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ゴーレム婆娑羅 プレミアム・オリーブオイル地獄!

●でも僕は――オリーブオイルッ!(一番イイ顔で)
 オッサンの趣味はオリーブオイルである。
 とか言っちゃうと、あらやだ料理が趣味なのねもこもこーとか言われちゃいそうなのでちゃんと説明しておこう。
 オッサンの趣味は、オリーブオイルに塗れながら他人とくんずほぐれつすることである。
 できれば可愛い女の子がいいと思っているし、ナイスバディな美女であれば尚良い筈だ。夏場などサンオイルの容器に高級なオリーブオイルを仕込んでおいて『あらオジサマ、オイル塗って下さらない』と言われるのを待って浜辺を無駄にうろうろする習慣すらある。おかげで顔は真っ黒だ。
 でも悲しいかな、オリーブオイル同好の士は皆そろってオッサン揃い。目覚めても居ない新たな性癖をレッテル張りされる昨今なのであった。

 という前フリのもとに、オッサンはある看板を発見した。
 『オリーブオイル天国 魅惑のオイリーたちがお待ちかね!』
 という、日本語としても人間語としてもどこかおかしいことが書いてある。
 だがオッサンは即座に反応した。
 これはヤベェぜとばかりに全速力で建物内へと突撃。
 一名様でーすと言いながら一瞬の早業で全裸になって飛び込むと――。
『ヘイ!』
『ラッ!』
『シェイ!』
 巨大なオリーブオイル瓶から手足が生えたような怪物が三人体制で待ち構えていたのだった。
 三角形の秘密を教えてあげない的なダンスを見せる魅惑のオイリーたちに、オッサンは悲鳴に近い声をあげた。
「嘘じゃ……嘘じゃないけどおおおおおおおおおおお!」
 無論オッサンは死んだ。
 全裸かつオイル塗れで。

●オリーブオイルが身体に良いからって直飲みするのはちょっと待て
 アイワ・ナビ子(nBNE000228)がフライパンの上で何かをじゅーじゅーしていた。
「ここで一味つけたいところですがぁ……はい、私はあえてのオリーブオイル!」
 今だ火を放てぇい! とか言いながらオリーブオイルをどばどばフライパンにぶっかけるナビ子。
 香ばしいなんやかんやが立ち昇り、リベリスタ達は何をやっているのかと覗き込む。
 フライパンの中にあったのは、ただの白米(オンリー)だった。
「……貧乏人を、舐めるなよ」
 何か言われる前に牽制として放ったナビ子の一言は、一部のリベリスタ達に妙な共感を生んだと言う。

「はい、と言うわけで今日の献立は『シンプルイズベスト、奇跡の白米チャーハン白米入り白米仕立て!』です」
 どうやら巷にオリーブオイルが覚醒しちゃったエリューション・ゴーレムが出現しているらしい。
 既にオッサンがひとり犠牲になったばかりであり、この先も似たような人が似たような姿で死ぬかもしれないと思うとやりきれない。
「材料は白米。一度に沢山炊いたご飯をタッパーに小分けしておいたヤツを使います」
 E・オリーブオイル(仮名)は美容にも良いと言われるエクストラバージンオイルで出来ており、自らのボディ(巨大な瓶)から放たれるオイルを浴びればたちまち美肌になれること間違いなし。
 ついでに見た目がなんかエロくなれること間違いなしなのだ。
 しかし残念なことに戦闘中にしか効果はあらわれない。だから存分に戦って(遊んで)頂きたい。
「温めたフライパンにレンチンしたご飯を投入しまーす。この時固まっちゃわないようにおものっそい勢いでご飯を散らしましょう」
 しかもだ、これを是非聞いてほしい。
 E・オリーブオイルから放たれるオイルを浴びることで美容やエロスが高まるだけでなく、相手の攻撃も割かしちょちょっと避けられるようになるのだ。これで浴びない手はないぜ!
「ある程度焼き色がついて来て、ヒャッハーもう我慢できねえと思ったら火を止めて……はい、オリーブオイル!」
 君達が連携してかかれば、決して恐ろしい相手ではない。
 この先不幸な事件が起きてしまわないよう、必ず奴等を倒してくれ!
「完成、炒めた米。塩とか振って食いましょう。来週は素パスタのオリーブオイル締めをお送りします!」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年07月13日(金)23:56
八重紅友禅DEATH。
素パスタのオリーブオイルじめは好物です。
朝はやっぱこれだよ。

●E・オリーブオイル
三体います。
凄い勢いでオリーブオイルをまき散らす以外は基本殴るけるの暴行を加えてくると思われます。
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
ソードミラージュ
ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)
デュランダル
四門 零二(BNE001044)
ソードミラージュ
レイライン・エレアニック(BNE002137)
ソードミラージュ
ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495)
マグメイガス
プルリア・オリオール(BNE002641)
ナイトクリーク
宮部・香夏子(BNE003035)
ホーリーメイガス
出合島 白山(BNE003613)
デュランダル
ルー・ガルー(BNE003931)
★MVP
クロスイージス
白崎・晃(BNE003937)
   

●先オリーブ
 『立ち塞がる学徒』白崎・晃(BNE003937)はガントレットを嵌めた手をゆっくりと開閉させた。
 じりじりとした夏の日差しが腕の金属表皮を跳ねてはてらてらと光る。
 この腕が本格的に役に立つ時が来ると思うと、胸の上を汗が流れる。高揚感や不安感が混じりあっているのだろう。
「エリューションゴーレム『プレミアムオリーブオイル』か……名前恰好はともかく、放置できる相手じゃないのは確かだな。ネタを挟む余裕もない。今回は、気合を入れていかないとな」
 ぎゅっと手袋の裾を引っ張り、晃は振り返った。

 『闇狩人』四門 零二(BNE001044)はオリーブオイルを垂らした手をゆっくりと開閉させた。
 じりじりとした夏の日差しが腕のオイルを跳ねててらてらと光る。
 このオイルが本格的に全身を覆うと思うと、胸の上で汗が流れる。汗とオイルが混じりあっているのだろう。
「オリーブオイル天国か……は前はともかく、放置できるオリーブオイルじゃないのは確かだな。服を着る余裕もない。今回は、半裸でいかないとな」
 ぎゅっとビキニパンツの裾を引っ張り、零二は振り返った。
 目が合う晃と零二。
 時が断つこと三秒。
 零二は頬に朱をさして目を反らした。
「別に、脱ぎたいから脱いだわけじゃない」
「いや、聞いてない」
 来る依頼を間違えたかもしれない。
 そう思いつつ、晃はもう一回手袋の裾を引っ張った。
 でもってもう一度振り返る。

 『魅惑のカウガール』プルリア・オリオール(BNE002641)がオリーブオイルを垂らした肩をゆっくりと上気させていた。
「Z必須ってきいて、Zで来たよ? オジサンの無念を晴らすべくワタシが……ワタシがくんずほぐれつするから! さあ行くわよ、こんなオゲレツな行為許しておけないわ!」
「………………」
 亜光速で視線を元の位置に戻す晃。
 『Z』がどういう意味かについてはご想像にお任せしたい。
 そして、書いていない事実は存在していないのと同じことだという理屈を、今こそ適用させて頂きたい。
 だからセーフだ。
 冷や汗を流しに流す晃。
 そんな彼の目の前で、『自堕落教師』ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)が白衣をずばっと脱ぎ捨て空へ投げ放った。
「三高平の模範的な教師参上! 世界平和のために一肌脱ぐわ!」
 ……それだけなのに、なぜか既にスク水だった。
 もうどっち向いていいのか分かんなくて虚空を見上げる晃。
 無駄に視界に割り込みつつニヤリと笑う『スワロウ・スパロウ』出合島 白山(BNE003613)。
「やべえ、実にやべえな。オレサマとしたことがオリーブオイルオッパイプロジェクト(通称3OP)を事前にバラしてしまうとは……だがそれでも、やらなきゃならねえ時がある。それが、男の子ってもんだろ、先生?」
「そうね、こんな公序良俗に反する敵を放って置くわけにはいかないものね(オリーブまみれのおっぱいにおしりはぜんぶわたしのものよ)!」
「おいおい先生本音が駄々漏れだぜ」
 もはやどこ見てても一緒なのかもしれない。
 というか、既に囲まれているのかもしれない。
 晃は若干の諦めを感じつつ顔を上げる。
 妙にくねっとしたポーズの『シュレディンガーの羊』ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495)がそこにはいた。
「橄欖の実は禁忌の果実。紫黒色に熟して受苦す、禁断の過日。濃緑色の阿列布油流れて揺れて、今日もせかいはひとみしり。泡沫のこのせかい……掬う掌、汚濁に塗れ」
 きゅっとポーズを変えるルカルカ。
「モコミチッ」
「…………」
「オリーブオイル調べたら、それしか分からなかったの」
 何経由で何を調べたのか。
 そこへ『第27話:サボってました』宮部・香夏子(BNE003035)がぼけーっとした顔で割り込んでくる。放って置いたらこのまま出番を掻っ攫われる危機を感じたのかもしれない。
「はい、再来週にはカレー特集が来ることを信じてやまない香夏子です! 料理できないのでレンチンで済ませたい香夏子です! あとカレーにオリーブオイルは合うんですか!?」
 具材を炒める段階にオリーブを使うと脂っこさが軽減されますよ。
「そうですか! ……え、今香夏子誰と話してたんですか!?」
「わらわに聞かれても困るのじゃ……」
 これまたぼーっとした『巻き戻りし残像』レイライン・エレアニック(BNE002137)が話を振られて困っていた。
 はっとして懐から純正ごま油を引っこ抜く。
「でもわらわは、ごま油! いい香りするんじゃもん!」
 素パスタのごま油じめも美味しい。お吸い物のもととかと合う。
 ……などという主張をしてお茶を濁してみるレイラインであった。
「……うん」
 アークの前評判をある程度聞いていた晃だが、思ったよりカオスな人達だと知ってちょっと反応に困っていた。
 そんな彼の背後でぐっとガッツポーズをとるルー・ガルー(BNE003931)。
 別の表現を用いるならこうだ。
 『Z少女Bが現れた』
「ルー、ナグル!」
「…………」
 顔を覆う晃。
 この時点で帰りたいと言わなかった彼は、もしかしたら大物なのかもしれなかった。

●スーパーエロリストタイムはっじまるよー!
「ンンッアァー!」
 ほぼ喘ぎのような声で顎をあげる。
 顎から首、胸から腹へと流れるオイルが怪しくつやめき、やがて股を伝って膝に落ちた。
 それだけではない。
 胸にだくだくと降り注ぐオリーブオイルが、全身をねっとりと包んで行く。
 そして……零二は画面いっぱいに身体を広げた。
「テカるオイルを力に変えて、全身全霊でブロックする! オリーブまみれになることを恐れて、一歩を踏み出せぬ戦士に前衛など勤まらないのだから!」
 エロタイムだと思った人ごめんなさい。
 その脇で、晃はじっくりと集中しながらヘビースマッシュを叩き込んでいた。
 何故だろう。
 こうしてマトモに戦っているのに、普通として扱われなさそうなこの空気。
 今すぐ零二のように服を脱ぎ捨てて突撃するべきか。
 いや、それはいくらなんでもガラじゃ無さ過ぎるだろう。
「俺は一体……」
 皆の戦い方を見て勉強しようと思っていた自分は何だったのか。
 もしかしたらこれが正しい戦い方なのかもしれないが、だからって半裸でオイルを浴びる自分の姿は想像したくなかった。誰だよそいつ。
「おっと、今は戦いに集中しなくちゃな。足を引っ張るわけにはいかない」
 ンなことしてる間にも、後ろでは味方が援護射撃をしてくれている筈なのだ。
 ちらりと後ろを見る。
「教育上よろしくない敵に少年少女が捕まる前に倒さねば(なんでもいいからはやくみんなオリーブまみれになればいいのに)!」
「ソラせんせー本音漏れてますよー。あ、香夏子は邪魔しないんで、空気読む人なんで」
「ルー、ヘン?」
「全然変じゃないわ、ちょっとこっち来なさいうへへへへへへ(うへへへへへへ)!」
「せんせーもはや本音でもなんでもないです」
「…………」
 後ろの味方が形容しがたい状態になっていた。
 黙って視線を前に戻す晃。
 ここからはとある事情で、サウンドオンリーでお楽しみいただきたい。
「プルリアおねえちゅわああああああああああああああん!」
「Oh! 可愛い白山Boyがいるわ! フフ、GoodBoy。ワタシが手取り足取り、オリーブオイルにしてあげましょうか!」
「いいいよっしゃあああああああ!」
「ヘイ、カモンベイビ、カモォン! ワタシが優しく塗ってあげる、オゥ、イェ……イェエス! カモォン!」
「ここか、うおおおおお高速で尻が迫ってくるぜえええええ!」
「オゥノォォウ! そこはオシリ、顔を埋めるものじゃないのよ。でも……ンーフー、わるくないわね?」
「ヒュウ、ケツに挟まれるってのはたまんねんぜ! でもなんでだろうな、このケツやけにガッチリして……」
 Zで顔を上げる白山。
 彼に尻を抱えられ、零二は勇ましく振り返った。
「どうした白山。突撃する敵を間違えたか?」
「…………オォウ」
 現実の重さと零二のケツの固さを身をもって体感する白山である。
 その横にヘンテコな椅子ごとつつーっと滑ってくるルカルカ。
 丁度いい所で停止すると、無駄にくねっとしなをつくった。
「オニイサンモスキネェ」
 くねっとするのはいいが、体の凹凸が無いと言うか、いわゆる鯉のぼり体型なので、あんまり意味が無かった。
 それをどこまでも穏やかな菩薩のような顔で眺める香夏子菩薩(逆から読んだらサボッ香夏子)。
 まるで対照的なプルリアが傍に寄ってくる。
「オゥ、ルカさん」
「……にくまん」
 ルカルカはんあーっと口を開くと、相手の胸に噛付いた。
 ここからもやはりサウンドオンリーでお楽しみいただきたい。
「NOOOOOOOOO!! ドン・タッチ・ミー! それは肉まんじゃないのよ、おっぱい! オゥ、ノゥ……だめよ、もっと優しく、包み込むように」
「んあんあ」
「そう、そうよ、いいわぁ、イェス。イェスイェスイェェェス、オオオウイエ、カモォンハアアアアアアン!」
「にくがはいってるならにくまんなのよ。おーいえー……でもなんだかがっちりしてるの」
 相手の胸に齧りついたまま視線を上げるルカルカ。
 彼女に乳をがじがじされたまま、零二が見下ろしてきた。
「どうしたルカルカ、咬みつく敵を間違えたか?」
「……オォウ」
 全年齢ゲームと零二の大胸筋の固さを味わったルカルカであった。
 うんうんと頷くソラ。
「先生悲しいわ。女の子にはもっと見るところあるでしょ。おしりとかふとももとか」
「でもよーソラせんせー、そこのルカルカとかカレー子とかつるっつるで見どころねえぜ。十二年も生きてれば分かるんだよそんなこたぁ」
「ほう、香夏子菩薩に死を与えられたいと」
「もう出合島くんってば、ちいさいおっぱいも悪くないのよ。ということでここにいる女の子は全員私が貰って行くから。異論は認めないから!」
「おいおい先生そーはいかねーな! ……と、やべえやべえちょっとEオリーブオイル回復しとくわ」
「って何敵の回復しとるんじゃー!」
 さらっと敵に天使の息をかける白山に、レイラインのドロップキックが炸裂した。
 きりもみ回転してから三度ほどオリーブオイル床を跳ねて飛んでいく白山。
「畜生なにすんだ、おっぱいしか見どころ無ぇくせにてめぇ」
「誰がロリ巨乳じゃ! もうこうなったら貴様だけ油まみれになってくるがよいわ!」
 うりゃーと言いながら白山をフルスイングでかっ飛ばすレイライン。
 白山はギャボワァみたいな声をあげてEオリーブオイルに頭から突っ込み、側面を破壊して嵌り込んだ。
 水槽の窓を突き破って上半身だけ内側に突っ込む様が、これに近い。
「ええい全くプルリアまで紛らわしいことをしおって!」
「ルー、ハクザン、ナグル!」
 剥き出しの尻に魔氷拳を連発するルー。
 レイラインに狙いを定めてクラウチングスタートの態勢をとるソラ。
 ルカルカを胸にぶら下げたままバトラーズアバランチ(破壊的なオイルを纏って対象一体に雪崩の如き連続攻撃を繰り出します)を続ける零二。
 その様子をぼーっと眺める香夏子菩薩。
 オリーブオイルから出れなくて必死でもがく白山。
 その尻をスパンキングし続けるルー。
 あとプルリア。
「…………………………これが、アークか」
 晃は、色々と諦めた目で、その光景をながめていた。

●純戦闘依頼(嘘)
「くっ、攻撃を甘んじて受けてしまうとはリベリスタの風上にも……って、しまった滑――にゃぎゃー!」
「オォウ! レイライン、グッガール。もっと出してぇ、たくさんかけてぇ」
「やかましいわそしてまぎらわしいわ!」
「NOビッチ! YESヤマトナデシコ!」
 意味の解らんことを言いながらEオリーブオイルに向き直るプルリアZ。
「こんなオリーブをアハンでカモンベイビなオゥイエスでイエェスイェスしてたらビッチ増えちゃうよ!?」
「せめて人間の言語で喋れ!」
「ンフゥ、悪いコね。ワタシを本気にさせたわ。ビッチ撲滅運動会長のワタシがオリーブオイルごとフレアバァァァァストゥ!」
「ギャアアアアアアアア!!」
 プルリアの放った炎が面白いくらいに引火し、白山がチリッチリに揚げられていく。それ我関せずという顔でスパンキングし続けるルー。
 Eオリーブオイルの上に乗っかったルカルカがアル・シャンパーニュしながら零二たちにあつあつのオイルをぶっかけていく。
「こういう時女子だけエロエロになるとかしんじらんない。オスたちもエロくなるべきよ」
「ンンッアッー! これがオリーブ、これがエロース……これが若さ! だがオリーブは貴様等のためだけにあるものではない。オレ達の幸せのためにある。その意味が分かるか!」
「わかんない」
「いいの、いいのよ。エロイハプニングが連鎖するように努力を惜しまない。それはアークのリベリスタとして当然のこと」
 全くかみ合わない会話をしながらエリューションで遊……戦うルカルカと零二。あとソラ。
 香夏子が、そろそろ出番かもしれないですねーよっこいしょーいちみたいなことを言いながら立ち上がる。
「さぁ、バッドムーンフォークロアぶっぱのお時間です! 尺的にもそろそろ終わる時間なのです! 今日の香夏子が唯一働く時間! きっとこれまで温存した描写量を一気に放出して二千文字くらいの壮絶なバトルシーンが」
「うおおおおおお喰らえっ!」
 晃は地面のオイルを利用しスケートのようにダッシュすると、敵の直前で回転をかけ、遠心力とそれまでの勢いそして重ねに重ねた集中を乗せたヘビースマッシュを叩き込んだ。
 べきんと身体を折り曲げるEオリーブオイル。
 晃は勢いを殺しきれず盛大にスリップし、オイル遊び……いや強化していた零二の尻に頭から突っ込む。
 しかし彼の攻撃はしっかりと通用していた。Eオリーブオイルは暫くびくびくと体(ボトル)を震えさせると、がっくりと身体を地面に横たえ、力尽きたのだった。
「……………………………………」
 両手を掲げた香夏子だけが、虚しく立っていた。

●サヨナラオリーブオイル(もう出てくんな)
「……そうだ、カレー食べに行きましょう!」
 ある意味全く仕事しなかった香夏子は、晴れやかな顔で空を見上げた。
 こんがり揚がった白山を、これまたこんがり焼けたルーが引き摺ってくる。
「オゥ、よく燃えたわね」
 ぱちぱちと手を叩くプルリア。
 ソラが見下ろすと、ちょいっと差し出してきた。
「タベル?」
「食べない」
 完結に述べてから振り返ると、テカテカの零二がぱしーんと自らの尻を叩いた。
「いいか、一つ言っておく。パスタの為の追いオリーブじゃない。追いオリーブの為のパスタなんだ」
「いや、意味わからんのじゃ……それに、口にオイル入って……ぺっぺっ」
「ルカ、今日はやり遂げたわ」
 何か混ざったのかオイルを吐き捨てるレイラインと、何考えてんのか分からん顔でポージングするルカルカ。
 そんな中、晃はどこまでも遠くを見つめていた。
「これが、アークか……」
 しばらくはオリーブオイル見たくないぜと思う反面、これから長い間こういう戦いに巻き込まれていくのだろうという気持ちに、晃はちょっと泣きたくなったのだった。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした。
今回は変則的ですが、唯一真面目なことを書いたせいでかえって目立った晃さんにMVPを差し上げようと思います。初戦祝いと共に。
これから先、沢山大変なことがあると思いますが、強く生きて下さい。