●乙姫 「もうすぐ七夕。1年間待ち遠しかったわ。どうか、どうか雨が降りませんように……」 空を見上げながら織姫は願う。雨が降っては天の川に橋を架けるカササギはやってきません。 ――会えるその日が晴れますように……。 織姫は毎日空に願います。 (´・ω・`) (´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`) (´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`) 「!?」 空から雨は降りませんでしたが、その代わりにぼとぼとと白い物体が降り始めました。 あぁ、誰か。道を妨げるこの白い物体を何とかしてください。 ●彦星 「年に一度、この日の為に僕は毎日頑張っているんだ。」 牛の体を磨きながら彦星はつぶやきました。 天の神様に命ぜられて以来、彦星は織姫とは年に1度しか会えません。 神様の命令はそれだけではありませんでした。二人とも真面目に働かないと会うことを許してくれません。 だから彦星は毎日せっせと牛の世話をします。 「ンモゥーー!!!」 突然牛が暴れだしました。 何かにびっくりしてみんな逃げ出してしまったのです。 おおおおおおおお……! 彦星が見たもの。それはとても大きく、頭に角が生え、棍棒を持った鬼達でした。 牛が殺されてしまっては織姫に会えません。 あぁ、誰か。商売道具の牛が殺されてしまわないように何とかして下さい。 ●カササギ カササギは年に一度の架け橋になる為に天の川へ向かっていた。 「よかった、今日は天気がいい。これなら立派な橋がつくれます。」 ところが天の川ではドヤ顔をしたうさぎ達が沢山遊んでいました。 ドヤ顔うさぎはカササギを見つけるとドヤ顔で石を投げてきます。 これでは橋がつくれません。 あぁ、誰か。邪魔するうさぎ達をどうにかしてください。 ●年に一度の夏物語 「俺の娘は絵本の才能があるかもしれない」 「はぁ?」 真顔で真白・智親(nBNE000501)がいう。 「まぁ、まずはこれを見てくれ。」 智親が差し出したスケッチブックには幼稚園児が描いたと思われる絵が描かれていた。 絵の裏側には絵の内容を示すと思われる文章がかわいい字で書いてある。 「織姫?彦星?これはもしかして七夕のお話ですか?」 「うむ。だがよく見てほしい。通常のストーリーとは違う、オリジナルストーリーだ。 娘にこんな文才と絵の才能があったとは俺も気がつかなかったな。」 文章はともかく、絵の方は微妙だが、これが『親ばか』というのだろう。智親は満足そうな顔をしている。 「それで、だ。七夕が近いのとATSのテストも兼ねてイヴの描いた物語のデータを組み込んでみた。 イヴが考えた絵本のタイトルは『その後七夕物語』だ。織姫と彦星、橋を作るカササギがそれぞれピンチに陥るが、正義の味方が現れ問題を解決し、無事に二人が会うことができるという素晴らしい物語だ。」 「なるほど、そのピンチを救う正義の味方をやるのが俺たちだな!」 「うむ。初心者からベテランまで難易度にあわせて3つの部屋を用意した。物語も丁度3つのエリアで危険が迫っていたのを上手く利用してみた。 Aは『織姫エリア』(´・ω・`)を1匹残らず退治する難易度EASY。ちなみに今回のシミュレートでは増えない設定にした。 Bは『彦星エリア』鬼が相手だ。難易度はHARDだから『温羅』ではないが手強いぞ。 Cは『天の川エリア』難易度はNORMAL。ドヤ顔うさぎ達が邪魔をしてカササギが橋をかけれないらしい。 詳しいデータは各ATSルームに用意しておいたぜ。シミュレートだから死にゃしねぇし得る経験点も難易度に関わらず同じだが、テストだからルールは守って参加してくれよ。」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ちょころっぷ | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年07月19日(木)17:41 |
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●カササギエリア カササギは年に一度の架け橋になる為に天の川へ向かっていた。 「よかった、今日は天気がいい。これなら立派な橋がつくれます。」 ところが天の川ではドヤ顔をしたうさぎ達が沢山遊んでいました。 ドヤ顔うさぎはカササギを見つけるとドヤ顔で石を投げてきます。 これでは橋がつくれません。 彼らにとってはほんのお遊びのつもりでも、カササギにとってはとんだ迷惑です。 カササギたちは一旦近くの木に待機してうさぎ達が去るのを待ちました。 けれどもうさぎ達は天の川で泳いだり、河原で飛んだり跳ねたりと一向に離れる様子はありません。 遊びに夢中になっている、今なら大丈夫かな?と思って再び橋をかけようと川の側へ行こうとするとまた石を投げられます。 カササギたちは本当に困っていました。 「おい、ドヤ顔うさぎよ、カササギが橋を作るのを邪魔するなよ。」 と、格好良く登場したのは高和。(あれ?この人こんなキャラでしたっけ?) 「織姫が会いたいっていうからには彦星はさぞいい男なんだろうな。 そんな彦星のいい男っぷりを見たいんだから、それを邪魔するのなら容赦しないぜ!」 彼の本音はちょっと心配でしたが、邪魔なうさぎをどうにかしてくれるなら、と、カササギは175名の戦士達にお願いしました。 ●ATSルームにて 「ふっ、七夕か。 確か夏の三角形がどうしたこうしたで、牛をつれてトーキョーに行く話だったな。 牛と人間……確かにいいラブロマンスだ。」 盛大な勘違いをしているイセリアに 「ワタシは悲しい。 七夕といえば、織姫と彦星が出会えるという伝承の残る浪漫溢れる一夜だ。」 と、キャプテンが続けて語る。続けて読むと七夕という有名物語を知らないイセリアを嘆いているようにみえるが、これは偶然である。 キャプテンが嘆いていたのは 「うさぎといえば月だ。同じ宇宙に生きる存在同士、どうして仲良く出来ないのだろうか。」 やはり宇宙の事だった。 「ところで、カササギって何?」 ATSのテストの為に集められたメンバーのうちの一人、リリィが近くのリベリスタに質問する。 ――カササギとはスズメ目カラス科のカラスの仲間である。白黒ボディに風切羽と尾羽は瑠璃色の美しい鳥です。 「なるほど。」 携帯端末で調べてもらった結果、疑問は解決したようだ。 「むー、しかし、なんでカササギなのかのぉ? まあ、どういう理由であるにせよ、恋の橋渡しをしてやるカササギは良い子なのじゃ!」 ――カササギは群れを作らず夫婦つがいで生息する為、夫婦円満の象徴とされているからかも? 追加情報を得たしぐれも「カササギのために、しっかりわらわも働くのじゃー!」と気合十分。 「七夕は七夕らしくすごすのが一番だけど、どうにもそれが叶わないみたいだしね。 シュミレートだとしても迅速に終わらせて七夕を楽しませてもらうとするよ。」 投石されると痛いからと早く終わらせたい有紗の準備も万端だ。 「久々の実戦練習っすね。 しばらくぼんやりしてて体なまってるから、頑張らないとっす!」 転送開始まで準備体操をして体を温めるジェスター。 そして準備が整いリベリスタ達はシミュレートの世界へと転送された。 ●(`・ω・´)ドヤ顔うさぎ リベリスタ達がシミュレートの世界に降り立った場所は戦場から少し離れた河川敷。足場は小石で埋め尽くされけして良いとはいいきれない為、光介や燕のように安全靴を準備してきた者もいる。 靴が無いものや飛行や水上歩行出来ない者の為にルークは翼の加護を付与していく。 戦場は綺麗な川を埋め尽くす程沢山の(`・ω・´)なドヤ顔うさぎ。リベリスタが近づいても夢中で遊んでいて直ぐには気がつかない。 「ん?どやがおうさぎ?これもうさぎ?むー、冥華こんなのとどーるいじゃなーい。でも、すっごいいっぱいいる。そいえば、えらい人がせんそーは数だよって言ってた気がする。うじゃらうじゃらいるから、ちょっと冥華たちぴんち?」 冥華は実際の数を見てちょっと不安になる。 「うさぎ狩りならせめてバニーガールのお嬢ちゃんが良かったンだが……」 と、うさぎが遊ぶ様子をバニーガールに置き換えて妄想しているのはオーク。 女の子らしい発想のロッテは 「うさぎ可愛いですぅ~!!! でもこれ、敵なのよね……。 お持ち帰り~ってしたいところですけど、ふむ……残念なのですぅ……。」 と、とても残念そう。だけれども戦闘が始まったら彼女は「この悔しさを、こんな気持ちにさせた本物のドヤ顔うさぎにぶつけるのですぅ!」とすぐにスイッチを切り替えれるあたりは年頃の女の子らしい。 「兎のビーストハーフとしてはなんぞ親近感があるだけにちょっと、のう。 可愛いしのう……。」 冬路は複雑そうだ。 「……か、可愛いっ。 ど、ドヤ顔で石を投げるとは言え、可愛いわね。 でも放置するわけにもいけないし……。 ま、迷ったら駄目よ、私。」 自分に言い聞かせてるのは祈。 女子のハートをグッとつかむのは仕方ない。元々一般的に販売されているドヤ顔うさぎは某ドーナツ店でポイント交換のグッズになるほどの人気だ。 それが目の前に限りなくいる。しかも動いている。 そしてその中にはアザーバイドが変身したものが10体。 それ以外は普通のぬいぐるみのドヤ顔うさぎでアザーバイドに操られて動いているだけだ。 今回は操っている主であるアザーバイドを撃破すること。 数え切れないほどのぬいぐるみ(偽者)の中からアザーバイド(本物)がすぐに判ればそれをめがけて叩けば良いだけだが、そう簡単にはいかない。 まず動いたのは有効な非戦を持ち合わせていないと判断したメンバー達。 「あたしは本物探す方法とか持ってないしー、とにかく暴れよう」とぴよっとスピードを上げ、ぴよっと飛び込んでいく比翼子は多重残幻剣で、 ミカサも続いて残影剣で「とにかく兵隊の数を減らす事に尽力するよ。」と(`・ω・´)顔のピンクの群れに突っ込んでいく。 「本物を見分ける方法? そんなの簡単ですよ。当たるまで叩けばいい。」 人の恋路の邪魔をする輩なんぞ、叩いて叩いて叩いて叩いて潰せばいいのです。と目に付くうさぎを片っ端から退治していくのはセルマ。 リベリスタ達が動き出しドヤ顔うさぎのぬいぐるみが潰れると何事かとうさぎたちは一斉にこっちを見た。 怒らせたか?とごくりと息を飲む守羅は 「カササギが石を投げられてるっていうし、遠距離攻撃ありそうなのよね」 と注意を払う。 ところがドヤ顔うさぎ達は新しい遊び相手が見つかった言わんばかりに楽しそうに石を投げてきた。 ドヤ顔うさぎが投げる石は意外と威力があり、当たるととても痛い。 「石を投げるなんて、よくないですよくないです。 だって石がぶつかったら痛いじゃないですか!」 ぷりぷりと可愛らしい頬を膨らまし、アルトゥルはドヤ顔うさぎ達に説教するが、 ?(`・ω・´)? とした顔をされるだけで伝わってはいない。彼らは『楽しい』が優先になっている為、良し悪しが全くわかってないらしい。 「どれがアザーバイドかは関係ねぇ」と突っ込んでくる創太や爆砕戦気で底上げしたヘルマンが片っ端から業炎撃を繰り出しドヤ顔うさぎを潰していく。そんな彼らに容赦なくバシバシ石が当たるとエアウの美しい天使の歌で傷を癒していく。 リベリスタ達がそれぞれ反応を返してくるのでドヤ顔うさぎ達はますます面白がって石を投げてくる。 メイドのミルフィは飛んでくる石からアリスお嬢様を守る為と体を張る。石で傷ついたミルフィを心配してアリスは傷口に癒しの吐息を吹きかけ頑張ってと励まします。 防御に専念する蒼龍の後ろからひょこっと顔を出しフレアバーストで焼き払うジズはぬいぐるみに攻撃が当たるたびに(`・ω・´)とドヤ顔でうさぎに対抗。 スターライトシュートを叩きこむエルフリーデは敵の群れを狙ったのがよかったのか、「ぴぎゃ!」っという声と共に1匹のうさぎが倒れ、支配が外れたその周りのぬいぐるみもぱたぱたと倒れた。 だがすぐに他のドヤ顔うさぎに操られたのかすぐ立ち上がって「きゃっきゃ」と騒ぐ。 「多い、多すぎる……やっと1匹死んだのか。しかもドヤ顔がなんか腹立つ…… この中から残り9匹の本物を探すのか……骨が折れるのぅ……」 礼子がげんなりするが、有須は「実に愛らしいです……さぁ……愛し合いましょうね……ふふふ」とそのままドヤ顔ウサギ達に突っ込んでいく。 基本、後ろでふんぞり返っている予定だった悪紋は、ばしばし石を受ける有須を見て守護結界を展開し防御を上げる。 とにかく数を減らす。減らせば本物が見つけやすい。 「はじけ飛べ!」 夏海は暴れ大蛇で身近なぬいぐるみを蹴散らし、マーガレットがハイアンドロウで続く。 ひたすら攻撃する仲間以外にも有効な手法で本体を探していく者達もいた。 「ぬいぐるみが立ちはだかろうと、我が千里眼は敵将を見据えられるはず!」 偽者は見通せても本物はその目に映る。そう考えたカインは一羽のうさぎを捕らえた。 ただそれだけでは周りは皆同じ顔。中々伝わらない。そこで近くにいたモヨタと連携し、カラーボールで目印を付ける。 また他の場所でも桜が小石をかき集め、それらをドヤ顔うさぎの顔にばら撒き、本物を見極めようとするが、ぬいぐるみを模したドヤ顔うさぎの表情は(`・ω・´)のまま変わらなかったが、その様子を超直感を働かせ様子を見ていたロズベールが一羽だけ反応が早かったドヤ顔うさぎを見つけるとハイテレパスで仲間に連絡。ハイテレパスを受信した七がメルティキスで本物の刻印をつける。 本物を特定されたドヤ顔うさぎ達は自分を守るべく回りにぬいぐるみを集めたが、射線確保が重要と判断したベアトリクスが身を呈して道を作り、雪も多重残幻剣でさらに大きく道を切り開いていく。 出来た道は仲間へ託され、素早く通ってフラウと綾兎がソニックエッジを叩き込む。 他の目印がついたドヤ顔うさぎには水奈から翼の加護を付与してもらった遠子が空からピンポイント・スペシャリティで狙い打ち。 本物の数も半数が減るとドヤ顔うさぎ達も余裕がなくなったのか本気になってきた。 投げてくる石の威力は強くなるが、タイミングを計っていたベルカを初めとするゐろは、流のレイザータクトメンバーがディフェンサードクトリンを展開し味方の耐久性を上げる。 「僕は祈る。僕は歌う。眼前に傷付いた仲間がいる限り癒しの旋律をのせて、僕は歌う。僕は祈る。――優癒祈歌!!!」 傷ついた者には七瀬が、歌って癒す。 同じく回復を担当していた美月だったが、 「大丈夫、ドヤ顔うさぎなんかに負けたりしないから!」 と、盛大なフラグを展開した途端、ドヤ顔うさぎから集中攻撃を受け、時間にして2秒で小石に埋もれゲームオーバー。 だけどすぐに立ち上がりリベリスタ達の援護をする。 そしてエルフリーデや櫂のスターライトシュートや紅葉のフレアバースト等、範囲攻撃を持つ者達が数を減らしてくれたおかげもあり、超直感やリーディングを使うノアノア、エネミースキャンと超直観を併用して蓮が本物への目星を付け、順にダメージを与えていく。 そこにセレアが葬操曲・黒でぬいぐるみごとのみ込む、最後は杏子、櫻子が光の魔方陣を展開しドヤ顔うさぎを打ち抜いた。 ●七夕の夜 すべてのドヤ顔うさぎが倒された証拠に、今まで元気に動き回っていたドヤ顔うさぎのぬいぐるみたちが一斉に糸が切れたようにぱたりと動かなくなりました。 そして倒されたドヤ顔うさぎとぬいぐるみは光となり、星となり、光の川の一部になって流れ始めました。 ようやく出番とばかりに集まってきたカササギたちは次々に連なり大きな橋になりました。 それぞれの危険を乗り越えてきた織姫と彦星はその橋を渡って年に一度の再開を喜ぶのでした。 その様子を見届けたリベリスタ達は次々と現実世界へと帰っていきました。 ――Happy Tanabata End |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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