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\ごはん/

●\いただきます/
 食堂の壁に貼り付けられた紙には力強い文字で、こう書かれていた。
『新米入りました』
『期間限定! 鴨料理メニューに追加!』



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:メロス  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年09月24日(月)23:17
オープニングを読んで頂きありがとうございます。
メロスと申します。
今回はアークの食堂でごはんしませんかというお誘いになります。
気軽に、美味しく、あるいは楽しく、あるいはお腹いっぱい。
ごはん食べませんか?
そんなイベントシナリオです。

●イベントシナリオについては本部利用マニュアル等を御参照下さい。


●食堂
余裕を持った広めの造り。
メニューは和洋中、一通り揃っているようです。
普通に食事を頼める他、弁当等を持ってくる人も利用してます。
また、自分で調理する人用のキッチンもあるようです。

●備考
・参加者が多数の場合、内容を絞ったプレイングをかける事をお勧めします。
・特定の誰かと絡みたい場合は『時村沙織 (nBNE000500)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。
・グループでの参加の場合(絡みたい場合)は参加者全員【グループ名】というタグをプレイングに用意するようにして下さい。
(タグで括っている場合は個別のフルネームをIDつきで書く必要はありません)
・NPCに話しかける場合、ID等は必要ありません。

マルガレーテは「甘塩っぺーっ!!」とか「私、絶対ベジタリアンになれない……」とか言いながら、隅っこで何か食事してます。
ヤミィやシロ、アークの他のリベリスタたちやアークに勤めている一般の人とかも利用しています。
御希望の方はそういった参加者と絡む描写をさせて頂きます。
特に何事もなければ、背景描写以外では登場しません。


それでは、興味を持って頂けましたら。
どうぞ宜しくお願いします。

参加NPC
マルガレーテ・マクスウェル (nBNE000216)
 


■メイン参加者 33人■
インヤンマスター
朱鷺島・雷音(BNE000003)
覇界闘士
テテロ ミーノ(BNE000011)
ホーリーメイガス
悠木 そあら(BNE000020)
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
ソードミラージュ
司馬 鷲祐(BNE000288)
デュランダル
東雲 未明(BNE000340)
クロスイージス
新田・快(BNE000439)
クロスイージス
ウラジミール・ヴォロシロフ(BNE000680)
クロスイージス
祭 義弘(BNE000763)
デュランダル
遠野 御龍(BNE000865)
ソードミラージュ
戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)
インヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
ソードミラージュ
天風・亘(BNE001105)
ホーリーメイガス
ニニギア・ドオレ(BNE001291)
デュランダル
ランディ・益母(BNE001403)
クロスイージス
ツァイン・ウォーレス(BNE001520)
覇界闘士
設楽 悠里(BNE001610)
プロアデプト
ルートウィヒ・プリン(BNE001643)
ソードミラージュ
鴉魔・終(BNE002283)
ホーリーメイガス
月杜・とら(BNE002285)
ホーリーメイガス
エリス・トワイニング(BNE002382)
ナイトクリーク
七院 凍(BNE003030)
スターサジタリー
桜田 京子(BNE003066)
ソードミラージュ
津布理 瞑(BNE003104)
クロスイージス
日野原 M 祥子(BNE003389)
ダークナイト
アルトリア・ロード・バルトロメイ(BNE003425)
ダークナイト
スペード・オジェ・ルダノワ(BNE003654)
レイザータクト
ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)
レイザータクト
テテロ ミミルノ(BNE003881)
クリミナルスタア
藤倉 隆明(BNE003933)
インヤンマスター
一万吉・愛音(BNE003975)
レイザータクト
神葬 陸駆(BNE004022)
クリミナルスタア
川越 勝也(BNE004043)
   

●\いただきます/
「あの時のお米と合鴨、美味しい秋の味覚になったわね」
(うふふ、これが楽しみだったのよ)
 合鴨の丼を前にして未明は呟いた。
 普通におにぎりや鴨ロースとかでもいいんだけど……折角だから、一緒に。
「勿論ネギは、たっぷりで」
 艶々のご飯、しっとりの鴨肉、ネギの風味。
 そこにキノコのお味噌汁を、すっと流し込んで。

 沢山の時間と手間をかけて作ったお米。
 ふわふわで、可愛かった合鴨達。
(食べる事に何の抵抗も無いわけじゃないけれど……)
「……でもやっぱり美味しいわ」
 そんな言葉が、口から零れる。
「ご飯は、美味しくいただかなくちゃね」
 きっとそれが礼儀なのだとも思うし。
 食べ終えて、少女は感謝するように口にする。

\ごちそうさまでした/

「できたての食事の暖かさは、いかなる時でも心も体も満たしてくれる良いものだ」
 ご飯と鴨蕎麦を食しながらウラジミールは呟いた。
 できたての白い湯気の立ち上る、白米。
 日本人でない自分でも、食欲をそそられる。
 箸で一口掬い運べば一噛み一噛み毎に、なんともいえない独特の食感と甘さが広がってゆく。
 ご飯の友は鴨蕎麦だ。
 火で軽く炙られた鴨肉、その脂をたえた汁を、先ず一口。
 白米と違った、肉特有の旨味が広がっていく。
 続いて蕎麦を啜る。
 蕎麦だけでは軽いが、肉の脂身特有の……濃さと、深い味わい。
 肉の旨味に、ほんのりと蕎麦の風味が混ざり、何ともいえず食が進む。
 食事を終え、満足した様子で壮年は口にした。

「ご馳走様だ」

 ウラジミールの食べているセットに……ベルカは視線を向けた。
 これだけのうつくしい白米である。
(それこそ梅干をじーっと見詰めるだけでもおかずに成り得るが……)
 とても興味をそそられたので、同じ物を頼んでみる。
「新米リベリスタの私が、こうして新米を頂く……ふっ、文学的だな」
 出汁を味わい、そして握り飯。
(握っただけなのになぜこんなにも美味いのか)
「いくらでも入るぞー! урааааааげほげほっ」
 少し待って落ち着かせて。
 そこで彼女は、気付いた。
「あっ。そうか、この鴨肉って……あまじょっぱいというのは……」


●鴨南蛮と
「マ、マルガレーテちゃん……?」
「……まさか貴様がそんな言葉を発するとは思わなかったぞ」
「……き、聞いてたんですか!?」
 悠里と陸駆の言葉に少女は真っ赤になった。
「そういう言葉遣いもするんだ……」
「いえ、あの、そのですね?」
「まだまだ子供なんだからそういう歳相応っぽいところも見せてくれると嬉しいな」
 微笑んでから、悠里は陸駆と向かい合うように席に着く。
 ご飯だけもらうのは刈り入れした皆にちょっと悪いなと思いつつ。
(来年もあるならその時はお手伝いしよう)
 そう思いながら、頂きますを。
「ああ、そういえば僕もアークでは新米なのだな」
「陸駆くんは一生懸命頑張ってるもんね。すぐに僕達に追いつけるよ」
 少し乱暴に頭を撫でれば、陸駆は胸を張ってみせた。
「うむ、僕は小学生とはいえ天才だからな。あっというまに貴様らアークのトップに負けない働きを見せるのだ」
 マルガレーテの懸念も吹き払うリベリスタになる。
「だから今はいっぱい食べて大きくならないとだな!」
 言いながら悠里の器へと焼きネギを入れる。
「いや、これは設楽悠里も天才になれるように天才の心遣いなのだ! 鴨はいくらでももらうぞ!」
 そんな言葉に、悠里はやれやれと肩を竦めながら鴨をあげた。
「育ち盛りだからね。お肉をちょっとぐらい分けて上げるのはいいよ」
 で・も、好き嫌いはダメだよ?
 内心で、そう呟いて。
 青年は、ほいと。ネギを陸駆の口へと放り込んだ。

●たまごかけ、ごはん
「新米はおいしいのだ」
「新米は美味しいのです」
「日本人に生まれて幸せだとおもう瞬間だな」
「日本人に生まれてよかったのです」
 雷音、そあらの言葉に、ヤミィもうんうんと頷いてみせる。
「今日はらいよんちゃんが美味しいごはんを食べる為に何か特別なものを持ってきてくれたらしいのです」
 わくわくするのですと、そあらはヤミィと頷きあって。
「ふふふ、日本人として重要なものは! これだ!」
 じゃじゃーんと烏骨鶏の卵をとりだした雷音に、おーっと2人が歓声をあげる。
「お醤油も専用だ。そして、新鮮な味のり」
「たまご? おしょうゆ? のり?」
(´・ω・`)?
「……ここまできたら分かるだろう! そう! 贅沢な卵かけご飯なのだ!」
 雷音はドヤ顔で2人を見て……
「な、なんで笑うのだ! おいしいごはんと卵は正義だぞ?!」
 噴き出した2人に力説すれば、確かにと2人は頷いた。
「美味しいお米にはシンプルっていうのもさすがらいよんちゃん!」
「う、うむ! 美味しいのがいちばんだものな!」
 そあらが炊きたてのご飯をよそって、ヤミィは箸を用意して。
「すっごく美味しいのです」
 三人でご飯を食べながら、そあらが微笑む。
(友人と食べるご飯はいつもより美味しく感じるのは、気のせいではないはずだ)
「ヤミィほっぺにご飯だ」
 恥ずかしそうにする友達の頬から米粒を取ったりしながら……
 食べ終わった3人は秋の実りに感謝して、声を合わせた。
「ごちそうさま」

●たくさんの、美味しいを
 ツァインが食堂へと足を向けたのは、巡回に一区切り付けた後だった。
 日野原大明神様がおかずを持ってきてくれてるらしい。
(ありがたや~)
 内心手を合わせるような勢いで、とにかく祥子に感謝する。
 祥子はオカズを詰めた重箱を置き、炊きたてのごはんを貰ってきて。
「この新米って絶対この前採ったやつだよなっ? そう思うと美味さが倍増だな」
 そんなツァインの言葉に同意しながら重箱のフタを開けた。
 甘い玉子焼き、ウインナー、プチトマト、小さめのハンバーグ。
 メインは、辛いもの好きな友人が作ってくれた……なにやら赤い唐揚げ。
「うおぉぉ~、美味そ~! いや、日野原の作った物だから間違いなく美味いんだけど!」
(女の子の手作りですよっ? 感激で涙出そう……)
「くぅ~、うめぇ~~ ……ご飯が進むなぁ~、ありがとな日野原!」
 ご飯と一緒に食べながら、すっごく嬉しそうにツァインが口にする。
 祥子の方はというと、最初はふつうにご飯とオカズを食べて、
 二杯目は用意したバターと醤油で、バター醤油ご飯。
(ほんとはイクラ丼にしたかったけど)
 まだちょっとシーズンじゃないから諦める。
 オカズは良かったらと口にすれば、ツァインもフォーチュナの少女に声を掛けた。
「マルガレーテも食べてみるか? 日野原が作ってくれたんだぜ!」
「あ……では頂きます、日野原先輩。私は……赤くないのを」
 食べ終えると満足した様子で、ツァインは御馳走さまでしたと手を合わせる。

 義弘はキッチンを借りて、あったかごはんでおにぎりを作っていた。
 味付けは軽く塩味で、ぎゅぎゅっと握っていく。
 そのままご飯として食べるのもいいが、こうすることに意味があるのだ。
 おかずは味噌汁とか卵焼きの他、弁当に入っていそうなものをチョイスして。
 手を合わせて、いただきます。
(美味しい新米が食べられるってのはホントにいいよな)
「日本人でよかったって本気で思うよ」
 もちろん、ごちそうさまも忘れない。
 似合わないと言われた事もあるが……昔からの癖なのだ。
 美味しく満たしてくれたご飯とおかずに感謝するようにして、義弘は口にする。
「では、頂きます」
 おかずを一口、そしてご飯を一口。
「……うむ、美味い」
(しかも鴨とはまた、贅沢だな)
 並べた料理と米の釜を眺めながら、アルトリアは呟いた。
(これだけの食事が食堂で出るのだから、さすがの優良企業だな)
 味わいつつ、すごいスピードで食事を進めていく。
(これだけ美味いと箸が進む)
「……周りもそう思っているようだな」
 美味いと言いながら、頼んだ全てを平らげて。
「お代わりを頂こうか」
 アルトリアは考えた末、全種類を一人前ずつ注文した。

(今はもう『複麺店』は畳んじゃったけど、腕は現役よぉん)
「あ、だからってローブは脱がないわよぉ?」
 でも調理は、ちゃーんとローブとマスクを新品に変えてから。
「何処で着替えたかはヒ・ミ・ツ♪」
 そう言いながらルートウィヒは和洋中と、色々作り始めた。
 和はアッサリとした狐饂飩や、きしめん、蕎麦、フルーツ入りソーメン、肉多めの焼きそば。
 洋はカルボナーラ、アラビアータ、ペペロンチーノ、カップ麺。
 中は担々麺、ワンタン麺、蘭州拉麺、チャーハン。
「手が開いたらアタシも食べましょう♪」
 呟きながらルートウィヒは、次々と料理を作っていく。


●とある片隅の一幕
「食事と言ったら僕、川越勝也だよ」
 ボンジョルノー!
「ここがアークの食堂かぁ、中々良い所だね」
 そう言って食堂を見回すと、勝也はお勧めの品を注文した。
 そして出てきたものに、オリーブオーイル!
「うめー! おほっ! こりゃうめーわ!」
 オリーブオイルさいこー!
「僕納豆にもオリーブオイルかけて食べるんですよぉ!」
 そう言いながらガツガツと料理を平らげ、最後はドヤ顔で締めくくる。
「うん、美味しいです!」

「おい、なんか川越シェフが居るぞ」
「え? シェフ? 誰? 知らない」
 凍の言葉に、瞑は素で返した。
「津布理、サイン貰ってこいよ」
「え? サイン? やめてよ、別にいらないんですけど」
「しょうがねーなー、ボクが行ってくるからお前後ろから付いてこいよ」
「いや、後ろから付いてこいって、うち食事中なんなんけど? って強引ね……誰かこいつなんとかしなさいよ」
 そう言いながらも付いてく辺り、何だかんだで付き合い良い瞑である。
「川越ドヤ顔さんですよね? この女がですね、アナタのファンなんですよ、サインくれませんか?」
「知らないわよ、有名人? 鉄人かなんか? うちそんなテレビとか見ないし、あんま興味ないのよ」
「おい津布理、握手してもらえよ!」
「握手? もういい加減にしなさいよ、迷惑でしょ」
 つーか、七院のテンションうぜぇ……
「アンタ一人で握手してもらいなさいよ、つーかいい加減食事に戻ってもいい?」
 言いながら有無を言わさず背を向ける。
「え? ボク? しょーがねーなーすいません、握手いいすか?」
(やっべー握手してもらっちまった)
 超嬉しそうに戻ってきた凍を見ながら、瞑は呆れ顔で呟いた。
「はぁ……こんな美少女と食事できるのに、なんたらシェフ相手に喜ぶなっつーの」
「このサイン色紙、家宝にするわw、しっかし字、へっただなw」
「ほんっとーに煩い、いいから食事しろよ、七院」

●熱海+
「それではいただきます」
「ひゃっふー、新米美味しいですねー♪ お百姓さんに超感謝です!」
「アイガモやお百姓さんに感謝するなんて戦場ヶ原先輩は超感心ですね」
 えらいえらいと口にする京子の方が、落ち着いた感じを漂わす。
「アイガモさんたちもお疲れ様でした。美味しく頂くのが、一番の追悼だよ!?」
 過去形でそう言って、舞姫はカモ肉を頬張った。
「はふー、じゅわっと染み出る野趣あふれた濃い旨みで、ごはんが何杯あっても足りないのです」
 それに同意を示しつつ自分はサンドイッチなのでと、喜んでいる先輩を京子は生温かく……生温かく?
「そうだよ、京子さん!」

 この素晴らしき、感動
 大地の恵み
 嗚呼、称えよ豊穣の季節を

「これを、わたしたちのロックバンド『熱海プラス』の新曲テーマにするんだよ!」
「いきなり何を言い出すかと思えば……まあ良いのですが」
 ご飯を喜んで食べるのも、農家への愛をテーマにした曲も、既に世にありふれてますけどね?
(思い立ったら即実行の戦場ヶ原先輩の言う事ですから、言っても無駄ですけどね)
 呟く京子の視線の先で。

 ラブアンドピースアンド\ごはん/
 農家の愛を噛みしめるのさ!
 ヒャッハー!
 デストローイ!!

「そしてまたデストローイですか」
「わたしたちの歌で、世界が愛に包まれるのです!」
「米粒が飛んできます。ともかく食べてからにしてください」
 先輩を宥めつつ、京子はふぅと息を吐いた。


●笑顔をくれるもの
「や、マルガレーテちゃんは何食べてるのかなぁ?」
 少女に挨拶すると、御龍はニラレバ定食の大盛りを注文した。
「トラック女郎は体力が勝負ぅこれぐらい食べて精つけないとねぇ」
「大変そうですもんね? 何時間も運転したりとか……」
 そんな話をする間に料理が出来上がる。
「それじゃいただきまぁすぅ!」
 両手をぱちんと合わせて食べ始め……
「ん? マルガレーテちゃんも食べて見るぅ? ニラレバぁ。大人の味だけどねぃ。元気になるよぉ!」
 頷いた少女に、はいと分けてあげて。
「うーんお米がおいしいねぇ」
 何杯でも行けるよぉ、と御龍はおかわりをお願いする。
(マルガレーテが食ってるモノが気になってならねぇぜ……あのリアクションする食べ物ってなんだ?)
「よう隅っこで何食ってんだ? すげー気になるリアクションなんだが」
 新米の鴨丼を食べながら近付くと、隆明は少女に尋ねてみた。
「あ、す、すみません。別に特別なんじゃなくて……」
 そう言ってマルガレーテは自分の食べている鴨南蛮と小鴨丼セットを見せる。
 そういえば、鴨南蛮と名付けて合鴨を育てていたと誰が言っていたような……
 頷くと、隆明は鴨丼をもりもり食べ始めた。
 少女も同じように、目の前の料理を……もぐもぐと食べ始める。

「マルさんこんにちは。一緒にお食事しても宜しいでしょうか?」
 食事は一人より二人の方が美味しく食べれますので。
 そう言って亘はマルガレーテに声を掛けた。
 今日は美味しいものを食べれると聞いて一食抜いて全速力で来ましたという少年に、少女は抜くのは止めた方が良いですよと苦笑する。
「マルさんの炊きたて新米の上に乗ってるのは……」
 頷いてから、亘は自分の食事を開始した。
「作ってくれた方と食材に感謝し頂きます!」
 できたての牛肉タワー丼をたいらげると次に移る。
 二杯目で真打ち、切り身のしゃけぇ投入。
 お裾分けしつつ、こちらも平らげて。
「ご馳走様でした!」
 最後に、お腹と気持ちが満たされたお礼を。
「新米と……鴨料理が……食べられる……と聞いて」
 そう言って、エリスはマルガレーテとヤミィに挨拶した。
 できれば、と皆で楽しんでいる様子をデジカメで撮影する。
 後日、思い出として楽しめるような風景を。
(笑顔が……1番……素敵な……人が……撮れます……ように)
「美味しいものを……食べれば……誰でも……笑顔に……なるから」
 尋ねる少女にそう言って、エリスは微かに表情をほころばせた。


●美味しい大食い
「さて、今日の飯は……あ」
「ごはん! ランディが作ると一際おいしいのです」
 鷲祐は視界に、ランディとニニギアの姿を捉えた。
 ……様子を窺いながら、こっそり接近する。
「私チャーハンが食べたい! 親子丼もいいな! あっ、オムライスも食べたいわ」
 それに混じるようにして。
「\俺はカツカレーと酢豚と豚汁がいいな/」
 振り向いた2人に、鷲祐は不敵な笑みを浮かべてみせた。
「ふっ……ニニギア・ドオレ。長らく大食らいとして互いに認識していたが、丁度いい。今ここで勝負といこうじゃないか!」

『勝負内容ッ!』
 好きなものを好きなだけ喰うッ!
 死んだら敗北ッ!!

「そして、ランディ! 今ココに居合わせたことが今年度下半期最大の不幸だ!」
 不可思議なポーズを取りつつ言葉を挟む隙も与えず、鷲祐は言い切った。
「墓堀の二つ名……この胃袋で存分に体感させてもらうッ!!」
 よく分からんが、つまり。
「作るのは俺なのか」
 アークでもトップクラスの化け物(大食い的な意味で)を同時に相手とか……

\無理ゲーだろ/

 そう言いながらも作ってしまう辺りが……ランディの性格を示している、とでも言おうか。
 食べる二人、作るランディ。
(普段からニニで慣れてると言っても二人同時、しかも勝負だからペースが狂ってやがる……!)
 阿修羅の如く野菜を刻み、肉を焼き、具材を煮込み、スープを沸かす。
 出来上がった端から食べながら……
 しばさんの食べっぷりは見事! やっぱりすごい!
 食べる鷲祐を見ながらニニギアは感嘆した。
「あっそれおいしそう! って思っちゃうの」
 だから、普段以上に沢山食べちゃう。
 次々と皿が空いていく。
(量を競うより、おいしさを味わうことを競うのよ!)
 苦しいの我慢して無理に食べるんじゃなく、心から楽しんで。
(たっぷり食べる大食い二人なのです)
「おかわり!」
「おかわり? ちょいまち!」
(景色がぼうっとしてきやがる)
 それでも、ひたすら……料理をする機械か何かの様に。
(ランディの料理は腕に加えて、手間を惜しまず好みや体調も配慮してくれてるの)
「ん~、おいしかった。デザートも作って!」
 そう言って、ぎゅーっとするニニギアの傍らに。
 ランディは作って程良く冷やしておいたプリンを、トンと置いた。


●ふたり
 手料理を振る舞おうというユーヌに、竜一は中華と元気に答えた。
「竜一は辛いの甘いのどっちが好きなんだ?」
(私は辛すぎるのは苦手だが、竜一が食べやすいので作ろう)
 考えながら尋ねれば。
「辛いのも甘いのも好きさ! でもユーヌたんが一番好き! うふふー!」
 竜一は変わらず元気に答える。
 考え込みつつ、ユーヌは調理を開始した。
 大人しく待ってようと言いつつ、竜一はそわそわと彼女を待つ。
「ユーヌたんの料理楽しみ。前に食べたお弁当とかもおいしかったしね」
 わくわくどきどきしつつ竜一が色々思い出す間に、ユーヌは手際よく料理を作っていく。
 麻婆、青椒肉絲、炒、他にも幾つか……残飯を作る趣味はないので、量は程々に。
(まぁ、口に合わなかったらラップして私の夕飯行きだが)
「ふむ、待たせてしまったか、悪かったな」
 ぐったりした様子の竜一に言えば、青年は今日の為に一日断食したと呟いた。
「だから期待するー!」
「期待され過ぎても困るんだが……態々食事抜くな、健康に悪い」
 そう注意ながら並べていけば、竜一は嬉しそうに頂きますと叫ぶ。
「!! この尖り過ぎない辛味を包み込むまろやかさが」
「それで口に合うか?」
 あーんとしながら尋ねれば、相変わらず元気な肯定が返って。
「うん、合うなら良かった」
(犬みたいにがっつかれると、待てと言いたくなるがな?)
 思いながらも、嬉しそうに料理を平らげていく竜一を見て……ユーヌは微かに、目を細めた。


●\美味しいごはんらーぶLOVE!/
「こんにちは、新番組『厨房の守護神』のお時間です」
 ビデオカメラで撮影しながらスペードが解説を挟み、続いて快が宣言した。
「新米だ! 鴨だ! お料理だ!」
 皆でご飯を作って食べよう!
「厨房の守護神の戦いを見せてやるぜ!」
 合言葉は \美味しいごはんらーぶLOVE!/
「秋の新番組『厨房の守護神』助手の愛音でございます!」
 続く愛音のかけ声に、スペードも声をハモらせる。
「コックの快殿が美味しいご飯をいっぱい作るのでございます!」
 本日のゲストシェフにテテロ姉妹殿をお迎えして、お客様は大好きなスペード殿。
「美味しいお料理をお腹いっぱい食べてもらうのでございます!」
「それでは新田シェフ、今日お作りする料理を教えてください」
「というわけで今日は鴨の燻製を作ろう」
 既に下拵えを済ませてあると快は準備した鴨肉を見せ、続いて愛音が自分の方は鴨の甘みたっぷり『小鴨の豆乳グラタン』を作るのでございますと説明した。
「ミーノとミミルノはげすとしぇふ!」
「ミミルノはおねーちゃんとげすとしぇふ!」
「「たべるほーも!!」」
 ハンバーグを作ると宣言し、ふたりは元気に言葉を続けた。
「「そのなも」」
「ちょうすぺしゃるでりしゃるわんだほーばーぐ!」
「ちょうでりしゃすせくしーでんじゃらすばーぐ!」
 ミーノが材料を、じゃじゃーんと見せびらかす。
「きんじょのおにくやさんでかったちょうこーきゅーわぎゅうのみんちと、あぐーぶたのみんちっ!」(きりりっ)
(快さんにご協力頂きました)
 続いてスペードは、カメラを愛音に向けた。
「それでは助手の愛音さん、材料の紹介をお願いします」
「一口大のお野菜と薄めにスライスした鴨を皿に敷き、たっぷりチーズと豆乳のホワイトソースをかけてオーブンで焼くのでございます!」
 愛音はさっそく調理を始め、負けじと姉妹もお肉をこね始める。
「こねれべこねるほどおいしいはんばっぐになるのっ!」
 こねこねこねこねぺちんぺちん!
(あじみするぶんもひつよーだからいっぱいつくるの~)
 ミーノは言いながら一緒にこね続け、ミミルノは……
「おねーちゃんががんばってこねこねしてるから、ミミはあじをたしかめるの~」
\じゅーじゅー/
 途中から味見にと、こっそりこねたのを焼き始める。
「とと、ゲストのミミルノさんは、さっそく味見をしていらっしゃいますね……っ!」
「……おいしーーーーっ♪」
 近付いてスペードが笑顔を撮影。
「おいしすぎてあじみがとまらないの~」
 目をキラキラさせながらミミルノは味見を続け……お腹一杯になって、うつらうつら、し始めて……
 一方、快はオカモチ型の燻製器に桜のチップを敷いて。
 今回は冷燻と言われる低音でじっくり燻す方法で、鴨を仕上げていく。
 そして、しばしの間を置いて。

 どどーん!
「「はんばっぐ100こかんせい!」」
 因みにミミルノの食べた20個を引いてである。
 ミーノとミミルノが宣言した。
 快が出来上がった燻製を、スライスして盛り付ける。
「サラダやパスタにスライスした燻製をたっぷり載せても美味しいね」
「わぁ。新田さんの本格的で香ばしいですね」
 お料理できる男の人はカッコイイと思います。
 そんなスペードの言葉に快はお礼を言って。
「いただきます!」
 快の声に、4つの声が続く。
 さっそくスペードは、愛音の作った小鴨の豆乳グラタンを口に運ぶ。
 ほわわわ~ん。
「えへへ、美味しいでございますかスペード殿」
 笑顔で頷くと、愛音も一口ほおばって。
 ほわわわーん。
 続いて彼女はミーノ姉妹の手作りハンバーグを見て、可愛らしいですねと微笑んで。
「ふふっ。とてもおいしいですよ」
 味わって、その光景をカメラに収めながら。
 スペードは、ちいさく呟いた。

 しあわせ。


●ぜんぶ、味わって
「見て、ペーター! お米が、お米がたったー☆」
 待ってました(>▽<)
 毎年待ち遠しい新米シーズンの到来(><)
 ふっくらつやつやのお米を前に、終は笑顔になった。
「あの時収穫を手伝ったお米だと思うと感慨も一塩だね~☆」

 香りも格別(><)
 噛みしめる度に増す甘味。
 何杯でも食べれちゃう☆

 そして鴨……
(あの時のかわいい合鴨さん……)
「随分変わり果てた姿になっちゃったね……」
 でも食べるって、きっとそういう事。
「半年間お仕事お疲れ様」
 君を食べてオレは今日も明日も元気に生きていくね……(;v;)
「いただきます……」
 ぱくりと頬張ると、口の中に旨味が広がって。
 何となく涙が出そうになるくらい……美味しい、鴨さん。

「マルガレーテちゃんは冷たいほうじ茶でいいかな?」
「あ、はい。ありがとうございます」
「シロちゃんは今回R・ストマックつけてきた? わかんないから、塩むすびの塩抜きね☆」
 とらの言葉に、シロはワンと頷いた。
 ちなみに彼女の前では鴨南蛮が湯気をあげている。
「ネギ、そして唐辛子……非の打ち所の無い鴨南蛮ね!」
 マルガレーテちゃんもシロちゃんも頑張って働いたんだから、自分の持分はきっちりいただいておくのよ☆
「こういうのが、後々の士気に関わってくるんだから」
 そんな言葉に少女は真面目な顔で頷き、シロも再びワンと鳴く。
 いただきますと、汁を含み鴨をほお張って……
「うん。この鴨、脂のノリがいい塩梅ね」

 しっかり食って、しっかり働いたのね。

「いい感じにスープのこくになってるわ」
 呟いて、とらは鴨と蕎麦とネギを平らげる。
「マルガレーテちゃん、最後にスープにむすびダイブする?」
 汁まで、しっかり味わって。
 空になった器を前に。
 とらは、色々なものを籠めて……口にした。

\ごちそうさま/



■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
御参加ありがとうございました。
そしてNPCたちへのお心遣いもありがとうございました。

楽しい、あるいは心地好いと感じられる時をすごして頂けたら嬉しいです。

それでは、また。
どこかで御縁ありましたら、よろしくお願いします。