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【座布投】たたり

●たたりじゃ
「エリューション『たたり』が、東北某所の神社に祀られているアーティファクト『たぬき像』を壊そうとしています」
 ブリーフィングルームに集められたリベリスタ達に向けて、開口一番『無貌の予見士』月ヶ瀬 夜倉(nBNE000202)はそう言い放った。
「……で、なんだ『たぬき像』って。壊されて何の不利益があるんだ」
 このフォーチュナが持ち込む事件は大抵が訳の分からない事件だ。リベリスタはとりあえず、おかしいところをスルーした。具体的に台詞の9割。

『たたぬたきぞたうがたきたんこうたをとったていたる「た」のばたらんすたがくたずれたこたんなぶたんしょうたになたります』
「……小学生か」
「こんなかんじです。因みに、エリューション『たたり』には『人間の認識する言葉に た を足す』以上の能力はありませんが、ぶっちゃけ『置き換え』もするので、何が言いたいかっていうと」
「スキルも移動も色々カオスになるのか」
「ですね」

 リベリスタに、動揺……は走らなかった。
 ただ、憂鬱そうな空気が蔓延した。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:風見鶏  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年08月27日(月)22:59
●達成条件
・エリューション『たたり』より先にアーティファクト『たぬき像』に到達する。
 または、『たぬき像』に『たたり』が到達後、2ターン以内に後続が到達する。
(『たぬき像』起動により依頼達成。『たたり』は消滅する)

●エネミーデータ
『たたり』:言葉遊びの思考から生まれたE・フォース。正確には『た足り』。
      言語・思考すべてに『た』を足したり入れ替えたりする。
(これによりプレイング内容がどえらいことになります。マスター判断)
戦闘能力はやたら低い。攻撃力は皆無に近いが、そもそも行動に『た足り』補正が入り曖昧になるため、倒しにくい。
だが、本体もその影響を受けるので大差ない。

●アーティファクト『たぬき像』
 文面から『た』を抜くアーティファクト。
『たたり』消滅の為に起動する必要があり、消滅後すぐに停止させる必要がある。
 停止させないとその後がカオスになる。

●戦場・状況
 東北・某神社。
『たたり』は西側から、リベリスタは南側からお堂へのアプローチを開始する。
普通に移動すれば4ターン程度の距離だが、たどり着くには労を要す(たたり的に)

 夏ですし、たたりは定番ですよね。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
デュランダル
雪白 桐(BNE000185)
ソードミラージュ
戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)
クリミナルスタア
腕押 暖簾(BNE003400)
レイザータクト
伊呂波 壱和(BNE003773)
レイザータクト
御厨・幸蓮(BNE003916)
ホーリーメイガス
艶蕗 伊丹(BNE003976)
覇界闘士
伊藤 サン(BNE004012)

●どうたしたてこたなこたに
 リベリスタ達は走っていた。
 石段を登りきればE・フォース『たたり』との激突が待っている。どうなるのか、今から全く予測できない。

 走りながら、『番拳』伊呂波 壱和(BNE003773)は手の甲に文字を書いていた。マジックで。
 どうやら、たたりの出現に備えて書いてあることを参照しようとしたらしい。だが残念だな、これはそんな甘っちょろいシナリオではない!
「もぐのは要らなんでしたっけ……? 何をもぐのか聞いていませんけれど」
「もぐなよ! 関係ないから絶対にもぐなよ! 何ももぐなよ!」
 悲壮感溢れる制止の声を上げたのは『イケメン覇界闘士』御厨・夏栖斗(BNE000004)。まあ、そろそろもがれろよって思うわけですけどね俺。
「これが実戦の空気か! ……ところで兄は何を怯えているのだ?」
 で、そんな空気をなんかちょっといい方向に勘違いして実践の空気に浸ってるのが、夏栖斗の妹にあたる『芽華』御厨・幸蓮(BNE003916)だ。彼女は純朴であるがゆえに無知だった。
 ので、彼らがなにをもいだり妨害したりしようとしてるのか、よく分からなかった。じつのところ。
「アハ! ワタシ障害物競走って大好キ! しかも言語思考レベルの障害なんてわくわくシチャウ!」
 おい誰だ、艶蕗 伊丹(BNE003976)をこの依頼に引きずり込んだ奴は。
「だーれだ! 昨日のワタシ!」
 お 前 か 。いや、文脈滅茶苦茶だけど考えたら負け。既にこの子、すげえ頭空っぽな顔してる。
(◎▽◎)←こんなん。ぜったいビーム撃てる系元気っ子だよこの子。撃てるけど、マジックアロー。

「やめて! 僕(の言語思考)に(たを)イれたりヌいたりする気でしょう? 薄い本宛らに!」
(どうせわちゃわちゃになンなら、もうそれに抗わずに往こう。諦めろ、俺)
 駆け抜けながら、常識を疑う言葉が飛び出したのは誰の口からだ。『いとうさん』伊藤 サン(BNE004012)(以下、「伊藤」)からだ。
 分かったから祖父であるところの『機械鹿』腕押 暖簾(BNE003400)はちょっとこいつを落ち着かせろ。一人諦めてるんじゃありません。
 前向きな発言なのにすげえ後ろ向きに聞こえます。
「全部たたりの所為にしてインディペンデンスる……で,インディペンデンスってどういう意味だぜ」
 こっちがききてえよ! INDIPENDENCE(自立)と真逆の行動しようとしてるじゃねえか!

「祟り目でたたらを踏むことも多々あろうと、祟りなど叩き壊す!」
 既に「た」の使用率が高すぎて重傷食らうんじゃねえですかっていうレベルの『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)だが、結局のところまだ射程圏内に入っていないため、というかスタート地点ですらないため、現状問題ないようにも思えた。
 何しろこの子、やっぱりすぎるくらいやっぱり、作戦の要だったりするのだ。

「相変わらず変わった相手みたいですが、頑張って行きましょう」
 何と比較したのかは敢えて問うまい。雪白 桐(BNE000185)はある意味、よく訓練されたボケ要員である。輝いた目が何を意図しているのかなんて聞く必要はないし、何しろ聞きたくない。
 今回もそんなことになる。

 やがて見えてくる境内を前にして、伊藤、何故か上着を脱ぐ。着る。どこのヒ(検閲削除)だ。
 クラウチングスタートの姿勢を取り、何故か 暖 簾 に 飛びつく。
(初任務怖い、エリューション怖い。でもじーじいる怖くない)
 まあ、こういう葛藤はあってもいい。許される。
「孫のアグレッシブな愛情表現だってついてるンだ。無頼たる者、泣き言云う訳にゃあいかねェのさ! ……ちょ、おいそこ持つな視界がブレる」
 ダメージとかロストは兎も角、そんな面白カッコイイ台詞で啖呵切れたら全国の無頼さんが黙ってねえよ。
「たかだか四十秒、されど四十秒ってところ?」
 十分に準備を整えた夏栖斗が、素早く構える。

 ――小さな声が聞こえた、気がした。

●全く困ったものである(※翻訳版)
 幸蓮が指先を掲げ、戦場の主導権を握ろうと声を紡ごうとし、詰まった。
 ディフェンサードクトリン、と称されるそれを、即座に紡ぐことが出来なかったのだ。何故か、脳裏に描いた防御布陣にすら「た」が羅列し、位置関係が把握できない。陣容の再構築が、許されない。
 流石にこれは予想外だった。僅かの硬直も相手に対してアドバンテージを与えてしまうことを知っていたがため、自己強化に移るもタクタクスタアイってなんだ。語感で気づけ。OK、大丈夫らしかった。
 伊藤と暖簾の二親等おんぶ(爺不孝)は、コケた。「またっすぐ」、とかまず語感が悪い。呪文のようにつぶやいていたそれのテンポがずれて、ハイバランサーとかそれ以前の問題で、コケた。
 折悪く、伊藤が地面に業炎撃。おい焦げる焦げる。
 たたりの効果を危惧した夏栖斗は、既に行動から「た」の概念を抜き去ろうとしていた。たなんて無くても戦えたんや! やったね!
 ……と、行けばみんな幸せだったのだろうがそうも行かない。
 妹にいいトコみせようとして変な言葉遣いになってしまうこと数度。
 転びはせずとも千鳥足になってしまうこと数度。連携を取ろうとして逆に邪魔すること数度。
 挙句、とても口にできない単語をたたりに誘導しようとしてマジギレしたたたりが夏栖斗に腹パンかます事一回、空振ること三回(でもダメージはありませんでした)。
 桐などは最初からやってしまえの精神で突っ込んでいたが、そもそも「た」ではなく「あ」を加えていたものだから、更に「た」を加えられて完璧にカオスになった。テヘペロしてる間に突き込んだまんぼう君が石畳の真横に突き刺さる。
 危険とかではなく、社会的に危ない一撃である。

 壱和は愚直だった。取り敢えず、手の甲と先行する先輩格を視野に入れることだけを考えて前に進もうとしていた。
 だが、進みが異常に悪いことに壱和が気付いたのは、既に移動やら何やらがどえらく支障をきたした結果、コケまくって涙目になってやっと気付いたとか、そんな感じなのだ。
 全力で挑めば四十秒、だが全力を出させない脱力感こそが相手とするE・フォースの怖いところだったわけで。
 
 ところで、伊丹が何をしてたかって言うと、描写にすげえ困る状況だった。
 先ず北に向けて走ろう、と考えた。北ってどっちだ。
 皆が向かっている方向か。ならあのエリューションの居る位置か。(※このタイミングでブロック担当の方が多かった)
 一歩踏み出した瞬間に盛大にずっこけた。だが、諦めず足を踏み出す。走る。盛大に吹っ飛ぶ。
 目がぐるぐるの状態でぶつぶつと延々と言葉を紡いでいる状態の彼女はその、俺だって怖い。
 
 転びはせずとも、ブロックしようとして何処からとも無く現れた豚とセッションしてしまったり某水虫薬を取り出してしまっていた舞姫は完璧に混乱していた。
 バッドステータス? いいえ、現実的にです。
 近接距離に踏み込んだはいいものの、ブロックが成り立たない。明確にベクトルを向けられないどころか何をしているのかわからなくなるからだ。
 ――だが、ここで舞姫に衝撃走る。
 たたりを防げないのは日本語だからではないか、と。なら、日本語ではない言語なら止められるのではないのか、と。
 だが、そんなにこのシナリオは(以下略)。

 結局のところ、英語にしたところで発音は須らく日本的な文字に置き換えられるので意味などどうでもいいのだ。ぶっちゃけ。
 あ、うん、概ね英語は大丈夫だったんじゃないかな。

 で、まあこんなどうでもいいような状況に長々と置かれてリベリスタが対応できないかって言うとそうでもないわけで。
 夏栖斗とか、最初からカバーリングも想定してたわけで。背後でずっこけてて一向に進んだ気配のない壱和(涙目)はともかくとして、周囲のメンバーの死角を埋めれば何とかなるのでは、と考えたのである。
 他のメンバーが撃ち漏らした部分に行動を重ねることでベクトルを正常化させ、何とか移動を阻害する。
 阻害できなくても、出来るだけたたり自身が行動をミスするのを意図し、動く。
 ……まあそんなことできたらギャグシナリオじゃないんですけどね! ナムサン!

 あと、序盤に盛大なズッコケを見せてくれていた隔離世代の二人だが、特に問題なく戦線復帰していたようです。
 コケそうになってるけど。
 二人同時に拳を繰り出しても、必ず片方以上外すけど。そもそもスキルとして殴れた回数が少ないけど。
 ブロックの決め手となったのはしかし、後方を進む壱和の挑発だったというのはどういった冗談だったのか。最終的に、距離を大きく離すことに成功したのだから大したものである。

 結局のところ。
 波瀾万丈な状況に終止符を打ったのは伊丹の到着だったりするわけで。

 これを状況としてわかりやすく説明すると、まあ次の通りになります。

●またったくこたまったたのであた(※超直観推奨)
「――?」
「どたうしたたこうれたんたちゃたん? にーちゃんのかたっけーとこ」
 話が全く通じてないね! 大変だ! これでは兄の威厳が保てないぞ(棒読み)

「よし、じたーじまたったすたいたってロタケットパタンタだ」
「したずめる、お前さんみたェなたエリューションたはしたずめる」
「「Wメタフラレパタンチ」タ」
「「……あれ? いやもげる焦げる!」」
 もげはしないけど灼けるかもしれないね。ついでに砂利を盛大に跳ね飛ばしてるねコレ。一部熔けてるね。

「たたしはた、速度をいたかしてたぬきさたまにちょたくたう……た? あたれ?」
 一歩踏み出したはいいけれど、どう行動するんだっけこれって有様だったね! どうするんだっけ。
「きたん、またーたっブゥー!? 」
 残念、夏栖斗君のフェイトはボッシュートだ!
「あハたあたイあたあラあンあサあたあであバたあたラあたンあたスあたた取あたり……あ、『た』でたはなたくた『あ』たでたし」
 こんな書き方しても本来の文章が分かるのはカタカナだからだね。人間の目って不思議。あと、刺さる、刺さる。
「おーらたいた! またずはきたたにむかたってはしりマたス! たきた! きたた? たたきたとたは!! ……ミンナがたむかたたってたほたうこうたにた……ドッチー!?
 りたくつじゃたなたいたヨ! そたこにみちがたあるかたらたはたしるた」
 なるほど! わからん!

(なたにたもかたんがたえず、せたんぱいたのうたごたきはみたならたい……)
「うぶっ!? ……うぅ」
 顔から突っ込む。悲しいかな、ひたむきであるからこそギャグに落とした時この子可愛いんだよ。性別は知らないけど。涙目がさ。

「ブロ……ブタロック!? ちたがうよた! え? ブ●ナロック!? なたにそたれ?」
 この調子である。何か出てくるんじゃ仕方ないよね。対処だってするよね。わかるわ。
「……a,」
「I run to the TANUKI statute in a hurry! ……うがーっ!」
 英語の不思議。一文字違いで大違いだ! 良い子は翻訳しようぜ!

「こたうげたたきたは、虚空……たあれた? いたえた? ……すたきまたをフォローしたながたら……」
「――あたたたたたたたたっ!! たなんて足りてるんです! 先には行かせない!」
 壱和、ついに吠えた。た、いっぱい使った。

「さあ『たたり』よ、はたして『た』を奪うコレの挑戦を受けるがいい!」
 幸蓮さん、やめましょう、エリューションにその貴重なク、じゃなかった試行錯誤ゲームを預けるのはやめましょう!? つーかやったんですかアンタ!

「おたとたたこなたらこたころたったやたつがファイタナルウタェポタンだたろがこたの(検閲削除) たたは~たおたっぱたたいたもたたみてたぇたブゥー!?」
 ここで伊藤にも腹パン入りました。

「起動 き 起d動 きどう activ@Tion kいドウ 像があったら回シテ山があったら登るようにたぬき像を起動サセるのデス! えいやー」

「念願の真人間になれるよ! やっ ね!!」
ねえ、この ぬきどうやって止めるの?」

「何せお前さんが!消えるまで!殴るのを! 止めねェ!」
「ところで未 じーじにおんぶして貰ってるけど  りの所為って事にして。あとインディペンデンスってなに」
 これは酷い。

「停止させ か……止まってねェ!?」
 大丈夫なのか、これ。

●顛末
「神仏への祈願は、ちゃんと いしょう償を捧げないとですよね!  い丈夫! 「 」が無くなっ ら、「ま」が残るから! 念願の真人間になれるよ! やっ ね!!」
「あはは、 いへん っ ね! 一緒に  かえて嬉しかっ よ。これからもよろしくね」
「先日、いい珈琲の店を紹介して貰っ の 。一緒に行こう」
 舞姫をガン無視して妹との信仰を深める夏栖斗さんマジ兄の鑑だわー尊敬するわーもげろ。

「ところで伊藤、重い……」
「  りの所為って事にして」
 ダーク爺不幸の図。

 とまあ、こんなかんじで混乱しきりだったわけだが、もう少し様子見をしようとしていた桐をよそ目に、壱和が停止させました。
「えっと、もぐのは」
「必要ないからね!?」

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 我ながら変則的もいいところでした。
 まあ、色々すごいことになってますけどいいんじゃないでしょうか。
 もう少しぶっ飛んでても良かったんじゃないかと思う所存。

 では、又の機会に。