●カオス好きなやつこの指とまれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいあ! エビバディ、カモォン! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年10月05日(金)23:55 |
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●浅草某遊園地にて 私の名前はカルベロ。ここ浅草某遊園地にて他人に身体を貸している。 何故か? そういうアーティファクトがあるからだ。まあ、そのことはいい……十年ブチに若い体を堪能させてもらうとしよう。 まあ、どんな身体に入った所で私の休日が変わるわけではない。ただ、優雅な時を過ごすよ。 さあ、今日はどんな人間模様が見られることやら。 「ねえ、あそこでニヒルに笑ってるのって舞姫さんじゃない?」 「え、うそ別人でしょ? 舞姫さんて言ったらムカツク顔で反復横跳びしてる人でしょ?」 「そっかぁ……別人かぁ……」 女性たち(中身不明)が通り過ぎていく。その反対側で、ベルカ(INアンジェリカ)が猛烈な勢いでパフェを食べまくっていた。 次々積み上がって行くスイーツ系の食器。 「ふふ、神父さまに貰った服がきれなくなったらイヤだから控えてたけど、今日は思いっきり甘い物が食べれるよ!」 むふーと微笑みながら長いスプーンを咥えるベルカ。 その横では瞑(INベルカ)が猛烈な勢いでハンバーグを食らっていた。 「フハハハハハ! 食いしん坊設定のある私だが満腹になったことはない! 今日は満腹を知るまで食べるぞ! 肉だ、もっと肉を、あとチャーハンとホットドックとラーメンを持ってきてくれ! ハーッハッハッハッハッハ!」 お箸を振り上げて高笑いする瞑。 その横ではアンジェリカ(IN瞑)が目の横で傾ピースをしていた。 「皆のラブリーつぶるちゃんです! 他人の身体で飯がウマイ! 今日はダイエットという言葉を忘れてどんどん食べまくるわ! キャッ、なんだかいけないことしてる気分!」 ハンバーガーの袋を大量に積み上げながらけらけら笑う瞑。 そして三人はジョッキで用意したジュースを掴むと、ぐびぐびと飲み干した。 同時にドガッとテーブルに置く。 「ふはー幸せー!」 「もう食べられないでぷー。ハッ、お財布が空に!」 「今日もーっと食べるわよ!」 満面の笑みで空を見上げ。 真顔になり。 三人は顔を見合わせた。 「「い、いやあああああああああああああああああああああああ!!!!」」 乙女の悲鳴が、秋の空にこだました。 ●ナビ子が美少女であってたまるか! 「さぁ、ブリーフィングを始めましょう?」 インテリジェンスな眼鏡をかけ、微風と共に振り返るナビ子(IN舞姫)。 胸にはファイルを抱え、つるに片手の中指を軽く添えるようにして眼鏡を直す。そんなアクションしていいフォーチュナはアークひろしと言えどガハラだけだと思っていたがそんなことは無いんじゃないか(だってあにゅ絵師だぜ)? と思えるくらいの後光が差していた。 「フフ、肉体は変わっても銀河美少女な舞姫ちゃんの中身からどりゅどりゅとあふれ出る美貌のオーラは止められないわ。うっふ~ん、私って罪なオンナ。今日からナビ子は地の文に投げることなく依頼を説明するのよ! えーっとバロックナイツがアレして、アレよ、ずばーっとやるのよ! そして――うっ!」 びくーんと仰け反るナビ子。 「イエス、カオス……ゴー、カオスッ!」 ぴこーんと起き上がるナビ子(IN亘)。 「ふ、ふふふ、ナビ子さんとキャッキャウフフするためにいっそのこと入ってしまうとは我ながら良策。でもスカートはちょっと照れ……アレこれよく見たらスカートじゃない!? ハッ、しかもこれじゃあナビ子さんの(あにゅ絵師だから)愛らしい姿が視れないじゃないですか!?」 シャドウボクシングしたり頭抱えたりサタデーナイトフィーバーしたりするナビ子。 そこへ亘(IN凍)がハンサムスマイルと共に現れた。 「ナビ子ってボクのこと好きだよね」 「えっ」 「やめろよ言葉は要らない。英語で言うとノー……まあいい。でもダメなんだ二次元の女の子が僕を離さない。だけど今日だけは他人の身体。キミとデートするには絶好のチャンスだとは思わないかい?」 「……なるほど」 キラーンと二人の目が光った。 「今日は君を離さない! ボクとデートしようぜナビ子!」 「OKダーリン! 写真撮りましょう写真、最高に(あにゅ絵師の力で)可愛く写りますから!」 「ありがとう、じゃあまずは腕を組――」 「サセルカァー!」 瞬時に中身が入れ替わったナビ子(IN晃)が亘に全力ビンタを炸裂させた。 ベンチをひっくり返して吹っ飛ぶ亘。 「フゥ、悪は去ったか……この人が実はナビ子ブレインを狙っていたような気がするがもはや今更のこと。今日くらいは、少し真面目に生きてみるか……この体で」 ナビ子は寂しげに笑うと、木刀を手に遊園地へと繰り出した。 その背中を、晃(INナビ子)は耳ほじりながら見つめていた。 「暇だなー……あ、耳のプレイヤーに電波ソングいーれよっ」 ●身体は大人、頭脳は子供、その名も――! 「わーい絶叫マシンじゃー!」 「木造だー!」 「きゃー」 凍(IN朔夜)と旭(INメイ)、そしてラシャ(INまお)が諸手を上げてジェットコースターに乗っていた。 もうかれこれ十週目である。 がらごろんと停止するジェットコースター。 「う、うう……でもなんだか目が回って来たのじゃ。わし子供じゃし……」 「う……そういえばボクもなんだか……ううん、なんでもない……」 顔を青くする二人。 「まおはべつにくるしくないですけど……あれ?」 そんな彼等に、カルベロ(IN旭)が通りかかった。 「あっ、二人とももう降りちゃうの? わたし今から乗るんだー。ねえこれ、この頭のやつ可愛い?」 カチューシャからバネ飾りみたなもんがびよんびよんしてるやつを揺らして見せる惟。 「あ……うん」 「えー……うん」 全力で応えずらい三人である。 「じゃ、乗ってくるねー。わーい絶叫マシーン!」 両手を上げてきゃーははははたっのしーいとか叫んでいるカルベロ。 そんな彼(?)を見上げつつ、凍とカルベロは顔を見合わせた。 後ろで首をかしげるまお。 「まお、ちょっとトイレに行ってきます」 「あ、ボクも……ぇっ」 「わしもトイ……ぇっ」 二人が巨大な絶望に気づくのは、これから少し後の事である。 「ふーん、トイレが閉鎖されてるんだ。そりゃそうですよね、セクハラ厳禁ですし」 ボールプールの中でわちゃわちゃ泳ぎつつメイ(IN大和)はぼんやりと呟いた。 「ふふ、でもこういうの……昔あこがれてたんですよね。十五歳にもなって入れないっていうか、ちょっと恥ずかしいけど、今なら平気ですよね!」 きゃーきゃー言いながらボールプールで背泳ぎ(?)するメイ。 そんな彼女の横で(つまりボールプールの中で)セシル(IN伊丹)が自分の膝に頬擦りし続けていた。 「脚、脚、脚ダー! 物心ついた時から脚がメカだったから、わー、脚、生身ダー!」 「生脚の感覚が珍しいのね……」 ざぱーっとボールプールの底から現れる惟(セシル)。 「あなたハ?」 「私は……アナタよ」 みたいなことだけ言っておくとちょっとファンタスティック。 「今から私の身体の弱いトコロを教えるわ」 と付け足すと途端にエロティック! 「この情報を利用して楽しむかどうかは本人の意思次第――」 「ワオッ、足の裏ってくすぐるとくぐったーい! 知らなかっター!」 「…………」 「フクラハギやわらかーい! わ、ワー!」 「…………」 惟は神妙な顔をすると、ゆっくりとボールプールの底へと戻って行った。 一方その頃、お化け屋敷内。 「…………」 伊丹(IN惟)はろくろ首の人形と向き合ったままじっと体育座りしていた。 虚空を見上げる。 「久しぶりに孤独を感じた。友達が、欲しい……」 そして、カメラ(ないけど)を見た。 「ところで、これの中の人っていって、いったい何人が理解してくれるんだろうか?」 レアキャラになり過ぎたなあ、などとしみじみ呟き、伊丹はそのまんま体育座りを継続した。 ●この状況が良く考えたらカップル大喜びのシチュだった件 カオスワールドにカップルなんて来るはずないというのがそもそもの間違いである。 現にお互いのボディをチェンジして新鮮なデートを楽しむカップルも少なくは無かった。 その一角がこちらである。 「ふふ、冬織さんとの初デートがまさかこんな形になるとは思いませんでしたね」 「うむ……なんだか変なカンジだ」 冬織(IN茉莉)と茉莉(IN冬織)は向かい合ったまま顔を赤くした。 「ではまず胸を揉んでみるということで」 「や、やめんか!」 カップルとはいえ女の子同士なので一応許されるシーンである。 鉢巻に『カップルに死を』と書いたナビ子(INラシャ)が物陰でセーフのサインを出していた。 そうとは知らずアイスクリームなど買ってみる二人。 「そうだ、そのアイス交換してみませんか?」 「構わないが……この場合どっちが何を食べることになるんだ」 「ええと冬織さんがバニラを……あれ、今食べてるのが冬織さんで、んん?」 「しょうがないやつだな」 顎を掴んで唇を重ねてやる茉莉。 「これでどっちもいっしょだ」 「……は、はう」 顔を赤くする冬織に、茉莉はどこか満足げに笑った。 同刻、コーヒーカップでくるくる回る二人組がいた。 ジャン(IN壱和)と壱和(INジャン)である。 「壱和ちゃんの高さだと、色々ものが違って見えるのねぇ」 「ジャンさん、背が高いですから。こっちはなんだか目線が高くて……ちょっと不思議です。ワクワクします」 「それって身体が入れ替わってるから? それとも遊園地だから?」 「どっちも、ですかね。遊園地って初めてなので」 「そっか」 にっこりと笑い合うジャンと壱和。 オネエのジャンと性別不詳カワイコちゃん(死語)の壱和という組み合わせなので、隣のカップからガン見する『滅びよラブ時空』の鉢巻をしたナビ子も辛うじてセーフサイン。 「ね、壱和ちゃんって……」 「わかっちゃい、ますよね。やっぱり」 もじもじと真ん中の回転プレートをなぞるジャン。 「まさかとは思ってたけど……こういう形で知られるの、イヤだったかしら?」 「大丈夫、です。少しだけ、ほっとしました」 「そっか」 にっこりと笑い合うジャンと壱和。 「それじゃ! カップ回しますね! 思いっきり!」 「待ってアタシの身体だと力がかかっ――キャーッ!」 観覧車内。 「ほら龍治っ、尻尾めっちゃ動くぞ! 新鮮だなぁー、これ!」 「お、おいやめろはしゃぐな。俺がぶっ壊れたみたいだろうが」 龍治(IN木蓮)と木蓮(IN龍治)が身体を入れ替えて遊んでいた。というかイチャイチャしていた。 「それにしても、お、落ち着かん……胸は重いわ露出は多いわ……こんな状態でよく生活できるな……」 顔を赤くして俯く木蓮。 龍治はそんな彼女を見て、なぜか体の芯からゾクゾクした。 「や、やばい……」 「何だ」 「身体が自分なのに愛でたくなる! キスしていいか!? ほら、ここなら誰も見てないし!」 「いいわけないだろ! や、駄目ではないかやめろ! なんだかやめろ!」 「そう言うなって。うお、持ちあがる! 軽っ、俺様軽っ! そして柔らかっ!」 「やめっ……ふわっ!? 何だこの未曾有の感覚!? ちょっ、や、やめ……っ」 なんだか大変なことになってきた観覧車内。 が、しかし。 「……………………」 窓にべったりと張り付いたまお(INコ……じゃなくてカイ)と『私に彼氏ができないのはだいたいエリューションのせい』の鉢巻をつけたナビ子(INラシャ)が二人をガン見していた。 「何をやっているの……ダ?」 固まる二人。 ハンマーを振り上げるナビ子。 「アウトオオオオオオオッ!」 「何がだあああああああ!」 その日、ナビ子が空から降った。 ●今日の『おまえほんとふざけんな賞』 ハァーイ、八重紅さんの中に入ったスペードです! きゃっぱみゅ☆ あっ、私がここいられるってことはベニーさんが今遊園地に!? ちょっとすごい! そうだ、この際だからこの依頼を大成功にして……あ……れ……? 闇が……やみが……私を見……見……見……。 …………。 ……。 ……。 ●脛毛の価値 「一万円あったら何が欲しいかって? ……有給休暇かな」 スペード(IN誰だろう)がコーラ啜りながら虚空を見上げていた。 ここはゲームセンター内。 愛華(IN守)がガンシューティングゲームの前で往復チューチュートレインの動きをしていた。いやべつにそういう性癖があるんじゃなくて。 「他人の身体だといつもはできない遊びができていいですねえ」 軽やかに敵の弾を避けながら一般人を黙々と射殺(セルフ誤射)していく愛華。 「はあ、こんなふうに縛られていた頃が懐かしいですね。そういえば3DTは何してるんでしょう。どうせエロ同人誌みたいに卒業まじかなんでしょうね。そのくせ私の道程(うまいこといってやった)に終わりはない……と?」 「ハイッ、連携プレイ☆」 横に立った誰かが、途中参加プレイを始めた。 下から順に視線を上げていく愛華。 ハイヒール。 ストッキング。 ミニスカート(チラリズム)。 へそチラ。 盛り上がったバスト。 そして。 「ナイスミドルキャラ、崩・界ッ☆(CV:大塚明夫)」 ウラジミール少佐(IN疾風)がガンコン片手に『キラッ☆』てした。 開いた口がふさがらない愛華。 筐体の上にガッと足を乗せポージングするウラジミール。 スカートの下のボクサーがチラリズムしかけたが神妙な顔をした疾風(INウラジミール)が黒丸のモザイク板で隠ぺいした。 「任務開始」 「あーっ、こんな所に居たんだぁ♪」 反対側から声がして、三人は一斉に振り返った。 脚から順に見てみる。 可愛いブランドサンダル。 足の爪のネイルアート。 フリルのふんわりスカート。 ベルトにちょっぴりチャームをつけ、シャツに斜め掛けしたくまさんバッグ。 オトナっぽさよりカワイさを重視したネックレスに、ちょっぴりお茶目なイヤリング。 「見て見て、愛華チョ~イス♪(CV:中田譲治)」 守(IN愛華)が『キラッ☆』てした。 開いた口がふさがらない三人。 この後、遊園地を練り歩くセクシーアンドキュートのナイスミドル二人組を全力でチラ隠しする任務が発生したのは言うまでもない。 ●羽柴リッパー 「ふつうさ……」 ベンチに腰かけた壱也(IN葬識)が乾いた瞳で振り返った。 「異性に入ったら胸が重いとかあるよねー……これ、ないよねー……」 「わ、悪かったわね! 発展途上なのよ!」 甚内(IN壱也)が腕を振り回して暴れた。 「19歳で?」 「1年で膨らむもん! 30センチくらい膨らむもん!」 「1日1ミリずつ膨らむ身体ってキモくない?」 横からひょこっと出てくる葬識(IN甚内)。 「hiコンニチワァ、いーなー殺人鬼ちゃん、僕らのアイドルボデーゲッツじゃん」 「うらやましい?」 「しくないねー」 「だまりゃ!」 葬識を蹴り転がす甚内。 自分に蹴られる未曾有の感覚ーとか言いながら甚内が転がって行く。 「じゃ、俺様ちゃん絶望したから、目についた人全員殺すね」 いつの間にかマイハサミを握って立ち上がる壱也。 ニヤァっと笑いながら開いたエッジを舌でなめる壱也。 「さささ殺人!? だめだよわたしの身体で!」 「大丈夫俺様ちゃん捕まらないし」 「そう言う問題じゃないでしょ!」 「はい阿久津ボデーの秘密その1~」 振り上げた甚内の腕をかぽっと外す葬識。 「うわああああ腕があああああああ……い、痛くない?」 「義手だしねー」 「ひぁうぃごー! テンション上がってきたー! お化け屋敷に入って客を順番に殺そう! 指だけ切り落として殺そう!」 「ヤメテェェェェ!! 監視対象にされるうううううう!!」 その後、有頂天モードで飛び出した羽柴リッパーをシャッフル鎮圧部隊がカオスに鎮圧したのは、同然の流れといえよう。 ●すまない、ホモ以外は帰ってくれないか! 「快……俺、本当はお前のこと…………愛してるんだ!」 「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。よし夏栖斗、一緒にトイレ行こうぜ!」 笑顔で肩を組み合う二人の男。 そこへ。 「待って!」 「ぜ、禅次郎!?」 「俺……ずっと前から二人の事が好きだったんだ!」 「なっ、そんなこと言われても」 「好きだー! 大好きだー! 出来れば間に入れてくれ! 三人で、三人でトイレに行こう! な!?」 夏栖斗(INそあら)と快(IN禅次郎)の絡みに割り込む禅次郎(IN陽菜)という構図である。 「じゃあこうしよう。『禅次郎→俺→夏栖斗』の順番だ」 「そうだね! そのあと最初の人が最後に加わる車掌さんごっこだね!」 「良く知ってるな禅次郎。じゃ、早速」 「そうだね快、これで僕らもDT卒……ハッ!?」 夏栖斗が何かに気づいて虚空を見上げた。 「だだだだだめです! このままじゃあたしがこの未曾有の体験をすることに」 「遠慮するなよ夏栖斗」 「夏栖斗じゃないのです!」 「遠慮するなよ夏栖斗ボティ」 「もはや身体が目当てなのです!?」 快と禅次郎に両肩をガシッと固定される夏栖斗。 と、そこへ。 「しねえええええええ!!」 そあら(IN夏栖斗)が羽柴ミサイルを発射した。 「全員殺していいんだよねー! 俺様ちゃんノってきた!」 「うわあこのミサイル殺意に満ちてハギュン!?」 羽柴ミサイルに激突して吹っ飛ぶ夏栖斗。 そあらはチェーンソーを引き摺ってけらけらと笑った。 「あたしそあらさんですぅー。邪悪ロリですぅー。めにつく人間みなごろしですぅー!」 「それ邪悪違う!」 「関係ないけど阿部さんどうしたの」 「不慮の事故(白紙)で……」 「さおりん限定いちごあじ! じゃまするものはみんないちごみたいにしてやるのです! あと僕の身体でメンズDT卒業させようとしたな死ねそあらぁー!」 「落ち着いてこれ夏栖斗ボディなのですそあらじゃないのです!」 「み、みんな離れろ! この身体が何かイケナイことを覚えている! 俺では抑えきれない!」 腕を広げて満面の笑みで駆け込んでくる陽菜(IN快)。 「ちょっとアタシを阿部さんの代わりにするのやめてくれない!?」 「阿部さんひとりいないだけで何というカオス」 「だからこんな企画無理だって言ったんだよ!」 「スペードここで何してんの!?」 「センドろうぜオレ! いや俺達!」 中身の入れ替わった快(IN翔護)がキャッシュからのパニッシュ。 その肩を叩くSHOGO(IN禅次郎)。 「ちょっと観覧車行ってくるわ。ぶらり途中下車に憧れてな」 「待って、オレのSHOGOボディで何する気なの!?」 「まあいいからいいから」 「良くないからァァァァァァァァァッ!」 全裸の快が各所を隠されながらSHOGOに引きずられていく。 ●そして身体は戻りだす 鐘の音が鳴る。 「ぁ……元に戻りましたね」 「そ、そうだな……」 額をくっつけていた冬織と茉莉が微笑み合う。 「壱和ちゃん、お出かけの続きしましょ」 「はい。あの……あのことは、いちおう、ナイショで」 「分かってるわよ」 手を繋いで遊園地を出て行く壱和とジャン。 「観覧車が内側から曇ってる……どういうことだ」 「ど、どうもこうも……!」 乱れた服を整える龍治と首をかしげる木蓮。 アーティファクト『転光聖』の効果が終了し、皆の身体と心が元に戻ったのだ。 カップルたちは幸せそうに遊園地を後にする。 そして。 「…………………………」 頭上でバネ仕掛けの星をキラキラさせつつ、カルベロが顔を覆っていた。 その横では顔を覆ってしくしく泣く瞑とアンジェリカ。 ベルカは遠い目をして『敗北が知りたい』とかぼやく。 「ハッ、私は一体何を! なにを……なにをしてたっけなー、んー、確かシンデレラの劇に出て……」 「それ前のイベントです」 晴れ上がった頬に氷を当てる亘。 その後ろでは木刀を担いだ晃が耳に手を当てて叫んでいた。 「出て来いナビ子おおおおおおおおおおおおおおお!」 「開けて! ここを開けてー!」 「もう大丈夫だからっ、性別問題ないから!」 「わ、私なんでこんなことに……」 物理封鎖されたトイレの扉を連打するラシャと凍。 その後ろで旭がぷるぷる震えていた。 「え、ええと……」 「見なかった。わしらは何も見なかった……」 一方でボールプールにぶくぶく(?)と沈んで行くメイと朔夜。 逆にがばっとボールプールから飛びあがる惟。 「これは今まで何を……いや、いいか」 暫し沈黙したあと、惟はそのままボールプールに沈んだ。 一方。 正座の状態(というか土下座体勢)でセシルはぴくぴくしていた。 その背中を撫でてやる大和。 「あ、脚が……しび……れ……」 「……な、なんだか大変な使われ方をしちゃったんですね」 「ぐ……予想外だわ……」 「オウ、ワタシ、なんでお化け屋敷で体育座りなんテ……」 「俺様ちゃんトージョ……あ、もうおしまい?」 「みたいだねー。続きする?」 お化け屋敷でろくろ首をこんにちわする伊丹。 その左右からにょきっと生えてくる葬識と甚内。 「やっはー、遊んだ遊んだー!」 「楽しかったー!」 わーいと言いながら遊園地を出て行く疾風と愛華。 その背を、守とウラジミールは沈黙のまま見送った。 「任務……完了」 「どうしましょう、俺……」 「気にするな」 「新しい趣味に」 「やめておけ」 「私なんで赤いスーツ着てるんですか。うわ、生地すごい! ルパン的なアレかと思ったら全然違う!」 「なんででしょうねえ?」 自分の身体をぱたぱたやるスペード。 「……………………」 地面に転がったまま微動だにしない壱也。 「お、恐ろしい目にあったのです……」 顔を覆ってしくしくなくそあら。 「危なかった……3DTが変形合体するところだった……」 「うん……正直ごめん……」 アスファルトを乾いた目で見つめる夏栖斗と陽菜。 「面白かったのダー」 「またあそびたいです」 そんな彼等を無視してるんたったしながら変えるカイとまお。 「……」 禅次郎は観覧車の上を見つめながら、満足げに頷いた。 「よし、帰るか」 くれなずむ街。 光と影の中。 全裸の新田快とSHOGO。 「これから、どうしよう……」 「さあ……」 二人は黙って空だけを見つめていた。 やがて、夜が来るだろう。 ナビ子は頭の上から蛍光灯型のアーティファクトを外すと、丁寧に箱へしまった。 ぐっと汗をぬぐうと、やり遂げた顔で言った。 「もう、二度とやるかっ!」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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