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<Lost World>巨獣――ダイナマイトタートル!

●仮名称『ダイナマイトタートル』の進撃
 かの巨獣が通った跡はすぐに分かる。
 なぜなら辺りを焼野原にしていくからだ。
 かの巨獣が訪れる時はすぐに分かる。
 激しい爆発音が鳴り響いているからだ。
 かの巨獣に追われた者はすぐに分かる。
 逃げ切れない恐怖と絶望を目に宿しているからだ。
 かの巨獣に名は無い。
 だがあるリベリスタが名付けたところによれば。
 ダイナマイトタートルと、呼ばれている。

●巨大亀討伐作戦
 フュリエの族長シェルンから寄せられた依頼に、リベリスタたちはずっしりと重い沈黙に入った。
 依頼内容は単純にフュリエに危険が及びそうな巨獣の撃破なのだが。
 曰く、全長7mの巨大カメである。
 曰く、頭や脚はすぐ甲羅にしまわれあらゆる攻撃は弾かれる。
 曰く、甲羅の幾つかにフタが在りそこから卵状の物体を投げ放つ。
 曰く、卵は激しく爆発して周囲を焼き払う。
 それだけで、既に相手が無敵であることが知れた。
 攻撃が効かず、そして巨大で、尚かつ辺り構わず爆弾で吹き飛ばしてしまうだなどと……。
 だが、もう一つの情報が勝機をくれた。
 曰く、甲羅頂上には弱点がある。
 詳しい所によると、巨大な甲羅の頂上には丸い水晶のようなものがあり、これに攻撃を加え続け、破壊してしまえば巨獣は内部爆発を起こして死亡するらしいのだ。
「とても強力な巨獣です。ですが皆さんなら……皆さんなら、倒せるはずです。信じて、待っています」
 シェルンは小さく、あなたに頭を下げたのだった。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年07月09日(月)23:18
八重紅友禅でございます
詳細スペックについて補足します。

●ダイナマイトタートル
3体で群(?)行動しています。おすすめの戦法は三チーム分担です。何故なら攻撃範囲が被ると怖いからです。
戦場全体(超広範囲)に無差別爆破をかけます。
これには『業火、ショック、隙』のBSがついているようです。
当たり所が悪すぎるとこれに加えて『麻痺、呪い、ノックB』もつきますが、そうなる機会は少ないでしょう。
ちはみに卵型爆弾は空中で射撃することで爆破することが可能です。かなり命中しづらいですし、かなりの威力で当てないと破裂してくれません。その辺は注意しましょう。
ほぼ全身が無敵状態になっており、攻撃は殆ど通用しません。BS無効の属性もついているため、通常手段ではろくすっぽダメージは与えられないでしょう。
弱点はオープニングに述べた通りに甲羅の頂上。
かなり丸みを帯びていますし、若干周囲の甲羅に囲まれている感じになっているので直接昇ってそばまで寄るしかありませんし、飛行ペナルティのかかる高さなので飛んでいくのもかなりキツいです。(当たり放題焼かれ放題です)
皆さんの連携プレイでこの巨獣を撃破しましょう!
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
インヤンマスター
四条・理央(BNE000319)
ソードミラージュ
須賀 義衛郎(BNE000465)
覇界闘士
浅倉 貴志(BNE002656)
クリミナルスタア
イスタルテ・セイジ(BNE002937)
クリミナルスタア
ベルバネッサ・メルフィアーテ(BNE003324)
ナイトクリーク
紅・闇月(BNE003546)
インヤンマスター
土御門 佐助(BNE003732)
レイザータクト
ユイト・ウィン・オルランド(BNE003784)
レイザータクト
葉月・綾乃(BNE003850)
   

●ダイナマイトタートル撃滅作戦
 ラ・ル・カーナの空は高い。
 『のんびりや』イスタルテ・セイジ(BNE002937)はなんとなく、そんなことを想った。
 今から巨獣と激戦を繰り広げると言う時でもそうやって空を見ているのがイスタルテという人間である。いつでもどこか遠くを見ているとも言う。
「全長が7mって、飛行ペナついちゃいますよう。やーん……」
 それでも戦いのこと自体はしっかり考えているようで、ぼうっとこれからの事を呟いた。
「それにしても、異世界には変わった生き物がいるもんだ。当然と言えば当然なんだが……実際に遭遇すると感慨深いもんだな」
 『闘争アップリカート』須賀 義衛郎(BNE000465)が両腰に納めた刀の柄頭をぽんぽんと叩きながら呟く。
「普通に撃って落とせばいいだけの敵じゃあないからな。まあ、厄介だ……」
 『銀の銃弾』ベルバネッサ・メルフィアーテ(BNE003324)が軽く銃の点検をしながらぼやいた。
 彼らは今、ラルカーナのどこかにある、ダイナマイトタートル迎撃ポイントに立っている。
 葉月・綾乃(BNE003850)が双眼鏡越しに『もうすぐ来ますねえ』と呟いた。
 かなりの望遠が効いているが、姿ははっきりと分かる。
 見た目はゾウガメに近いが、ハザードランプのようなものが頂上についていた。流石にまだ卵形の爆弾を放り出しては居なかったが、我々が近づけばすぐにでも無差別な爆撃を仕掛けてくるだろう。
「本当は取材して記事のネタにでもしたいんですが……流石にそうはね」
「『異世界の地で巨大爆弾カメを発見!』か……絶対誰も信じないな」
「ですよねえ。仮に信じちゃったら叱られるどころじゃ済まないですし」
 そうこうしていると、『フェイトストラーダ』ユイト・ウィン・オルランド(BNE003784)が車椅子を押してやって来た。
 古風な木製の車椅子に、『そまるゆびさき』土御門 佐助(BNE003732)はおっとりと座っている。
「うっわ、怪獣映画みたいな……飛ばないだけまだマシだな。怖いんだぜ、クルクル回って火ぃ噴いてさ」
「そう言う巨獣がいてもおかしくないのがここ、なんだろうね」
 佐助は椅子の肘掛を掴むと、少し億劫そうに立ち上がった。
 ぎしぎしと音がするかのようにぎこちなく屈伸運動をする。
「亀昇りなんて、流石にしたことはないねえ。あまり興味が無かった所だけど、面白いね、摩訶不思議で」
「……大丈夫か」
「平気だよ。普通の足より頑丈なくらいだ。でも、私が先にねを上げたら、笑っておくれ」
「あいよ、じゃあそっちは任せるぜ佐助殿。ニンジャ見れないのが残念だけどな」
 意外といないもんなんだよなあと頭をかくユイト。
 その横顔を見て、佐助は瞑目した。

 ダイナマイトタートルとの交戦距離まであとわずかと言う所で、浅倉 貴志(BNE002656)は用意していたロープや楔をバックパックから取り出した。
「ダイナマイトタートル。恐らく甲羅は相当固いでしょう。柔らかい頭や手足を格納し、爆弾をまき散らして外敵を撃退する巨獣。弱点がなければ相当キツい作戦になりますが……まあ、今回は頂点まで登り切ればあとは何とかなるのが救いですね」
「本当。まるで生体戦車だもんね」
 四条・理央(BNE000319)はやや湾曲の効いた盾を軽く振り、作戦のイメージトレーニングをしていた。
「まずは三班に分かれて個別に対応。甲羅にくさびを打てるだけ打って足場にして、頂上まで登って行くんだったよね。幸い回復役には困らないから、今回は地道にやっても大丈夫」
「メンバーに恵まれたな」
 薄いバインダーファイルを閉じる『夜彷徨う百物語。』紅・闇月(BNE003546)。
「私達が近づいた時点で無差別爆撃が始まる筈だ。力量的に見て、多くのメンバーは避けるのは難しいだろうから……」
「『どれだけ倒れないか』が勝負ってわけだね」
「そう言うことだ」
 最低限の声量で言うと、闇月は眼鏡のブリッジを中指で押した。
 ダイナマイトタートルが交戦距離にさしかかる。
「さ、始めよう」

●地獄のタートルクライミング
 当初、それが鳴き声であるとは思わなかった。
 地響きに似た重低音が鳴り響き、甲羅頂上の水晶が赤く点滅する。
 直後、甲羅にアトランダムに設置されたであろう弁が観音開きになり、卵型の物体をばらまき始める。
 殆どが地面に到達した時点で爆発するが。空中で破裂するものも僅かにあり、接近するだけでも相当の苦労がうかがい知れる。
 理央は前後左右で立て続けに鳴る爆発音に耳を塞ぎつつ、走りながら翼の加護を展開した。
「一気に飛びつくよ、いい!?」
 地面を蹴り、低空飛行を開始する理央。
 盾を、雨をしのぐように頭上へ掲げて構える。
「いつでも?」
 同じく浮遊しながら刀を抜く義衛郎。些細な話だが、『二刀流なら両腰に刺すんでしょ』という発想で鞘をベルトに括り付けているので、抜く動作がかなり力任せだった。浮遊直後にふらふらするが、なんとか態勢を整える。
「お、それ知ってるぜ。『どこでも』からの『ロックンロール!』だったよな!」
「先に言うフツー!?」
 けらけら笑いながら天に向かってライフルを空撃ちするユイト。
 三人は爆撃で滅茶苦茶になった大地をぐねぐねと飛行。幾度か爆風にさらされながらもなんとか目標の甲羅にとりついた。
「楔っ!」
「おっけーここに……ってうお固! 入れこの、このっ!」
 ライフルのストックで楔を叩きまくって甲羅に突っ込むユイト。だが、これをずっと続けていたら頂上に着くのに日が暮れるような気がした。
「あれ、もしかして僕ら、気合で登った方が楽?」
 などと呟きながら顔を上げると、理央と義衛郎が全速力で甲羅を駆けのぼっていた。
「あっ、ずるい! 置いてくなよ!」
 片手をつきながら、そして光の翼をばたつかせながら慌てて駆けのぼるユイト。
「おお、意外と気合で行けるぞ! 凄いなリベリスタって!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ……っと!」
 眼前に卵爆弾が降ってきて、理央は慌てて盾を翳した。角度が微調整され、直撃を避けて跳ねるように固定される。爆風で腕が吹き飛ぶかと思ったが、何とかこらえた。
 意識してのことかは定かでないが、理央の武装は琉球古武術にあるティンペーのそれに近い。受け流して突いてである。
 一足遅れていたユイトも追いついて来て、三人は一塊になって頂上まで登り切る。
 水晶のそばにとりつけば攻撃が無いかと思っていたが、その辺は意外と対策済みな巨獣であったらしく水晶もろとも爆撃してきた。自分の爆弾では自分は傷つかない構造であるらしい。そんなの狡い、と思わないでもない。
「でもここまで来ればこっちのもんだ。斬って斬って斬りまくる!」
 刀を大雑把に振り上げ、ドラムロールよろしく水晶に叩きつけまくる義衛郎。刀を使う人が見たら悲鳴を上げる光景だが、神秘武器というのは器用なものである。大雑把に使っても折れない錆びない曲がらない。
 だがしかし。
「くぅあーっ、固すぎて斬ってるこっちの手が痛いぞおい!」
「我慢してね、回復はしてあげるから」
「手のしびれも治るのか?」
「それは無理だけど」
「やっぱりなあ!」
 そう言っている間にも、周辺から雨あられのように卵爆弾が降ってくる。
 理央はここぞとばかりに天使の歌を連発。回復弾幕をはりまくり、それをユイトがディフェンサードクリトン底上げすると言った構図である。体力的にはかなりギリギリな彼等だったが、おかげでそれほど大きな被害も無く済んでいる。
 勝負どころは、火力的にちょっと不安な彼らがエネルギー切れまでに水晶を破壊しきれるかどうかだ。
「どうせ避けも隠れもしないんだ。撃ち放題ぶち込ませてもらうぜ!」
 ガン、と銃口を叩きつけるユイト。
 そして――。

 時を若干遡る。
 イスタルテを中心に、ベルバネッサと佐助たちのチームが爆撃に揺れる大地を駆け抜けていた。
 『駆け抜ける』と言っても、佐助は翼の加護を貰って蝶のようにひらひらと飛んでいたのだが。
「発射口の位置がばらばらだから気を付けてね。あまり近づかないように……それと、踏まないようにね」
「やーん、絶対難しいですよう」
「それ以前に、あの爆弾に当たったらヤバそうだな」
 銃をいつでも抜けるようにホルスターに差し込み、ベルバネッサは目を細めた。
 シミュレート。
 気配を消して近くまで接近する意味について。
 巨獣は無差別に爆撃する習性があるとはいえ、少なくとも狙いくらいは付けている筈なので、多少は被害が抑えられる筈だ。あくまで『筈』だが。
「登っちゃえばこっちのもんだからな」
 頼みの綱はやはりイスタルテの回復である。
 ベルバネッサも佐助も、いざ爆弾が降ってきたら避けきる自信は無い。そうなった時に回復してもらえるイスタルテが落ちてしまえば積んだも同然。色々と諦めてダッシュで逃げたい。
 ……のだが。
 イスタルテを横目で見る。
「やーん! やぁーん!」
 手足をひっこめ、空中で右へ左へふわんふわんしながら爆風から逃げているイスタルテ。
 若干不安だった。
「大丈夫、だよな」
 そうしている間に佐助が守護結界を展開。
「さ、とりつくよ。足元に気を付けて」
「アンタもな」
 まずは低い所にとりついて楔を叩き込む。
 律儀にハンマーと命綱をつけてロッククライミングしていては叩き落として下さいと言っているようなものなので、強引に武器や足でがしがしと楔を突っ込んで行くことになる。
 亀の甲羅も思ったほど傾斜がキツくなかったので、ある程度登ってしまえば楔をそのまま足場として使えるようになるだろう。
「ま、それまではガチでロッククライミングになるな。いや、タートルクライミングってか!?」
 銃底で楔を叩き込み、ぶらさがるようにしがみ付くベルバネッサ。
 一方で佐助は、器用に和鋏を甲羅の溝に食い込ませ、空いた手でがしがしと楔を打ち込んで行く。
「……器用だな」
「そうかい? 座ってばかりだと手持無沙汰が多くて、手先ばかり上手くなってしまうよ」
 そう言いながらも、まるで手だけで歩いているかのような器用さでぐいぐいと甲羅をよじ登って行く佐助。
 ちらりと反対側を見ると。
「やーん! 爆風で飛んじゃいますよぅー!」
 イスタルテが髪を抑えようか楔を握ろうかそれとも武器を掴んでいようか迷って結局爆風にばたばたはためくという妙な状態に陥っていた。
「こっちは不器用なんだな」
「そんなことないです!」
 えいっえいっと声をかけながら楔を打って進むイスタルテ。
 ベルバネッサは短く息を吐いてから、マイペースに甲羅をよじ登った。
 そうやって地道に登り続けていくと、やがて頂上に辿りつく。
 こちらもイスタルテの回復と佐助の守護結界があったので、致命的なダメージを受けずに登り切ることができていた。
 待ってましたとばかりに銃を抜くベルバネッサ。
「さあ、始めようじゃないか!」
 水晶に銃を思い切り突きつけると、撃てる限りの弾を全部叩き込んでやった。
 上からくる爆撃はイスタルテ任せである。
 彼女もやーんやーんと言いながらもなんとか回復弾幕を張ってくれていた。
 そんな中で、佐助が鴉の護符を懐から抜く。
「攻撃がこれしかないとか、我ながら呆れてしまうよ」
 苦笑しつつ、護符を発動。鴉の式符を水晶へ立て続けに飛ばし始めた。

 がすん、という音と共に甲羅に楔が撃ちこまれた。
 貴志はそこを足場に、軽く膝を曲げる。
 丁度卵爆弾が頭上から降って来たが、それを避けるように一直線に駆け上がった。
 その左右を、闇月と綾乃がジグザグな軌道を描いて駆け上って行く。
 たびたび楔を打ち込みはしたが、殆どは驚異的なバランス感覚で甲羅の淵に足をかけ、まるで平坦な道と同じようにひょいひょいと登って行くのだった。
「できるだけ避けるように頑張って下さいね、あたしの場合、あんまり積極的に回復できないんで」
「技量の限界では仕方あるまい。私達にできることをやるまでだ」
 そう言いながらも、闇月はまるで道筋が見えているかのように甲羅の上を駆けのぼって行く。
 彼等のスムーズな動きに、貴志は内心で口笛を吹いた。
「回復のことは気にしないで下さい。僕や闇月さんなら、微量ながら自力で回復できますし」
 飛んできた爆弾を流れる動きでかわし、慎重に次の楔を撃ちこむ貴志。
 同じく飛来した爆弾を気糸で絡め取った闇月が、胡乱な目で彼を見た。
 空中で破裂した爆風で短い髪がゆれる。
「吸血……できるのか?」
「当たればできるでしょう」
「そんなメタフィクションな話が……」
 乱れた髪を片手で直しつつ、頭の中で少しだけ考えてみる闇月。
 咬みつく動作をした次点で血というよりエネルギーを吸収しているので……まあ。
「できないことも、ないか」
 どこか納得できないものを感じつつ、闇月たちは甲羅の斜面を駆けのぼる。
 ……一方。
「うーん、どう考えても記者としてメリットないんですけどねえ今回……」
 綾乃は首を傾げながら天使の息を発動した。
 避ける手段のようなものはロクに用意していないので、さっきからモロに爆撃をくらいまくっているのだが、その度に自力で回復すると言う必死な抵抗を続けていた。
「私もアークのリベリスタらしくなってきたんでしょうかね。あ、でも写真くらいは撮っておいた方が?」
 やっていることは必至なのにはた目には余裕そう、というのが綾乃の美点のひとつである。
 綾乃は切れたディフェンサードクリトンとオフェンサードクリトンをかけ直し、再び頂上を目指して前進。
「亀は万年っていいますけど、こんなのとっとと死んじゃってほしいものですねえ!」
「いや、全くです」
「寿命で死んでくれれば楽なんだがな……」
 だん、と地を踏みしめるように頂上へ到達。
 絶対に振り落とされまいと打ち付けた楔にロープを固定しつつ、三人は水晶へと向かい合った。
「さて、まずは回復を」
 そして迷わずかじりつく貴志。
「…………」
「…………」
 想像できるだろうか?
 ストイックな二十三歳の青年が巨大な水晶玉にかじりつく様が。
「……普通に効きますね」
「……そうだろう、な」
 闇月は若干の抵抗を感じつつも、かぷりと水晶にかじりつく。
 これも想像できるだろうか。
 クレバーで怜悧そうな二十歳男性が水晶玉にかじりつく様である。
 綾乃はチェイスカッターを水晶に叩きつけながら、『この二人を撮影したら怒られるだろうか』と悶々とした気持ちを燻らせていたりした。
 暫く水晶をかじっていた二人は、口元を拭いながら(別に何もついていないが何となく習慣で拭った)顔を上げ、そして無言で武器を突きつけた。
「さて、終わりにしましょうか」
「迷惑で、厄介な奴だったな」
 土砕掌とライアークラウンが目一杯に叩き込まれる。
 そして水晶は……。

 水晶が砕かれ、三体のダイナマイトタートルが沈黙したのは大体同じくらいのタイミングだった。
 ずずんという地響きと共に、巨大な甲羅が移動を停止。
 しっかりと閉じられた手足の蓋が開き、内側からどろんとした血のようなものがあふれ出た。
 リベリスタ達はそれそれ甲羅の上で手を振り合い、無事を確認し合う。
 特に大怪我をした仲間はいないようだ。
 それを知ると、彼らは意気揚々と帰路についたのだった。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした。
まさかロッククライミングを始めるとは思いませんでしたが、それはそれで、ちょっとスリリングでいいですね。
素早く飛んだり駆けたりする相手にはきっと通用しませんので、その時は気を付けて下さいね。