● からからからから……。 地元の人さえ忘れてしまったかのような所にそれはある。 街灯も無い緑の木々に囲まれ、月光さえやけに明るく感じる。朽ちかけた木の鳥居を潜ると続いている小高い山道は土と小石が混じり、しかし人々の往来により確かにそこには「路」が出来ていた。 道程には色あせた着物を纏う、小さな地蔵尊が並ぶ。 時折吹くそよ風で、木々のざわめきの他にこの場を埋める音が一つ……いや、複数。 からからからから……。 自然豊かな場所に凡そ似つかわしくない蛍光色。黄、ピンク、青、赤……乾いた音がその場の寂しさを助長させた。目まぐるしく移り行く現代にあって、管理する者が居なくなって尚ずっと変わらない場所。 霊場。そこは昼に来るとすれば――そう、白昼夢でも見ているような光景が広がっているのだろう。 ● 「今回は、東京でのお仕事です」 ブリーフィングルームに集まったリベリスタ達に『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)は場所を告げた。 行き交う人々の足音、話し声、宣伝カーから絶え間なく流れる大音量、夜にはネオンがそこかしこで自己主張をし、それは日付が変わる頃になっても変わらない。 ――それが大都市、東京。 「ですが、繁華街という訳ではありません」 「……と、いうと?」 続きを促した一人のリベリスタに向かい、一度頷き和泉は情報を告げていった。 「東京郊外に、人の寄り付かなくなった霊場があります」 霊場、と聞き誰しもが何となくの緊張を覚える。普段より人成らざるものと戦っているリベリスタにとっても、よく理解の出来ないものはあるからだ。 静まった一同を見渡し、モニターに敵詳細を映し出してから、彼女は至って落ち着いた聞き取りやすい声で続ける。 「敵は狐のようなエリューションビースト一体、フェーズは2。 放っておけば数日後に肝試しに来る若者を食い殺してしまいます」 普段人気のないところだといって、本当に誰も寄り付かなくなった訳じゃない。 人気が無いところだからこそ、スリルを味わいに行くものも居る。 「霊場に狐か……まさかオキツネ様、ってヤツじゃないよな?」 肩を竦めて冗談交じりに問いかけた内容に、ゆっくりと今度は横に首を振る。だがそれはあくまで予想の範囲。 実際にオキツネ様であろうとなんであろうと、敵は屠る。 それだけのことだ。 「霊場は色鮮やかな風車やお地蔵様が並んでいて、 白昼夢のような光景だと聞いたことがありますが……いえ。」 そこまで口にして、和泉は言葉を切る。今度向かうのは月の光が頼りの夜。 白昼夢ではなく、――月光夢でしょうか。と言い換えた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:極楽彩 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年09月22日(土)23:22 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●人を忘れた路。人が忘れた場所。 人も虫も寝静まる夜半。その道は木々の合間を縫って射し込む月光に照らされていた。 ポツリポツリと地面に落ちる月の導きは、昼間とは違う神秘的なものや不気味さを形作っている。 からからからから……。 そこに佇む地蔵尊は、よく見ればどれも子供用の柄の着物を纏っている。 そして何本も、何本も生えた風車。 一般的な言葉を借りて言うとすれば……。 ――ここは、人でないものが出そう。である。 人々の往来もぱったりと途絶えた祈りへの道程は、どこか空虚。 だが、静けさに包まれ眠る霊場に、今宵は賑やかな客の声が響いた。 「きつねさんのけはいをかんじとるの~」 一行の先頭を歩く『おかしけいさぽーとじょし!』テテロ ミーノ(BNE000011)はマスターファイヴを駆使し、辺りの様子を窺っていた。 くんくんぴこぴこじーっと周囲へ気を配る度にススキ色の狐の耳が、そして尻尾が動く。 その後を追うようにして進む人影が手を上げ、大きな声を出す。 「ねぇ、しりとりしようよ」 後続にも聞こえるように体を反転させて『いとうさん』伊藤 サン(BNE004012) が持ち掛けると参加する者がチラホラ。 後方より懐中電灯……一条の真白い光の先に風車の原色が光る。 その原色に伊藤は不気味奇麗、と素直な感想を述べた。そしてしりとりを声高に始める。 「本来狐っていうのは雑食だけど、人を食べる……ってのは褒められたものじゃないね」 一行の中央を歩く『黄昏の賢者』逢坂 彩音(ID:BNE000675)は超直感で気を張りながらも、狐の豆知識を語る。 『闇狩人』四門 零二(ID:BNE001044)は、それに大きく頷いた。 こちらも物音や気配に警戒して隙をみせないようにしつつ、ゆっくり口を開く。 「だが、肝試しというのも、オレは好きじゃない」 この地に自己満足の為だけに足を運ぶ若者がいるのは確か。ここは遊び場じゃぁない……呟きが他の面々の話し声に消える。 懐中電灯の持ち主、雪待 辜月(BNE003382)は時折風に揺れる梢の音に不安げに視線を巡らせた。 強結界を張ったものの、心なしかあちらこちらから視線を感じるような気がして、必要以上に警戒してしまう。 「雪待、おぬし何かそわそわしていないか?」 そんな辜月のいつもとは違う雰囲気に気付き、隣を歩く『破壊の魔女』シェリー・D・モーガン(BNE003862) が顔を覗き込み問いかけた。 「いえ……なんだかすごく雰囲気が……」 ぇと、別に怖い訳じゃないですけど…と、続ける辜月の姿にシェリーが小さく息を吐き、肘を突き出した。 「男子の癖にだらしのない。いいだろう、特別に妾の腕をかしてやろう」 突き出された肘、思考を巡るのはいるかもしれないこの場の得体のしれない何かのことと、自分も男、というプライド。 視線をさ迷わせ逡巡の末に辜月が選んだのは……。 「ぇと、お借りします……」 スルリ、組んだ腕から伝わる安心感。何処か満足げにシェリーも歩を進めだし、辜月は隣の存在のお陰で緊張を解してしりとりを続ける。 「妾は神を信じぬが、なるほど。神秘的な雰囲気ではある。これが霊場と呼ばれる所以か」 呟きに呼応するように風が凪いだ。もう木々のざわめきも視線のような気配も何も気にならない。 一方、此方は最後尾。一行を眺め、『塵喰憎器』救慈 冥真(ID:BNE002380)は超直感を張り巡らせる。 「やれやれ、だな。神秘と神仏は出来るだけ分離して考えたいもんだ」 どこか現実的な言葉を述べ、僅かに吹いた風に眉根を寄せ目を細める。 この霊場のどこかに居る筈の敵、その存在を探り空を仰いだ。 冥真の存在を後ろに感じつつ、懐中電灯を片手に『裁きの光』鳳 蘭月(ID:BNE003990)が誰にとも無く言葉を発した。 「霊場ね……依頼じゃなかったら絶対に立ち寄らないんだがな」 (臆しておるのか? 情けないことじゃ) すかさず脳へ直接入る断罪と呼ばれる少女の指摘、容赦のない言いっぷりに蘭月がうるさいな……と返す。 「こういう場所は昔から駄目なんだよ」 傍から見れば、刀と何事か会話をしている青年。その後もしりとりの合間に刀に向かい会話する姿が幾度か。 そんなワイワイとした、年齢や風貌は全く違えどどうにか肝試しに来ているパーティーのように見えるだろうか――。 ともあれ、静寂の霊場には、各々の声が良く通った。 ●現れるは獣 「! どうやら……」 それは、一瞬だった。彩音の足が止まる。零二はミーノや辜月を庇う様に臨戦態勢へ。 「来たようだな、方向は?」 時を同じくし、冥真も立ち止まり口に出す、敵の到来。すかさずミーノが耳を忙しなく動かす。 「あっちだよ!」 指を差した先を見据え続いて辜月が熱感知で割り出す、その熱源は……。 「間違いなくこっちに向かってきています!」 その一言に確信を抱いたシェリーが興味深く眺めていた地蔵から顔を上げる。 他の者の耳にも聞こえていた。草を踏みしめる音――そして。 キャオォォォォォン! 犬とも、猫とも言いにくい鳴き声が極近くで響き渡る。 道から逸れた傾斜の途中の石の上に影、確かにどこからどう見てもその姿は狐。 「……でかい狐だな」 懐中電灯で標的を照らし出した蘭月の言うとおり、ただの狐にしては大きすぎた。 理性的にも見える瞳は真っ直ぐにリベリスタ達を見つめる。 「きつねさんっ! みーのもきつねだよ、なかまだよっ!」 己に生える耳と尻尾をふりふり、ミーノがアピールをしてみるが、狐の反応は薄い。 雲が丁度切れた。月光に照らし出された狐の毛並みは赤みがかった黄色、所謂きつね色。 斜面もお構いなしに刺さった風車の原色と、その姿は驚くほどしっくり馴染んでいた。 「奇麗な場所にお似合いだね。でも……」 「このままだときけんなじょーたいになっちゃう」 伊藤の言葉に頷き、自分が今なすべきことを決めたミーノ。 他の面々はもう準備万端で獲物を構え狐を見上げている。 そっと身を低くし、尻尾を上げた姿を見て誰もが思った。来る。 次の瞬間、リベリスタ達は敵が強襲してこなかった事に安堵を覚えることとなる。 地を蹴った狐の速さは予想以上だった。 「はいぱーわんだふるさぽけいじょし、ミーノっ」 即座にミーノによって仲間へ翼の加護が与えられた。 小さな羽根がリベリスタ達の背中へ出現する。 細い顎の中に潜む牙をむき出しにして襲い掛かってきた一撃を伊藤が受け止めた。 「この場所に、血みどろ惨劇は似合わない。ごめん止めるよ」 ギリギリと得物を敵の口に押し付ける。その隙をついて横へと暗視で視界も明瞭な零二が飛び出す。 「……無知故の傲慢を戒める神だとしても」 その体に纏うオーラは周りを威圧するほども重く、その重さとは反比例するかのような怒涛の連撃が繰り出される。 「救える運命があるのなら、ただこの剣を振るうのみ!」 一撃、二撃、三撃!ギャッ、と短い声を上げて狐は後方へ退いた。 ヴヴゥゥゥ……。 威嚇の唸り声が低く響く。牙は鋭く、一撃を食らえば容易に体を穿つだろうと想像できる。 「雪待、決して地蔵を傷つけてはならんぞ。それと、指揮は任せた」 「はい!」 ハイテレパスで己の戦場を整えたシェリーが集中し始める。 辜月の手から眩いばかりの光が溢れ、一番前に居る仲間から順に浄化の鎧で反射を付与。 辺りに一際強い風が吹く。一気にざわつき始めた霊場に身を揺らしながら回る風車は怯えているようにも見えた。 「来るぞ! 後ろに一人回りこめる!」 白衣の裾を翻し、超直感を駆使した冥真の声が飛んだ。 再び地を蹴った狐が狙うのは零二、先程のお返しとばかりに襲い掛かる! コンセントレーションで集中力を高めている彩音は、冷静に状況を判断していた。 (まだ、余裕はありそうだね) 益々高めていく集中力に一定の確信を持ちつつ、機を待つ。 力押しで攻撃を弾いた零二の脇から、蘭月が切り込む。白刃が月光に煌いた。 しかし……。 「っく、ホントに動きだけは速いな」 その切っ先が届く頃には敵は既に地蔵尊の上。大きな体に見合わず、ひらりと降りる様は流石と言うべきか。 「でもお陰で回り込めちゃったから、上手くいってる」 そういってもう次の攻撃にかかろうとするのは伊藤で、狙いを定めた1$シュートは迷わず敵の脚へ。 次いで翼の加護で得た小さな羽根で辜月がマジックアローを放ち牽制、淡く光る矢は退路を断った。 事前情報通り、深いことまで考えることは不可能らしい。 逃げた先はリベリスタ達のど真ん中。 そして不利な状況に今更気付いたのか、逃走をはかろうと背を向けたのを彩音は見逃さない。 「さあ、いくよ」 集中力を高めた彩音の攻撃が相手を補足、確実にダメージとなり、 そして目論見通り怒りに支配された敵の思考から逃げる、という選択肢は消えた。 「シェリーさん、今ですっ」 待っていたとばかりに集中を重ねたシェリーが笑む。表情は優雅でいて、苛烈。 「Time to make the sacrifice」 その言葉を引き金に、本人を中心に展開した魔方陣から無数の強力な魔力弾が敵を襲った。 相手は道のど真ん中、手加減は……必要ない。 豪快に土煙を上げて敵の姿が見えなくなる、そして手ごたえは確かに。 とするなら、鳴き声さえも掻き消したか。 懐中電灯が照らす先、様子を窺うリベリスタ達の視界に、何かが上空へ飛び出したのが映った。 否、何か、というのは適当ではない。それは敵以外の何者でもないからだ。 このような曖昧な表現になったのは、その物体の動きがあまりに速かった為。 「こうげきがくるよっ」 ミーノの一言に冥真が詠唱を開始。敵は空中で体勢を変え、後衛陣に襲い掛かる! 「地蔵様が近くになければ、安心して戦える」 それを庇う蘭月は続けて、別に祟りとかそういうのが怖いわけじゃないぞ、と呟いた。 その内容にまたもや、誰も何も言っておらんじゃろ……と脳内で断罪からツッコミが入ったのは言うまでも無い。 鋭利な牙で傷付けようとする狐を何とか受け止めた蘭月が歯を食いしばる。 上から落ちてきただけあり、体の大きな相手からの負荷は相当なものだ。 ガチガチと刀と牙が合う音、すると急に腕にかかる負担が軽くなった。身を翻し、そして。 「自棄になったか」 その体は零二へ向かい、そして彩音へ向かい……敵は無差別に牙や爪を使い襲い出す。 細かくではあるが確実についていく仲間の傷、しかしそこに抜かりは無い。 詠唱を終えた冥真の天使の歌が響き渡る、優しさの福音は温もりを残して傷を消していく。 動きにやや粗雑さが出てきた暴れる狐の尾を伊藤がしっかりと掴んだ。 「お前は僕を見てろ。これ以上仲間に手ェ出したら……」 突如後方へ引かれて振り返った敵に再度1$シュート、今度は確実に射止める! ギャァァ! その攻撃にあわせ、辜月のマジックアローが直撃。 ここから一気にリベリスタ達が畳み掛ける! 零二のバトラーズアバランチが再度繰り出される、戦気を纏ったそれは先程よりも重く、破壊力は抜群。 ダメージの増えていく敵の飛んだ方向を予測、彩音がアデプトアクションで隙をつく! そんな中、確実に弱っている敵を見てミーノは心を痛めていた。 自分もキツネのビーストハーフ、同じ狐を見て何も思わないわけが無い。 「きつねさんにミーノたちのきもちつたえられない、かな……?」 その誰に言った訳でもない呟きは、後衛陣に聞こえていた。 そして一様に口を噤む。出来ることならそうしたい。 得体の知れない形状になってしまった他のE・ビーストとは違い、あの敵は狐そのものだから。 しかし……。 誰の目にも明らかだった。刃を交えればわかる、 あの狐は事切れるその時まで人を襲い続けるだろう。 魂と呼べるものがあるのなら、そこにはもう本来の姿は無い。 それは、呟いたミーノ自身もわかっていた……静かに唇を噛んだ。 蘭月のオーララッシュが決まる。敵は最早持ち前のスピードは充分に出せない。 最後の足掻きとばかりに伊藤の腕に噛み付いたものの、それも計算の内。 「攻撃ってのはこうするんだよッ!」 伊藤の拳に炎が点る、全力で踏み込んだ灼熱の一撃で地面に倒れる。 「お前は人の願いに割り込んだ。人の想いを陳腐化した」 「これで、終わりだ」 告げられた言葉と共に魔方陣から放たれたシェリーのマジックミサイルと 冥真のマジックアローは全てが命中。 「終わったか……」 最後に呟かれた言葉は誰のものであったのか。 辺りには、静けさが戻ってきていた。 ●其処にあるもの。 人が管理しなくなった本堂は荒れ果てるでもなく、 ただ其処にあった。 地蔵尊に謝ってから帰ろう、と思っていた蘭月は何故か本堂へ来ていた。 その辺で済ませようと考えていたのに断罪が本堂へ参拝に行け、と言い出したからだ。 「お前、最初に俺が言ったこと覚えてるか?」 (腑抜けたことを言うでない) 反論も一蹴。 「わかったよ、わかった……」 しぶしぶながらも手を合わせ、参拝をすることとなる。 坂道の端を歩き、本堂へ向かう零二を不思議に思い、彩音を後を追った。 「四門君、本堂へ行くのかい?私もご一緒していいかな」 「じゃあ俺も一緒させてもらおう」 「あぁ、かまわないよ」 更にその後から冥真が続き、三人は坂道を進んだ。 決して道の中央へ出ようとしない零二の足元を見つめ、後ろから訳を尋ねる。 「何故、端を歩くのか……聞いてもいいかい?」 静かにたずねた彩音に、何かを思い出すよう零二は遠くを見つめる。 木々の間から微かに見える町の明かり。 「……昔ね、祖母から叱られたものだ。 真ん中は神様の通り道、故に端を歩くのだと」 「ほう……興味深い話だな」 「成る程、では私も端を歩こう」 感嘆の声を上げた冥真、その言葉に興味を持ち二人も端を歩く。 やがて行き着いた本堂で零二は黙祷をささげた。 (……肥大した己を戒め給え……皆を見守り給え) 「成仏するだろ、これで」 冥真の呟きは、溶ける様に空へと消えていった。 戦場となった場所では、抉れた土をシェリーと辜月が直していた。 「お地蔵様や、風車は無事みたいですね」 土を手の平で何度か押さえて、辜月は辺りを見回す。 全員が気を使い戦った成果か、壊れた地蔵尊は全く見当たらない。 その言葉に、うむ、と答え倒れ掛かっていた風車を建て直しつつシェリーが頷く。 「これ程の風景を損なうのは、気が引ける。 ただの石のオクジェクトとはいえ、 作った者の思いが伝わるような造りではないか」 そう、よく見れば一つ一つ表情が違う。 来たときには、気付いていなかったことだ。 狐を弔い、伊藤とミーノは手を合わせた。 最後に噛みつかれた傷は、既に治して貰っている。 ただ、ゆっくりと眠って欲しい、二人が考えるのはそのことのみ。 「悪意ってのは無かった筈」 「……うん」 何故なら動物だから。その事に罪悪感を感じずには居られない。 ごめんね、心の中で何度でも謝る。 「来世ではどうか平和に、お休みなさい」 「ばいばい、きつねさん。 またくるよっだってミーノもキツネだからっ」 手向けた花は、風に吹かれ花弁を僅かに揺らした。 待ち合わせていた霊場への入り口に全員が揃った。 それぞれの想いに反応するように、原色の風車が回る。 その光景に目を細め、リベリスタ達は帰路へとついた。 からからからから……。 風車が回る。この場所に眠る全ての祈りや願いを代弁するように。 さあ、帰るべき場所に、帰ろう。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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