●ルービックキューブが襲ってくるぞー! 気を付けろー! 話をしよう。 あいつの名前はなんていったかな……そう、オッサン。 まあ、いい奴だったよ。 「そんな恰好で大丈夫か?」 「大丈夫だ、問題ない」 オッサンは今日一番のドヤ顔でそう言うと、二本の指をビッて立てて帰路についた。 手にはルービックキューブが握られている。 そう、あのどっかの国の誰かが開発して、あの、公式大会とか、アレだっていう、あの四角い立体パズルである。 それぞれ9面に区切られた立方体で、こう、上下左右にねじねじ回すことで色を合わせると言うパズルなのだが、これをひたすらネジネジし続けるのがオッサンの趣味だった。 職場でも窓際族で家庭でも居場所が無く同僚から『アイツいるならリストラの心配なくね?』って陰口叩かれてもキューブがあれば幸せだった。 そんな、帰路の最中。 ドゥーンという妙な重低音と共に、周囲から謎の怪物が沸き出してきた。 気づいた時には既に囲まれている。 数は……そう、五人だ。 だがなぜ彼らを怪物だと思ったのか? 「キューブ……キューブじゃないか!」 そう、彼等の頭と両手は、ルービックキューブになっていたのである。 よく見たら身体もそうだったが、ブロックがわしゃーっと集まっただけのボディだったので、正確には頭と手だけと言っておいた方が良いだろう。 「ウッ、オゥ、ウォゥ!」 ……とか説明している内に凄まじい三連コンボを叩き込まれるオッサン。 咄嗟に顔の前に翳したキューブも、相手の拳の前に砕け散った。 そして……。 ●ナビ子は言ってる、そこで死ぬサメハダではないと 「ルービックキューブの必勝法って知ってますぅ? うっへへぇ、私知ってるんですよねえ。どうしよっかなあ、教えてあげよっかなあ、うへへ、うへ」 手元でキューブをがちゃがちゃやりつつドヤ顔で語るアイワ・ナビ子(nBNE000228)。 彼女の説明によるとどうやら、巷でE・ゴーレムが現れたらしい。 通りがかりの人に襲い掛かり、次々犠牲者を出すかもわからんから今の内に倒してしまえぇい、という話なんだそうだ。 「いいですか、まずはこの全面についてる色のシールを丁寧に剥がしてですねえ……」 彼らは頭と両手をルービックキューブにしており、このキューブパズルを解かれると……なんと、死ぬのだ! 「そして色ごとに分けて9面に張り付けていけば……うへ、うへへ……」 無論、普通に戦って倒すこともできる。 どの道倒さにゃならん相手だ。 次の犠牲者が出てしまう前に、どうか君の手で終止符を打ってほしい! 「……ハッ、絵の具で塗りつぶすって手もあるのか!」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 9人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年07月20日(金)22:16 |
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■メイン参加者 9人■ | |||||
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●ルービックキューブを極め過ぎると意味の解らないチャレンジをし出す 「ル……ルービックキューブ。普通にやれば解ける。天才キャラアピールみたいに解ける。でもそれじゃあ面白くない。展開的に面白くない。ぐるぐさんは人には思いもよらないクールでスペシャルな解決法を見出す技巧派リベリスタって売りなんだからうわなんかないかなんかないかあわわわわわわ思いつかないよう相談期間ギリギリまで思いつかないよう!」 『Trompe-l'eil』歪 ぐるぐ(BNE000001)が画面の隅で頭を抱えていた。 多少メタなこと言いつつ電柱に頭頂部をぐりぐりこすり付けていた。 そんなぐるぐを全力で無視しつつ、『青い目のヤマトナデシコ』リサリサ・J・マルター(BNE002558)と『聖母の生まれ変わり?』澄芳 真理亜(BNE002863)が道をゆく。 「ルービックキューブかあ……懐かしいモンが出て来たな。昔持ってたけど、殆ど完成させられなかったんだよなあ」 「そうなんですか?ワタシはパズルがとても苦手で……あ、でも、これは平和を守る戦いですものね、頑張りますっ」 ぐっと小さくガッツポーズするリサリサ。その横を『もそもそ』荒苦那・まお(BNE003202)が(わざわざブロック塀を接着移動しつつ)通り過ぎた。 片手で何やら小さめのキューブをがちょがちょやって、面を揃えたり逆に崩したりを続けている。 「まお、予習がんばりました」 「…………おお」 何もしなかったわけではないが。 こう正統派に真面目な対応をされると対応に迷うものである。 それがパッと見奇抜な子であればなおのこと。 真理亜たちはそっと目を伏せ、今からでもやっておこうかなとルービックキューブを取り出したのだった。 いっぽーそのころ。 「あのね、アレ思い出すよね、ウルフマン」 「えっ、誰だっけそれ」 「あれだよ、マワシしめて髷結った」 「ああ……スモウマンとかリキシマンとかじゃなかった?」 「ちがうよー、ウルフマンだよー」 『ウィンドウィーバー』玖珂・駆(BNE002126)と『ナルシス天使』平等 愛(BNE003951)がちょっと余人には分かりにくい話をしていた。 「あーあーあー、マッスルグランプリで復活したの見たけど、あれちょっと使い辛いよな。魔雲天に投げ技のお株奪われてるし」 「違うもん! 居反り投げできるもん! アイドル超人だもん!」 「わーかったわかった。で、その話今回と何か関係あったっけ?」 「いや……あんまり……」 まあそうだよなあと思いつつ十字路にさしかかる。 ……と。 「「よい子の諸君!」」 曲がった所に変な二人組がいた。黒い○マスクと白い☆マスクがいた。 見なかったことにして素通りしようとする駆。 「ネタに走ってばかりで足元を見ていないと、いつか転んで怪我をするぞ!」 「あとこの前復活したブラックホールすごい恰好良かったわよね」 マスクを脱いだ『つぶつぶ』津布理 瞑(BNE003104)が、やんわりと首を振った。 同じくマスクを外す『レッツゴー!インヤンマスター』九曜 計都(BNE003026)。 「お前ら、何してんの……」 「異次元殺法コンビごっこかな」 「つぶらっくほーると、ペタンごんよ」 「誰がぺたんこか! このサムネブラックホール!」 「誰が釣りサムネか!」 「もういっそピンクホールに改名したらいいっスよ、いかがわしい響きでお似合いっすよこのエロニート!」 「ニートを馬鹿にするなよ働くつもりはあるけどうちに合う職場がなかっただけで自宅の警備は万全だったわよ!」 「ニートじゃないッスかソレェ!」 「違いますぅー成人してないからまだ当てはまらないですぅー」 「お前ら置いてくぞ」 お互いのマスクを引っ張り合ってぎゃーぎゃー言い合う計都たちを置いて、駆はさっさと現地へ向かうのだった。 そのまたいっぽーそのころ。 「やはりここで死ぬようなサメハダではなかったか……はっ、まさか今回オッサンの名が明らかに!? いやしかし名も無いオッサンは名が無いから様式美が保たれているのであって……」 『リング・ア・ベル』ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)が画面の端でずっとなうろーでぃんぐしていた。 「あっ、本番? はーいいつでも行けるバン!」 ベルカは笑顔で答えると、歯で手榴弾のピンを引き抜いた。 ●ルービックキューブを足だけ使って何秒でクリアできるかのギネス記録 突然だがルービックキューブマンが襲ってきた。 裏路地に控えし五体のゴーレムは、今が一番アピールできる時間だとばかりに思い思いのポーズをとってはガシャコンガシャンコンと自らのキューブを回しまくった。 「むっ、あれがルービックキューブマン……」 「うにゃあああああああ目があああああ目があああああ!」 顔を覆ってのたうちまわる愛を放置しつつ、ベルカは懐より閃光手榴弾を取り出した。 ピンを三本ほど一気にぶち抜く。 「両手と頭、計三か所のキューブを揃えれば倒せるゴーレム。パズルを解いている間は無防備になるので抑えているメンバーが必要になる。つまりいかにフラバンを投げ続けられるかが重要というわけバン!」 「にゃああああああ! またなの!? なんでボクばっかり付け狙われてるの!?」 流れ弾でのた打ち回る愛を放置し、ベルカはキューブマンたちへとフラッシュバンを連続投擲。 アピールタイム終了ですとばかりにどかどか倒れていくキューブマン。 「わーい、がちゃがちゃするなら今の内です」 まおがてってこてってこキューブマンへ近づいて行き、腕のキューブをがしょがしょと解き始める。 基本真面目な(そしてリベリスタな)まおは、瞬く間に一個を完成。 起き上がりそうになったキューブマンを丁寧にギャロギャロし、もう一個も解き始める。 「わ、揃うと綺麗です。この調子でがんばります」 順調に寿命が縮まっていくキューブマンA。 その光景を横目に、駆はぐっと腕まくりをした。 「こりゃ俺も負けてられねえな。ゲーセン荒しの実力を見せてやるぜ!」 ポケットからナイフを取り出し、うおーと言いながら飛び掛る駆。 顔がちょっと劇画調になり、効果線が走る。 クローズアップ効果で突きだされたナイフが繰り出される。 きらりと光った切っ先がキューブマンの頭部……それもパーツとパーツの間にさっくりと入った。 「見てろよ、こうやってキューブを外していって最後に色合わせで嵌め直せば頭使わなくても解けるってもんだぜ! みたかこれぞ頭脳の勝……!」 ぽきん。 ……って、音がした。 ハイライトの消える目。 効果線の消える背景。 タッチが戻って行く顔。 そっとナイフを取り出してみると、なんか先っちょの所が折れていた。数ミリ単位で。 「……オォウ」 思わずアメリカンな反応をする駆。 見上げると。キューブマンが駆の肩をぽんぽんって叩いてくれた。 そして思いっきり腹パンをキメた。 白くなって倒れる駆を前に、真理亜はそっと目頭を押さえた。 「あいつ……無茶しやがって……」 「あの方法だったら、どう考えても普通に殴った方が早かったよね」 「物理攻撃だからなあ……」 「少年の困った顔ってキュンとするよね。ボクこういうの大好き」 「…………」 振り返ってみる真理亜。 愛が、ブロック塀の上に腰掛けて足をぶーらぶーらしていた。 「あ、回復はしてあげるから大丈夫だよ! ボクがいるかぎり死なない死なない! じゃ、ボクは苦戦する男の子たちを見て楽しんでるから」 「…………」 こめかみを揉む真理亜。 「突っ込み係」 「出番だバン!」 「いにゃああああああああ!」 ベルカにフラバン投げられて、愛はブロック塀から転げ落ちた。 「普通じゃない解き方となればナビ子さんが言ってたようにシールをはがすなり上から塗るなりすればいいけどそうすると他人のアイデアを借りたことになってぐるぐさんのプライドが傷ついちゃうし『え、ぐるぐさんってパクリとかするんだ。へー、意外』とか言われちゃう。依頼の本質を見抜くぐるぐさんの実力が疑問視されちゃう。もうこれ帰ったらナビ子さんにしょぼい嫌がらせしよう。上履きの爪先んところにポリンキー詰め込んで蟲潰したと錯覚してビビる刑にしよう。あと使ってるパソコンのエクセルシートを力の限り横広に伸ばしておこう。印刷範囲も最大値で固定しとこう。あとブラウザのよく訪問するページを侍魂とゲフーにしとこう。あとは……ハッ、嫌がらせのアイデアばっかり浮かんでる!? 仕事しろコンセントレーショーン!」 未だに画面の端ででんぐりがえしを続けているぐるぐ。 なうろーでぃんぐるぐ。 まおにギャロギャロしてもらいつつキューブマンのパズルに挑んでいたリサリサは、はっとして顔をあげた。 「あら? いま、ひどくメタな時間が過ぎていたような……」 「気の所為だろ。所でそっちどうだ?」 右手をリサリサに任せ、真理亜は左手を解いている。 が、一向に解ける気がしなかった。 「困りました……全然わかりません……」 「だー、こっちもだ! 難しいなコレ! 攻略法あったのは覚えてるんだが……なんだったかなあ」 「はあ、攻略法があるのですか?」 「確か、確かな……えーと、一面とそれに隣接した側面を揃えるんだったか」 「なるほど。で、その一面はどうやってそろえるのでしょう」 「………………どうやってだろうな」 腕を組んで頭を振る真理亜。 「駄目だ、全くで切る気がしねえ」 「んー……」 眉を八の字にして、頬に手を当てるリサリサ。 「あの、ルービックキューブマンさん? もしよかったら、ヒントとかいただけないでしょうか……」 「いや、いくらなんでもそれは」 がしょがしょがしょん。 リサリサ側のキューブが一面だけ揃った。 「まあ! ありがとうございます!」 「おいいいいいいいい! いいのか!? 自分の命にかかわるのにヒント出していいのか!? いや、俺はいいけど、大歓迎だけど!」 頭を抱え、喉の奥から言葉を絞り出す真理亜。 「お、俺にも……ヒント……」 がしょがしょがしょん。 真理亜側のキューブが再シャッフルされた。 「バランス取りに来てんじゃねええええええええええ!」 真理亜はキューブマンにマジックアローと言う名の腹パンをかました。 さて、そんな中。 「友情努力勝利を取り戻すために負けられないッス! まずは鞭で動きを止めて……今の内に、あたしが抑えているうちに早く!」 「ちょっと、無駄に死亡フラグ立てるのやめてくれない?」 「返ったら、決着つけよう。あの日の河原で……」 「追い打ちかけないで!」 「パインサラダ作って待ってるッス」 「うちの!? うちの死亡フラグだったのコレ!?」 等と言いつつキューブをがしょがしょ回していく瞑。 計都はその様子をまじまじと観察していた。 「で、どうなんスか実際の所」 「うん……」 がしょん、とパズルを回す瞑。 「うちね、色んなギャルゲーやってきたんだけど、赤髪は元気ッ娘でピンク髪はあざとくて、青髪はクールで緑髪はお姉さん系って感じで、髪色でキャラ分けされてるのが殆どだったのね。でもこの前白髪の清楚系キャラが凄い豪快な浮気してて、三股とか四股とか言い出して何このキャラ崩壊って思ったんだけど、CGでは例のとこがブロンドになってて、あーそう言うことかって納得しちゃったのね。そういう発想ってなんか感心するなーって」 「…………で、キューブは?」 「無理くさい」 「ちっくしょおおおおおお!!」 計都はキューブマンの脇腹を全力で蹴った。 ●お風呂の中で息を止めている間にルービックキューブを何秒で解けるかのギネス記録 「………………………………」 駆が伸びていた。 キューブに力技で挑もうとしたってのもあるし、その割には実力が伴っていなかったのもあるし、キューブ外すのって実はけっこう大変だってのもある。 でも一番の原因は……。 「うわー、ホントに伸びちゃってる。でもね、なんかイイよね、ぐったりした男の子ってさ、イイよね!」 今頬をぷにぷに突いている愛が思いっきりサボっていたことにある。 「ねーねーそっちはどう? パズル解けそう?」 「うん? うん……」 生返事しながらパズルに挑むベルカ。 「うへへへ、自分にノルマつけちゃった。ノルマって言い響きだよな……単純作業大好きぃ……ハッ、いかん! これ単純作業だと解けないぞ! このままではシベリア送りになってしまう! あっでもソレ里帰りじゃんいえーい!」 なんか自給自足の悦楽に浸っていた。 流石の愛もジト目にならざるを得ない。 「ねーねー、そろそろキューブマン起きちゃうよ」 「む、そうだな。よし……もう一回遊べるバン!」 「うんにゃあああああああああ!」 またもやフラッシュバンを乱発したベルカ。 誤射(この場合意図的なものを指す)をくらった愛は目を覆う。 「またなの!? 何かボクに恨みでもあるの!? アレッ、でもこれチャンスじゃない!? ふらふら近づいて行って男の子に『きゃ、恐い!』て抱き着くチャンスじゃない!? 雷様ありがとう、ボク行ってくるね!」 目をつぶったまま両手を突出し、うわーん目がーとか言いながら全速力かつ真っ直ぐに駆けだす愛。 そして相手の腰にどーんとぶつかり、力技で押し倒した。 計算されたBL乗り(仰向けの相手の下腹部あたりに跨り両手は相手の胸に沿え視線の高さが同じになるよう調節した上で身体を前に屈めること)で目をうっすらと開いていく。 「ごめん、見えなかったから。でもいいんだよ、ボクを受け止めてくれても! ボク、愛は(都合のいい時に限って)平等だって信じてるから! だから、ね!」 視界が完全に開く。 そこにいたのは、キューブマンだった。 『…………』 「…………あっ」 何故か知らんが頬にあたる部分が赤タイルになっていた。 「お約束のバカーッ!」 愛はマジックアローと言う名の腹パンをかましたのだった。 いっぽーそのころころ。 「くっ、手ごわいな……!」 強烈なキューブマンのパンチを杖で受ける真理亜。 その横では同じようにシールドでガードしたリサリサが歯をぐっと食いしばっていた。 「ワタシの力は護る力。癒し、そして護りきる……ここは一歩も通しません!」 「そうだ、テメェはここでぶっ壊す!」 二人で同時に相手の腹をキック。 くの字に折れ曲がったキューブマンがポリバケツを倒して裏路地を転がる。 「畳み掛けるぞ!」 「はい!」 リサリサと真理亜は同時に手を翳し、マジックアローを連射。 キューブマンは咄嗟に腕でガードしたが、間をすり抜けた矢が胸を貫通。仰け反った一瞬の隙をついて無数の矢が次々をキューブマンを貫いた。 がっくりと力尽き、腕を落とすキューブマン。 リサリサとマリアは軽くハイタッチをかわし、横目で微笑み合った。 「全く、強敵だったな……」 「はい。とてもしぶとい相手でした……」 二人して空を見上げる。 「(パズル解けなくて物理破壊しちまった……)」 「(いつか克服しなければ……)」 二人の目は、どこか澄んでいたと言う。 いっぽーそのころころころ。 「これ以上はいけないわ、計都、アレを使うわ!」 「アレ……っすね?」 にやりと笑う瞑と計都。 二人の顔が左右に半々ずつカットインした。 処刑用BGMが流れ出す。 「かつてジュンイチローさんが生み出した最強のツモリ技。相手が劣化ウラン製だったらアウトだったけど今なら使える筈!」 「イエス、つぶつぶとあたしの二人で百万+百万の二百万パワー、以下略色々あって一千二百万パワーだ!」 「ちょっと待って噛み合ってないじゃない合わせて、動きだけじゃなくてセリフも合わせて!」 「うおおおおおおおこの指先にあたしの魂の全てを込めるッス!」 「そうそれ! いくわよ必殺ルビッキュ揃え!」 カットインが上下に分かれ、びりと左右から指を突き出し合うポーズをとる二人。 「「ファイナル轟ライジング盲キューブサン!!」」 「――ってあああもう技名くらい覚えてきなさいよ!」 一応説明しよう。ファイナルライジングサンとは、ルービックキューブの面を指でこすりまくって全面真っ白にしてはい揃ったーと言い訳する技である。 「「いっけえええええええ!!」」 二人の指がルービックキューブマンの両拳へと迫る。 そして! ――ぐき。 「「はうあ!?」」 全力で突き指した。 片手を抑えてのた打ち回る二人(シンクロスキルの活用方法)。 そんな二人を踏み越え、やっとロードが終わったぐるぐが飛び込んできた。 「最終的に勝てばよかろうなのだああああああああ!!」 炸裂、豪快絶頂拳。 キューブマンは爆発四散した。 ついでにぐるぐも爆発四散した。 「あれ、ぐるぐさん、同じ日に全く違うテンションで同じ技打ってた気がする……」 吹っ飛ぶ直前、ぐるぐはちょっとだけ冷静になったと言う。 ●仕掛けを押してぽいっと投げると一瞬でキューブが揃う……という手品アイテムがある。 「全部そろった、わーい」 キューブマンを丁寧に揃え、『我が全身に一面の悔いなし!』とか呟くキューブマンを看取るまお。 すごい今更なこと言っちゃうが、彼だけで二体もキューブを(解いて)倒していた。 「楽しかったです。皆様はどうでしたか?」 くるりと振り向く。 そこには、世にも無残なキューブマンの残骸が散らばっていた。 「…………あれ?」 まおは、首を傾げるばかりであったという。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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