●バッカルコォォォォォン! とあるスーパーの駐車場に、変なUFO的物体が着陸した。 UFOは跡形も無くしゅいんと消え、そこに現れたのは複数のクリオネであった。 いや、クリオネというか……クリオネ星人であった。 みんな知ってるクリオネ的あのフォルムから脛毛の濃い脚を生やした生き物である。 別名を付けるならそう……クリオネマッスル! 「バッカル!!」 「バッカルコーン!」 「バッカ、バッカル!」 「カルコオオオンゥ!?」 何やら会話をしているらしいクリオネ星人たち。 何だこれ何かのイベントかと思って人が集まってくる。 そんなオッサン達にガン付けるクリオネ星人。(目ないけど) すると……。 「おいお前、ここでイベントをやっていいなんて許可は出してないぞ! いますぐそのキグルミを脱ぎなさい! そして汗ばんだ肌を晒しなさい!」 オッサンがハアハア言いながら掴みかかっていく。 それがいけなかった。 クリオネ星人は頭部をくばぁっと展開すると独特の触手『ばっかるこーん』を伸ばし、オッサンを掴むと思い切り地面に投げ落としてしまった。 クリオネマーシャルアーツである!(できるだけ格好いい声で想像して下さい) チーンと鐘の音が聞こえてきそうなくらいぽっくり逝っちゃったオッサンを見て、場の皆さまは騒然となる。 「バッカルバッカル、カルカルコーン!」 「カルコオオオン!?」 「バァァァカル!」 顔を見合わせるクリオネ星人たち。 もうこれはやるしかないみたいな気持ちになったらしく、彼らは戦闘態勢に突入。 頭袋から剣とか槍とか取り出すと、各々人間に向けて飛び掛ったのだった。 ●バッカル語は上位世界クリオネ星のバッカル王国で使われている言語です 「ばぁぁぁぁぁっかるこーん!」 両手を頭上でわさわさ揺らしながら叫ぶアイワ・ナビ子(nBNE000228)。 どうやら別チャンネルからアザーバイド『クリオネ星人』が流れ込んでしまったらしい。 「ばっかる、ばーっかるかる?」 しかも出現した先がどっかのスーパーの駐車場だったらしくさあ大変。 周辺の人達とトラブルになってしっちゃかめっちゃかになっているそうなのだ。 「かるこぉん? ん、かるこんかるこん」 今すぐ現地に飛んでクリオネ星人と戦って欲しい。 これ以上の被害が、出てしまう前に! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年07月07日(土)22:39 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●クリオネ星人は屈強でホルモン豊かな脚で機敏に反復横跳びをするアザーバイドだぞ! 「アラストール・ロード・ナイトオブライエンが告ぐ!」 ざばざばと外套をなびかせて、『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)はワンボックスカーの上に立っていた。 近所の皆さんがお子様からお年寄りまでわいわいと集まり、パートのおばちゃんや頭部の禿げ上がりが心配な店長まで様子を見に来る始末。 そんな中で、アラストールはすっと胸を張って見せる。 「きわめて特殊な方向の、非常に危険な変態が現れました。一般の方々は速やかに避難されたし!」 「変態?」 「変態が出たってよ」 「あのクリオネ的な何かじゃないか」 「最近の若いのは……」 「美少年がいうなら間違いないんじゃないの?」 「まあ美少年が言うなら」 「ショタッ、ショタァ! ハァハァ、ハァハァ!」 「おい誰かこの女を連れて行け!」 「一般の方ってどういう意味だろう」 「きっとあの人ら変態の専門家なんだよ多分」 「あー、分かる気がする」 出来れば聞きたくない話し声を、やや大きめのトーンで話しながら駐車場を出ていく一般の方々。 クリオネ星人たちはそれを何故かぼーっと見送っていた。 まあ出ていくなら止めませんけど、みたいな適当さがうかがえる。 気の強い婦女子の方々や耳の遠いお年寄りの方々がでけぇクリオネじゃけんのうとか言いながら近寄って行こうとしたが、それは『糾える縄』禍原 福松(BNE003517)の素早いスライドインで防いだ。 「ここはオレ達に任せろ。特に、クリオネに天使の幻想を抱いている奴はこれ以上ここに居たらヤバい!」 「え、別にばっかるこーんのことくらい知ってるし」 「そう言う次元の問題じゃねんだよ!」 等と言っている間に、福松の背後へクリオネ星人がスライドイン。 「バァーッカル!」 などと言いながら触手を展開。福松を掴み上げて頭上でくるくると振り回し始めた。 「早く行けー! どうなっても知らんぞー!」 「…………」 これ以上はこの人らに任せた方がいいのかなあみたいな気持ちで、一般の皆さんはぞろぞろと退避していった。 そうやってはけた人ごみの向こうで、アーベル・B・クラッセン(BNE003878)が他人事みたいな顔で突っ立っていた。 「うわあ、噂には聞いてたけど実際に見ると圧巻だね」 「でしょう。助けてあげてもいいんですよ?」 車からおそるおそる降りてきたアラストールが剣を片手に臨戦態勢。 アーベルはとりあえず銃火器温めつつ、ゆーっくりと後じさりした。 「いやあ、こういうのは遠くから眺める方が楽しいじゃない?」 「楽しいかどうかの問題じゃあ……」 「そうですよぅ、もっと近くで見ないともったいないですぅ~」 巨大クリオネぇーぃひゅーぅみたいなことを言いながら、『純情可憐フルメタルエンジェル』鋼・輪(BNE003899)が諸手を上げてクリオネ星人へと突っ走って行く。 「クリオネが出すバッカルコーンは一見の価値があるのです、うへへぇ。すごいすごーい、スネ毛は別としてぇ」 頭上でいつもより多めに回される福松と、その周りをマイムマイムみたいに回る輪という、非常にどうしょもない光景。 それを眺めつつ、『第27話:サボってました』宮部・香夏子(BNE003035)はばりっとお菓子の袋を開けた。 「ばっかるこーんってアレのことだったんですか。対抗しようと思ってコーン繋がりのお菓子用意してきたんですけどねえ」 「お菓子って……」 「とりあえず冷蔵庫にあったキャラメルコーンとトンガリコーン」 「用意っていうか有り合わせじゃない、それ?」 『なのなのお嬢様なの』ルーメリア・ブラン・リュミエール(BNE001611)が反応に困りつつ手をふわふわと上げた。 そこにそっと赤い袋を持たせる香夏子。 「ルメ子さんには……キャラメルコーン。ほら、名前似てますし?」 「全然似てないよ」 「キャラメリア・ブラン・リュミコーン」 「意外といそうな名前に書き換えるのはやめて!」 ぐいっと袋を香夏子に押し返し、ルメ子さんはクリオネ星人へと向き直った。 「えーっと、コホン」 タワー・オブ・バベル起動。 ピンときてない人の為に説明するが、使えばアザーバイド語すら通じるようになると言うスーパーグローバルスキルである。 そう、かのバッカル語であってもだ! 「ば、ばっかる、ばっかるこーん!(意味:ここに来た目的は何? 穏便に帰って欲しいの、なるべくなら!)」 「……ばっかるかる。ばっかーるこーぉん!?(意味:バッカルがカルカルしている。カルコーンならクリクリであろうコーン?)」 「えっ、今何て言ったの!?」 「バッカルコォォォォン!!(意味:貴様カルカルをクリクリしないと申すか、バッカ・クリオネェ!)」 「お、おかしい……言葉は通じてる筈なのに会話が通じてない!? とういうことなの? ええとばっかるぅ……」 とその時、クリオネ星人の頭がくぱぁって開いた。 六本の触手がうにょりゃーっと飛び出してくる。 顔を青くしてドン引きするルーメリア。 「ヒィ!? ち、ちが、ルメがテレビで見たのと違う……」 「ルメ子さん危ないッス!」 しゅばーっと横からスライディングしながら割り込んでくる『レッツゴー!インヤンマスター』九曜 計都(BNE003026)。 「るめっち、確かに言葉は通じてるけど文化形態が違うんスよ。こう……腕を掲げてうねうねっと」 「えっ、腕っ?」 頭上で掲げた腕をうにょんうにょんとうねらせる計都。 「違う、もっと情熱的に!」 「こ、こうかな!?」 はげしくうねらせながらクリオネ星人に向ける二人。 「よし、そこでこう言うんス! 『バッカルコォォォォンナ!』」 「バッカルコォォォォンナ!(意味:おいテメェどこにバッカルつけてんだコラァ死ぬかコラァ甘露煮にすんぞコラァ)」 「バッカルイコオオオオオオオオン!(意味:上等だコラカスピ海を赤く染めて楊ぞコラァ!)」 「ヒィッ! 異常に怒らせてる!?」 ……などと、そろそろ戦闘の火ぶたが切って落とされようって時に。 「あの健気で美しかったクリオネがあんな姿に……クリオネ星人、許せねぇ!」 『SHOGO』靖邦・Z・翔護(BNE003820)が胸の前で腕を交差させつつ悲しみにむせび泣いた。 一通りリアクションしてから背後に立ってるおばあちゃんに向き直り、綺麗な封筒を差し出す。 「あ、おばあちゃんこれ貰ったらすぐ帰ってね。全国のコンビニエンスストアで使える例のアレだから」 「あー……はいはい、投票は」 「投票はいいから。出ないから」 気づけばおばあちゃんの後ろにちょっとだけ長めの列が出来ている。SHOGOは登山家の目をして、懐からびらっと封筒の束を取り出した。 「はいおじいちゃんこれね、よろしくね」 「はぁ……サイン……」 「するから。裏にするからね」 「テレビで見てますぅ」 「出てないからね」 「あのぉ……うぃっしゅ……」 「それ違う人ね」 「げっつ……」 「もっと違う人ね」 「うちの野菜……」 「ありがとうね」 等と言いながら、SHOGOは全ての封筒を配り終え、おばあちゃん達に『じゃあねー、長生きしてねー』と手を振ってお別れした。 まだ皆は気づいていないだろうか? そう、これこそがSHOGO必殺奥義が一つ『SHOUHINKEN』。 彼のマネーを大量に消費することで時として人間関係を円滑にするという世間の荒波が生んだ技である。 「…………」 財布を開くSHOGO。 「おのれクリオネ星人、本日二度目の許せねぇ! マイキャッシュからのパニッシュ!」 SHOGOは滂沱の泪を流しつつ、本日の戦闘パートに入って行ったのだった。 ●何度も言うがウーパーが丼モノになった歴史がある以上クリオネが丼モノになる日もそう遠くない筈だ。 「ばっかるこーん……色々ありえない、ありえないが、そうでもないのが上位世界。おそるべし上位世界!」 などと言いながらアラストールがクリオネ星人に突撃。 クリオネ星人はバッカルコーンと共に半透明な剣を取り出すと、アラストールの剣を受け止めた。 パワー、スピード、そしてセンス。おそらくアラストールと互角とみて間違いないだろう。悲しいことに。 「くぅぅぅぅっ、この見た目で実際に強いと言うのが納得いかない! 謝るまでどつき回してやりたい!」 「ま、強いと言ってもばらつきはあるんだろ? どこまでできるのか、試させてもらおうかな」 両手でがっしりと銃火器を握りしめ、アーベルは右から左へ薙ぎ払うように弾幕を張った。それも足元を重点的に狙ってである。 「さ、踊れっ!」 「バァァッカル!」 両足を凄まじい速度で動かし、高速反復横跳びを始めるクリオネ星人。その間にもアラストールとの打ち合いをやめないというハイスペックぶりであった。 中にはぺちぺち脛や小指にあたって悶絶しているクリオネ星人も居たが、大体似たようなもんである。 「今だ! それは男のスネ毛メンズSHOGO! 痛みも無くその日の内にパニッシュ!」 「ごめんお前が今何をしようとしてるのか、セリフから全く分からない!」 言われつつ、SHOGOはクリオネ星人の足元にハニーコムガトリングや1$シュートを連射。 しかしそれは高速反復横跳びでことごとく避けられていた。ムカつくことこの上ない。 その間にもクリオネ星人は頭上から取り出した宇宙人銃みたいなものを撃って来た。サッと首を傾けるSHOGO。 「フッ、当たらないぜ」 額に吸盤式の矢をくっつけて言うSHOGO。 「おいそれ当たってる。クリティカル気味に当たってるぞ」 「本当だ! いだだだっ、意外と地味にいだだだだっ、吸われてる感覚がっ、あだだだだだだっ!」 ごろごろ転がりながら額の矢を抜こうとするSHOGO。 彼を放って置いて、福松は銃の撃鉄を親指で押した。 「こっちも、以前のオレとは違うぜ。今度もかわせると思うなよ!」 「バァァァカアル!」 反復横跳びの速度が急激に上がる。 福松は黙って足元に五連射。 ぴたり、とクリオネ星人は動きを止めた。 触手を左右にチチチッと振って『甘いぜ坊主』みたいに首を振る。 脛には五か所ほど穴が開いていた。 「バッカル?」 「バッカアアアアアアアアアルッ!」 脛を抑えて転げまわるクリオネ星人。 福松はフッと銃口の煙を吹いた。 「だから言ったろう。違うと」 ンなことやってるその脇で。 「バッカァァァァル! カルコオオオオオンンァ!」 「バッカル? バッカルカル!」 「カルコオオオオオン!」 計都とクリオネ星人が喧々諤々の口論をし合っていた。その間も両手を頭上に掲げて体全体をぐねぐね情熱的に揺らすのは忘れない。 何を言っているのかは分からないだろうが、何か因縁つけるようなことを言ってるということだけは分かって頂きたい。 「うわー、うねうねうぞうぞしてるぅー! 素敵っ! ぬるぬるー、やーん!」 輪が、まるで他人事かのように周囲をぐるぐる回りながらクリオネ星人を撫でたりつついたりしていた。 眼中に入ってないのか悪い気してないのか分からんが、クリオネ星人は輪にはリアクションをとらない。 「ねえルメ子さん」 「え、何?」 それまでトンガリコーンを指にはめてどこまで重ねられるかに挑戦していた香夏子が、ルーメリアの袖をくいっと引っ張った。 「あのクリオネ何て言ってるんです」 「えーと……」 香夏子の指を見つめるルメ子。 既にトンガリ十五段くらい完成してぐらんぐらんだった。 「この星のカレー食い尽くすって言ってる。あとインド潰してやるぜって」 「マ、マジですか!?」 がしゃーんととんがりタワーが崩れ落ち、地面に散乱する(後でスタッフが美味しくいただきました)。 「あと二段熟カレーってただ分離しただけの固形物でしょって言ってる」 「グリコのことかああああああバッカァァァァァル!!」 しゅおんしゅおんと言いながら髪を逆立てる香夏子。 全身のエネルギーが迸り、クリオネ星人たちを一斉に薙ぎ倒した。 あ、こいつ意外とチョロいなってルメ子は思った。 ●クリオネは貝の仲間ということになっているが、食感はホタルイカとかといっしょの筈なので甘露煮をお勧めしたい。 一方その頃アラストールは。 「意外とやる……でも、ここまでです!」 剣をずばっと振り込み、クリオネ星人の腹(?)を切り裂く。 ぷしゅーと空気だか液体だか良く分からんものが吹き出し、クリオネ星人がぐねっと苦しみにもがいた。 「バ、バッカル……」 「あなたも……ナビ子嬢とだったら会話が成立したのかもしれませんね」 通じないのを良い事に『こいつブラックサンダー食べたいて言ってるんで買って来てください』とか言いそうだが、そこは突っ込まないで置いた。 「さあ、トドメを」 「任せろ!」 ざざっと福松とSHOGO(額負傷)が身構えた。 苦し紛れに触手を展開し、喰らい付こうとするクリオネ星人。 福松は怯まず相手の口内に拳を突っ込む。 「そう来ると思ったぜ。そして、殴られるとは思わなかったろう!」 「バッカル!?」 びくんと触手をまっすぐ伸ばすクリオネ星人。 「行くぜSHOGO。キャッシュからの――」 「パニッシュ!」 クリオネ星人を内と外からダブルの効き目で銃撃。 たまらずクリオネ星人は破裂し、なんだか半透明の抜け殻みたいな物体に成り下がった。 フッと笑うSHOGO。 懐の中には、カラの財布が寂しく揺れた。 「こんなこと……こんなことしたくなかっモグホア!!」 叫び終わる前に背後に回りこんだ別のクリオネ星人に抱え上げられる。 そして頭から食われた。 「しょ、SHOGOぉー! 良いヤツだったのに……無茶、しやがって……」 「まだ死んでませんから、よく見て下さい触手と一緒に足が動いてますよほら!」 「カレーのかたきー!」 すると、ミサイルみたいな速度で香夏子が飛来。 強烈なドロップキックを(内部のSHOGOごと)ぶちかました。 めぎょんって何かが折れる音がした。 「大丈夫ですよ、皆は……特にルメ子さん(回復ソース)は香夏子が護りますから!」 「香夏子ちゃん香夏子ちゃん、本音漏れてる!」 「それはいいんだけどぉ、あの人放って置いてイイの?」 吐きだされてべちゃあってなったSHOGOを指差す輪。 ルーメリアが忘れてたとばかりに回復を始めた。なんか手遅れっぽかったけど頑張った。 輪は地面に残ったクリオネ星人の残骸をうにょうにょこねくり回して遊んでいる。 「あ、そうだ輪ちゃん。やりながらで良いんだけど」 「んー、なにー?」 「こいつら地球上の虫を全滅させるって言ってた」 「……えっ」 「あとスカシカシパンを全部干物にして食うって」 「そ、そんなの許せないのー!」 きしゃーと言いながら刃物を振り上げる輪。手近なクリオネ星人に襲い掛かり、それまでのキャラは何だったのかと言うような壮絶で血みどろな激闘を繰り広げ、ついにはクリオネ星人をハチの巣にしてぶち殺した。あまりに壮絶だったので残虐シーンの描写は省略する。 「ハァ、ハァ……む、蟲さんのためなら容赦しないんだからぁ」 「……輪、意外と恐ろしい子」 などと。 最初はそれなりにいたクリオネ星人も、気づけば最後の一匹。 『(バッカル語で)ゴルァわれぇよっぽろウーパーちゃんの次を狙いたいようじゃのう! ほうれポン酢じゃあ! ふはははは見ろぉ、流氷のエンジェルが魚介類になった瞬間をナァ!』 相手の触手に掴みかかり、頭と思しき丸い部分をぐわしゃあっと食いちぎる計都。 ずるずると吸い込み、もしゃもしゃと咀嚼。 そしてごっくんと飲込んだ。 もう、擬音語を散りばめてマイルドにしないと凄惨すぎてちゃんとお見せできないシーンである。 計都は身悶えるクリオネ星人をぱっくんして吸い上げ最後にごっくんするのを何回か繰り返した後、げしっと足蹴にして触手を食いちぎった。 「(バッカル語で)どうだい捕食する立場から捕食される立場になった感想は。なかなかおつな味ダゼェ! ヒャーッハーァ!」 「ひゃっはー!」 まだちょっと動いてる触手を掲げて高笑いする計都と輪。そして香夏子。 アーベルは、それこそ他人事みたいにちょっと離れた所でぼーっとクリオネたちの末路を眺めていた。 「そういえば、クリオネって貝類だったから、天ぷらとかすまし汁とか刺身にして食べたりもするんだよね。ここまで大きいのを食べるのはどうかなあって思ったけど、人が食べてるのを見るのは……やぶさかではないかな」 「そういうお前はどこまでも他人事モードだったな……」 SHOGOの遺体(死んでない)をずるずる引っ張ってくる福松。 アーベルは穏やかな笑顔で振り返った。 「だって言うじゃない」 「クリオネは、見てるだけのほうがイイってさ」 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|