●大量発生 どこからともなくやってきて、やがてどこかへ消えていく。いつの間にそこにいて、気がついたらどこかへ消えていなくなる。 故に、発生。 海の波に揺られ、ぷかぷかと漂う半透明の身体と、どこまでも伸びる糸のような触手。 毎年のようにどこかの海で大量に発生しては消える、ソイツの名前はクラゲという。 中には猛毒を持つ危険なものもいて、ただでさえ注意が必要なクラゲたちだが、それがエリューション化してしまったとしたら、どうだろうか。 思考も目的も持たず、ただ近づいた獲物を襲うだけの、そんなクラゲが大量発生したとしたら……。 例えば、長い触手と猛毒を持つクラゲ。 例えば、水中で自在に姿を消したり表したりすることができるクラゲ。 例えば、電気を溜めこみ、放つことができるクラゲ。 例えば、海水を吸収し通常の何十倍もの大きさに巨大化したクラゲ。 これは、そんな怪物のような危険なクラゲが、大量発生してしまった不運な海水浴場の話……。 ●クラゲ駆除 「フェーズ1のE化したクラゲが大量に発生したみたい。普通のクラゲなら然るべき機関が駆除に乗り出すのだろうけど、このクラゲたちはE・ビーストだから、わたしたちの仕事」 だから、クラゲを倒してきて。 と、モニターを指さし『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)が言う。 モニターに映っているのはごくごく普通の海水浴場だ。天気は快晴、これでもかというほどに眩しい太陽が、海面で反射しキラキラしている。 ほどよい風と、それに運ばれる潮の香りが容易に想像できる、そんな映像だ。 一目で絶好の海水浴日和だと分かる。 しかし、海で泳ぐ海水浴客の姿は全く無かった。 それどころか、海鳥の影すら見当たらない。 代わりに……。 「海の向こうの方、見える?」 と、イヴが指さした辺りに、なにかゼリーのようなものが大量にかたまって揺れている。 それが、今回のターゲット。大量発生したクラゲたちである。 「全部で数百匹。そのうちの1体、巨大なクラゲがいるから。それがこのクラゲたちの中心。そいつさえ倒してしまえば、残りは普通のクラゲに戻る。」 発見、接近は容易じゃないけど、とイヴが呟いた。 「ボートなりなんなりで近づいて、殲滅することを推奨するけど……やり方は任せる。一応、向こうはこちらを獲物と判断して襲い掛かってくると思うから、気を付けてね。どういうわけか、クラゲたちは若干の浮遊能力を身につけているみたい」 それじゃあ、行ってらっしゃい。 なんて、言ってイヴはリベリスタ達を送りだす。 「夏ももうじき、終わるわね……」 どこか寂しそうなイヴの声が、作戦司令室に木霊した……。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:病み月 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年09月05日(水)23:36 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●夏の終わりに……。 どことなく、秋の気配が近づいてきているように感じるある晴れた日。無人の海水浴場に8人の男女が姿を現した。皆一様に、何かしらの武器を手にして、真剣な眼差しを沖へと向けている。 砂浜から数十メートル先の海面に、なにかが密集しているのが見てとれる。 それは、遠目に見ると一見蜃気楼かなにかのようであった。 しかし、すぐにそうではないことが分かるだろう。うねうねと波に揺られながら海面、及びその表面付近を漂うそれは、大小様々な無数のクラゲであった。 それも、常識の範疇を超えた、とびきり危険な……。 ●大量発生、クラゲ 「お盆過ぎるとクラゲが増えるとは言うけども、ちょっと増えすぎじゃあないかね?」 腰の刀に手を添えて、ボートの先端から海面のクラゲを見つめている細身の男『闘争アップリカート』須賀 義衛郎(BNE000465)が、溜め息混じりにそう呟く。 「うぅん、クラゲいっぱいで……ちょっと、ひくね」 引きつった笑みを浮かべて『みにくいあひるのこ』翡翠 あひる(BNE002166)がそう言った。それに同意するように『すもーる くらっしゃー』羽柴 壱也(BNE002639)が頷いている。 「くらげってたべるとおいしいよね。でも、こんなでっかいくらげはいらないや」 「クラゲさんの問題は各所で聞いていましたが、まさかエリューションになってまで問題を起こすなんて……。もう夏も終わりですが、海の平和を守るため、皆で頑張っていきましょう!」 羽柴の隣で、拳を高く突き上げているのは『戦奏者』ミリィ・トムソン(BNE003772)である。波に乗って、彼女達を乗せたボートは少しづつクラゲのもとへと近づいていく。 彼女たちの接近に気が付いたのか、一部のクラゲが、すっと海面を離れ宙に浮遊し始めた。 「クラゲなんぞ、僕の戦略演算があれば即たおせるのだ」 「それでは、夏の最後のお掃除と参りましょうか」 宙に浮いたクラゲに視線をやりながら『プリムラの花』ラケシア・プリムローズ(BNE003965)と『ジーニアス』神葬 陸駆(BNE004022)がそれぞれ武器を構えた。同時にラケシアは、周囲の仲間に向けて翼の加護を使用する。 皆の用意が完了したのを確認すると『生還者』酒呑 雷慈慟(BNE002371)は小さく頷いた。 そして……。 「間も無くだ。作戦を開始しよう。各々の活躍に期待する」 と、告げた。 その時。 宙に浮いていた透明なクラゲ達が数匹、ボート目がけて飛び込んできた。咄嗟に酒呑と羽柴が近くの仲間を守る体制をとる。 しかし、クラゲはそんな2人には見向きもせず、ボートの端に浅く腰かけて様子を窺っていた『√3』一条・弦弥(BNE003422)に向かって、一斉に突っ込んできたではないか。一条の表情が引きつったのが見てとれた。しかし、そこは流石一条と言ったところか、咄嗟に爪を構えて、クラゲの体当たりを受け止めた。受け止め、いなし、隙を見ては切り裂いていく。しかし、クラゲの突撃は一向に止まない。次々と一条目がけ、突っ込んでいく。恐らく、今現在一条の居る位置が、最もクラゲにとって攻撃しやすい場所なのだろう。数秒の間、途切れることなく続いたクラゲの猛攻に終わりが見え始める。突っ込んできたクラゲの、最後の1匹を受け止める。クラゲは爪に裂かれ、水と化して飛び散った。一方、一条はクラゲを受け止めた衝撃に押され、背中から海へと落ちていく。 「一条!」 酒呑が声を荒げる。慌てて手を伸ばすが、届かない。海の中には、クラゲが大量に漂っているのだ。海に落下するということは、つまり敵の本陣へと単体、落ちていくような物である。 しかし……。 「ふゥ……。海は危険でさぁな」 その身が海に落ちる寸前、近くにあった浮輪を海に落とし、そこに飛び乗ることで難を逃れた一条が、わざとらしく額の汗を拭う。それを見て、ミリィが安堵のため息を漏らした。 一条の背には、小さな羽。翼の加護によって付与されたその翼は、本来飛行能力を持たない一条に、一時とはいえ、飛行能力を与えるものである。 その翼のおかげで、一条は浮輪を足場にすることによる着水を免れたのである。要は、今現在の一条は、浮輪に足を乗せて、空を飛んでいる状態なのだ。 そして、その翼の効果を借り受けているのは一条だけではない。 「ははは。どこぞの聖者の湖面ダッシュみたいだ」 なんて、高笑いをあげて水面すれすれを駆けるように飛ぶのは、須賀であった。腰の刀を抜き、彼に向かって襲いかかってくるクラゲを次々に切り伏せていく。水クラゲの猛攻の中、真っ先にボートから飛び出したのが彼であった。あのまま皆でボートに乗っていては、防戦一方になると判断したのだ。夏の日差しを反射させ、白刃が閃く。素早い斬撃は、視認することも難しい。そんな彼が狙うのは、海面付近を浮遊する赤褐色の電気クラゲ達であった。比較的数が少ない赤褐色の電気クラゲではあるが、しかしその身に備えた能力は、少々厄介なものである。放電能力を備えているのだ。その上、この場が海上であることも危険を倍増させる。海に落ちては、十全な行動もままならない。 「前線に立つのは得手ではないが、成せる事を成そう」 須賀に続き、酒呑も赤褐色のクラゲが密集している地点へと向かっていく。ぐっ、と強く握り締めた拳を海面へと叩きつける。一瞬の沈黙の後、周囲にいた電気クラゲたちが一斉に弾けた。二十匹近くは巻き込んだだろうか。しかし、それだけの数倒しても、まだまだ敵は多い。一向に減る気配のないクラゲの群れを、最前線に飛び出した須賀と酒呑が切り崩していく。 「我が覇道には勝利しかないのだ!!」 一同が、各所でクラゲを相手取っている中、船先で高笑いを上げる少年が一人。レイザータクトの少年、神葬であった。灰色の髪を潮風に靡かせながら、腕を前に突き出し赤褐色のクラゲへと向ける。 「僕の戦闘演算によるとこの角度が最も巻きこめると算出された。天才的ファントムレイザァァァ!!」 彼の周りに生まれた不可視の刃が、一瞬の後、電気クラゲたちの周囲へと展開し、切り裂いていく。それを確認し、神葬は満足気に頷いた。 そんな神葬の横を、低空飛行でミリィが飛び抜けていった。長い髪を風に踊らせ、海面スレスレを移動する。 「任務開始。さぁ、戦場を奏でましょう」 そう囁いた彼女の周囲に、眩い光が生まれる。閃光と化したそれは、そのまま周囲から遠方まで、纏めてクラゲを焼き払っていく。 「ボートには、近づけさせません!」 華奢な身体に目一杯力を入れて、ミリィは誰にともなくそう告げた。次の敵を探すため、ミリィが視線を宙に彷徨わせた、その時。 「あうっ!?」 目に見えない何か――恐らく、姿を消した水クラゲであろう――が、ミリィの身体にぶつかった。バランスを崩し、海に落ちる。慌てて飛び上がろうとするミリィに、紫色の触手が巻きついた。 「いた……」 気が付けば、ミリィの周りには無数の毒クラゲの姿がある。次々と、ミリィに迫り、触手を伸ばし毒針を突き刺していく。その度に、ミリィは苦痛の表情を浮かべ、小さな悲鳴を漏らした。 「すぐ助けるから」 ミリィの危機に、いち早く気が付いたのは翡翠だった。ボートの傍で待機していた彼女は、ミリィの元へ向かうべく、翼をはためかせる。 しかし……。 「……ぅえっ!?」 翡翠の背後で、今まで乗っていたボートが水柱と共に宙へ舞った。砕けた部品が飛び散り、硬質な雨と化して海面に降り注ぐ。同時に、ボートで待機していた羽柴、一条、ラケシア、神葬の身体も宙を舞う。 「っっ!! おいで、白鳥さん……! お手伝い、おねがいねっ!」 咄嗟に、AFから呼びだしたスワンボートが4人の身体を受け止める。それを確認して、翡翠は安堵のため息を吐いた。 「こっちは任せて、ミリィさんの救助に行ってください!」 スワンボートの上からラケシアが叫ぶ。それを受けて、翡翠は全速力でミリィの元へと向かう。 「さて……」 スワンボートの上には、4人。その中で、神葬だけが肩を押さえ蹲っていた。辺りどころが悪かったのだろう。ラケシアは、神葬に駆け寄り、囁くように歌う。淡い光が神葬の身を包む。 所が……。 「うわっ! また来たよ!」 クラゲの襲撃に備え、海を注視していた羽柴が悲鳴に近い叫びをあげる。その声に反応し、一条も海へと視線を移す。 「あんなん受けたら、死ぬがなっ!」 宙に浮いた電気クラゲや水クラゲを巻き込みながら、スワンボートに迫ってくるのは巨大な水の塊であった。その向こうの海中に、何か巨大な影が沈んでいくのが見える。 恐らくは、あれが巨大クラゲなのだろう。先程、ボートを破壊したのは、巨大クラゲの触手だったように思う。クラゲの親玉は、完全にこちらを敵として認識したようだ。 「範囲とかに巻き込まれるのはわたしだけでいい!! むしろ攻撃してこい!」 ボートから飛び立ち、羽柴は大剣を振りかぶる。水鉄砲を受け止めるつもりなのだろう。背後には、スワンボートと治療中の神葬がいる。 破壊されるわけには、いかないのだ。 「で、えぇぇぇえい!」 気迫を込めた、大上段からの一撃が、水鉄砲を正面から叩き伏せる。水とオーラがぶつかり、弾けた。完全に衝撃を殺すことはできなかったのだろう。羽柴の身体はスワンボートへと吹き飛ばされる。 それを受け止めたのは、一条だった。 「おっと」 「ありがと! さぁ、クラゲ退治に行こうか!」 素早く体勢を立て直し、羽柴が再び剣を構える。視線を巡らし、見つけたのは複数の触手と切り結んでいる須賀と酒呑の姿だった。 早速、その方向へと飛ぼうとする羽柴だったが、一条がその手を掴んでそれを止めた。 「あのへんやないかな」 そう言って彼が指さしたのは、須賀と酒呑からは少し離れた、大量のクラゲが密集している地点だった。巨大クラゲの触手は長い。その為、ある程度離れた位置から触手だけ伸ばして交戦することが可能なのである。 超直感によるものか、一条は素早くそのことを察したのである。 そうか、と進路を変え飛び立とうとする羽柴。そんな羽柴目がけて、電気クラゲが数匹、突っ込んできた。「危ない!」と、ラケシアが叫ぶが、遅い。しかし、羽柴が電気クラゲの体当たりを受ける直前、その前に一条が割り込んできた。 「しびびっときたで!」 顔を引きつらせながら、一条が告げる。 「ふわふわっとしとる場合やないでぇ! はよ!」 頷いて、羽柴が飛び立つ。 それと入れ替わるようにして、グッタリしたミリィを抱えた翡翠が戻って来た。彼女自身も、いくらかダメージを追っているようで、顔色が悪い。 「さっきの、ちょっと大きいってレベルじゃないですね」 と、掠れた声でミリィが言う。 「世の中には……食べられるクラゲも居るのよね」 と、自身とミリィ、一条に治療を施しながら、翡翠が答える。 一方、その頃。 「数が揃うと厄介だな」 クラゲの大群、及び、巨大クラゲの触手と交戦しながら酒呑が苦悶の表情を浮かべた。 「電気クラゲが特に厄介だな」 赤褐色の触手を避け、須賀が答える。そんな須賀の足元から、巨大な触手が飛び出した。咄嗟に酒呑が須賀を庇い、触手を掴む。 「酒呑さん!」 「問題ない。続行だ」 「おっと」 触手を掴んだ酒呑に迫る水クラゲを須賀が切り裂いた。その時……。 「2人とも、そのまま触手を抑えておくのだ!」 船上から、神葬の声が届いた。 「なるほど……。了解だ!」 「状況は整った。接近戦が得意な君の出番だな」 巨大クラゲへと迫る羽柴に、須賀と酒呑が声をかける。2人がかりで抑えているのは、巨大クラゲの触手だった。こうして彼らが触手を抑えている限り、巨大クラゲはさほどの距離を移動することはできない。 更に……。 「雑魚は私達に任せて!」 「くわわっ……」 海面に閃光が走る。ラケシアによる、船上からの援護だ。密集しているクラゲを纏めて焼き払う。加えて、翡翠の放つ光の矢も……。 「一度、上へ飛んでください!」 と、そこへミリィの指示がとぶ。それに従って、羽柴は高度をあげた。先ほどまで彼女がいた場所に、巨大クラゲの触手が突き出してきた。しかし、一瞬後にはその触手は切り裂かれることになる。 「大きければ強いと思うな! 当たりやすい的になっているだけだ」 触手を切り裂いたのは、神葬の放った不可視の刃であった。不敵な高笑いが海に響く。 船に迫るクラゲは、一条が次々と海に叩き落しているようだ。 羽柴が、剣を掲げスピードを上げる。彼女に迫るクラゲも、前方に固まったクラゲも、背後からの援護により、羽柴の進撃を妨げるには至らない。 そして……。 再び放たれたラケシアの神気閃光により、海面に集まっていたクラゲが消え去った。海面ギリギリの場所に、巨大な影が浮かび上がる。周囲の水を吸い込んで膨張するそれは、巨大クラゲの傘である。 水鉄砲を放つ準備をしているのだろう。 しかし……遅い。 「ガラ空きだからねっ!!」 電撃を纏った大剣を振りかぶり、身体ごと羽柴が巨大クラゲに迫る。大上段から、身体ごと叩きつけられた一撃によって、海水が盛大に飛び散った。バチバチを電気が飛び散る。 一度宙に飛び散った海水が、まるで雨のように降り注ぐ。波が荒れ、スワンボートが大きく揺れた。 波がすっかり収まり、水しぶきも止んだ海面にプカリと羽柴が浮かび上がる。 「勝った!」 なんて、満面の笑みを浮かべる羽柴が空に向かってピースサインを突き上げた。 ●貸し切りの海水浴場。 「皆、楽しそうだな」 パラソルの影から海を眺めるのは、穏やかな笑みを浮かべた須賀だった。紫外線にあまりつよくない彼は、こうして潮風を楽しむことにしたのである。 「ふん。クラゲを肴に一献頂くというのも、いいものだ」 そんな須賀の隣で酒呑がそんなことを言う。 「金にはならんかねぇ」 クラゲを摘まみ、一条が残念そうにそう呟いた。パラソルの影で涼む彼らに、泳ぐつもりはないようだ。そんな彼らの視線の先には、海で遊ぶ女性陣の姿がある。 「くわぁ……。泳いだり、食べたり、おみやげ探したり……したいな」 スワンボートに乗って、楽しそうに笑う翡翠がそんなことを言う。 「おー! 遊ぶぞー! 下に水着を着こんできたんだっほーい!」 楽しそうにスワンボートを漕ぐのは、羽柴だ。そんな彼女の横では、神葬が肩で息をしている。 「漕ぐのは、任せた」 先ほどまで、一心不乱にスワンボートを漕いでいた彼はすっかり体力を使い果たしてしまったらしい。 「お客さんもいませんし、貸し切り気分ですね!」 浮輪にビーチボール、遊び道具で完全武装したミリィが顔を綻ばせる。 満足いくまでスワンボートで遊んだら、次はなにをして遊ぼう。そう考えると、自然と表情が柔らかくなる。 「もう夏も終わりかしらね……」 楽しそうな笑い声を背に、ラケシアが呟く。 海に吹く風の中に、ほのかな秋の気配を感じたのだ。 過ぎていく季節にどことなく寂しいものを感じながら、彼女はクラゲの漂う海を、じっと見つめていた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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