくらいは……」 「極限奥義ー!」 何か言おうとしたトリアタマに壱式迅雷で突っ込むティセ。 なんかうまく説明しづらい連続攻撃をにゃはにゃは言いながら叩き込みまくると、最後の最後で強烈な一撃をすこーんとぶちかました。 ちょっと字面で表現しづらいが、大人の事情で表現しづらいが。 トリアタマはスローモーションでうーあうーあ言いながら吹っ飛び、首から落ちて昏倒したのだった。 「ヨユーっで(ぴー)」 「俺のぉー勝(ぴー)」 最後に響いたのは、アーリィの『天使の歌てきなもの』だったという。 ●カオス過ぎてついていけない話 目的を忘れていたら申し訳ないが。 「フェリス、大丈夫だったか!」 「無事ー?」 「五回ほど揉まれた……」 死んだ目で地面を見つめるフェリス。 命は助かったけど大事なものを失った、みたいな顔をしていた。 「なんだって、おのれトリアタマめ……!」 手をわきわきして感触を思い出しつつ空を見上げる竜一。 「最後はキメぽーずじゃ。愛と正義は必ず勝つ☆」 「か、かつっ!」 礼子のマネをしてポージングするアーリィ。 皆さんお忘れかもしれないが、現在観客がガン見している中である。 「爽やかな気分だぜ、新しいパンツをはいたばかりの正(ピー)」 なんかタッチの変わった顔でギラギラする隆明に『ピー音』被せつつ、アーリィはフェリスへ振り返る。 「無事は無事、なんだね」 「あ、うん。アリガトウ」 「礼には及ばないのだ!」 地面にめり込んだ百円玉を爪でつかんで一生懸命抜こうとする美虎。 「おいナイフとか使おうぜ。もしくは棒、棒持って来い棒!」 なんとか足でけって取れないか試しても見るラヴィアン。 最後に礼子がくるっと振り返り、真顔で言った。 「ところで、そんな古いもの使ってるとかそこそこの年齢だと思」 「ハッ、私用事を思い出した! あでゅー!」 「あ、逃げた!」 白とあずき色のカスタムバイクに跨って颯爽と去っていくフェリス。 リベリスタたちはその背を、ちょっと申し訳ない気持ちで見送ったという。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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