●闇の中 「ねえ、タロー、ジロー。知ってる?」 暗闇に染まった路地で、その少年は傍らに座り込む二頭の犬の頭を撫でた。 ――いや、それは厳密に言うと犬ではない。目と牙は自然界にあるまじき鋭さで、わずかに路地の先から零れてくるネオンに反射し、輝いている。 そのタローとジローという名の犬――いや、E・ビースト達の頭を優しく撫でた少年は、暗闇の中でにっこり笑った。 「アークって組織はね、悪いことすると飛んで来て、タロー達みたいなE・ビーストでも僕みたいなフィクサードも、みんなみんな退治しちゃうんだって」 本当かな、と少年は首を傾げるが、もちろん犬達は答えない。頭を撫でる少年の手にすら無反応に、ただひたすら闇の一点を見つめている。 そんな犬達に屈みこんだ少年は、その耳に唇を近付け、ひそやかに囁いた。 「こうやって遊んでいたら、そのうちアークが来るのかな。もう普通の人間で遊ぶのも飽きちゃったし、歓迎するのにねぇ」 ●Nighttime Rain 「連続殺人事件の犯人が分かったの」 ブリーフィングルームに集まったリベリスタ達を前に、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は張り詰めた声で告げた。 時刻は午後八時十分。薄墨色に濁った空は、今にも雫を落としそうな気配を漂わせている。 そんな中、イヴはどこまでも静かに言い放つ。 「そもそも最近、三高平から車で二時間行った地域で連続殺人事件が起きている――のは知ってたかな。 とにかく、これまではカレイドシステムには何も引っかからなかったから、普通の人間の犯行だと思ってたけど……違うみたい。さっき見た予知では、二体のE・ビーストとフィクサードが、とあるビルの屋上で中年のおじさんを襲っていたの」 場所は廃ビル。管理人である中年の男がビルの屋上へと足を踏み入れた瞬間、そこで待ち構えていたE・ビーストとフィクサードに襲撃され、これまでの犠牲者と同じく身体をバラバラにされて殺害されるらしい。 「みんなにはこれを止めて欲しいの。……でも、二体のE・ビーストは必ず殲滅して欲しいんだけど……フィクサードの方は、まだ子供。もしかしたら、説得することが出来るかもしれない。 でも、これまで何人もの人間を殺してきた相手だから、容赦はしないで。危ないと思ったら、説得をしないでそのまま倒しちゃっても構わないから」 イヴの言葉は容赦ない。 しかし力強く決意を秘めたその台詞に、リベリスタ達は応じ、強く頷いたのだった。 リベリスタ達が屋外に出ると、頭上から、とうとう雨が降り出してきた。 天が零すその雫は額や肩を濡らすが、それを乱暴に拭ったリベリスタ達は、手配された車へと走った。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:水境 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2011年06月15日(水)22:38 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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●前 冷たいコンクリートの壁面に背を預けた『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439)が、静かに自身に防御のオーラを纏わせていくのを横目で眺めてから、『双面転廻魔王角』伏見・H・カシス(BNE001678)は、その不安げな瞳を上方へ向けた。 そこにはすぐ傍らから伸びる階段と、そしてその先に鎮座する屋上へと続く扉。その先にいるものを想像したのか、彼女はぶるりと身体を震わせた。 「あ、あんまり気は進まないけど……と、とにかく、子供は一度反省しないとですね」 この先にいるのは、昨今の連続殺人事件を引き起こしている少年と、その少年が従える二頭の犬エリューション。敵能力を事前に聞いていたカシスは不安を内に抱えていたが、 「どういう結果になるにしろ、やらないことには結果すら出ないですからねー、がんばなのですよー」 アゼル ランカード(BNE001806)の底抜けの明るい言葉によって、その不安がやや緩和されたのか、わずかに頬を緩めてみせた。 「さて、そろそろ行こう。子供は捕獲して、時間をかければ説得出来るはずだから」 「そうね。まずは現実を見せてあげないと……」 仲間達の準備が整ったのを見、『鷹の眼光』ウルザ・イース(BNE002218)が決意と共に声を発せば、『運命狂』宵咲 氷璃(BNE002401)が頷く。彼らはこれから相手取るフィクサードの少年を、倒すことではなく捕獲しその罪を購わせるつもりだった。その方向で彼らは準備を進めているが、やはりフィクサードの少年が引き起こした事件を疎い、その方針に納得出来ていない者も存在する。 唇の端から小さく息を吐き出し、その髪をかき上げた『ロストフォーチュナ』空音・ボカロアッシュ・ツンデレンコ(BNE002067)は、ウルザと氷璃の会話に肩を竦めてみせた。 「あたし、こーゆーガキ嫌いなのよね。ゲーム感覚で命を奪うようなガキに情けは無用だと思うし」 「そうだよねー。説得失敗したら殺しちゃうよー」 空音の言葉に『エネミーズ・エネミー』神島 姉妹(BNE002436)も楽しげに頷いてみせた。利き腕に握り締めた重火器を、大切そうに指でなぞりつつ、にっこりと笑った。 「説得する気はないけど、説得の邪魔はしないけどね」 「そうして下さると助かります」 姉妹の凄絶な言葉に、しかし『原罪の蛇』イスカリオテ・ディ・カリオストロ(BNE001224)はあっさり頷いてみせた。彼は中指で眼鏡のブリッジを押し上げると、ささやくように呟く。 「彼は格好の研究対象ですからね。――私に未知を見せてくれるなら、年齢など関係無い」 「……」 三人の会話を見守っていた氷璃は、静かに階段へと足をかけた。彼女に続いて屋上に駆け上がろうとする仲間達を横目で見やり、氷璃は彼らの言葉を心中で反駁していた。 (……『ゲーム感覚で命を奪うようなガキ』……確かにそう。でも――) 「連続殺人事件の惨殺死体は、人間の仕業と思える範疇で、私達の持つ力を受けた痕跡は無かった――そういう事だったわ」 氷璃の呟きはあまりにも密やかで、武器を握り締めて駆ける仲間達の耳に届いているかどうかは分からない。けれど、彼女は続けた。 「多分、子供はまだ人を殺していない」 ●遭 「あれ? もしかして『アーク』の人達?」 屋上に駆け上ったリベリスタ達に最初に浴びせられたのは、先刻から降り注ぐ冷たい雨と、そして明るいまでに素っ頓狂な声変わり前の子供の声だった。しかしウルザは答える代わりに乱暴に額の雫を拭い、ショートボウをそちらへ向けた。 彼らの眼前にいるのは、傘も差さずに屋上中央に佇む黒目黒髪の少年――そして、その子供の両脇に鎮座する二頭の大型犬。しかしその犬達は、自然界のものにあるまじきほどの眼光を備え、やって来たリベリスタ達を見据えている。 「まずは犬からだよね」 「ああ。行こう」 子供の問いには答えず、ウルザは傍らに歩み寄ってきた快に問いかけると、彼はすぐさま首肯した。リベリスタ達の作戦は、まず二頭の犬を抑えてから少年を説得するという手筈になっている。ウルザは快に頷き返すと、すぐにショートボウの先端から攻撃を放とうとする、が―― 「今日の餌はあいつらだよ。行って、タロー! 僕を守って、ジロー!」 少年が、底抜けに明るく犬に命令を出す方が早かった。一頭は子供の前に立ち塞がり、また一頭はリベリスタの方向に向かって駆けて来る。まずい、とウルザが瞠目した瞬間、傍らで重火器を握り締める姉妹の肩口から血が迸っていた。 「姉妹!」 カシスが叫ぶ。タローと呼ばれたエリューションに噛み付かれた姉妹は、けれど一、二歩後退った後、鋭く眇めた瞳で眼前の犬を見据えるだけで、悲鳴の一つも上げはしなかった。 「くっ……」 唇をかみ締めたウルザは、再度ショートボウを構え直すと、彼女を襲った犬を狙い撃つピンポイントを放った。 「犬への指示は、声で意思を伝えているだけなのね……」 そう言って舌打ちしたのはカシスだ。彼女は自身のマジックガントレットの装着位置をわずかに直しつつ、そう小さく呟く。 「もし特殊な身振り手振りがあるなら、シンクロでコピー出来たかもしれなかったんだけど……」 「仕方ないですよー、今はやれることを頑張りましょうー」 悔しそうなカシスにアゼルはそう言って頬を緩める。頷く彼女に、アゼルは目を細めた。 「あたいも皆さんが頑張れるよう回復をがんばりますねー」 「お願いね。あたしも回復を手伝えるわ」 カシスはそう言うと、かざした手の平から光り輝く魔法の矢を放つ。それはウルザの攻撃を浴び、警戒に身を低くしたタローへと向かい――けれど紙一重で避けられる。 「全く――皆甘いのね」 ため息を吐き出しつつ、犬エリューションに睨まれるウルザの前に出たのは空音だ。空から振り落ちてくる雨に長い髪を濡らされ、鬱陶しげにそれをかき上げながら、ウルザを庇うように立ち、その手にしたブロードソードを構える。 「人を殺している奴に説得なんて不要よ」 「それはそうだけど、少しだけでもいいから時間を頂戴」 あくまで――この雨のように冷ややかな空音の言葉に、氷璃は静かに首を振った。そして彼女の前に立つ快の肩越しに少年を見据え、暗い闇の中、声を張り上げた。 「――貴方に聞きたいの。そのタローとジローは、最初から人を襲うような駄犬だったの?」 すぐに目を眇めた少年から返答があった。 「駄犬ってなんだよ。タローもジローも、最初から僕の言うことだけを聞く最高の犬だよ」 「……つまり、貴方が二頭に人を襲うよう命じているのね」 氷璃は唇の端を歪める。 「なら、私を襲わせることも出来るのかしら?」 「もちろんだよ。行け、タロー! 次はそのお姉さんをやっつけて!」 まるで新しい玩具を見つけたかのように楽しげに犬に命ずる少年。氷璃はわずかに肩を竦めた。 (こうも簡単に挑発に乗るなんて――やっぱり子供ね) 「さて、私も行きますか」 「無理はしないようにね」 イスカリオテが前に出、快が請け負う。イスカリオテはこれから自身の意識を集中した後、犬をその身に引き付ける予定なのだ。その折に庇うのは自分なのだと、快はやや細めた目で彼の横顔をわずかに見やる。 「二人とも、行かないのなら行っちゃうよー!」 横目で彼らの会話を見つめていた姉妹は、二人の様子に肩を竦めた後、目を瞬かせ――動いた。 目にも留まらぬ速さで重火器を握り、構え、引き金を引く。まるで星屑のエフェクトを思わせる輝きが舞い踊り、姉妹の金の髪を揺らす。 「いっくよー!」 スターライトシュート。それは氷璃の方へと向き直った犬エリューションへと目掛けて駆け、その首元を打ち抜く。雨の降る闇夜に一際明るい光が踊った。 「タロー!」 少年の悲鳴染みた声が辺りに響いた。イスカリオテが少年を諭そうと一歩、足を踏み出した時、少年は動く。 「タローを苛めて……! 許さない!!」 もはや妄執と言った方が正しいと思われる言葉が少年の口から漏れる。その小さな両手が閃くのを確認したアゼルは、ラージシールドを握りなおしつつ仲間達に伏せるよう声をかけようとし―― その前に、周囲にチェインライトニングの瞬く雷が舞った。 ●説 「あ、ありがとうございます……」 カシスが伏目がちに礼を言ってくるのに、アゼルは闊達な笑顔と声で「気にしないで」と返した。カシスはそれを見てほんの少しだけ瞳を眇めるが、すぐに「あたしも少しなら回復、手伝えますので」と言う。 少年のチェインライトニングが幾度か瞬き、リベリスタ達の攻撃が闇夜に舞う。『弓引く者』桐月院・七海(BNE001250)のシューティングスターやアゼル、そしてエリス・トワイニング(BNE002382)の癒しの歌と吐息による援護で、リベリスタ達は堅実なまでの戦線を維持し、右へ左へと走り回る犬エリューションを追い詰めていった。少年も自身の旗色が徐々に悪くなってきたと気付いていたのか、自分を守らせていたジローという犬にも攻撃命令を出すが、 「ルカルカ、ありがとねー」 「大丈夫。ルカ攻撃できないのは面白くないけど倒してね」 快、空音、そして『原罪の羊』ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495)が後衛を庇うことで戦線を持ち堪える。 ガヅッ、と鈍い音がしてタローという名のエリューションの頭部が屋上のコンクリート床に打ち付けられる。犬を地面に伏せさせたウルザは、ショートボウをエリューションのこめかみに当てたままタローの顔を覗き込む。どこか憎悪の入り混じる瞳に睨み据えられつつも、その息があることを確認し、彼は胸を撫で下ろした。 「イスカリオテ」 快が血の滲んだ口元を拭いつつ、背後に佇むイスカリオテに声をかけると、彼はゆっくりと頷いた。そして快の背中越しにフィクサードの少年を見据える。 少年は、タローが蹴散らされジローもまた傷つき、息を切らしているのを見て動揺しているようだった。当たり前だろう――何せ、今まで犬に依存し犬と共に人を狩り、その力をただひたすら過信し続けてきた彼だ。瞠目し、驚愕と憎悪の入り混じった瞳でこちらを睨みつけてくる。 その少年の前に一歩、イスカリオテが進み出て、そのよく通る声を張り上げた。 「さて少年、御覧なさい。君の大切な友が死にます、君のせいだ」 イスカリオテを睨みつける少年。だが彼はそ知らぬ顔で、ウルザが押さえつけている犬エリューションを一瞥する。 「彼らは君の我侭に付き合った結果、我々に殺される――納得がいきませんか?」 「当たり前だっ!!」 少年が吼えた。 「タローを離せ!」 「運命に愛されぬエリューション・ビーストは、存在自体が罪なのよ」 そこで氷璃が口を挟んだ。あくまで冷ややかな、けれどどこか穏やかさを感じさせるその台詞に少年は絶句する。 その隙を縫うようにしてイスカリオテは続けた。 「君が幾人も殺して来た、その所業が彼らを殺す。殺すとは、殺されても良いという事です。でなければフェアではない」 「……うるさい……」 「どちらにせよ、この犬達は死にます。私達が殺すか、それとも君が殺すか」 「うるさい……うるさい、うるさい!!」 イスカリオテの言葉に少年は激昂した。激しく首を振り、全てを否定せんかのように両手を振り回す。 「いきなり来て何だよっ、遊びの邪魔をするな!! そ――そんな選択しなくても、僕がお前たちを殺して、タローとジローを助ければいいんだよっ!!」 言いつつ、再度チェインライトニングを放とうとでも言うのか両手を振りかざし―― 乾いた音が周囲に響いた。 チェインライトニングとは異なる、鈍い、光りも輝きもしないそれは『駆け出し冒険者』桜小路・静(BNE000915)の放った張り手だった。 「悪い事しちゃダメだ。人を傷つけたら自分も傷つくってことを理解するんだ。――タローとジローを傷つけられて悲しんでるお前みたいにさ」 イスカリオテとの会話に集中していた少年は、いつ静が接近してきたのかも分からず、ただ呆然としているだけだ。そこで、庇われていた氷璃が前に進み出る。 「あなたの二頭の犬は、これから死ななければならないわ。……けど、それはエリューション・ビーストだから。貴方の敵は私達ではなく、二頭の心を殺して身体を奪った敵じゃないかしら?」 少年は俯いた。顔を上げず、ただ雨に打たれ、うなだれている。かすかに見える唇は硬くかみ締められていた。 後を継ぐようにイスカリオテが口を開いた。 「どちらにせよ犬達は死ぬのです。君が、選びなさい」 彼がそう言っても、しばらく少年は俯いたままだった。だが――やがてその両手を閃かせる。 またマグメイガスの攻撃か、と身構えたリベリスタ達だったが、意外にも少年の手の平から放たれた二対の光は、弱りきっていた犬達へと襲い掛かり――そして、その頭部を撃ちぬいた。 リベリスタ達の攻撃により、息も絶え絶えだった二頭の犬達は、その命の脈動を完全に終え、闇夜に溶けて消えた。 少年は顔をくしゃくしゃに歪める。その小さな拳をぎゅっと握り締めるのを見た快は、そっと少年に近付いた。 「君は、これからアークに来ればいい」 囁くように発された快の言葉は、少年の耳に届いているはずだが、彼は動かなかった。構わず快は続ける。 「アークに来て、ゆっくり時間をかけて話をしよう。……君を死なせたくは無い。運命に愛された幸運と不幸を共有できる相手だから」 「貴方の罪は、貴方の死で償えるほど軽くは無いの」 氷璃もやはり冷ややかに言うが、その声音にはどこか温かいものが混じっていた。 「……その生涯を贖罪に捧げて、多くの人々と世界を守りなさい」 「犬達以外の仲間が見つかるよ」 やはり少年は動かず、返事もしない。だが、その身体からは既に戦意が失われた事は見て取れた。 それを確認すると、空音と姉妹は武器を納め、退屈そうに屋上を下る階段へと向かう。 「全く……つまらないわね」 「これで任務達成でいいかなー?」 「あ……あの……」 踵を返してしまった仲間達と少年とを交互に見やり、カシスは躊躇いの声を上げる。しばらく動かない少年を見下ろしていた快だが、やがてやれやれと立ち上がると、その少年がついと手を伸ばし、彼の服の袖を掴んだ。 「……ん、どうした?」 「……」 「一緒に来るか?」 「……」 少年は返事をしなかった。 ただ、リベリスタ達がその場を去ろうとすると、少年は快や氷璃の服の袖を掴み、一緒にくっついてくる。 「少し荒療治だったからね。まだこっちのこと信用してないんだろうなあ」 その様子を見ていたアゼルが苦笑しつつそう言えば、イスカリオテが軽く肩を竦める。 「この様子では、彼の独自スキルを教えて欲しい、と頼んでも無理でしょうね」 「まあ、その辺りはゆっくり話していけばいいんじゃないかな」 快が頬を緩め、墨を溶いたような空を仰ぐ。 「時間は沢山あるんだからさ」 いつの間にか、雨は止んでいた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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