●登場シーンでナメた口利いてたら死ぬフラグ 今日も依頼の説明を受けに行こうとあなたがドアを開けると、まず最初に倒れた椅子が目に入った。 続いて床に倒れたアイワ・ナビ子(nBNE000228)の姿。 恐る恐る近づいてみる。 「……!?」 床に広がる赤い水溜り。血など見慣れたと思っていても、この光景に唖然とせずにはいられなかった。 そっとナビ子の首に手を当てる。 「……し、死んでる」 「何だって!?」 どよどよと広がる不安、疑惑、そして恐怖。 ブリーフィングルームはこれまでナビ子しか居なかった。依頼説明までは一人で魔界村全クリするんだと言い張って中から鍵を閉めていた。 なら密室殺人と言うことになる。 ……だが俺たちはリベリスタ。 答えはもう、解っていた。 「犯人は……お前だ!」 「あ、ハイ」 ナビ子はポテチ咥えたまま手を上げた。 ●謎の人物が途中で正体を見せちゃったら死ぬフラグ 「いやーありえない。あのね、最終面一歩手前の所でアリマ地獄になっちゃって、手持ちエクスカリバーだったからもう必死で必死で、ポテチ食べながらだったのもあって喉カラカラだったんですよー。そんでその辺にあるやつ飲んだらね、サドンデスソースだったっていう……ははっ、ウケる!」 床をばしばし叩いて爆笑するナビ子。 そっとスーファミの電源コードを引っこ抜いてやった。 「アーサァァァァァ!」 ナビ子は今度こそ死んだ(残機的な意味で)。 「ほんとマジでありえないですよ。最近のゲームって何回か死んだら救済措置があるじゃないですか。セーブとかして。でもこれセーブナシで最終面まで行かなきゃいけないんですよ。コンテニューできるからまだいいけど、心が折れるっすよマジで。現代の教育に取り入れましょうよ魔界教育とかいって!」 舞台はとある無人島。 いや、無人島と言ってもかつてどっかのお金持ちが所有していたらしく大きな洋館が残っている。 だが無人島。この洋館は既に廃墟に……否、アーティファクトになってしまったのだった。 「しょーがないなー。じゃあゲーム変えてこっちやろう。犯人がヤスのやつ……あ、駄目だ楽しみの全てが今失われたわ」 無人島ヒャッハーと言って乗り込んできた物好きやカップルたちが洋館に入った途端、まるでミステリー小説のように殺人展開が起こり、気づいたころには全滅コース。このままだと中途半端なミステリー事件が起こり続け、犠牲者は増える一方だ。 「じゃあどうしよっかなあ。さんまの名探偵にしようかなあ……どこを調べるカニカニ、とかいって」 そこで出番となるのが我等リベリスタ。 どうやらこのアーティファクト洋館はまだ見たことの無いミステリ展開が洋館内(と周辺)で起きることで満足し、普通の洋館に戻るのだと言う。 リベリスタならたとえ殺されるようなことがあってもフェイト一発で復活できるし、『はい死んだ! 今私死んだよ!』とできるのだ。 この手を使って洋館を騙してしまえばいいのだが……ここで重大な問題が立ちはだかった。 「カセットふーふーしてセットオン……ってあれ!? アダプターどこ!? 私のアダプター隠したの誰!?」 そう。 洋館は、そんじょそこらのミステリ展開など見飽きていたのである。 ●名探偵がいる=誰か死ぬ 「サターンはいいなあ……クソゲー多くて……ふふ、うへへ……」 我々に今求められているもの。 それは『カオス』。 それもとことんぶっ飛んだカオスであり、洋館がどんだけ知識豊富でも『おま……これはねえよ!』と思うような展開をぶちたててやればいいのだ。 「いいなあこのゲーム。犯人側でプレイするとか……あ、でも選択肢一個でも間違えたらこっちが死ぬわコレやばいやばいうわ死んだー!」 さあ、君のカオスを見せる時だ――アークの精鋭リベリスタたちよ! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年06月23日(土)23:22 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●『無謀な洞窟探検者』今尾 依季瑠(BNE002391)は館の入り口にある段差ですっころんで脳震盪を起こして息絶えた。ざんねん、依季瑠のぼうけんはここでおわってしまった! 「……あれ、何故じゃろう。今物凄い速さで死んだ奴が居たような気がするんじゃが……」 虚空を見つめてぼーっと呟く『廃闇の主』災原・悪紋(BNE003481)。 「まあ良い。今の内から死因の練習でもしておくかの」 「キャッシュ!」 その後ろを『SHOGO』靖邦・Z・翔護(BNE003820)が独特のポーズで通り過ぎた。 両手でスリーピースをしながら掌を返し胸の前でクロスするという。 「それウィッシュやないかい!」 「からのパニッげふぉあ!?」 『他力本願』御厨 麻奈(BNE003642)の飛び込みハリセンスマッシュが炸裂。 軽くターンをキメようとしていたSHOGOはもんどりうって倒れた。 広がる血の海。 「はっ、しまったやってもうた!? いや大丈夫や、SHOGOなら大丈夫やってうち信じとる! 最近会ったばかりやけどSHOGO強いってうち信じ取るから!」 「そう!」 「ノドヌールゥゥゥゥゥ!」 SHOGOの両目がくわっと開いた。 背後で悪紋が断末魔の練習を始めていた。 「誰でもフェイトを消費すれば一回はコンテニューできるこの世界。館の秘密を追い求め、カメラ目線するためにやってきた。奴の名はSHOゴヒャア!?」 「さらっと生きとるんやないかい!」 「チッソクン!」 麻奈の打ち下しハリセンスマッシュが炸裂した。 再び広がる血の海。 断末魔のバリエーションを増やす悪紋。 「はっ、今度こそやってもうた!?」 「おっとお嬢ちゃん、あまり死体に触っちゃいけないぜ」 ごそごそと証拠隠滅のために穴を掘り始めた麻奈の肩を、『チープクォート』ジェイド・I・キタムラ(BNE000838)がポンと叩いた。 「あ、あんたは……」 「俺はジェイド・キタムラ。昔は流行らない探偵をしていたが」 「チッソクンッ!」 「何の因果か覚醒しちまって今はアークのリベリスタ。本業だった探偵は」 「サンケツンッ!」 「休業中だ。ところが今回は洋館で殺人事件が起こっていると言うじゃねえか。探偵の血が騒ぐぜ……この事件、絶対に解決して」 「イシキフメインッ!」 「やる。しかしなんだこのメンバーは、女子供だらけで男はチャラいのがひとりだけと」 「やっぱりノドヌゥゥゥゥル!」 「きたもんだ。やはり頼れるのは自分だけってことかっていうかオイお前ちょっと黙ってくれないか!?」 額に血管を浮かべて振り返るジェイド。 下の字幕には『ホモ以外帰ってくれないか!』と出ていた。 そこには、依季瑠の死体に躓いてすっころびオデコを強打したために脳挫傷と見せかけて血が出過ぎてふらふらになって失血死と思いきやいつのまにか心臓発作を起こして死んだ悪紋がいた。 「…………」 「…………」 「話をもどそう」 「戻すんかい!」 麻奈のフルスイングハリセンスマッシュが炸裂した。 広がる血の海。 「はうあ!? みたびやってもうた!?」 「フン……どうやら、この館はマトモな場所じゃなさそうだね」 「館まだ入ってへんけどな」 ハリセンスマッシュをすんでの所で我慢して告げる麻奈。 『黒猫』篠崎 エレン(BNE003269)が不敵に笑いながら髪をかき上げた。 後ろ手『あなたって不思議だのなんだのあなたって幾つなのなんだの』みたいなBGMが流れた。 ナイフを投げつけておいた。 「あ、あんたは……(このセリフ二回目や)」 「私? ただのトレジャーハンターよ。この館に眠る遺産を狙いにね……」 「へえ、この館に眠る……ね。それってどういう?」 「なんでも誰かの黒歴史だっていう話……え?」 エレンははっとして目を見開いた。 肩越しの背後に真っ黒な人影が現れる。 振りかざされるバールのようなもの(正体は凍ったバナナ)。 「せいっ!」 「ノドヌールゥ!」 振り下ろされるバールのようなもの(正体はスーファミのスーパースコープ)。 エレンは聞いたことも無いようなセンスも意味も解らないが斬新かと言われれば不承ながら頷かざるを得ない絶妙な断末魔をあげて倒れた。 「あ、あんたは……(このセリフ三部作・完!)」 「わたしはね、この館に黒歴史を知ってる人がいるって聞いてきた普通の小学生だよ」 『ゲーマー人生』アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)はゆらりとバールのようなもの(正体は洞爺湖の木刀)を構えた。 「誰が知ってるかは分からない……でも誰かは知ってる。それに、ここで誰かに伝わる可能性だってある……」 作画崩壊した顔でバールのようなもの(正体はマスケット銃)を構えるアーリィ。 「人が黒歴史を生むなら、殺すしかないじゃない!」 「あなたも……」 「わたしもぉ!」 そして二人は『ッシャアアアッ!』とか言いながら跳躍した。 ――しばらくお待ちください。 文字数にして35000文字の激戦を繰り広げた後、麻奈はがっくりと倒れ伏した。 「くっ……なんて強さや……」 「アハハ、ねえまだやるの、ねえ今どんな気持ち? ただの小学生に頭踏まれながら見下されるのってどんな気持ち? ねえ、ねえ」 立てた親指を下に向け、アーリィは世にもあくどい笑みを浮かべていた。 周囲を見回すアーリィ。 パニッシュ姿勢で死んだSHOGO。 ドアの前で倒れて『デスノ』と血文字を残した悪紋。 大空に顔が浮かび、『俺はまだ何もやっていない』と供述するジェイド。 その下に浮かぶ『画像も張らずにスレ立てとな?』の字幕。 頭からバナナ生やしたまま倒れたエレン。 そして先刻ついに力尽きた麻奈。 あとさっき段差を下りたショックで死んだ依季瑠。 アーリィはニヒルに笑って目をつぶった。 「わたしの黒歴史は守られた。けど大きすぎる犠牲だったよね。でも安心して。わたしもすぐに逝くから……ね……」 ポケットから何かのスイッチを取り出す。 そこには『自爆スイッチ』と書いてあった。 強く押し込む。 『へー』という間の抜けた音と共に――。 地球に巨大な隕石が落下しドリフの場面転換のBGMと共に地球がどんどん燃え広がりあらゆる都市が崩壊し最終的に地球が滅亡した。 ●という夢を見たんだ。 「はっ……今物凄く壮大でカオスな事件を垣間見たような気がすカレー食べたい」 最後まで自我を保てずに目からハイライトを消す『まだ本気を出す時じゃない』春津見・小梢(BNE000805)。 「カレー、カレー食べたい。カレーおいしいから、カレー。カレー食べたい。(意味:私はこの館に仕えることになったメイドで今は七人のお客様を大広間に集めているのです。あとポニテです。カレー食べたい)」 小梢はゾンビのようにキッチンをうろうろすると、台の上にカレー皿を見つけた。 鼻をくんかくんかする。 「カレー食べたいな(意味:カレーカレーカレーカレーぅぅうううわあぁああああああああん! あぁぁああ、ああ、あっあっー! あぁああああ! カレーカレーカレーぅううぁわぁあああ! ああクンカクンカ、クンカクンカ! スーハースーハー! 良いにおいだなぁくんくんんあぁっ! カレーライスたんのカレースパイスのルーをクンカクンカしたいよ! 間違えた、モフモフしたい! モフモフ、モフモフ、ごはんモフモフ! カリカリモフモフ、きゅんきゅんきゅい! バーモントCMのカレーたんおいしそうだったよう! あぁぁぁあ、あああ、あっあぁあああ! ふぁああああん! 二段ルーがあってよかったねカレーたん! あぁあああおいしいカレーたん、おいしい! あっああああ! ぐあああああああああ! 依頼なんて現実じゃない!! あ……カレーも良く考えたら……カレーたんは現実じゃない? にゃああああああああん! うわああああああ、そんなああああ、いやぁああああああ、はぁあぁあああああん! ジャワぅああああ! この、ちきしょーやめてやる! 現実なんかやめ……て……え!? 見、てる? パッケージのカレーちゃんが私を見てる? 台所にあるのカレーちゃんが私を見てるぞ! 見てるぞ! カレーライスが僕を見てるぞ! ルーのスパイスちゃんが私に話しかけてるぞ! よかった、世の中まだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほおおおおおお! 僕にはカレーたんがいる! やったよハバネロ、ひとりでできるもん! あ、カレーライスちゃあああああん! いやあああああああ! あっあんああっああんLEE様ぁ! コ、コイチィ! 横浜軍艦カレーああああ! 『日本大好き』ぁあああ! ううっううう! 私の想いよカレーへ届け! カレーライスへ届け!)」 小梢はふらふらと皿を手に取るなんとそこにはおいしそうなカレーが盛り付けられているではないか! 小梢は両手をぱちんと合わせていただきますをすると、皿ごとまるっと飲込んだ。 効果音で言うと『ンまぁもをンゴグゥんもっちゅもっちゅ』である。 が、しかし。 「な、なんだ……と……!?」 食べてから気づいた。 「これは……」 なんと。 「食品サンプルだ……った」 手からスプーン(未使用)が転がり落ちる。 そして小梢は心臓発作で死んだのだった。 ●今尾依季瑠は扉に手をかけた。扉には高圧電流が流れていた! 身体を激しい電撃がかけぬける。ざんねん、依季瑠のぼうけんはここでおわってしまった! 「こ、これは……!」 ドアに引っかかって死んでる依季瑠をぽいっと放り捨て、ジェイドはキッチンの中へと踏み込んで行った。 横たわる小梢の死体。 床には『カ』とダイイングメッセージ。 「そうか……俺には分かる。この事件の法則性が!」 カッと顔を上げるジェイド。 下には『この蟲やろう!』というテロップが流れた。 「っておい、さっきから見てれば勝手なテロップ流しやがって。おいお前だよ。そこでキーボード打ってるお前! 画面の前のお前だよそうそう! よくも俺を無理やりカオスな人間に仕立て上げてくれたな! この理不尽さはおかしい。そう思うだろお前も!」 何かに(カメラ目線で)掴みかかるジェイド。 が、焦った顔をして後ずさった。 「え、おいちょっと待て! それは無いだろ、俺はまだ何もしてない……してな……ううっ!」 ジェイドは急に喉を抑えると呻き出した。 どこかの次元で『棚の角に小指をぶつけたのがクリティカルになった上偶然心臓発作おこしてダメージ二千ね』という声が聞こえた気がした。 「ちくしょうメタは……メタは嫌いだァ!」 それが、ジェイドの人生最後のセリフであった。 ●というお話だったとさ 「どうだいオレの必殺SHOGOルガンポールから繰り出される怒涛のカオス展開ストーリーは」 無駄にカメラ目線でいつものポーズをキメるSHOGO。 「じゃ、今度は死因究明のターンだな。いくぜオレのSHOGOルガンポール! はい『ゴ』! ゴ……ゴリラ大回転チョップ!」 と言った途端、後ろの扉がばこーんと開いた。 なんということでしょう。 階段下のデッドスペースが広々とした収納スペースに。 これで死体の隠ぺいに困りません。依頼人もこれには笑顔が隠せません。 しかもこの収納にはこんな仕掛けが。 それは……。 なんと、おばあちゃんの想い出が詰まったゴリラがみっしり。 「ウホ、ウッホウ?」 「ウホウホ」 「ノドヌールゥ!」 「ウホホホッ、ウホッ」 「ウホ?」 「ウッホウッホ!」 「おいちょっと待って匠のそこはかとない腹黒さが垣間見れますね的なこうけヴィッシュ!?」 ゴリラの皆さんからチョップを食らって吹き飛ぶSHOGO。 一連の流れを無言で見つめていたアーリィと麻奈は小さく咳払いした後、それまでしていた元の会話にもどった。 「で、エレンさんがひとりで部屋に戻ったって?」 「あー……なんやったか、『ちょっと部屋に荷物を取りに行ってくるわね、すぐ戻るキャッシュからのパニッシュ!』って」 「それ後半にSHOGOさんのセリフ被ってるよ」 「そうやった。でも……すぐ戻るにしては遅い気がせぇへん?」 「た、確かに……」 顔を見合わせる二人。 同時にガタッと立ち上がると、エレンの部屋へと直行した。 『エレンちゃんのおへや☆』と書かれたドアを叩く。 「エレンさん、いるの!? 返事をして!」 「あかん、これは蹴破るしかない! せーのでいくで!」 「あ、鍵あった」 「せー、のぎゃん!?」 開け放たれたドアをゴロンゴロン転がって行く麻奈。 なんだか途中で板まで打ち付けてあったようだが麻奈のローリング麻奈サンダーで破れた。 が、しかし。 「これは……!」 「はっ……!」 同時に顔を上げるアーリィと麻奈。 そこにはダブルピースしたままベッドに横たわったエレンがいた。 脳天に凍ったバナナとバールが突き刺さっており今でも血がびゅーびゅー吹き出ていた。 あと窓の外に『ノドヌールゥー』と顔に書かれた悪紋がぶら下がっていた。 「なんてこと……なんて悪紋がぶら下がってるの」 「そやな……部屋には何の異常もあらへんが、窓の外の悪紋が気になる」 死に顔ダブルピースで頭をブラッティスプラッシュするエレン。 「部屋には全く変な所はないけど悪紋さんの顔に書かれてる文字は気になるね」 「確かに気になる……けど、そろそろこっち触れた方がええんちゃう?」 ベッドの方へ近づいていく麻奈。 ブラッディスプラッシュエレン。 「あ、サターンあるやん。やろやろ。Dの食卓あったー! やーりぃやったことないんだこれ……あ、あかん、これ二枚目から先ないやん。意味ないやん! 犯人がヤスだって分からんポートピアみたいなもんやん! どういうことやねん! あとエレンなんで死んどんねん!」 「エレンのことはどうでもいいでしょう!」 「どうでもいいけどこれは許せんわ! 誰や二枚目持ってったの……あれ、説明書の中に変な写真が。なんやろ、エイプリルフール?」 「……見つけたね?」 チャッとバールのようなもの(正体はDの食卓2~3枚目ディスク)を構えるアーリィ。 「ってお前が持っとったんかぁーい!」 「黒歴史を知る者は死ねぇー!」 そして二人は『ッシャアアアッ!』とか言いながら跳躍した。 ――しばらくお待ちください。 文字数にして35000文字の激戦を繰り広げた後、麻奈はがっくりと倒れ伏した。 「くっ……なんて強さや……」 「アハハ、ねえまだやるの、ねえ今どんな気持ち? ただの小学生に頭踏まれながら見下されるのってどんな気持ち? ねえ、ねえ」 立てた親指を下に向け、アーリィは世にもあくどい笑みを浮かべていた。 周囲を見回すアーリィ。 ゴリラと抱き合ってで死んだSHOGO。 窓の外で吊るされて『ノドヌールゥ』と血文字を残した悪紋。 くるーっと回ると背中に『芋羊羹で喉を詰まらせて死亡。洋館だけに(笑)』と書いてあった。 大空に顔が浮かび『俺はメタに突っ込んだだけだ』と供述するジェイド。 その下に浮かぶ『それはギャグで言っているのか?』の字幕。 頭からバナナとバール生やしたまま倒れたエレン。 そして先刻ついに力尽きた麻奈。 あとさっきエレベータから下りたショックで死んだ依季瑠。 アーリィはニヒルに笑って目をつぶった。 「わたしの黒歴史は守られた。けど大きすぎる犠牲だったよね。でも安心して。わたしもすぐに逝くから……ね……」 ポケットから何かのスイッチを取り出す。 そこには『自爆スイッチ』と書いてあった。 強く押し込む。 『へー』という間の抜けた音と共に――。 地球に巨大な隕石が落下しドリフの場面転換のBGMと共に地球がどんどん燃え広がりあらゆる都市が崩壊し最終的に地球が滅亡した。 ●という夢を……はっ!? 小梢が館のキッチンで顔を上げた。 そして言う。 「はっ……今物凄く壮大でカオスな事件を垣間見たような気がすカレー食べたい」 館のエリューション化は、もう解けていたと言う。 |
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