下記よりログインしてください。
ログインID(メールアドレス)

パスワード
















リンクについて
二次創作/画像・文章の
二次使用について
BNE利用規約
課金利用規約
お問い合わせ

ツイッターでも情報公開中です。
follow Chocolop_PBW at http://twitter.com






<Lost World>グレイト・グレイト・グレイト・ワーム

●地を這うもの。その変異。
 周辺警戒中のことである。
 双眼鏡越しに、地を歩く何かの生き物が見えた。
 それだけならば何も不思議な状態ではない。ここはラ・ル・カーナ。さまざまな生物の住まう世界である。
 だが問題はそこからだった。
 地を爆砕せんばかりの勢いで巨大なミミズが飛び出してきた。ただ飛び出したのではない。出現と同時に動物へ咬みつき、振り上げ、強引に振り回した後、体内にごくりと飲み込んでしまったのだ。
 なんと恐ろしい生物だろうか。
 …………などと。
 ここまででも、まだラ・ル・カーナとして自然な部類に入っていた。
 本当の問題はこの次だ。
 ドウンと大気が弾け、地面が激震し、大量の土がはじけ飛ぶ。
 そして地中からは、巨大ミミズの集合体が現れた。
 そう。まるで八首の蛇が如く大量に枝分かれした合体巨大ミミズ。八首蛇との違いは、首の数が八つどころか数十本も存在していることだろうか。
 これまでの巨大ミミズがワームとするならば。
 今回の巨獣はこう呼ぶべきだろう。
 ――グレイトワーム。
 これもこの世界に起こった異変のひとつなのか。
 あなたは双眼鏡をしまうと、拠点へと走った。

●変異巨獣、グレイトワーム。
 フュリエの族長シェルンの説明を分かりやすくまとめるとこうだ。
 グレイトワーム。
 全方位に頭が突き出したワームの塊。
 イメージとしてはギリシャの神話におけるメデューサヘッドに近い物があるが、このグレイトワームに中心核なるものは無く、いわゆる弱点のようなものも存在しないという。
 頭が大量にあるのに意思系統はどうなっているのかは分からないが、蟻の群体が意思を遠隔統一しているのと同じものではないだろうか。
 とにかく、大量に群がるワームの群体を斬って斬って斬り続ける必要があるらしい。
 こう巨大化したせいで地中潜航能力が低下し、戦闘中に土へ潜ることができなくなったようだが、実質的な戦闘力は格段に高まっているだろう。
「ですが、皆さんが力を合わせれば決して勝てない敵ではない筈です。どうか、宜しくお願います」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年09月26日(水)23:54
八重紅友禅でございます。
ラ・ル・カーナですよ。

補足と言う程ではありませんが、相談の進行をスムーズにする程度の情報を付けたします。
グレイトワームはとても巨大で、飛んで上から攻撃しようとすれば当たり前のように飛行ペナルティがついちゃったりする程です。
地中潜りはしてこないので、地に足つけた戦いを挑むか、いっそぎゅんぎゅん飛び回ってワームの首をバサバサ斬り落とすかという感じになるでしょう。
ちなみにHPは1体分なので、どこの首斬っても同じようなダメージが入ります。逆に言うと、全体攻撃ぶっぱしても一体分だけカウントされます。えーってなります。データ的にはやたらDAが高くて近範攻撃(の割と広いやつ)をバカスカ撃ってくる敵、くらいに考えておいていいでしょう。
ポイントは『囲んで只管殴る』『長期戦を意識して色々凌ぐ』あと『出てくるときはたぶん地中からなのでなんかカッコよく凌ぐ』になると思われます。
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
クロスイージス
アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)
ソードミラージュ
アーネスト・エヴァンス・シートン(BNE000935)
デュランダル
斜堂・影継(BNE000955)
クリミナルスタア
山川 夏海(BNE002852)
クリミナルスタア
晦 烏(BNE002858)
インヤンマスター
高木・京一(BNE003179)
ダークナイト
一条・玄弥(BNE003422)
レイザータクト
アルフォンソ・フェルナンテ(BNE003792)
ホーリーメイガス
艶蕗 伊丹(BNE003976)
   


「ミミズかあ……思い出すなあ」
 ラ・ル・カーナの空の下。
 『影の継承者』斜堂・影継(BNE000955)はぼんやりと地面を見つめていた。
「昔、縁日で買ってきた金魚に糸ミミズやったなあ。そして……フフ、ひと夏終える前に野良猫の餌に……フフ……」
「ちょっとやめてよ、何だか急にネガティブになって来たよ!」
 腕をぱたぱたと振る山川 夏海(BNE002852)。
「今日は巨大くっつきミミズを退治するんでしょ、その話しようよ」
「オゥ……」
 『継戦装置』艶蕗 伊丹(BNE003976)の頭上で架空豆電球がぺかーっと光った。
「ワタシ見たことアル! 確か夏場に紅茶をポットごと一週間放置すると中に」
「それもやめてよ! 一部視聴者の皆さんのトラウマを刺激するのはやめて!」
 反転して腕ブンする夏海。
「もー、異世界に来てみたけどやってること大体一緒だよー。アサバ殺すだけだし」
「さりげなく世紀末覇者みたいなこと言ったね。」
「イエス、ギャクサツ! ショクミンカイタク!」
「艶蕗そこ乗るトコじゃない! あとなんで急にカタコト度増したの!?」
「ふむ……」
 ワゴン車の上で仁王立ちする『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)。
「ああごちゃごちゃしていると、釣り餌にもできにくそうだ……行ってみれば、ヒュドラ的な生き物なのでしょうかね。流石異世界」
「そうですねえ。ただ、前回見た生き物がそのまま変異したと見られているんでしょう?」
 地面を覗き見るようにする『子煩悩パパ』高木・京一(BNE003179)。
 『足らずの』晦 烏(BNE002858)は煙草を咥えたまま唸った。
「多分な。集合合体とかロボじゃあるまいし……」
「やはり、世界樹が影響しているのでしょうか」
「わからん。わからんが……とりあえずハッキリしてるこたぁある」
「後顧の憂いは断たねばならぬ、と」
「全くです」
 アラストールは鞘を持ち上げ、京一はネクタイを指先で緩めた。

 地面にうじゃうじゃとしたヒュドラ的生物を描いてみる。
 『伝説の灰色狼』アーネスト・エヴァンス・シートン(BNE000935)は顎をさすって首を傾げた。
「盛大な化物になったというか……顔が一杯ありすぎて邪魔なんじゃないですかね」
「途中まで切ったプラナリアじゃないですが、こういう捕食口が多数ある生物というのは実際珍しくはないんですよ。脳の位置が中央に集まっていたりするのですが……まあ、今回応用できる知識じゃありませんね」
 サングラスのブリッジを指で抑える『非才を知る者』アルフォンソ・フェルナンテ(BNE003792)。
「巨大で顎も多く、高い素早さと広い攻撃範囲。恐らく耐久力もあるでしょう。推測ですが、麻痺系や崩し系のBSも効きづらいかもしれません。こればかりは試してみないと分かりませんが……」
「ま、なんでもやってみたらええがな」
 『√3』一条・玄弥(BNE003422)が車の上から釣り糸を垂らしていた。
 糸の先には何があるのかと思いきや、カエルの玩具がぴょこぴょこと跳ねている。
「それにしても、この世界も終焉が近いんでやすかねぇ。どうにしろ世界は動いて仕事はできる。金がもらえりゃあっしは何でもいいんですが……とぉ?」
 地中空洞を透視していた影継と、掘削音をサーチしていた烏がおもむろに立ち上がる。
 地面がストンと落ちる感覚。縦揺れ型地震のそれに似た、大きな衝撃を感じた。
 これはヤバいかと玄弥が腰を浮かせたその時。

 大地が大地に吸い込まれた。


 ミミズは土ごと食って微生物を肥料化して排出すると言われているが、コレはその比ではなかった。
 足元の大地を丸ごと飲み干しながら、大量のワームの首が地上へ飛び出してくる。
 根元がどこにあるかなど見当もつかない。というよりつけている暇がない。
「皆さん、離脱してっ!」
 自らへ食らいつく巨大な顎から飛び退き杖を翳す京一。
 着地点でご丁寧に大口を開けて待つワーム。
 そのまま放り込まれてしまうのかと言う所で、京一の背中に翼が生まれた。
 羽ばたき。そして急上昇。
 数メートル下でガチンと閉じるワームの顎。
 その真横で、飛び出してくるワームの首目がけて裂帛の蹴りを叩き込む影継。
「しょっぱなから景気よく行く――ぜっ!」
 ぐねんと曲がったワームの首を複雑に避けながら三本の首が影継へと殺到。
 横合いから掻っ攫うように突っ込んできた顎をナイフと靴底でギリギリ抑えつつ、交差してきたワームの顎に蹴りを一発。そのまま首どうしを衝突させて離脱。
 翼で急反転をかけると、思い切り首にメガクラッシュを叩き込んでやった。
「アラストール、そっち飛ばすぞ!」
「――ッ!」
 思い切り吹き飛ばされてくる首、二本。
 正確には花を蹴って茎を曲げるようなものなのだが、広義にみればこれも飛んだと表現してよいだろう。
 アラストールはワームの首に立つと、垂直に構えた鞘から剣を抜く。
 刀身から放たれた光が漏れ出し、アラストール自身を照らした。
「非現実的な迫力。流石は異世界……しかしッ」
 剣を抜くやいなや上段から真っ直ぐに斬りおろす。
 軌跡を描いた光にそってワームの首が二本ともぶった切れる。
 ぐったりと地に沈んで行く首へ飛び乗り、横合いから攻めてくる顎を屈んで回避。首が頭上を通過する際、翳した剣でばっさりと『おろし』にした。
 ちらりと振り返る。
 やや離れた場所でアーネストが二本の剣を構えてワームの首と対峙していた。
「さあて、上手くいくといいのですがね!」
 聞いたこともない奇怪な叫声をあげながら突っ込んでくる首の束。 
 アーネストは逃げもせずに正面から飛び掛ると、二本の剣を複雑に振り込み続けた。
 剣閃。弧月十七筋。全交差。
 ワームの首束を突っ切って天へ飛ぶアーネスト。
 彼の後ろで、細切れになった無数の首が次々と分解して落ち始める。
「手ごたえあり……おっと!」
 空中で急ブレーキ。
 前後左右含め八方から同時に首が突っ込んできた。
「ほれ、ちぃとこっちに来てくんなせえ」
 真上から後ろ襟を引っ張られる。
 足元で衝突し合うワームの顎。
 見上げると、玄弥が身体中から大量の闇武具を出現させていた。
「何を――」
「蟲はぶちっと潰すもんでさぁ」
 腕を振る玄弥。
 その一回だけで、足元に群がっていたワームの顎へと大量の闇武具が殺到した。
 首の先端部分だけを磨り潰されたように消失するワーム。
 その様子を上空から見下ろして、アルフォンソは顎を上げた。
「ある程度は特殊攻撃が通用する……と。烏さん、夏海さん、一斉にやってみましょう。準備は?」
「いつでも!」
「はいよどこでも」
 あえての自由落下で首の群集へと突っ込んで行く夏海と烏。
 周囲を大量の首に囲まれ、一斉に顎が開く。
 圧巻のパノラマビューである。
 夏海はフィンガーバレットを周囲に広げるように突出し、烏もまた古い散弾銃を突き出す。
 そんな彼らの頭上に、アルフォンソが手榴弾を投げ落とした。
「これでどうですっ」
「吹き飛んじゃえ!」
 それぞれ離れた場所で同時に起こる爆発的破壊力。
 暴れ大蛇、フラッシュバン、神気閃光が一斉に放たれる。
 ワームの首が大量にはじけ飛び、捻じ切れ、焼失する。
 しかし……。
 おぞましいうめき声と共に地面より更なるワームの首が大量に飛び出し、烏たちは徐に薙ぎ払われた。
「オー、大丈夫カナ!? まだ生きてるよネ!」
「そうポンポン死んでたまるか」
 煙草を咥えたまま飛んでくる烏。
「ハイ回復回復ー!」
 伊丹はワンドを右へ左へ振りながら天使の歌を展開した。
 夏海とアルフォンソが離脱してくる。
「マヒらないね、よく狙ったんだけどな?」
「ただ若干避けやすくはなっています。ショックくらいなら通用するのでしょう」
「これで麻痺したらただのヌルゲーだよネ! 解体作業だよネ!」
「モチベーションが死ぬようなことを言うない」
「いや、まあ、実際……」
 翼の加護を継続付与しながらゆっくり降下してくる京一。
「相手の攻撃範囲は極大というわけではないので、真上を飛行しながら延々爆撃していれば無傷でクリアできませんか、これ」
「そうなっタラ、どうイウ描写になるんでショウ……?」
 伊丹の頭上にほわんほわんと空想雲が広がった。

 リベリスタ達は そらをとぶ を使った!
 グレイトワームの攻撃は届かない!
 リベリスタAの攻撃。ワームの首に100のダメージ!
 リベリスタBの攻撃。ワームの首に250のダメージ!
 グレイトワームはうねうねしている。
 リベリスタCの攻撃。ワームの首に100のダメージ!
 グレイトワームは諦めて帰った!
 ……目標は拠点地下だ!
 リベリスタ達は慌てて穴に突入しようとした。
 穴がフンや土砂で埋まっている。
 リベリスタDは頭を抱えた……。

「誰モ……幸せになれないヨ……」
「どうしたんですそんな悲しい顔をして」
「ココン東西、ヌルプレイにはいつモ、ワナがあるんだネ……」
「いや、だからどうしたんです!?」
 伊丹はにっこりと笑うと、『みんながんばろうネ!』とカメラに向けて言った。カメラないけど。


 化物の体液と首が降ってくる中を、アラストールと影継は駆け抜けていた。
「斬っても斬っても湧いてきますね」
「無限に首が生えるとしか思えないんだ……け……どおおおおうわ!?」
 地面を割るようにして飛び出すワーム。
 目の前か? 後ろか? それとも横か? いやどれでもない。
 アラストールの足元が足元がぽっかりと空き。飛行離脱よりもさらに早い速度でワームの首が天へ迸ったのだ。
 アラストールが一瞬で飲込まれ。影継はギリギリのところで相手の首に飛びついた。
「――くそっ!」
 見失わないためにナイフをひっかけてしがみ付くが、ワームの動きたるや荒々しく、空中をあらんばかりに振り回される。
 しかも首にくっついた影継を食いちぎらんと四方八方からワームの首が襲ってくるのだ。
 影継は魔力銃を片手リロードすると薙ぎ払うように連射。
 なんとか首を薙ぎ払うがそれこそキリがない。
「うおおおおお早く助けに行かないとヤベェのに! アラストール、まだ消化されんなよ!」
 ナイフをピッケル代わりにワームをよじ登ろうとする影継。
 と、その頭上から輝く刀身が突き出てきた。
 慌てて手をひっこめる。
 刀身はワームの身体をぐるんと一周すると、文字通り輪切りにしてしまった。
 首の先端らしきものが落下していく。
 そして切り口からは……。
「ふう……流石に、危なかったですね」
 体液で身体中をべとべとにしたアラストールが仏頂面で這い出てきた。
「お、おお……」
 影継としてはただ頷くばかりである。
 ――その一方。
「胴体の方が効果あるのかなー。ていうか、胴体どこ?」
「ええと……首の付け根の辺りじゃないでしょうか。正直よく分かりません」
 飛行しながらバウンティショットを続ける夏海。アーネストはその周りを高速旋回しながら彼女を援護していた。
 無軌道に突っ込んでくるワームの首を次々切り落とし、弱った所に夏海が撃つなり殴るなりするというサイクルである。
「わたしとしては胴体的な場所を狙って……こう、中心から潰す的な……こう……」
「見えないものは仕方ないですね。マリモの中心を見つけるようなものです」
「良い考えだと思ったんだけどなー」
「おうい、その辺流れ弾行くぞ」
 地に足をつけ、大量に突っ込んでくるワームヘッドをショットガンの連射で次々潰していく烏。
 B-SSの面制圧力は大したもので、わりとギリギリではあったがそのギリギリラインからは肉片くらいしか入り込むことができないという有様である。
「頼もしいものですね。回復は?」
「チャージもあるヨ!」
 頭上をひらひらと飛ぶ京一と伊丹。
「脳内の天使と悪魔みたいな出方しやがって……とりあえず両方やってくれ。そろそろキツいぜ」
「あー、こっちもー!」
 ワームヘッドの中でカオスに戦いながら手を振ってくる夏海。
 京一と伊丹がそれぞれ回復やチャージに勤しむ中……。
「さて、そろそろ終いにしようかねぇ」
 一升瓶を抱えた玄弥がふらふらしながらワームヘッドの群中に入って行く。
 右から飛び掛るワームを闇のギロチンでぶった切り、上から来るワームを闇の槍で串刺しにし、下から地面ごとかっ喰らおうとしたワームに闇のやっとこを押し込んで裏返し、内部に暗黒をたらふく叩き込んだ。
 空中にふわふわと浮遊しながら一升瓶を飲み干す玄弥。
「手ごたえが出てきたなぁ……来るか?」
 ドンッ、という巨大な自身の衝撃が伝わってくる。空中にいてすら感じる衝撃だ。
 その直後、ずんぐりとした巨大な球体が地上へ露出。そのままぶんわりと宙へ浮かび上がったではないか。
「さ、流石異世界……!」
「異世界で済ますのも限度がありますよ!」
 球体は全方位にワームをしっぽ切りさせると、離れた所にまでワームを『まるごと』飛ばしてきた。
 咄嗟にガードする京一と伊丹。
 二人は身を寄せ合い、巾着のように閉じようとする丸型の顎を正面から見た。
「伊丹さん!」
「ハイデス!」
 伊丹は素早くワンドの中心部分を捻ると柄を急激に伸ばした。
 下部のキャスター四足式の鐺と上部のT時フックをそれぞれ顎の先端につっかえて固定。京一は開き切った顎の奥めがけて式神鴉を連続で叩き込んだ。
 内部から破裂し、解放される二人。
 その横を、烏がショットガン水平連射で突っ込んで行く。
「見たとこコレが最後の切り札だ、やっちまえ!」
「待ちに待った胴体ショットだね!」
 夏海が指を突き出して球体へ連続射撃。
 飛来するワームの群を縫うように飛んだ弾丸が球体へめり込む。
 全ワームがまるで悲鳴のような声をあげた。
「いける!」
「おらもっと鳴け鳴け」
 銃を乱射しながら突撃する影継と玄弥。
 彼等の弾幕に守られてアラストールとアーネストがが球体へとさらに突っ込んで行く。
「途中のワームはどうします!」
「どうって、斬るんでしょう!」
 二人はそれぞれ剣を眼前に突き出し、まっすぐに飛来するワームを真っ二つに切り分けながらダッシュ。
 球体へと直接とびかかり、剣を突き刺した。
 大地を震わす悲鳴があがる。
「もう、一押し……!」
 アルフォンソがワームの群を掻い潜ってダッシュ。
 ギリギリ掠めた顎の一撃がサングラスを掻っ攫って行ったが、無視してナイフを宙へ翳した。
 赤い目が尾を引き、球体の傷口を正確にとらえた。
「行け!」
 ナイフをスイング。
 生まれた鎌鼬がワームの群をジグザグに掻い潜り、傷口へと侵入。そのまま内部を切り進み、そして……。
 球体は、凄まじい音をたてて破裂。大量の体液をまき散らした。


 後の事ばかりを語るべきではない。それ故あっさりと述べることとする。
 グレイトワームを撃退し終えたリベリスタ達は、この巨獣がどこからきたのかを確かめるべく地中を探索してはどうかと話し合っていた。
 なので、力尽き巨大な肉塊と化したワームを苦労してどけ、胴体(?)とみられる球体の真下を覗いたのだ……が。
「埋まってますね……」
「埋まってるな……」
「埋まってる……」
「やっぱりダネ……」
 所謂一般的なミミズと同じく、土砂を埋めながら掘り進む性質であったらしい。
 マンガのようにモグラ穴を掘っているわけではないようだ。
「仮にそうだとしたらこの辺の地盤ボッコボコだもんな。そうだよなあ……」
「うっかり潜って変な巨獣に囲まれないとも限りませんし」
「探索はやめておいて正解か」
「ですね」
 一同はちょっとした疲労感を感じながら、グレイトワームの亡骸に背を向けたのだった。

 この世界が壊れ始めている。
 ヒビの音が聞こえる程に。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした。
地底探索は……まあ、できてもいいっちゃいいですが、すごく危険そうですよね。