● あそこの旦那、死んだって。 最上階の自室から飛び降り自殺だって。 でもなんだか自室は争った様な跡があったとか。 怖いよね、あの部屋、変な髑髏があるじゃない。 ● 「怖いのはお好きですか?」 集まったリベリスタに『未来日記』牧野 杏里(nBNE000211)は開口一番。それってある意味フラグですよね。さておき、依頼の話しに移ろう。 「とある山奥にある洋館へ行ってもらいます。とは言え既に廃墟なのですが……そこにはエリューションフォースが多数居るのです。 原因ですが、洋館内にあるアーティファクトがEフォースを無差別に作っている様なのです。なのでエリューションを退けつつ、お化け屋敷もとい、屋敷を探索し、アーティファクトを見つけて、かつ、破壊をお願いしたいのです。 あ、フォースはアーティファクトが無いと存在できないみたいなので、短く言えばアーティファクトさえ壊せば全てが丸く収まります」 この様に、依頼の内容はとてもシンプル極まり無い。その壊すべきアーティファクトとは『嗤うサレコウベ』と言う。 「水晶髑髏とは、ご存知ですか?」 文字通り、頭蓋骨の形をした水晶だ。 考古遺物だとか、オーパーツだとか言われているそれに、酷似しているものが屋敷にはあるそうだ。 「そのアーティファクトが何故そんな所にあるのか……?ですが、調べたらこの洋館の持ち主がそういう『骨董品』が好きだったようです。コレクションの一部、ですね! ですが、どうにもこうにも、その持ち主は突然死。呪われたのですかね? とまあ、そんな感じで引き取り手もいない洋館は廃墟状態で、なおかつその『いわく着き』が本領発揮してしまっていて危険なのです」 先程杏里が言ったように、舞台は廃墟。その言葉は不気味さを秘めており、やはり近くの町ではこんな噂が独り歩きしている。 『きっと何かが住み着いている』 『洋館の主も呪われて死んだんだ』 『あそこは呪われている、近づいてはいけない、怖い』 『取り壊しの工事をしたら良くない事が起きる』 こんな噂が、作り出される念(フォース)の源泉なのだろう。 とは言え、髑髏さえ壊してしまえば全て終わる怪談話だ。終止符を打とう。 そこまで説明を終えて、杏里は付け足すようにこう言う。 「屋敷の中、一切の光が無い程に暗いみたいです。光源は持っていくべきですよ!」 セフル闇の世界。まるでお化け屋敷だ。 「因みにEフォースは侵入者を追い出そうとしてくるみたいです。 どうにかしてEフォースの群れを弾き飛ばして、髑髏を壊してきてください!」 それだけ言うと杏里は深々と頭を下げた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:夕影 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年03月01日(金)22:32 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 『刹那の刻』浅葱 琥珀(BNE004276)は両腕を組みながら屋敷の前で仁王立ち。 「往くぞ! もはや何も怖くない!!」 度胸こそ全てだと琥珀は語る。大丈夫だ、これまでに幽霊よりも怖い戦場には足を運んだ事だろう。幽霊なんて怖くない。 その後ろからキラキラした目で屋敷……ではなく周囲を見回すリッカ・ウインドフラウ(BNE004344)。これがボトムの世界なのだと感心し、周囲の植物に触れてはうっとりとした表情を浮かべる。 「これが、ボトムなのですね! すごい、すごい!! ラルカーナに持ち帰って早く皆に教えてあげないと!」 「ふふ、そうだね。でもリッカ、落ち着いて。ほらボクたちはやらなくてはいけない事があるだろう?」 『The Place』リリィ・ローズ(BNE004343)はリッカを見てくすくすと笑う。そして彼女の指の先が向いたのは――。 「いかにも、という空気を感じます」 「そうだな! 久しぶりにオカ研らしことができそうだぜウヒヒ」 ――見た目こそ『それらしい』屋敷である。 『蒼き祈りの魔弾』リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)は悪魔祓いらしい事ができると意気込むその隣で、『てるてる坊主』焦燥院 フツ(BNE001054)はオカルト研究部にて発表できそうな超常現象に期待していた。 ふむ、どうやら怖いもの好き達が集まってしまった様に見えなくもない。どうしてくれよう、やはりお化け屋敷と言えば怖い怖いと泣き叫ぶ女子と、大丈夫だと震えながらもその女子を慰めながら恐怖に立ち向かう男子が鉄板では無いか? この際百歩譲って男は良い、男はどうでもいい! 可愛く震える女の子が―― 「お化け……とかは、怖くない、よ……?」 ――あ、いらっしゃいました。流石です、いつでも期待を裏切らない可愛さ。 『なのなのお嬢様なの』ルーメリア・ブラン・リュミエール(BNE001611)の小さな身体が小刻みに動きながら、力強くも儚い言葉を吐いていた。今なら三尋木のあの人も有無を言わさず掻っ攫うと思うよ。 「違うの……これは武者震いと言って……」 「無理しなくてもいいのです……」 『歪な純白』紫野崎・結名(BNE002720)は顔を斜めに傾けながら、ルーメリアに言った。 しかしその視線はすぐにリリの方へとキッと向く。 おかしい、結名は彼女の彼氏と遊びに来る予定だったのだが、うっかり彼氏の方が依頼に同行していない、なんてこった。 「私のおにーちゃんをゆうわくするシスター……」 「ひっ」 びくりと動いたリリは周囲を見回す。そんな彼女の異変に気づいてか、フツは。 「ムッ、もう何か居たか!」 「はい……もの凄い、虎穴の主の様な気を感じました」 さて、では本題に入ろう。 ギィ、古びた音をたてて館の扉は開いた。 中からは外の澄んだ空気とは違って、淀んだそれが漂っていた。思わず『夜行灯篭』リリス・フィーロ(BNE004323)は口元を抑えた。 「嫌な空気ねぇ……ラルカーナには無い空気よぉ」 「そうですね……これが、エリューションというものの力でしょうか?」 リリスの隣でリリィもぴりぴりと張り詰めた空気に肌を摩った。 リベリスタ達は班ごとに行動する事を決めている。 一階はリリ、結名、ルーメリアが担当し段々と上へとあがって行く。 一階が既に探索メンバーが居るため、フュリエ達は二階への探索を急いだ。 そして残ったフツと琥珀は三階へと歩を進めた。 ●修羅場と幽霊怖ひ まず一階。 リリは妹ができたかのように、ルーメリアと結名を見つめていた。どことなく表情が柔らかくなり、そして朗らかに。怖いと、ルーメリアが無意識にリリの腕を掴む仕草こそ、守ってあげたい程になるものだ。 「そもそもです、なんで誘った人がいないの……おにーちゃんの、ばかーっ」 前言撤回。 結名はリリにとって、まさかの恋敵。つまり今この場は若干の修羅場なのである。 だが婚約の契りをした以上、刺さる言葉に本気でうろうろと焦るリリ。だが結名とも仲良くはしたいものだった。 コホンと咳をし、ルーメリアは言った。 「まだ何も出てこないの」 「そ、そうですね……嵐の前の静けさ、というものでしょうか」 周囲を照らすのは人工的燈火だけ。それを頼りに三人は一歩一歩合わせて進んだ。 ひとつ、部屋を開けては中を探索。此処はおそらくゲストルームか何かだろうか。三人は手当たり次第に髑髏を探す。一人はベットの中、一人は本棚を、一人は机の中や下を探して回った。だがやはりそれらしいものは見つからない。 はぁと息を吐いて結名は二人を見た。 「だめです。何も見つかりませんです……何か見つかりましたか?」 「いえ、こちらも駄目です」 「何も無いなのー」 「他の場所を探そうぜ」 ピタリ。その瞬間だった。 ルーメリアが止まった。まるで時間が止まったかのように止まった。彼女は指で二人を刺しながら人数確認を行う、あれ、あれ。 「あ、あの、あのあのあのあの、」 「はい、なんでしょう?」 「どうしたのー?」 「なになにー」 あれおかしい、他の二人は気づいていないのだろうか。因みに超直観は直感では無く、直観である。 吐きそうになりそうな恐怖をルーメリアは感じつつも叫び、言う。 「点呼するのぉ!! いち!」 「は、はい! に?」 「サン……?」 「死」 「ご!!」 「六!!」 「や、やっぱりいっぱいいるのおおおおーッ!!!!」 うじゃうじゃ、ついに現れたか痕畜生。手だ、いや、胴体だ、首から上だ、もはや人間的部位のあらゆるものが闇に紛れて浮かんでいた。 「バレた、バレ、ちゃッた………出ていけでて逝け、出てケ!! ケケケケケ!!! ケケキャカヤキャキャキャキャ!!!」 「うきゃーーーーッ!!!」 ルーメリアはリリの下へダッシュを開始。リリは結名の腕を掴んで引き寄せた。 既に三人は囲まれている状態だ、逃げ道を作るのであれば倒して進む他無いのだろう。ルーメリアは目を瞑りながら手をあげた。 「天使の歌なのー!!」 「落ち着いてください! まだ誰も傷を負ってないですよ!」 もはや彼女はパニック状態だ、しばらく慣れるまで使い物にならない。結名がマナサイクルをする中、そのフォースの腕が彼女を掴んだ。一体では無い、二体、三体と数を増やしてついに足が引きずられながらも後ろへと進んでします。その後方とは窓の位置だ、投げられるのだろう――。 「――お二方を守るのが、年長者の役目というものでしょう!」 「え」 そして闇の中、真っ赤に彩られた弾丸が空を裂いた。 線を描き、それは一直線にフォース達を射抜いては弾き飛ばして消していく。勿論結名を掴んでいたそれらも赤い光に消えていく。 「大丈夫ですか、結名さん」 再びリリは結名を引き寄せた。笑顔を見せて、『貴女も大切なお友達』だと呟く。『彼』と結婚するのは私ですが!と付け足しつつ。 「……」 間が空いた。少しの間だけ目線をそらした結名。たった一言。 「ありがとう」 とその小さな口から素直な言葉が出た。 ●チーム・ラルカーナ 此方は二階、フュリエ三人が探索を行っていたが敵の出現にその対応を行っていた。 「暗いとぉ、眠くなるのだけど……ちょっとだけどぉ、目覚めたわぁー」 「そうですね! 今は寝られてしまわれると少々大変ですものね」 リリスはひとつあくびをしてからキリッと目線を力強いものにすり替えた。目の前、迫ってくるのは紛れもない人の腕。それを鼻先寸前で氷に変えたかと思えばその方向の手達も氷と成って地面に落ちる。 「当たるものねぇー、まだそんなに戦闘経験してないけれどぉ」 感心している最中――なんだろう、後方で凄く助けてって言われているような感覚に襲われた。 「キャーッ!?」 ――振り向くリリス。リッカが今まさに窓から上半身が出尽くしている。その下半身をリリィが掴んで、落されるのを止めているが二人ごと落されかねない状況だ。 「あらあらぁ……」 「リリス……引っ張ってぇぇ」 リリィが絞り出した声でリリスに訴えた。勿論、言わずとも心で繋がっているため伝わってはいたものの。 リッカの片手をリリィが、もう片手をリリスが握り、引き上げる。しかしだ、その瞬間にリッカはキラキラしたような目を二人に向けた。 「これ、前、人が動く箱で見た!!」 「な、なにを見たのですか」 「うん、ふぁいと、いっぱーぁつ!!」 「ボトムはよく解らないものがあるねぇ……」 掛け声と共に窓から起き上がるリッカ。すかさずリリィが弓を持ち、その矢でリッカを掴んでいる腕を消し飛ばす。 まだそれで落ち着く事はできない。リリスの頬を、女の舌が舐めた。それを若干嫌そうな顔で凍らしては消していく。 三人の心のなかに伝え、伝わって渦を巻くのは、少しの恐怖。 リリィが二人の手を握って、闇の中を照らすその様は聖女の様な神々しさがあった。 「大丈夫」 そう言ってその手は今度は自分の頬をつねって引っ張った。唐突にできあがるのは、『変な顔』。 「あ! お姉様おもしろーい!!」 「もう……眠気も消えたわよぉ」 今度は三人の心の中に温かいものが流れ込んできた。これは希望というものか。 もはや恐怖と痛さにくじける事は無いのだろう――フュリエ三人は背中を合わせて立ち上がる。 「まあ? まだ戦闘慣れしてないからぁ、ゴールに一番遅くてもいいわよねぇ」 「うん、遅くてもゴールは待っててくれそう」 「フュリエ仲良しだね! じゃあ、行こうか!」 弓矢と、氷結が闇の中を彩った。まだ髑髏は見つけられないものの、三人の行く先はエクスィスが見守っているはず。 ●オカ研部隊 そして三階。 「我々オカ研メンバーは曰くつきの洋館にやって参りました!!」 超常現象は存在する!! 命を懸けての潜入捜査です!! そして今その超常現象とやらに……。 「追われているなう!!!」 ――ということで、琥珀とフツはフォースの大群に追われていた。何故だろうか、どの階よりも敵の壁が厚い。 「フツが何とかしてくれる!! そうだろ!?」 琥珀は希望を持った目でフツを見た。だがその姿は。 「その動きイイネ!! その這いつくばっている感じがザ・幽霊! って感じだな!!」 「あ、駄目だこいつ」 フツはカメラを使ってフォースの写真をパシャリパシャリと、溢れ出す好奇心から彼を止められるものは無いのだろう。琥珀の希望は即座に絶望に変わった。 「ッチ、仲間が駄目でも俺が!!」 どこまでもポジティブな琥珀はハイ・グリモアールを両手で持ち、ページを広げる。 もはや頼れるのは己のみか。というか子供の様に綺麗な顔したフツを止めるのも余計な世話というものなのかもしれない。 「悪霊退散!」 暗黒の天井に浮かんだのは偽物と言えども禍月だ。その赤黒い光はほぼ全てのフォースを消していく――。 「む、消えちゃったぜ」 「いや、消えちゃったぜじゃなくてだな……」 残念そうな顔をしたフツ。そして琥珀はほっと息をついた。 だがまだそれで安心はしていられない。フツの武器である深緋が『また来るよ』とフツに直接話しかけるその後方、再び迫ってきたのは身体の部位たち。 「キリねえなぁ」 「ぱぱっとやっちゃおうぜ!」 そしてまた琥珀はグリモアを広げ、そしてフツは氷の雨を降らせるのだ――だがしかし。 「お?」 「おい!?」 フツの身体が容易く宙に浮く。否、無数の腕に捕まれて今にも放り投げだされそうな。すぐさま琥珀はフツの袈裟を掴もうと手を伸ばすが間に合わない。 「おいフツー!!?」 軽々しく飛んだ彼の身体、その手に持った懐中電灯を捨て窓枠を掴む――だがその足を引っ張る腕、腕、腕――!! 「だがカメラだけは落す訳にはいかないんだ!!」 オカ研の魂と言えるそのカメラ、今まで取った証拠ともいえる写真の数数だけは水に流す訳にはいかないのだ。 だからこそだ、そのオカ研の意地が伝わってか琥珀が窓枠を掴んだフツの腕を掴む。 「オカ研の希望の星を! ここで失う訳には行かないんだー!」 「フェイトー! ふっかーつ!」 背負い投げが如く、琥珀は満足気な顔をしているフツを室内へと投げ込んだ。 その身体は宙を舞い、そして一段と大きな扉を壊してとある部屋の中に入った。起き上がったフツの目に飛び込んできたのは。 「あったぜ」 「マジかよ!」 だがその場所――他と比べものにならないまでにフォースが多い。 「少し蹴散らしてから、破壊といこうぜフツ!」 「おう、いいぜ!!」 ――禍月、そして氷柱が仲良く舞う。 ● 「三階の、書斎? ……でしょうか」 「いや、ここの館の主の部屋って感じだなぁ」 リリは銃を忙しく動かしつつ、周囲を見ていた。琥珀は誇り塗れのその場で咳き込みつつ、バッドムーンを放ち続ける。 フツの髑髏を見つけたという報告に従って、三階にはリベリスタ全員が集まってきていた。水晶の髑髏は淡い光を放ちながら、来訪者を外へ追い出そうと笑っている。 「あ、また当たった!」 「よかったねぇ」 リッカの矢もフォースの胴を射抜き、攻撃が当たった喜びに頬を赤くしていた。そんな姿を視てリリスは彼女の頭を撫でる。 「まぁ、見つけたなら早々に壊そうかぁ」 「そうですね……これで依頼が終わります」 リリィの弓が、きっちりと水晶へと向く。 勿論、髑髏を護ろうとフォースは動き出していた。だがそれもフツや琥珀の、そしてリリや結名の攻撃前にどんどん消えていく。 「結名さん、おやつ持ってきたので、これ終わったら一緒に食べませんか?」 「お菓子!? うん、いいよ!! 食べる食べる!」 先程のギスギスした関係は何処へ消えた事やら。リリと結名の仲は少しずついい方向へと進んでいたのだろう。 「早く終わらせるのぉぉお!! ままったく、びびびらせやがって、フォースめえ!!」 杏里は確か、お化けと言っていた。でも目の前に居るのはフォースで、でもなんだか幽霊で……。 お化けは怖いけれど、あ、そういえばと思ったようにルーメリアは左腕の逞しい腕を捕まえた。 (あの人の……義手の代わりにならないかな) うん、それはちょっと難しいかもしれない。でもきっとあの人ならその気持ちだけでも嬉しいって言うのだろう。 そしてその腕も、琥珀の月に消えていった。もう一つ捕まえたルーメリア、それは右腕だった。 「いらないなのっ」 ベチーン!! と床に叩きつけた腕は悲しそうにしゅんとしながら消えていったとか。 「よし、フォースが一気に消えた!! 集中砲火だ!!」 ――今こそ、髑髏を狙う時。 琥珀の声に、リベリスタ達は頷いた。そして重なる攻撃に……髑髏が壊れない事は無い。 まるで部屋の明かりのスイッチでも入れたときのように唐突だった。先までの暗闇が何処へいったのか、周囲が明るくなったのだ。 「はぁぁ、なんだか疲れたのぉお」 「お疲れ様ですよ、大丈夫ですか?」 腰が抜けたように座ったルーメリアにリリィはにこりと微笑んだ。 「勝手に入っちまって悪かったな」 『いえいえ、いいんですよ』 フツは交霊術を行う。呼び出したのはこの館の主人だ。念仏をあげながらひとつの謝礼を。琥珀は一緒に手をあわせた。 「ここは遠からず壊されちまうと思うが、そのかわり、ゆっくり眠れると思うぜ」 『……そうかい、ありがとう。いや、最後に元気な来客が来てよかった。 物集めばかりしていた私はいつしか人との共生から隔離されていたからね。いや、良かった』 「わあ、これが幽霊というものなのですね!!」 リッカが再び目をキラキラさせていた。だがその『幽霊』というワードにルーメリアがふと顔をあげる。 「あ、ああ、ああ……」 数十秒後、交霊で見えた本物の幽霊に驚いて叫び声をあげたのはルーメリアであった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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