●アスファルトの上でのたうってるミミズが敵でございます オッサンの趣味は甲羅干しだ。 なんて、いきなり言われても困るかもしれない。 だからより正確に、そして真摯に伝えねばならない。 オッサンはパンイチで灼熱のアスファルトに寝転がり『ヒギィィィあついのぉぉぉとろけちゃうぅぅぅぅ!』と言ってのた打ち回ることに至上の悦びを感じており、ピュアな視聴者のためにソフトな言い方をするなら脳味噌ド腐れM野郎だった。 なので今日もパンイチのままよく熱したアスファルトに横たわり、びったんびったんつるびったんして遊んでいた。 そんな時である……。 『ほう、貴様も灼熱アスファルトの上を好むか……』 顔を赤くした巨大ミミズが話しかけてきた。 いや、もうこの時点でどうかしてるし、オッサンも充分どうかしてるので、頭がおかしくなったが故の幻覚かなって一瞬疑ったのだが、どうもこりゃマジなようで、ミミズはセイヤァとか言って尻尾(?)を振り回すとオッサンを軽くホームランしてくれたのだった。 無論オッサンは死んだ。 ミミズは熱さにのた打ち回った。 ●脳内で映像を流しながらお楽しみください 「あっ、ムリっ、これほんとムリっ、ムリだからっ!」 アイワ・ナビ子(nBNE000228)がアスファルトの上で首ブリッジをしていた。 よく見ると、親指の辺りが輪ゴムかなんかで絡まり、靴ひもが左右いい感じに絡まっている。 何をどうやったらこうなっちゃうのか分からんが、今ナビ子はアツアツのアスファルトの上でひたすらびったんびったんしていたのである。 「あっ、ねえ! 助けてくれてもいいんだよ! いいんですよ! あとでサイン色紙あげるから、ジョー・ミチルって書かれた色紙あげるから! この前酔っぱらったオッサンが書いてくれたヤツだから!」 この後のナビ子の説明によると、今のこいつみたくアスファルトでびったんびったんしているミミズのE・ゴーレムが出現したんだそうだ。 なんでビーストじゃなくてゴーレムなんだよと思ったら、既に干からびて生物っていうか夏の風物詩みたいなアレになっていたらしく、色々可哀そうな物体のまま革醒しちゃったかららしい。 「アレッ? でもこれ背中の辺りに風通してたら涼しくない? あっ私天才! 天才ナビボンって呼んでもい、いいいいっ、手ぇ熱! アスファルトで手ぇ熱!」 奴を倒すにはアツアツアスファルトのある某エリアへ行けばいいらしいのだが、厄介なことにその一帯そのものがゴーレム化しているらしく、一度遭遇してしまうとそのエリアから出ることができず、更には飛行や痛覚遮断を初めとする『俺別に熱さとか平気だし?』的な能力がキャンセルされてしまうと言う非情に都合の良……いや都合の悪いことが起きるらしい。 「あ、やばい、なんか足攣った。びーんてなった……」 まあ実際に殴って倒すのは巨大ミミズ一匹だけだ。 すごい頑張れば……と言うか具体的には熱さを耐えれば倒せないことも無い。 「もう、だ、め……め……めぎどらおおおおおおおおおん!?」 こんなゴーレムを倒せるのはそう、君達だけだ! 頼んだぞ! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 9人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年08月17日(金)21:50 |
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■メイン参加者 9人■ | |||||
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●サド心をくすぐるグル―ビーな依頼だって? ハハッそんなわけないだろ? 夏は暑い。 当たり前のことだが、この事実は人類規模で人々を悩ませ、この何千年に渡る人類史を幾度となく苦しめてきた。 中でも昨今の都内温暖化を促進しているのがアスファルトである。どっかのSTが『なんで国中アスファルトだらけにしたんだよおおおお!』ってキレてたが別にそういうキレ方をしている人は彼だけに留まらないだろう。 そんな中、卵が焼けちゃうくらいあっついアスファルト(とEゴーレム)が現れると聞き、アーク・リベリスタ達ははんば嫌々現地へと赴いたのだった。 「あ、みんなちょっと待って。まずは最終兵器俺が様子見てみるかさ」 「何その狂った一人称」 「今考えた」 等と言いながら手を翳す雨宮 千景(BNE003997)。 タンッとアスファルトの上に立つと、身体ごと振り向いて背伸びをして見せた。 「んー……確かに暑いけど、言われてた程じゃないね」 「え、そ、そうか?」 「うん。ほらおいでよ」 カモーンと手招きする千影。 『デイブレイカー』閑古鳥 比翼子(BNE000587)はおそるおそる足を踏み入れ――。 ●デイブレイカー・HIYOKO! 第八十七話『不死鳥の如く』! 「ミミズごときが、フェニックスのビーストハーフであるあたしに立ち向かうとは……フッ、愚かな」 『アーク最強リベリスタ』閑古鳥・フェニックス・比翼子超クライマックスフォーム(BNE000587)は見ただけでバロックナイツが土下座して崇めると言われる神々しいお顔を上げ、フェニックスの尾百本分と言われる翼の両腕を掲げて見せた。 「くらえ、星と太陽に最強の名を約束されたあたしの最終奥義ィ!」 跳躍一回で高度140kmの高さへ跳び上がると、比翼子コズミックフォームさんは地球と宇宙をそれぞれバックにして反転。腕をクロスしながら正しく流星の如き炎とエネルギーを纏って急降下を始めた。 「ひよこ! デイブレイク! キィィィィィィィィック!!!!」 街の一角にきりもみしながら激突した比翼子ゴールドエクストリームは大量のアスファルトと地球温暖化の原因であるフロンガスとそのついでにE略ミミズを一瞬で打ち滅ぼし地球に春の温かさを齎し総理大臣からは土下座され天皇は諸手を上げ大統領は感涙しプーチンが満面の笑みを浮かべスカイツリーの頂点で『ヒ・ヨ・コ! ヒ・ヨ・コ!』のコールを浴びながら比翼子ファイナルコンプリートフォームさんはクールにキメた。 「閑古鳥はアークにて最強……覚えておけ」 ●という夢を見たのさ 「はっ、つい眠ってしまった。夢を見ていた気がする、温かく優しい夢……っていうかなにこれぴえええええアスファトあちゅいいいいい!」 比翼子はアスファルトの上でびったんびったんしていた。 その横で千影が。 「うっ!? ふ、ふぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛づい゛い゛い゛い゛い゛い゛死゛ぬ゛う゛う゛う゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛だじでえ゛え゛え゛ごごがら゛だじでえ゛え゛え゛え゛びぎい゛い゛い゛い゛い゛!!」 突如人間とは思えないような奇声を発したかと思うと顔を水風船のように膨らませばふんと破裂し更に急激なスピードで身体が萎れ始める。 顔も体もシャツを残してミイラのようにカラッカラに干からび、しかし奇声だけは止まず頭を掻きむしって髪の毛をまき散らしながら明後日の方向に走って逃げだし壁に激突してぶっ倒れた。 言っておかないと一生分からないかもしれないので補足するが、『怪盗』スキルによる演出である。 もしかしたらアーク初めての実用例かもしれないのになんてことだろうか。あと彼レベル5なのにこんなスキルとっちゃってこれからどうやって生きていくつもりなんだろうか。死ぬぞ。 「…………」 「…………」 『クロスロード』天王寺 勇馬(BNE000977)と『猛牛爆進ミノタウロス』天王寺 勇牛(BNE003989)はどこか冷めた(そしてつぶらな)瞳でびったんびったんする彼等を見下ろしていた。 始まる前から何かが終わっていた気がする。と言うか、この二人は全ての出番を今消費しきった気がする。 「ねえ勇牛」 「……オイラはやらないぞ。焼肉にしようとか思うなよ!?」 「……ううん、オモッテナイオモッテナイ」 ぶんぶん首を振る勇馬。 名前からお察し頂ける通り二人は双子の兄弟である。しかも頭部がシマウマさんとウシさんなので、ここだけちょっと冗談みたいな空間になっていた。 シャツの胸元をぱたぱたさせる『ヤクザの用心棒』藤倉 隆明(BNE003933)。 「ンにしてもあっついな。俺まで干からびちまいそうだぜ。おい爺さん、大丈夫か」 「飛べないじじいはただのじじいですじゃ……」 「おい大丈夫か!?」 光の無い目でガクガク揺すられる『三高平のモーセ』毛瀬・小五郎(BNE003953)。 「水と塩をとれと、主治医に……」 「おい誰か、塩、塩持って来い!」 「塩ならこちらにっ」 ジャジャンとばかりに『第28話:あつはなつい』宮部・香夏子(BNE003035)がお塩の入った瓶(マジックで『まなぶ君』と書かれている)を翳して見せた。 「あつうい夏場、でも香夏子がこんなお仕事ばっかりしてるのはずばり、夏休みの宿題しなくてすむからです」 「それはいいから、あと宿題しなくていいわけじゃねえから」 「あ、お塩ですね……とう!」 香夏子は魔法少女が変身シーンにキラキラしたもんまき散らすみたくお塩(まなぶ)をアスファルトにまき散らした。 そしてこの満足げな顔である。 「香夏子、空気読みました。後でスタッフが美味しくぺろぺろしてくれます」 「何してくれてんだあああああ!」 「どっこいしょ、と」 「爺さん舐めるな、やめろ!」 隆明が小五郎爺さんを羽交い絞めにしているのをよそに、『のんびりや』イスタルテ・セイジ(BNE002937)はぼうっと空を眺めていた。 「ラルカーナの空は高い……」 いわゆる現実逃避というやつである。 ちなみにイスタルテは水玉模様のワンピース水着と白帽子をつけていて、眼鏡とポニテが大好物なお兄さん達から絶大な支持を得ていた。どこにいるのかは知らないが。 「みみるのしゅつじんなの! どくとりんしたらきっとあつくな……あつっ、やっぱりあついのー!」 イスタルテの周りを、『くまびすはこぶしけいっ!!』テテロ ミミルノ(BNE003881)がひたすらぐるぐる走り回っていた。 『………………』 そんな彼らの様子を、エリューション・アスファルトの上で干からびた可哀そうなミミズ(フルネーム)はびったんびったんしながら見つめていた。 ●リベリスタたちが命がけでエリューションと戦うシリアスなガチ戦闘がこちらになります 「ぶもぉおおおおおおおおおおおっ!!」 勇牛は闘牛もかくやという勢いでミミズに肩から体当たりを仕掛けにいった。 これが約一年前に確立された瞬殺フラグであることを彼は知らない。 「ウモ゛ォオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!」 そして当然のようにびったんされ、上半身裸だった彼はアスファルトに逞しい胸板を押し付けびったんびったん転がり回ることになった。 「勇牛だいじょうぶ!? ええとどうしようとうしよう……あっ、水だ」 のた打ち回る勇牛の周りにペットボトルで水をかけてみる。 ジュッて音がして全部水蒸気になった。 「ウモ゛ォオ゛オ゛オ゛!?」 「うわあああ勇牛が焼肉じゃなくてスモーク肉になっちゃ――うぎゃん!?」 自棄になってローリングアタックを仕掛ける勇牛。勇馬はそれに躓いて転倒し、顔からアスファルトに突っ込んだ。 「あつつつ熱い熱いアスファルトあついいいいいいいい!」 「ちょ、大丈夫かおい!」 隆明が流石に心配になって駆けつけるも、UMA二匹は奇声をあげてびったんびったんごろんごろんである。 「ここは……ワシがなんとかしましょうかのう……」 「お、おう……やってみてくれ」 ピースしながら自己主張する小五郎おじいちゃん。 隆明は若干心配になったがとりあえず任せてみた。 おじいちゃんはうむうむと頷いてから……。 「ふれぇ~……ふれぇ~……りべぇりすたぁ……ふ、ふれ……げほっ、ごほっ」 「おいやめろ心が痛くなってくる! 誰か、他に誰かいないか!」 小五郎おじいちゃんを再び羽交い絞めしてから、隆明は他の仲間を見回してみた。 「おー……鍋を置くだけでレトルトカレーがこの通りとは。香夏子、新しいエコを見つけました!」 香夏子が満面の笑みで鍋からレトルトカレーのパックを取り上げていた。鍋はぐっつぐつである。 「さっそくいただきますっ、あーむ……んーっ」 「…………」 頬に手をあてて首を振る香夏子。 隆明は黙ってその様子を見つめていたが。 「あっ、ダメですよ! カレーは死守しますからね! カレーは香夏子の命ですから!」 「いらねえよ! っていうかこの状況をなんとかしてくれ!」 「香夏子、正直全開のダルマストーブ編に比べると全然涼しい方なので別に……」 「お前の変態的な依頼遍歴はどうでもいいよ! えーっとこうなったら……テテロー!」 「えっ?」 テテロは地面に生卵を落として、ジュッて目玉焼きになるのを観察していた。 更にコーラをホットにしたり、缶コーンとサラダ油でいきなりポップコーンができたりするのを監察してみる。 「んー……ミミはうしろで応援することにきめたの! せんとーしきなの!」 「お、おう。無理いって悪いな」 「ワシもありますじゃ、せんとーしきれべるいち」 「爺さんちょっと休んでろ」 「ふれーっ」 「ふれぇ~」 「「み・ん・なっ」」 ふにゃふにゃと応援する幼女と老人という組み合わせに、隆明は目を覆った。二人の戦闘指揮とディフェンサードクリトンがまる被りしていて無駄だとか、そういう問題じゃなかった。それどころじゃなかった。 一縷の望みをかけてイスタルテを見る。 「あっ、熱っ、やーん飛べないですよぉー! それに相手の動きが読めなくて攻撃が当たりづらく……あっそうだシンクロすればいいんです! これで動きをマネしつつ射撃あっつ!? なんでミミズさんって暑いのにわざわざアスファルトに身体押し付けてるんですかあっつ!」 眼鏡ポニテ。じゃなくてイスタルテはアスファルトの上でのた打ち回る可哀そうなミミズのものまねを健気につづけながらさりげなく自爆していた。 目を覆う隆明。 ●命がけでエリューション退治に勤しむリベリスタの以下略 小五郎おじいちゃんがこの暑さとアスファルト熱をどうにかできるって言うから任せてみたら、『キェェェェェ!』とか奇声を上げてこのイラストどこのVCが描けるんだよっていうような顔で陰陽・氷雨をぶちまけた。 その凄まじさたるや、小学生は泣き大人は夢に見て犬猫がひっくり返る程であったが、幸いもう皆それどころじゃなくなっていて横で見ていたテテロがガチ泣きした以外は大した被害はなかった。 むしろ、辺りが水蒸気だらけになって皆さんの死亡率がぐっと上がったことが問題である。 「おお、焼け石に水じゃったようですのう……どれ、塩らいちで給水ですじゃ」 「熱っ、あっつなにこれやべぇって爺さん何してくれてんだ畜生! あ、あ……あぎだいいいいいいいん!?」 一人懸命に戦闘(ツッコミ)に励んでいた隆明もついにダウン。地面をごろごろ転がりながら謎の悲鳴をあげていた。 「ふっ、待たせたな諸君。あたしにはジャンプしてからの落下制御で地面からちょっぴり離れることができピヨッ!?」 比翼子が画面に映ったと思ったら既にE略ミミズにびったんされて壁にはりついていた。 しばらくローリングアタックをしかけていた勇馬と勇牛はミミズ相手にローリングしても逆に潰されるだけだと悟り、今や完全に死んだ目でアスファルトに転がっていた。 「こ、このままじゃ全滅しちゃいますよぉ! 何か飲み物をあげないと……」 イスタルテがひりひりするお尻をさすりながら振り返る。 すると。 「待たせたな! 通所依頼におけるMVP率および大成功率測定不能のスーパー新人千景参上! こんなに苦しそうにして可哀そうに、ほら塩飴だよ」 と言いつつエスプレッソーダをダブルで注入。 「サントリィ(悲鳴)!?」 びっくんと跳ねる勇馬と勇牛。 その横では、小五郎おじいちゃんがアスファルトに倒れてじりじりと焼かれていた。リアルに危ない光景である。 「若きリベリスタたちよ……わしの屍を、こえて、ゆけ……」 「お、おじいいちゃあああああああああん!?」 サムズアップしたっきり真っ白になる小五郎おじいちゃん。 「だ、誰か何とかしてくださぁい! 老人は加減を知らないから熱中症でくたばるまで炎天下の道路で自転車こいだりして車の前でぶっ倒れ近隣住民に跳ねたのかと勘違いされた運転手がゾッとしたりするんですよ!」 「何ですか、その実体験みたいなたとえ話」 それまでうまうまカレーを食べていた香夏子がどっこいしょーいちと言いながらスプーンを掲げた。 その後ろでぽんぽん(比翼子の腕)を振ってフレーフレーと応援するテテロ。 「森羅行でカレーを吸収し自己回復を計れるようになった(という名目で依頼中にカレー貪れるようになった)香夏子に怖い物はありません。そう例えるなら……もう何も怖くない!」 「死にフラグだソレ!」 などと言いつつ香夏子のライアークラウンが炸裂。エリューション・アスファルトの上で干からびた可哀そうなミミズ(フルネーム)はその一発でびしゃんとはじけ飛び、この世から完全に消滅したのだった。 ●暑さで頭がダメになったと言っておけば大抵の奇行は許され……ない。 「お疲れさん、皆。約束通りリクエストした飲み物を奢ってやるぞー」 隆明がクーラーボックスから飲み物を取り出して配り始める。 「香夏子っ、香夏子カレー牛乳がいいですっ、無かったら、カレーでもいいです!」 「そんなのあるわけないだろって思ったらあったよ、カレーラムネ。見るからにまずそうなんだがいいのか?」 「GJ!」 わーいやったーと言いながらカレーラムネ(黄色い)を掲げて走って行く香夏子。 そんな姿を眺めながら、勇馬と勇牛が並んで体育座りし、ストローでポカリとバヤリンスをちゅーちゅーしていた。 「おわったね……」 「おいら、転がってただけのような気がするな……」 「ミミは応援してたの!」 いちご牛乳をちるちるしながら間にぐいぐい割り込むテテロ。 「あのー、私には……」 くりっと首をかしげるイスタルテに、隆明がそっと何かのパックを取り出した。国産の卵バックだった。 「メガ……イスタ……眼鏡にはほれヨードラン光」 「なんで二度言い直したんですか? あっ、生卵……香夏子さん鍋かりまーす……」 よく見るとイスタルテの目にハイライトが無い。 比翼子と一緒に鍋を囲み、卵をお湯の中にそっと入れるイスタルテ。 「えーっ、そんな卵だなんてっ、ヒヨコさんが死んじゃうじゃないですかぁキャピ」 「えっ、食べません?」 「たーべるーぅ!」 「…………」 『キャピ』の辺りで衝動的にバックドロップかけたくなった隆明だが、イスタルテと一緒にお塩(マナブ)をつけて食べ始めた二人を見てツッコミ入れる気力を失くした。 空を見上げる。 青い空に、小五郎おじいちゃんがダブルピースで浮かんでいた(死んでないけど)。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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