●モグラ叩きの如く 『巨獣ワーム』という名前は、別に定着しているものではない。 ただその巨獣を表現するのにとても適切で、リベリスタ達に通じやすく、そしていかにも『居そう』な名前だったため、こんなあだながついたのだ。 その前提で聞いてほしい。 今から倒す巨獣は、ワームである。 「……見える?」 リベリスタから双眼鏡を渡され、あなたはレンズを覗き込んだ。 それこそスナイパーが用いるような凄まじい望遠だったが、角度はばっちりと合っている。 瞬きを二度。 見えているのは木の旗だ。 次の瞬間。微弱の振動と共に地面が崩れ、旗の根元から巨大なミミズが飛び出した。 数秒後。旗など最初からなかったかのように、その場には土だけが残った。 「倒しておかないと、今後邪魔になりそうね」 ●土竜の庭 巨獣ワームが、巡回警戒ポイントを示す旗を次々に食い千切るさまが見えた。 そんな報告を受け、フュリエの族長シェルンに視て貰った所、それが徐々に橋頭堡のポイントへ近づいていると言うことが分かった。 地面に響く微弱な振動や気配を感じ取り、エサが沢山あるであろう場所を本能的に目指しているのだろうと思われる。 距離はまだかなり遠いが、近い将来ここまで到達してしまうだろう。 本能的と言えばだ。彼らは地上にぴったりと立っている動物を特殊な感覚で感知すると、まるで噴水の如く地上から飛び出し、確実に食らいつくという捕食行動を行う習性がある。 これを利用すれば、通過地点に先回りして誘き出し、彼らを引っ張り出すことができるだろう。 それができるのは、無論、あなたをおいて他に居ない。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年07月18日(水)22:35 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●ワーム――名詞。ミミズなどの足のない細長い虫。 「うれしはずかしっ、はじめてのっ、新世界ぃー! やぁーっほー!」 『紺碧』月野木・晴(BNE003873)は何処までも荒野しかない大地に向けてやまびこした。実際にはしていないが、脳内でちゃんとやっほーしていた。 「それにしてもね、こうやって普通に歩いてるとなんか変な感じ。いつも飛んでるからかな、元人間なのにね!」 「そういうものです。私は今回、ずっと飛ばせて頂きますけれど……」 ほんのりと笑いながら晴の頭上をふわふわ飛行する『節制なる癒し手』シエル・ハルモニア・若月(BNE000650)。 「しかし、思えば遠くまで来たものです」 「だねー」 広い広い新世界を見回す二人。 見たことのない色の空。 三つの月。 広がる荒野。 スキップするリザードマン。 「異世界だねー」 「ええ本当に」 「ギャギャッ!?」 『蒐集家』リ ザー ドマン(BNE002584)がぐるんとこっちを向いた。 名前で察して頂けると思うが、パッと見た感じ分かり易いリザードマンである。 鎧で隠れた部分は分からないが、体表や頭がまんまトカゲで、剣と盾を装備したファンタジックな生き物である。 「それで、ええと、あれが今回の敵でしたかしら」 「そう見えても仕方ないよね……でもこの人リベリスタの筈なんだよね……」 「ギャ、ギャギャ!」 「ええと……あっ、ワーム食べたいって」 「やっぱり敵なんじゃありません?」 「ギャッギャッギャー!」 「ええと……あっ、ワーム食べたいって」 「やっぱり敵なんじゃありません!?」 シエルと晴がリザードマンをどうやって始末するか相談し始めたその一方。アルトリア・ロード・バルトロメイ(BNE003425)たちは罠の設置に勤しんでいた。 罠と言っても、ワームが食いついていたと言う旗と同系のものを地面に立てたり、ワイヤーや網を張ったりと言う原始的なものである。神秘戦にはよくあることなのだが、単純な罠ほど効果が高かったりする。赤外線センサのなんと無力なことか。 「しかし、巨獣がこうも頻出すると落ち着かないな……」 「そうですね」 ロープの端を地面に杭打ちしながら呟く『騎士の末裔』ユーディス・エーレンフェルト(BNE003247)。 二人はある意味で似たような人間だったが、あえて口に出しはしなかった。 「ワームですか。こんなものが地中をはい回っているなんて……崩界するというのは、こういうことなのかもしれませんね」 「全くだ」 用意した分の罠を張り終え、アルトリアは顔を上げた。 『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)は騎士である。 それ故に多くの戦いに勇んで挑み、巨獣との戦いにも積極的だった。実質的にはこれが初戦になるのだが、今まで丁寧に偵察を繰り返していたのも彼である。 「この世界には色々な巨獣がいるようですが……一番多いのはこいつかもしれませんね」 「ワーム……地表の動物の振動を感知して獲物を襲う。それまでは襲われないよう安全に、そして奇襲に適した地中に潜む。生物として進化した姿なのかもしれませんね」 妙な熱さを感じて額を拭う『おとなこども』石動 麻衣(BNE003692)。 『足らずの』晦 烏(BNE002858)が煙草に火をつける。 「獰猛でかつ慎重か……狩猟者としちゃ実に優秀な話だわなぁ」 煙を肺まで吸い込み、溜息のように吐いた。 「ただの巨獣退治だって構えてると、取り逃がしちまいそうだな」 ●ワーム――名詞。釣りで、虫に似せてつくった軟質プラスチック製のルアー。 巨獣ワームは地表の振動を感知する。 食い殺せそうな生物を感知した途端地表を破って飛び出し、一瞬で体内に入れてしまうとされていた。 「と、いうワケでバス停設置! すごいよねアーク、なんでこんなの売ってるの!? 需要あるの!? あっ、僕買ってる!」 「効くかどうかは分かりませんが、それなりの手を数売っておくのもアリでしょう。さて……」 シエルは(自身は飛行していたが)足元の小石がぱちぱちと跳ねているのを発見した。 「来ますよ!」 「えっ、どこどこ!?」 晴が左右を見回す。 その瞬間。 晴の足元がばこっと崩れた。 「……わお」 想像してみて頂きたい。 巨大なミミズが自らの足元で大口を開けている様を。 棘のような歯が内側にびっしりとついており、磨り潰して食う気満々だった。 「いきなりコレは無理いいいいいっ!」 晴は涙目になりつつ全力水平飛行。 ちょっとさっきまで居た場所が地面ごとワームに食い破られていく。 後から分かったことだが、バス停というよりむしろ晴そのものに反応したらしい。いつぞや旗に反応していたのは、布がはためく所為で微振動が起きていたことと、付近で他に生き物らしきものがなかったことが原因だったようだ。 そうとはまだ知らない晴は大慌てである。 「も、もう少しで食べられるところだったよ! あっそうだミミズ縛りー!」 地面にお尻をぺたんとしつつ、咄嗟にギャロップレイを発射。 「罠の出番です。行きますよっ」 シエルもワイヤーを引っ張ってミミズを輪っかで縛った。 想像しにくいかもしれないが、よく映画や何かで見る片足を輪っかで縛って吊り上げる罠の巨大版である。 これにはさすがのワームも身動きとれずにやられたい放題……と思ったら。 「おっ?」 「ひゃっ!」 晴とシエルはロープや気糸を掴んだまま思い切り引っ張り上げられた。 気糸だった晴は普通にぷっつり切れたのだが、シエルの方はまるで一本釣りされた魚のように豪快に吹き飛んでいく。 (自力で飛行できるから平気だという考えは最初の一瞬で吹き飛んだ) 「ひゃああああああああああああ」 「なっ、シエルさん!?」 「少しは動きが鈍っている、捕えるなら今だ」 アルトリアは剣を鋭く振ると、スケフィントンの娘を発動。 「闇の枷を受けよ、貴様の自由は私が決める!」 黒い渦がワーム周辺を包み、繭状の箱に閉じ込めた。 それを確認し、アラストールが剣を構えて突撃。 「力は強いな、だが騎士の技と知恵を舐めるな!」 豪快に身体を一刀両断。 ワームは内容物をあたりにばら撒いたきり、体の半分をでろりと地面から出したまま息絶えたのだった。 ほぼ同刻。辺り一面は強い振動に見舞われていた。 とは言えリベリスタの身体能力をもった彼等がバランスを崩すほどではない。烏と麻衣は慎重に辺りを伺い、ワームの出現を待った。 「簡単には出てこねえな……」 「恐らく、仲間が一匹やられたことで警戒したんだと思います。ここからは向こうも慎重に奇襲をかけてきますよ」 「ますます持って厄介な話だねぇ」 煙草を咥えている暇はなさそうだと思い、指につまむ烏。 一秒ほど考えてから、また咥えた。 「所で烏さん、ダミー用にトラック用意してましたよね」 「んまぁ、一応? 一向にかかりゃしねえよ、岩か何かだと思われてんのかね」 「振動を感知しますからね。エンジンかけておいたらいいんじゃないですか?」 「一理ある」 途中で食いつかれないよう慎重に移動しつつ、車のエンジンをかける。 すると、あからさまに足元の振動が減った。 「おっと、こりゃ逆効果だが……意外と安全地帯になりそうだぞ」 「本当ですかっ」 麻衣がここぞとばかりに車の上に飛び乗った。 どうやら車の振動を巨大動物の振動と勘違いしているらしく、ワームが近寄らないようにしている……のかもしれない。何せ巨大ミミズの考えることだ。推測の域を出ない。 「さて、こうなるとマトモに足踏みしてやるしかねなさそうだがねぇ、どうしたもんだか……」 銃を構えて別の仲間の様子を見る。 ユーディスがその場で規則的なリズムで足踏みをしていた。 実際にかかってくれれば瞬間的に回避する自信がある。 仲間の方へ出てきても、それはそれで対処できるつもりだった。 そんなわけで、剣と盾を構えたまま、慎重に、しかし規則的にたんたんと地面を叩く……そんなユーディスの目の前を。 「ギャッギャッギャーッギャッギャーギャッギャッギャー!」 リザードマンが高速スキップでぐるぐる回っていた。 「…………」 「ギャギャッ、ッギャッギャギャー!」 「…………」 「ギャギャ?」 ぴたりと止まるリザードマン。 その足元が一瞬で崩れ、ワームが飛び出してきた。 でもって一瞬で飲込まれた。 「うおおおおお蜥蜴が食われた!」 「自然な捕食風景にしか見えませんでしたけどリザードマンさーん!」 「叩き斬ります、麻衣さんは回復の準備を!」 勢いよく地を蹴って走るユーディス。 だがその途端、ユーディスの背後から図ったようにワームが飛び出してきた。 「!?」 背後から迫る巨大な口。 ユーディスは防御か回避かを脳内で一瞬だけ迷った。 そのたった一瞬で口が自らの眼前1mまで迫る。 まずい。 そう思った途端、ワームの身体がぐねんとうねった。 痛みに悶えるかのようにびちびちと跳ねる。 「フゥ……モグラ叩きっつーより、ミミズ釣りかねぇ……」 烏がワームを横から撃ちまくっているのだ。 勝機。ユーディスは振り向きざまに剣を振ると、ワームを開きにするかのようにバッサリと切り裂いてやった。 無残な姿で動かなくなるワーム。 しかしまだもう一体が残っている。 烏と一緒に照準を変更。 ユーディスは輝く剣でワームを半分にぶった切った。 内容物をぶちまけて地面に横たわるワームの上半身。 しかしぶちまけられた肉塊だか何だかの中にリザードマンの姿は無い。まさかもう磨り潰されてしまったのか! 急いで口の方へと移動。 様子を伺おうと洞窟じみた口内を覗き見る……と、突然ワームがびたんと動き出した。 身体を器用に伸縮させ、ユーディスたちへと襲い掛からんとする。 咄嗟に盾を構えるユーディス。 だがそれも一瞬のことだった。 「ギャギャギャー!」 ワームの側面を食い破り(文字通り歯で食いちぎって破り)リザードマンが世にも活き活きとした様子で飛び出してきたのだ。 苦しみにもがいて息絶えるワーム。 リザードマンは口に咥えたワームの肉片を暫くもごむもごむと咀嚼すると、物理的にありえない勢いで丸呑みにした。喉をなんかデカいものが嚥下しているこのがはた目に分かる。 「……ギャ!」 こちらを向いて目を輝かせるリザードマン。 「ほう、美味しいらしいぞ」 「珍味だそうで」 「……ええと」 ユーディスは、自らの額に手を当てた。 ●ワーム・ワーム 「……はっ。私、普通に飛べば平気でした」 空中をふわんふわんしながら今更なことを呟くシエル。 懐からごそごそと(そんなふくらみは一切なかったが)犬型ロボットのようなものを取り出した。 一昔前、数十万のソニー製犬ロボットにあやかって出回ったと言う玩具に良く似ていた。 関係ないが、あの数十万の犬ロボ買った人って今ちゃんと飼ってるんだろうか。押し入れで死んだ目していそうな気がしてならない。 「さあ出番ですよ、名犬ゴンちゃん。振動と言う意味では最も動物に近い歩行型ラジコンでワームを引き付けるんですっ」 えいっと地面に犬ロボを下すと、コントローラーをぐりぐり動かした。 やたらゆっくりした動きで歩き出す犬ロボ(ゴンちゃん)。 しかし彼の歩みは歴史の歩み。 犬型ロボットが犬らしく歩くと言うただそれだけのことに人類は二千年という歳月をかけたのだ。そんな叡智の結晶であるゴンちゃんは、暫く歩いた後尻尾を振って振り返った。僕を使ってくれてありがとう。そんな気持ちが伝わってきて、シエルの胸が(そんなふくらみは一切ないが)ぽっと温かくなった。 「ゴンちゃん……帰ったら、電池をかえてあげま――」 とか言ってたらワームが飛び出してきた。 一瞬で粉砕される犬ロボ。 「ゴンちゃあああああああああああああああ」 「シエルさん下がって下がって!」 アラストールは予め設置していたワイヤー網を引っ張った。今度は今までの罠とは質が違う。勿論ワームのような巨大生物を押さえつけておけるなどとは思っていないが、一秒くらいの隙は作れるはずだ。 そしてそれだけの隙があれば……。 「烏さん、援護射撃を!」 「もうやってるぜぇ」 トラックの上で身を屈めた烏。スコープ越しにワームの中腹やや上部分(ミミズで言う所の心臓部分)をしっかり狙う。煙草をゆるく歯で抑え、トリガーを引く。 銃内部でハンマーが信管を叩き、破裂音と共に弾頭が発射。ライフリングにそって回転を初め、空気を螺旋状に抉りながら飛び出す。 途中で網が引きちぎられ、ワイヤーが宮中を乱舞する。 そんなワイヤーの間を掠めるように飛び、弾頭はワームの心臓部に命中した。 身体を大きく反らすワーム。 「罠を仕掛けた甲斐があったというものだ。これで終わりにする!」 剣を握って駆け込むアラストール。 乱舞するワイヤーが頬をかすり赤い筋を残す。 強引に身体を回転。遠心力をかけてワームをぶった切った。 「……よしっ」 目標の沈黙を確認。烏は銃口を上げる……すると、トラックが足元からばっきりと二つに割れた。 「うおっと、やっこさん自棄になりやがったな!」 思った通り、トラックの天井を破ってワームが飛び出してくる。その折、烏の脇腹を思い切り食いちぎって行った。 仮安全地帯にしていた麻衣は間一髪の所で回避。地面にごてんと転がると、烏に素早く回復を放った。 「烏さん一旦退いて下さい!」 「言われなくてもそうするわっ」 砕け散るトラックの破片から顔を庇いつつ、ほぼ自由落下でトラックから滑り落ちる烏。 「ユーディス」 「はい、合図は要りますか?」 「不要だ、斬るぞ!」 左右から回り込むように突っ込むアルトリアとユーディス。 「これもR-typeの影響なのか」 「壊れた世界の象徴。なればこそ討ちましょう、巨獣ワーム」 タンッ、と同時に地を蹴る二人。 ワームがどちらに食いついたものか迷った一瞬、二人の剣が全く同じ場所を両サイドから撫で切りにした。 余った衝撃でぐりんと捻じれるワーム。 そのままねじ切れるが如く両断され、頭がどさりと地面に落ちた。 すたんと着地するアルトリアとユーディスとリザードマン。 不敵に笑って互いを振り返……ろうとした所で元騎士二名は固まった。 「ギャギャ!?」 リザードマンがイイ顔(当社比)で振り返る。 バックラーを皿だかフライパンだかに見立て、ワーム肉をブロック状に切ったものを乗せていた。 今のシーンをピンナップ……もしくはポスターにするなら、煽り文句はこうだ。 『魔王軍で大人気、リザード印のワーム肉!』 「…………」 「…………」 うっかり煽り文句を幻視して、元騎士二人は同時にこめかみを揉んだ。 シリアスを返せ。 などと思っていると、晴がスキップしながら寄って行く。 彼の名誉の為に述べておくが、烏やアルトリアの後ろから地味にライアークラウンを連射していたおかげでワームの食いつきが通常より当たりづらくなっていた。言わないと分からない変化だが、彼の功績はちゃんと認めておいて頂きたい。 「わー、こうしてみると普通のおにくみたいで食べれ……んー、どうかな、なんかぶよぶよしてる」 「ギャギャ!」 「えっ、食べてイイの?」 「ギャ」 「ありがとー! フォークとナイフでいいかな。んもんも……黒蜜とかかけたらイケる気がするぅー」 頬を膨らませてワームを食う少年の図。 よほどの食糧難でもなければ見れない光景だが、それを素でやってのけるのがアーク・リベリスタというものである。 「ギャギャァ……」 一方リザードマンは晴の頭部(主に頭蓋骨)を見つめて涎を垂らしていた。 ひそひそと耳打ちし合うシエルと麻衣。 「あの、やっぱりあの人倒した方が良いのでは」 「でも根は真面目な人なので……」 「ううっ、外見が外見だけに少しでも真面目なことされると印象が良くなってしまう……っ!」 「ギャギャー?」 「エッ僕が死んだら骨拾ってくれるの? まだそんな予定無いけどそういうのって嬉しいな、ありがと!」 「騙されないで晴さん、そいつが狙ってるのは頭蓋骨ですよ!」 巨獣ワームを倒し終え、和気あいあいとした空気を流し始める麻衣たち。 そんな様子を眺めながら、烏は脇腹を摩った。怪我は回復している。 気づけば煙草が途中で千切れてなくなっていた。世にも悲しい顔をして新しい煙草を取り出す。 「ま、これで一件落着かねぇ」 「そうですね。……いえ、大量の巨獣のうち数匹を倒したに過ぎないのかもしれませんが」 「そのうち、大きな対応が迫られるのでしょうか」 「未来のことは分からん。まあ、一つだけ言えることはあるかな……」 一様に、アルトリアたちは空を見上げた。 「暫く麺類、食べたくないな」 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|