●死の光景 見えた光景は、血の海だった。 地面は紅黒く染まり、人々のうめき声が風に乗り、死を待つだけの定めを逃れようとひたすらもがく者すらいた。 「逃げ、ろ。誰か、呼んで来い」 血まみれの学ランを羽織った少年が虫の息で救援を求める。 が……現実とはかくも非情なものである。 その学生もまた袈裟懸けに斬られ、大量の血と共にその体から温かみを失っていく。 「く、来るな、来るなぁ!!」 最後に残った少年の前に迫るのは血を滴らせた数本の刀、日本刀と洋剣が一振りずつ。 形状こそ一般的な刀と何ら変わりがない。 だが大きく違う点、それは剣の操り主が不在である点だ。 まるで操り糸でも括りつけられているかのようにふわふわと、重力に逆らい宙に浮いている。 その様もさる事ながら、この刀によってもたらされた惨状は事の異常さをありありと示し、追い詰められた彼の心を恐慌状態に追い込んでいた。 「来いよ、俺はまだ死ぬもんか!」 男は、近くにあった鉄パイプを手に抵抗を試みる。せいぜい時間稼ぎになると踏んだのだろう。 しかし、しかしだ。 剣がもう2振り。短く、そしていびつに折れ曲がったナイフがあと2つあったとしたらどうだろうか。 ましてや、その方向に少年が知らない内に追い詰められていたとしたら―― シュバッ! 「ぎゃあ!?」 少年の死角から飛び出したナイフは腕が深く切り裂く。 痛みに耐えかねて鉄パイプを取り落とした少年に対し、物言わぬ武器は無慈悲にその刀身を彼の身に叩き込む。 「っ! う、うげぇ……」 追撃とばかりに背後、心臓の直下を貫く。 さらに2本のナイフが背後から彼の命をズタズタに引き裂き、絶命に追い込む。 4振りの剣の怨念を一矢に受けるかのように切り裂かれていく少年の肉体。 それは看取るものもなく、ただひたすらにその姿を無残なものに変えていくだけであった。 ●狩りは狩りでも刀狩り 「だが、この事象はあくまでこれから起こる事だ」 『駆ける黒猫』将門伸暁(ID:nBNE000006)が一段落とばかりに一息置き、息をつく。 伸暁によって集められた君達は、これから起こるだろう凄惨な怪奇現象について伸暁から聞かされている最中であった。 「今回の事象はE・ゴーレムによるものだ。 ゴーレムといえど、泥人形なだけではなくこのようなタイプも存在するって訳だ」 前置きを入れた後、彼が説明を始める。 今回の事件は住宅街近くの空き地にて行われる。その空き地は不良の集会場にもなっており、その場にE・ゴーレムである4本の刀がやってきて1人残さず皆殺しにするという内容であった。 見た方にとってはあまりいい気分ではない話だ。 刀の内訳は残った男を追い詰めていた日本刀とロングソード。 そして背後から致命傷を加えたダガーナイフとククリナイフ。 計4本がその刀身で突いたり振り抜いたりして攻撃を仕掛けてくる。 前述の長剣2本は深く、致命傷になるほど切り込む事に対し、短剣2本は手数と急所を狙いで攻撃を仕掛けてきた。 いずれの攻撃も一撃で死ぬことはないが、何度も受ければリベリスタとはいえ体も持たない事は考えるに易い。 「あんな真似をしてるが、単につるんで固まっているだけだろう。 言えば聞くような連中だから上手い所撒いてくれ」 不良とはいえ学校の同級生がたむろしているに過ぎず、注意すればさっさと別の場所に移すだろう。 その処理も含めた上で君達の出番というわけだ。 「お互い大変だが、頼むぜ」 最後にそう声をかけ、伸暁は君達を送り出すのであった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:カッツェ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年04月17日(日)02:20 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●露払い 陽も暮れ始め、街灯に明かりが灯り始める。 空では鴉がカアと鳴き、皆が家路に付く頃―― 「でさー、妹がうっさくて……」 「あー、判る。なんか女ってうるせーんだよな」 不良が5人。それぞれが不満を持ち、それを共有し合える仲間と共に居た方が心地良い時もある。 だが、このままいれば彼らの命は刀の露に消えよう。 例えどのような境遇であろうと守るべき命。これを無為に屠るエリューションを野放しにするわけには行かない。 「居ましたね」 「うむ、早速かかるとするかのぅ」 皆が現地に着き、作戦を改めて確認した後『煉獄夜叉』神狩・陣兵衛(BNE002153)は一歩踏み出す。 彼らのまずすべき仕事、それは死ぬべき定めにある不良どもを追い払うことだ。 まだそこに刀の姿は見えない、やるなら今を持って他にない。 「お主ら、こんな時間までたむろしてないでさっさと家に帰るのじゃ」 「あ?」 水を差された不良達から視線を一矢に浴びる陣兵衛。 年は彼らより上、傷だらけの姿に着流しと咥え煙草と、どこか時代から逸れた姿。 「最近このへんには不審者も居るしのぅ……やられん内に帰った方がいいぞ」 そんな陣兵衛が諭せば、数人から動揺が広がる。 「おいおい、不審者って……」「自分から不審者っていうかよ」「てかやばそうじゃん」 うだうだがやがやと騒ぎ出す不良達、何とも覇気のない風景であろうか。 「……」 その様子に半ば呆れかけた陣兵衛は、彼らの意をまとめるべく一息吸い―― 「つべこべ言わずに、早うここから去らんか!!」 「「「ヒッ!?」」」 怒気のこもった一喝を放つ陣兵衛に対し、不良達はビクンと体が跳ね、蜘蛛の子を散らしたかのように逃げ出し始める。 「ちっ、今日は解散だ。また明日な!」 「あぁくそ、今度10人ぐらい連れてきて囲んでやる!」 各々が捨て台詞を吐きつつ現場から去っていく。纏まっていたものの、根が弱いことが幸いだったといえよう。 ●構え 「よし、エリューションが出ない内に場所の確保を済ませてしまいましょう」 不良が逃げ去る様子を陣兵衛と『宵闇に紛れる狩人』仁科 孝平(BNE000933)が見届け、説得成功を知らせる。 そして、その連絡と共にリベリスタ達が現れ、それぞれ結界を一帯に向けて展開していく。 「さぁどこだ? 惨劇なんて起こさせやしないぜ!」 戦いに掛ける想いはそれぞれ十人十色。『駆け出し冒険者』桜小路・静(BNE000915)のように初陣に際し、息巻くものもいれば―― 「おおおばけじゃないもん、だから怖くないもん! ……ふえーん、でもこわいよぉ」 いつ出てくるか解らないエリューションに対し『臆病ワンコ』金原・文(BNE000833)のように震える者と実に個性様々。 「事前に判明してよかったと考えましょう、後は来るのを待つだけ……」 『星の銀輪』風宮 悠月(BNE001450)は穏やかに周辺を確認し、注意を怠らない。 いつ出てくるかも解らない相手、気を緩めずにかからねば。 ――静寂と共に風が吹き始める ふわりと、悠月の纏うマキシ丈の導師服が揺れ、その風に徐々にではあるが殺気が孕み始める。 誰もが無意識のうちに危険を感じながらもその場から離れず、そしてある一点を身構える。 不良らがたむろしていた、土管置き場。 ゴワァン!! 轟音と共に、横倒しにされていたそれらが木っ端微塵に砕け、土煙の中から2本の刀が現れる。 「奴さんが来たみたいだな。なんともおどろおどろしいことで」 『イケメンヴァンパイア』御厨・夏栖斗(BNE000004)がつぶやいたそれは、日本刀とロングソード。 どちらも予知したエリューション・ゴーレムの『片割れ』だ。 革醒した武器は合わせて4本。いずれもこの空き地から出してしまえば、どれだけの被害が出るか想像もつかない。 「やはり二本だけですか。――それなら」 悠月が意識を集中させて『千里眼』を使い、で周囲を見回していくもその表情は思わしくない。 どうやら、この空き地一帯をただ見るには千里眼で事が足りるものの、周辺に転がっている資材を全て透視して、ナイフの所在を明確に暴くまでには至らない。 「千里眼で見えた範囲では居ませんね……」 どこかに潜んでいるのだろうか、悠月は警戒を緩めぬまま前方の刀を見据える。 「OK、こっちはこっちでサクっとやっちゃっていいよな?」 夏栖斗がアクセス・ファンタズムからトンファーを展開したのを皮切りに、それぞれが手慣れた武装を展開していく。 辺りは陽も沈み、代わりに街灯が付き始めていた。 相対するエリューションとリベリスタ。 世界をも壊す程の力を持つ者の戦い、は宵闇の中静かに幕を開けていく。 ●壱之太刀 「後ろはお任せします!」 その言葉と共に、孝平がグンと自らのスピードを上げて、日本刀に対して臨戦態勢を取る。 固く、重い敵であっても無数の瞬撃を以てすれば崩すことも出来る。 それがソードミラージュたる彼の戦い方といえよう。 「――!!!」 そんな彼らの意気を食らうかのように、ニ振りの刀もそれぞれ襲いかかる。 持ち手のない存在とはいえ、その凶暴さは目に余る物がある。 「どちらの『斬』が強いか勝負ってとこ? 燃えるね!」 ロングソードの切り込みに対し、夏栖斗はバックステップで避け、斬風脚を逆に打ち込む。 ギチッと、刀身から嫌な音を立てた後、紅い靄が溢れ出すロングソード。 その紅い靄こそこの刀にとっての生命力に当たる物。 その力がヒビから漏れ出した所を見ると、初手から良い具合に当たったと見ていいだろう。 一方、日本刀は強烈な打ち込みを陣兵衛に浴びせ、初手から圧倒せんと打って出る。 「二の太刀要らずとくるか。じゃが――」 扇形のアクセス・ファンタズムを翻して展開した斬馬刀を構え、日本刀を受け止めるや重さを載せてそれを弾き返す。 「儂の相棒は気が荒いのでな。せいぜい甘く見ぬ事じゃ」 前衛は一進一退の攻防。そして後衛でも姿を見せぬもう2本の気配を探し、待ち構える。 「うわ、ギリギリ。血は出ないでくれよ……」 前衛の戦いっぷりに『Gimmick Knife』霧島 俊介(BNE000082)は思わず血の気をひかす。 彼ら中衛、後衛は不意を打ってくるナイフの迎撃に当たるが、未だその姿を見せずにいた。 「どこだ……どこに居るんだ?」 肉眼で見回すも辺りに何の変化も見当たらない。 隠れているのでそれも当然の筈――であった。 だが、悠月の目にはかすかな異変を感じていた。 「ん……さっきから何か目に刺さります」 マジックミサイルをやや外した事で、なおも感じる違和感。 どうやら、街灯の明かりが何かに反射しては彼女の目をチラチラと刺激し、その刺激自体が徐々に角度を変えて動いているのである。 そのような物体の心当たりは、1つ、いや2つしかない。 「俊介さん、伏せて!」 「え」 悠月が焦りの声と共に呼びかけ、振り向く俊介。 見えたのは間違いなく、彼に向かって一直線に飛んでいく2本のナイフ。 このままでは、直撃は免れない。 「ギャアアア!!??」 血みどろになるビジョンを想起し、思わず体ではなく目を伏せてしまい、そして…… 快い音が、響き渡る。 「……あれ?」 その音に手の隙間を開き、様子をみる俊介。 そこに見えたのは――静のハルバードから生み出された真空刃によって、空へと弾き返されるダガーナイフ。 「串刺しなんかに――」 「……串刺しなんかにさせないもん!」 そして、文の出す気の糸によってグルグルに縛られたククリナイフの姿。 ビーストハーフが持ち得る超反射神経は、不条理な刃が仲間に危害を加える前に危機を察知し、迎撃することに見事成功したのであった! 「玲、お前の力、信じてるぜ!」 「わかった、ここで決めるよ!」 静の声に、今が好機とばかりに『天翔る幼き蒼狼』宮藤・玲(BNE001008)は片足に力を加え、一気にダガーに向かって斬風脚を蹴り上げる。 「!!!」 ナイフ全体を縦に削ぐような鎌鼬に空転が止まり、紅い気を振りまいていくダガーナイフ。 「まだだよ、これで!」 そこに、すかさず2度目を叩き込む。タイミングのあった、隙のない動きだ。 先程のような直撃とは行かないものの、削れた部分に追い打ちを加える形で命中したダガーナイフは、そのまま空中分解を起こし、残骸が空き地に散らばっていく。 「よっしゃあ! このままククリナイフの方も――」 と、静が叫んだ瞬間に縛っていた糸が解け、すかさず反撃の刃を文に向けるククリナイフ。 「ふえーん! 早くはやくしてー!!」 これを何とか避けるものの、振るわれる度に文のふわふわした獣毛が辺りに散っていく。 残る刃は、後3本。 まだ先は長い。 ●弐之太刀 「援護します」 「と、すまんのぅ」 後ろから回りこみ、日本刀にツインストライクをかける孝平。 速度を得たことでいの一番に斬り込むことでエリューションのペースを乱す。 ヒット&アウェイを常用する作戦では中々ダメージにつながらないものの、小さいダメージを重ねる事で少しずつペースをこちらに引っ張っていく。 ロングソードはそれに対し、孝平に斬りかかろうとする。 「おっと、僕の相手はこっちだぜ」 が、夏栖斗がそれを阻害するように立ちはだかる。 ナイフと違い、打たれてもなかなか揺るごうとはしないものの、彼らのダメージは着実に実を結んでいた。 「この、痛ッてぇ!!」 一方の後衛では、ククリナイフの連撃によって静の腕が斬られ、服越しに血が滲み出していた。 「おい大じょうぶ、って、血……うぇ」 それを見て思わず嗚咽を漏らす俊介。 彼の苦手な物、それは血であった。 「――ま、まぁ、俺がしっかり治してやるよ」 一瞬、クラリと倒れかけた自分を持ち直し、天使の息で静の傷をしっかり治していく。 「サンキュー! これ以上はやらせ……っとと!」 静がそれに応えようと攻撃を仕掛けるも、ナイフに悠々とかわされ―― 「お前の相手は俺だよ!」 避けた所に玲のキックが入る。 「よし、結果オーライ!」 その様子に玲も少し苦笑い。 しかし、後衛の奮戦とは対照的に前衛の様子はあまり思わしくない。 2刀の繰り出す強撃をモロに受け、夏栖斗は俊介の近くまで飛ばされてしまう 「アタタ、けどまだやれる!」 俊介の力でもち返すものの完全とは行かない、長引けばこちらの不利は確実だ。 「まずはこちらから片付けます!」 タロット型のアクセス・ファンタズムを引き出し、詠唱と共に魔方陣から現れた無数の光弾がナイフをうち貫く。 「怖くない怖くない……でもやっぱり怖いからもう動かないで!」 そこに畳み掛けるかのように文の生み出す気糸が刀身を絡めとり、そのまま細切れに裁断してしまう。 「残りは2本、このまま一網打尽だ!」 先程まで動いていたはずのナイフは、もはや単なる鉄屑となって地に転げている。 残る刃は2本、態勢は既に着こうとしていた。 ●大剣戟 浮かぶ剣を囲むように陣を組む一同、これでもう残った刀は逃げられない。 「あまり突っ込み過ぎないように、怪我しては元も子もありませんからね」 孝平の攻撃を皮切りに、全員が傷の大きいロングソードから狙っていく。 「今度は静の番だよ!」 「任せときな!」 玲の斬風脚に続くように静がハルバードを軸にした蹴りが綺麗に入り、そのままオーラを纏ったハルバードが唐竹割りとばかりに振り下ろされる。 その勢いに、身につけていた時計型アクセス・ファンタズムが揺れる。 「これ以上は誰も殺らせねー!」 「これで、僕の勝ちだ!」 これに夏栖斗がダメ押しの攻撃を叩き込み、ヒビだらけだったロングソードは呆気無く崩落する。 「もうやだやだやだー!!」 涙声ながらも、文の生み出した黒影は容赦なく日本刀を叩いては大きなヒビを付け、悠月のマジックミサイルがジリジリと刀身にヒビと傷を入れていく。 「そろそろ頃合い……来ます!」 その言葉が先か、振りかぶるのが先か。 その刃は上段から文に振り下ろされ、大きく袈裟斬りにする。 「こ、こないで……」 幸い致命傷になる傷ではなかったものの、元々怖がりだった彼女の意気を削ぐには十分な威力。 その様子に呼応するように、反撃の兆しありとばかりに、血が滴る刀身を下段に構える日本刀。 ――が、その執着は二度と果たされることはなかった。 「これ以上、お主に斬らせる物はない。これで終いじゃ」 一閃。 引き絞った弦を解き放つかのように、重く打ち込まれた一閃は、決定打として十分だった。 「――オォォン……」 最後に残った刀身は硝子細工のように微塵に砕け、持ち手はそのまま地に落ちた。 荒れ狂う刀はもう、無い。 ●納刀 「ぅぅう終わったー!! リベリスタ様を敵にしたのは不運だったな!」 「やった! やったぁ!!」 天使の歌を使い終えた後、戦いを終えた開放感からざまーみろーざまーみろーと高笑いする俊介と、飛び跳ねながら全身で喜びを顕にする文。 「終わりましたね。……一先ず、ゆっくり御茶でも飲みたい所です」 悠月も全ての武器を壊し終えたことを確認し、一息つく。 「全員無事で何よりでしたね。あとはアークに報告して任務完了です」 「だな! ……しかし、こんな輩が日本中に蔓延ってるのかぁ」 初陣を生き延びたことを喜びつつも、締めるところはしっかり締める孝平 そして、この戦いを基に強くなろうと決意を新たにする静。 これから戦い抜くためにはまだまだ練度も経験も乏しいが、それでもリベリスタの団結力を以てすれば乗り越えることも容易いだろう。 「うはは、初依頼完遂! みんなぼろっぼろだな!」 夏栖斗も傷だらけだが、まだまだ元気は有り余っていると言わんばかり。 「俊介おにーたんの悲鳴、こっちにも届いてたぜ!」 その証拠だろうか、はしゃぐかのように俊介をからかっている。 「だから違うだろ! おにーたんじゃなくて俊介様と――」 「おにーたん! おにーたん!」 からかい、騒ぎながらもリベリスタ達は帰っていく。 「やれやれじゃのぅ……」 タバコを咥え、彼女がふと見上げた月は、奇遇にも刀の如き下弦の三日月であった。 誰もいない空き地の隅に、土饅頭がぽつんと1つ。 それは彷徨い続けた名もなき刃の墓。 動く事は二度とない、悲しき鉄屑がそこで眠っている。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|