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熱いから全裸!

●いかなる時も全裸
 スクランブル交差点の真ん中でオッサンが全裸になっていた。
 この解放感。
 普段通る筈の無い場所を風が通って行く新鮮さ。
 オッサンはたまらず声を上げながら道路の中心線を走り出した。
「俺は今、今っ、最高に解放しているぞオオオオオオオオオッ!」
 ストリーキング?
 ノンノン。
 ノーフェイス、OK?

●産まれたままのNOBU
 とあるフォーチュナさんがアークのブリーフィングルームでサムズアップしていた。
 別にそれはNOBUじゃないと思うし、まさか全裸なわけないと思う。
 いくら事有るごとに全裸になる奴が続出するアークだからって意味も無く依頼説明中に全裸になるNOBUなんて居ないと思う。
 だから今NOBUは全裸じゃない。絶対全裸なんかじゃない筈だ。
 その上で説明しよう。
 とあるスクランブル交差点のど真ん中をノーフェイス化したオッサンが全裸疾走しているらしい。
 それも、わざわざ信号が赤になる間に全裸待機してかーらーの、青と同時に全裸疾走である。
 そのスターティングポーズたるや凄まじく、世界最速をうたわれたカールさんの如き華麗なクラウチングスタートだったと言われている。
 無論段階が変態……じゃなくて大変なことになっているので強いし、あと全裸だし、戦闘そのものもきっと手強いと思う。
 相手の首に飛びついて両股でがっしり挟んだ後ポールダンスの動きでぐるんぐるんと回転して振り倒すみたいな技を平気で使ってくるんだそうだ。全裸で。
 逆立ちからのカポエラスピンキックや脚による投げ技だって披露して見せるらしい。全裸で。
 女の子がいたら大変なことだし、できれば居ないほうがきっといいが、別に制限しないのがアークの紳士な所だって思う。全裸で。
 まあそんなワケだから、皆気を付けて、依頼に挑んでほしい。全裸で。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年08月10日(金)23:33
八重紅友全裸でございます。

●全裸オッサン
全裸のオッサンです。
つよいです。
全裸です。

この依頼は男女のべつまくなしに入れますが、きっと女の子が入ったら大変なことなんだと思います。っていうかヤバいと思います。このゲーム全年齢なんで。
でもきっと紳士な人達は紳士的対応をしてくれるはずだってわたし信じてる。
エロい展開にもならないって信じてる私わたし。
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
クロスイージス
カイ・ル・リース(BNE002059)
デュランダル
降魔 刃紅郎(BNE002093)
★MVP
覇界闘士
阿部・高和(BNE002103)
ナイトクリーク
兎丸・疾風(BNE002327)
クロスイージス
犬吠埼 守(BNE003268)
覇界闘士
ジョニー・オートン(BNE003528)
スターサジタリー
巴崎・M・木市(BNE003867)
ホーリーメイガス
平等 愛(BNE003951)
覇界闘士
滝沢 美虎(BNE003973)
   

●もう二度と服を着れなくなってもいいという勇気! そうなれば文明社会になじめなくなってしまうかもしれない、けれど世界の平和のためなら……!(と言いながらいそいそと全裸になる勇者)
 スクランブル交差点の真ん中に一台のカローラが停車した。
 運転席が素早く開き、やや恰幅のイイ男が転がり出てからの片膝立ち射撃体勢へ移行。マスケット銃を周囲に素早く向けた。
 言うまでもないが、この恰幅のイイ男が『三高平の紳士』巴崎・M・木市(BNE003867)である。
「ノーフェイスめ……公衆の面前で全裸など許されるわけがなかろうに」
「みとらならお風呂でぱぱ見慣れてるし。別に平気だぞ?」
「…………」
 助手席からゆるゆると降りてきた『ガール・ザ・スタンピード』滝沢 美虎(BNE003973)に、木市は世にも苦々しい顔をした。
 顔を覆ってキャーエチーて言ってくれるならハイハイあっち向いてましょうねで済むのだが、邪気のない子供(女子)が普通に見ているとなるとどう相手したもんか迷うのが大人というもので……なんていうかこう、地味に対応しづらいのだ。
 だがそんな相手にすら容赦しないのがアークの精鋭リベリスタ達である。
「アークで全裸依頼を受けること幾星霜。今だMVPを獲得していない吾輩も一皮剥けたい……そう思っての、全裸なのダ」
 『夢に見る鳥』カイ・ル・リース(BNE002059)が股間にバナナ型浮遊具を挟んで車のトランクから這い出てきた。文脈がいまいちおかしいが、想像で補って欲しい。これ以上詳しく書いたら大変なことになるのだ。
「……ぱぱのとちがう」
「やめろ見るな! あれはぱぱとは違う人だ、強いて言うならバケモンだ!」
「吾輩はバケモンじゃないのダ。○ンコなのだ」
「そこを伏せるなああああああ!」
 マスケット銃を乱射する木市。カイは両腕を広げて飛び立つ仕草をしながら結界を張る。でも都内のスクランブル交差点なんちゅーごったごったした場所なので割とガン見してる人達もいた。
 このままではまずい、木市がこの依頼が公開停止になる危機……じゃなくて一般の目にマズいものが触れる危機に冷や汗を流していると。
「夏は開放的になる季節ですが、程度を過ぎると大変見苦しいものです。ですがですが、あえて今回は相手の土俵に合わせましょう!」
 後部座席から降り立つ『猫かぶり黒兎』兎丸・疾風(BNE002327)。
「暑い、なんて暑さでゴザルか……これだけ暑いと心も体もバーニンッ! きっとオッサンもバーニンッ! この煮え滾るパワーとパワーを互いにぶつけ合おうではないかバーニンッ!」
 更に反対側の座席から降りてくる『ニンジャウォーリアー』ジョニー・オートン(BNE003528)。
 バーニン一回につき一枚くらいの割合で二人はアーマーパージ。
 木市はそっと美虎の目を手で覆った。
「おい、なんでかくすんだ? おもしろかったぞ?」
「教育に……教育(委員会への体面的問題)によくないんだ!」
 などと言っていると、背後から二つの音が聞こえてきた。
 一つは重いエンジン音。
 もう一つは蹄の音である。
 脳内で流れ始める暴れん棒将軍のテーマ(非誤字)。
 恐る恐る振り返ると、道路の中心線を堂々と突っ走る馬の姿があった。跨るは『百獣百魔の王』降魔 刃紅郎(BNE002093)。装備はマントのみである。
「ホイホイ依頼に出ちまっていいのかい? 俺は関係なくても脱ぐ男だぜ」
「奴がストリーキングなれば……我はワールドキング。グシャを捨て置くわけにはいくまい」
「フッ……」
 馬と並んで走るは、まさかのバキュームカーである。
 木市の車の両脇に停まると、ドアを全開にして全裸の『いい男♂』阿部・高和(BNE002103)がバキュームカーから姿を現した。股間の金剛陣を隠すハンドル。
 そして横断歩道の向こうでじっとこちらを睨むノーフェイスに視線を向けて、阿部さんはゆっくりと地面に降り立った。
「やらないか」
 脳内で切り替わるBGM。
 腰のブレイクイービルをギガントスマッシュするカイ。
 同じくタワー・オブ・バベルをスタイルチェンジする刃紅郎。
 既にリミットオフした阿部さんは清々しい顔で両腕を広げデスペラードミスタを神気閃光させていた。
 疾風も負けじとシャドウサーヴァントをテラーオブシャドウし始め、ジョニーですらフジヤマ在中と書かれた褌の下で今も尚爆砕戦気状態である。
「うわっはー、ヤバいよこれヤバい! みんないいからだしてるよねぇ、ハァハァ」
 ビデオカメラ片手にばっさばっさ空中浮遊する『ナルシス天使』平等 愛(BNE003951)。
 一緒にリミットオフ祭りに参加するかと思われたが、さりげに水着を着用していた。
「ん、全裸になったら流石にね」
「そうか。まあ助かると言えば助かるが」
「ビーナス降臨とか言ってテレビ来ちゃうしね!」
「まさかのナルシーベクトルだと……!?」
 そんな中、ノーフェイスと交差点を挟んだ反対側より、一人の男が現れた。
「俺は元巡査、英語でいうとエクス・マッポ……」
 赤信号を無視してゆっくりとあるき始める『俺は人のために死ねるか』犬吠埼 守(BNE003268)。
「私は法と秩序の番人にして紳士でした……だが、今は俺もリベリスタ! 牙なき人の明日のため、超常の理不尽と戦う変態と言う名の紳士!」
 服装が一瞬で変容し、歩みながら、黒い装甲服を待とう。
「敵が脱ぐなら、俺も脱ぐ。故に! 装着からの――」
 歩みながら、守はフルパージした。
「クロスアウツ!」
 スクランブル交差点に集いし紳士達。
 木市と美虎は若干の取り残され感を拭いつつ、この戦いを最後まで見届ける決意をしたのだった。

●勇者の最強魔法、ゼヌーラ
 のっけからいきなりクライマックスモードと化したスクランブル交差点からお送りするノーフェイスオッサンVSリベリスタ紳士戦。
「興奮するぜ。まさかこんなにも多くの紳士と出会えるとはな……!」
 オッサンはニヤリと笑ってクラウチング態勢。
「おっちゃんの相手はみとら達だー!」
「見よ、ニンジャ界のカールさんと呼ばれた拙者の構えをォ!」
「分かってますか、あなたは今一番の急所を解放してしまっていることに!」
 対抗して交差点中心でファイティングポーズをとる美虎。
 その右脇で肉体美を強調するポーズをとるジョニー。
 更に左脇でシャープなポーズをとる疾風。
「あっ、駄目だコレ、突っ込みたいけど突っ込めない」
 木市は攻撃のタイミングを計ったらいいのか突っ込みのタイミングを計ったらいいのか分からず車のそばでうろうろしていた。
 その一方で戦闘を開始する紳士たち。
「ゆくぞっ!」
「「こいっ!」」
 素早いスタートダッシュと共に疾風とジョニーが飛び出す。
「下半身をねらってからのー、ギャロップレイ!」
「からの、大雪崩落ッ!」
 ダッシュ中のオッサンの足を絡めて転倒を誘い、更に勢いを増したノーザンライトスープレックスを畳み掛けることで相手を頭から地面に叩き落とす。
「やる! だが俺も伊達や酔狂で全裸になっているではない!」
 オッサンは地面に両手をつくと軽くバウンドをとり美虎への上下反転キックを繰り出した。
 対する美虎は機敏に屈んで足払い。
「とらすらいでぃんぐ!」
 足ならぬ両手首を払われたオッサンはコンパクトに身体を丸めて着地。体のバネを使って連続バク転でその場を離れた。
「おもったより動きが早いぞ! ここは追いかけて斬風脚で」
「あーっ、突っ込みたい。凄い突っ込みたいけど突っ込みにくい!」
 何も言えずそっと美虎の襟首を掴んで目隠しするしかできない木市。
 ノーフェイスは交差点の端まで移動すると再びクラウチング態勢に入った。
「くっ、またこのパターンか!」
「大丈夫、ボクに策があるよ……任せて!」
 それまで空に浮かんで色々事なきを得ていた(あとハンディカム回してた)愛がゆるゆると降下してくる。
「策ってお前」
「オッサンはクラウチングスタートで走り出す筈。なら……!」
 などと言っている間にスタートダッシュをキメるオッサン。
 彼の目の前にはなんと、いつの間にか三角コーンと虎棒(よく道路を通せんぼしてるあの棒)が設置されているではないか!
「むっ、これは!」
 思わずハードル飛びしようとしたオッサン。頭上から流れてくるサンバミュージック。
 愛がシャープな構えで声を張り上げた。
「レッツ、リンボーダンス!」
「イエェェェェ!」
 超高速で身体をのけぞらせ素早く棒を潜り抜けようとするオッサン。
「ハッ、そう言うことか! どういうことか分からんがとにかく今の内に攻撃しろと言うことだな! カイ!」
「任せるのダ!」
 カイは凄まじい機敏さでオッサンへ接近すると。
「レッツリンボーなのダッ!」
 超高速で身体をのけぞらせ素早く棒を潜り抜けた。
 交差する全裸のオッサンとインコ。
 それを地面スレスレの位置から撮る愛。
「「ハァイ!」」
 華麗に潜り抜け、振り返ってハイタッチするオッサンとインコ。 
 しかしカイの股間に挟まっていたバナナボートモドキは先刻の高速スライドで破裂。だらしなくしぼんでいた。
「コ、コレハ……」
「あっ、ごめん。今撤去するから待っててね」
 愛が三角コーンを手早く担いで撤去し始める。
 一個、二個、三個……。
「あれ、三個?」
 三個目のコーンに手をかけたその時、ふとカイと目が合った。
 コーンは、カイの股間から生えていた。
「…………」
「…………」
 そっと手を離す愛。
「すごい……不沈艦だね」
「……なのダ」
 謎の視線をかわす二人。
 その後ろでテンションを上げたオッサンが更なる獲物を求めて荒ぶっていた。
 木市は冷や汗を拭って銃を構える。
「これ以上公衆の面前でダンシングリッパーされるわけにはいかん。ここは俺の――」
「おい、俺の上でマスタードライブしろよ」
「俺のマスタードライブで……ハッ!?」
 木市は、気づけば阿部さんに跨っていた。ライドオンしていたのだ。
 語弊も何もない。超柔軟でバロスペシャルした阿部さん(全裸)の背中に跨り、手首をアクセルのようにくいくいっと捻った。
「アウッ、アウッ! モット、モットだ、ふおおおおおああああああああああ!!」
 エンジン音(らしきもの)を高らかに上げて走り出す阿部さん。
 奇しくもそれはオッサンを正面から迎え撃つ形となった。
「むっ、来るか!」
 高らかに跳躍するオッサン。
 同じく跳躍する阿部さん。
 交差する直前、木市は狙いすました射撃でオッサンを撃墜。
「ふおおおおおあぁっ!!」
 着地と共に素早くハンドルをきり阿部さんにブレーキをかける。
 アスファルトを素足で削り、半円形の焦げ跡を残す。
「アレ? 俺、乗りこなしてる?」
「お前、俺をバキュームカーと勘違いしてんじゃないか! ――と、うおおっ!?」
 再び走り出そうとした阿部さんだったが、素早く反転してきたオッサンに頭を(脚で)捕まれぶん投げられる。
 阿部さんもろともバキュームカーに叩きつけられる木市。
「阿部っ!」
「木市さんっ!」
「何処を見ている、俺はここだぁ!」
 刃紅郎と守が振り返らんとしたその時、オッサンは世にも美しきクラウチングポーズをとった。
 きゅっと上がった尻は日の出の如き眩しさである。
「……いいだろう」
 マントを脱ぎ捨てる刃紅郎。
「百獣の王を前にして獣を模して対峙するか。貴様の土俵で戦ってやろう!」
 雄々しい掛け声と共に同時スタートを切る二人。
「加勢します!」
 守は頭の後ろで手を組んで腰を残影剣させた。
 その体勢から放たれるジャスティスキャノン。
 顔に十字の光をくらったオッサンは思わず失速。刃紅郎のタックルによってがっしりと抑え込まれる。
 しかしそこはオッサン。屈強な足腰で刃紅郎を押し返そうと踏ん張った。
「うううううおおおおおおおっ!」
 刃紅郎は雄叫びと共に輝くオーラを纏うと、オッサンを高らかに投げ飛ばした。
 勝機到来かと思われたが、オッサンはまだ粘る。空中で体勢を整えると刃紅郎の首を足で挟んだ。
 勢いをつけて刃紅郎の周りをぐるぐると回転。
 嬉々として頭上からローションをそそぐ愛。
 しかし刃紅郎は仁王立ちのまま耐えきった。
「いいぞ、民は王の周りを廻るもの……そして」
 腕で着地し伸び上りの両足キックを繰り出そうとしたオッサンの股間へ、ボディーブローの構えでパンチを叩き込んだ。
「足を向けられたならば、死をもって償わせるもの!」
「ぐおおおおおっ!」
 地面をバウンドしながら転がって行くオッサン。
「今だ、あの股間にとらぱんちを……」
「やめるんだ! 教育に……教育に悪い!」
 美虎を羽交い絞めにして車に押し込む木市。もしこの展開で女子がオッサンのリーガルブレードをハードブレイクしたとなったら非常に……その、あれだ、困る。
 なにするんだはなせーと言って暴れる美虎を無視して車のトランクを閉める木市。
 そして気が付けば、阿部さんに再び跨っていた。
「ハッ、俺はまた何を!?」
「マスタードライブにグルメ王とは贅沢なやつだな。いいぞ、次は1$シュートだ」
 四つん這いになった阿部さんに跨った木市は全てを諦めてマスケット銃を構えた。
「木市ッ、木市ッ、イクぞっアアアアアアアアアアアッッーーーー!!」
 エンジン音(らしきもの)をあげて突撃する阿部さん。
 オッサンに起き上がり直後の土砕掌を(頭で)繰り出し、追撃とばかりに木市の銃撃を叩き込んだ。
 空中をきりもみするオッサン。
「今なのダッ!」
 カイはどこからともなくスイカを取り出すと、勢いよく食いちぎる。
「喰らエ、種マシンガンなのダ!」
 浮きっぱなしのオッサンに種を吹きつけまくるカイ。あのインコ的口でどうやって種吹いてんだってツッコミはもはや意味が無いくらいの勢いだった。
 しかしそこはオッサン。強力なノーフェイス。
 華麗に空中で回転すると両腕で着地――しようとした所、愛が地面にローションを撒き始めた。
「ふおおっ!?」
 ずるっと滑って顔から着地するオッサン。
「体勢さえ崩れればこっちのものでゴザル!」
 素早く滑り込んだジョニーによるジャーマンスープレックスが炸裂。オッサンは投げっぱなしにされて地面を転がった。
 このままではいけない。
 ローションまみれになりつつも安全地帯へ転がり出て、再びクラウチング。目標を殆ど据えずにダッシュをかけた。
「むっ、今です!」
 守がオッサンの眼前に滑り込み、肩をぶつけ合うかのようにがっぷり組み付く。
「今です、俺もろとも撃って!」
「でも!」
「いいんです、さあ早く!」
 くっと目をそむけ、疾風は腕を振った。
「尻を狙ってからのー……ブラックジャック!」
「ウアァァァァァァッ!」
 悲鳴をあげる守。
 尻を抱えてその場をのた打ち回った。
「尻ガアアアアア!」
「あ、しまったつい」
「みとらにもやらせろー!」
 トランクを内側から押し開けた美虎が飛び出してくる。
「ジャンプ、からのとらぱんちっ!」
「アンッ!」
 その時、一同の脳内で鐘の音が鳴った。

●全裸=最強のノーガード戦法
 木市は美虎を再び車のトランクに放り込むと、脂汗全開で首を振った。
「俺はもう限界だ! 帰らせてもらう! この依頼が終わったら彼女のパインサラダを食べるんだ! それまでは社会的に死んでたまるか!」
「おいそれ死亡フラグ」
「まあ、帰るというなら途中まで乗せて行ってもらうのダ」
 のそのそとトランクに潜り込んで行くカイ。
 木市はいっそのこと無視した。
 その一方で、疾風は既に服を着ており、車の助手席で優雅にコーヒーとか飲んでいた。
「さ、早く帰りましょう。もう全裸になる必要はないですし?」
「ええ、自分を解き放つのは終わりです」
 コートを頭からかぶせられつつ後部座席に乗り込む守。こうして見ると全裸男がサツに捕まったように見える。
 でもコートを被せて車に乗せているのが半裸のジョニーなのでその辺の説得力は皆無だった。
「む、ところで愛さんは?」
「『このフィルムだけは絶対に死守するよ! 誰にも渡さない!』て言って飛び去って行きましたけど」
「……そうか」
 木市が色々諦めて運転席に入る。
 すると。
 真横を巨大な馬が通り過ぎた。
 上には全裸の刃紅郎が雄々しい姿で跨っている。
「…………」
「…………」
 そのまま道路をまっすぐ帰って行く刃紅郎。
 通りがかったお巡りさんが二度見したあと『う、美しいっ』と呟いた。

 かくして、ノーフェイスによる一連の騒動は幕を閉じた。
 ビルの上から様子を見ちゃってた人や、結界で人避けしきれなかった連中はどよめきながらも日常に戻って行った。
 スクランブル交差点は本来の役割通り、人々が四方から乱れるように行き来している。
 だがその真ん中に、青いベンチが一台置かれていた。
 真ん中に腰掛け、ツナギのファスナーをゆっくりと下した。
 この物語を終えるため。
 誰も悲しまないため。
 彼は言う。
「や(記憶操作)らないか」

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした。
MVPは阿部さんに送ります。
理由など、述べる必要すら無い。