●承前 拝啓 これが私の最後の文となるでしょう。 貴方と出会ってから、私の無色の人生は沢山の色を得た心地がいたします。 赤、青、黄色、緑、桃色……沢山の華が、私の人生を輝きに満ちたものにしてくれました。 偶然にも貴方と出会った春が、もうすぐ終わろうとしていますね。 ツツジの花が好きだった貴方、今も何処かでツツジを眺めているのでしょうか。 その優しげな瞳、柔らかい言葉、貴方のその誇り高き精神。 これ程までに完璧な貴方と過ごした短い日々は、私の人生にとっての大切な宝物です。 もし許されるのであれば、あなたにもう一度お目にかかりたい。 そう想い続けている私をどうか許して頂きたいのです。 こんな取り柄のない醜い私と出会ってくれて、素敵な運命をくれて、本当にありがとう。 今、貴方に逢いにいきます。 畏 ●依頼 リベリスタを出迎えた『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)は、いつになく無言で席に着くのを待っていた。 「一週間前、ある資産家の婦人が行方不明となった。 彼女のいなくなった場所は、昔の思い人と過ごした場所。 今回の依頼は、そこで彼女を殺す事だ」 避暑地の別荘――愛する思い人と過ごした記憶のすべてが詰まった場所。 その別荘は一週間前、火災によって全焼してしまった。 彼女はそこでエリューションとして、二度目の生を得ている。 愛する人と再会し、今も終わることないワルツを踊り続けているのだ。 だがすべては、儚い幻に過ぎない。 アンティークな洋館も、庭に咲き誇るツツジたちも、愛する想い人や下男、メイドたちの存在も、彼女の見目麗しく若々しい姿も、すべて。 その正体は、哀しき骸骨――『骨女』が創り出したかりそめの姿。 「エリューション『骨女』はただ幻想に囲まれて過ごしているだけで、今のところ実害はない。 だとしても、フェーズが進めば何れ理性を失い、周囲に災厄をもたらしてしまうだろう。 君たちの手で……幻想(ファンタジー)から彼女を解き放って、『ラスト・ワルツ』にしてやってくれ」 静かに伸暁はリベリスタへと告げ、無表情で彼らを送り出す。 彼等の姿が見えなくなってから、伸暁は遠くを見るようにして歌を口ずさんでいた。 哀しき女に向けた、静かな鎮魂歌(レクイエム)を――。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ADM | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月28日(月)00:43 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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●幻想 長野県、軽井沢町―― 周囲から孤立し、森林の中にひっそりと佇む別荘。 庭園には色とりどりのツツジを咲かせ、邸宅には美しいワルツの音色が流れる。 まるで時が止まったような空間。 時間が進むことも、戻ることもなく、ただ優美な音色と共に変わらぬ日々が過ごされていた。 「幻想(ユメ)と現実(ウツツ)の違いとは何だろうか?」 『アヴァルナ』遠野結唯(BNE003604)はぼんやりと考えている。 例えそれが他者から見たら幻想に過ぎないことだったとしても。 自身の脳がそれを現実だと認めてしまえば。それ等はすべて現実のものとなる。 従って何が幻想で、何が現実かを決めるのは、自分自身にかかっているといって過言ではない。 その問いに『偽りの天使』兎登都斗(BNE001673)が返答した。 「どちらにしても、彼女の居場所はもうこの世にはない」 ならば、彼女が向かうべき場所へ送ってあげようじゃないかと都斗は告げる。 天使らしく。そして、死神らしく――。 変わりなき別荘の庭園へ足を踏み入れたのは、客人を装う10人の死神たち。 黒いパーティドレスに身を包んだ『名無し』氏名姓(BNE002967)は、庭園に咲き誇るツツジを見つめながら下男へと話しかけた。 「素敵な庭に惹かれて。綺麗なツツジですね」 下男は穏やかな笑みを浮かべ、奥様が毎日手入れをしているのですよ。と、姓に答える。 タキシードにシルクハットという格好で紳士を装い、招かれた客人を演じた『合縁奇縁』結城竜一(BNE000210)。 「ご挨拶を、と窺おうと思っていたのですが、ワルツの音楽に誘われまして。お邪魔でしたか?」 にこやかに問いかけた竜一に、メイドが「いいえ、とんでもない」と柔らかな対応を見せる。 ベトナムの民族衣装として知られるアオザイを着た姓の姿は、より本人の性別を相手に判断させないものにしていた。 「折角ですし客人として招かれても?」 メイドは姓に微笑んで肯きを返し、各々に正装したリベリスタたちを邸宅の中へと案内する。 庭園と別荘を包んでいるのは、まさしく幸せの時間そのものだ。 (幸せから離れられないのは当たり前のことだ。だからこそ――) この幻想を創り出す彼女の解放が必要なのだと、竜一は思う。 竜一の隣にいて、無言で邸宅へと歩みを進める『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086)。 紛い物の幻想で満足している辺り、勇気が足りない相手だと感じていた。 (逢いたいなら、黄泉路を伝ってさっさと行けばいいものを) 未練がましく有りもしない現実にしがみつく彼女を、ユーヌは冷たく突き放していた目で見ている。 その瞳には何の感情の輝きもなく、ただ深淵の如き闇が覆っていた。 後ろに続く『赤猫』斎藤・なずな(BNE003076)はフォーマルなワンピース姿で、案内する下男に丁寧な礼を返す。 (この庭園の素晴らしさも……美しくあればあるほど虚しいものだな) 現実にしか思えないこの風景も、所詮創られた幻想でしかない。 何度偽りの幻想へ逃げ込んでも、何度でもなずなが燃やし、相手に気づかせてやらねばならない。 一度失ったものは、もう元には戻らないということを。 『鉄火打』不知火有紗(BNE003805)はリベリスタたちが全員建物へと入ったのを確認してから、物陰で固形燃料に火をつける。 おもむろに建物へとかざし、屋敷が燃えるかを確かめていた。 だがその火は、不思議なことに固形燃料から屋敷に燃え移ることはない。 「……やはり、ね」 一度燃料の火を消し、頷いた有紗。 幻想の状態を確認した彼女は、そのまま邸宅へと進んでいく。 ●矛盾 邸宅の広間で、ゆったりとしたワルツに合わせて踊る一組の男女。 中へと入ったリベリスタたちは、それぞれに踊りの輪の内外を動き始めている。 タキシードで正装した『ディフェンシブハーフ』エルヴィン・ガーネット(BNE002792)は、黄色のツツジを持つメイドへと近寄った。 「お嬢さん、私と一曲お相手願えますか?」 「あら、私とですか?」と頬を赤らめてエルヴィンの差し出した手に触れるメイド。 その感触は現実の女性そのものである。 メイドに扮して邸宅へ入った『黄金の血族』災原・有須(BNE003457)は、大広間でワルツを踊る群れの外側に立っている。 邸宅の幻想の住人たちに合わせて有須はメイドらしく振舞うが、幻想の中の現実とあってやはり異質さは隠しきれていない。 「お茶をどうぞです……」 リオン・リーベン(BNE003779)へと茶を薦めながら、幻想の中心を注意深く見つめる有須。 未だ彼女に注視が向いていないのは、邸宅の婦人と別のリベリスタたちが対話していたからだ。 お茶を一口挟んだリオンは、未だに誘われていない桃色のツツジを持つメイドを誘い、踊りの輪の中へ。 なずなと都斗もそれぞれ下男を誘い、ダンスの輪の中に加わっていた。 竜一とユーヌは、ゆったりとしたワルツの音色に合わせて踊り始める。 「こうして踊るのも悪くないしな?」 ユーヌの言葉に同意した竜一も、やはり恋人と共に踊るのは楽しいものだと感じている。 だからこそ、思い出してほしいと彼は願う。 竜一の視線の先にいた婦人へ、姓は挨拶がてらに話しかける。 「しかしお二人ともお似合いで。ご夫婦ですか? 馴初めの話を是非伺いたい」 婦人は想い人と共に、柔らかい笑みをして姓と会話を始めた。 「私たちが出会ったのは――もうずっと前の事です。 この別荘に彼が訪ねてくれた事がきっかけでした」 若い頃、病で顔に痘痕が残り、以来ひっそりとこの別荘に引きこもっていた婦人。 しかしそこへ時折、郵便配達員として訪れていた想い人。 彼との交流を続けていく内に、彼女は心の絶望から立ち直ることができたのだという。 「もう何十年も前から交流を続けていたのですか。 それにしても、話に釣り合わぬほど若いお二人ですね」 姓は矛盾点を見逃さず、やんわりと指摘しながら言葉を繋いでいく。 「ご病気だったんですか。ですが痘痕のあとは何処に? とてもお美しく、生き生きしてらっしゃる!」 婦人の顔には、痘痕の様子等はまったく見当たらない綺麗な顔立ちだった。 矛盾点を正確に突きながら、現実へと引き戻しをかけていく姓。 婦人と想い人の表情が凍り付いたかのような反応を示す。 竜一とユーヌがダンスを止め、婦人たちの下へと近づいてきた。 「ツツジに込められた言葉は、御存じか?」 花言葉で赤のツツジは「恋の喜び」。 ヤマツツジは「燃える思い」。 そして、白のツツジは「初恋」――。 「それ等の意味は、貴女だけでなく、貴女の愛した人もまた、貴女との人生が喜びに満ちていたという事。 その日々は、けしてこんな幻でなかったはずだ」 幻想に固められ、終わることのない思い出にしがみつく事の虚しさを問いかける竜一。 「結局、ここは理想で固めた箱庭でしかないんでしょう。 ……彼とは何故別れたんです?」 動揺する婦人に対し、核心へと迫っていく姓。 「貴女の想い人。本当は今、何処にいるのですか?」 違う、彼は此処にいる――そう言いかけて、止まった婦人。 幻想で固めた虚構が、姓と竜一によって徐々に剥がされつつある。 誤魔化し続けていた彼女に対し、竜一がそっと告げた。 「だからこんな自分の今までの人生を、汚すような事は止めるんだ」 何かが崩れ落ちるような感覚。 婦人は徐々に自身を保てなくなりつつある。 そこへ有紗が割って入るようにして、姿を現した。 「ここは禁煙だったかしら? 火事は怖いしね」 わざわざ婦人たちの目の前にまで移動してから、彼女はライターで仰々しく煙草へと火を付ける。 煙草の煙を燻らせると、手にあった固形燃料を再び発火させた。 そのまま部屋の窓にかけられたカーテンへと固形燃料を放り、火が燃え広がらない様子を見せつける。 「あなたには2つの選択肢があるわ」 婦人へ向けて悠然と言い放つ有紗。 「幻想を抱いたまま屋敷を炎に包んでもいいし、実態のない幻だと肯定して屋敷を守ってもいいのよ?」 がっくりと婦人が膝を付き、一瞬幻想に包まれた建物が揺らぐ。 その婦人の素顔が明らかになる――頭蓋骨が剥き出しの『骨女』。 このままでは、全て失ってしまう。 あの人との思い出も、すべてが消えてしまう。 それだけは、あってはならない。 『骨女』は、ゆらりと立ち上がる。 「選択はどちらでもないわ……あなたたちを消して、また幸せにこの人とワルツを踊るの」 ●終焉 『骨女』の言葉に反応して、真っ先に動いたのはユーヌである。 「私には判らない感情だが、なるほど詰まらないな」 想い人と『骨女』との間に入った彼女は、ブロックしながら想い人へ向けて呪印を組む。 「袖で一緒に踊ろうか?」 今回は自身が端役だと割り切って行動しているユーヌ。 主役にふさわしいのは他にいる、とばかりに仲間たちをちらりと見やった。 エルヴィンはダンスの手を止め、黄色のツツジのメイドをブロックしていた。 自身の魔力の底上げをしながら、敵の合流を防ぐべく立ち回る。 リオンは対照的に、ダンスを止めてからメイドを無視して輪から離れた。 「想いの果てがこれというのは、醜いものだな」 言っても仕方の無いことだが、と肩をすくめて彼は仲間へと戦闘防御の共有を与えに回る。 結唯はリオンと同様、後方から幻想の下男へと攻撃をかけた。 だが相手は攻撃に揺らぐこともなく、真っ直ぐ此方に向かってくる。 「まるで蜃気楼だ」 淡々と言いながら、次の狙いを『骨女』に切り替えようとする。 なずなは結唯、リオンより更に後方へと引き下がり、玄関近くにまで移動していた。 輪の中で取り残された青の下男と桃色のメイド目掛け、彼女の爆裂する炎が飛ぶ。 「哀れな女だ。覚醒しなければ、二度死ぬ事も無かったものを」 『骨女』の周りには仲間が点在していて、打ち込むことは叶わなかった。 ひとまず、幻想の足を止めに入ったなずなだが、幻想に逃げ込む『骨女』へ哀れみを感じている。 姓は反転して桃色のメイドへと移動し、ブロックするように気糸を放つ。 「吹っ飛ばす!」 その一撃で注意を自身へ向けながら、彼女の視界に仲間が入らないように位置取りをする。 ユーヌによって道が開かれた竜一は、真っ直ぐ『骨女』へ突進した。 「夢は、いつか覚めるもんだ」 庇いに回ってきた赤いツツジの下男を、彼は力任せにオーラを込めた雷切で吹き飛ばす。 声を大にする竜一に対し、必死で首を横に振って否定する『骨女』。 その様子を横目に、怪しげな笑みを絶やさない有須。 「これも愛ですね……ふふ……」 彼女の瞳が目の前の幻想の先にある真実を見通そうとする。 一瞬、幻想が薄くなって周囲に広がったのは、全てが灰と化した建物と庭園に佇む『骨女』とリベリスタたちの姿。 だが直ぐに幻想が具現化し、建物と配下ははっきりとした色を取り戻す。 どうやら『骨女』の精神状態によって、幻想の強さは変化しているようだ。 「失ったものを埋める為の幻想ですね……凄く愛を感じます……ですが」 それは全てまやかしに過ぎないことを、彼女に理解させなければならない。 もっともそれは、彼女たちリベリスタなりのやり方になってしまうだろうが。 都斗はデスサイズと呼ばれる自身よりも巨大な鎌を手に、幻想に立ち塞がる。 「邪魔者には黙ってもらわないとね」 竜一に吹き飛ばされた赤い下男が、都斗の気糸に絡め取られていた。 それぞれに足止めされた下男とメイド達は、手近なリベリスタへと襲いかかる。 赤い下男は、都斗へとその炎を翳す。 炎でその身体を焦がしても、彼は怯むことなく足止めを続けている。 「ボクって天使だから回復もできるのさ」 眠たげな瞳を揺らし、自身を癒して平然と対峙し続ける都斗。 青の下男が、有紗に氷の一撃を叩き込もうとしていた。 「彼女の『幻想』は、見る者に現実だと思い込ませるわけね。 だから攻撃されれば痛みを感じるし、怪我もする……と」 彼女は自ら目を閉じることで、視界を遮断してしまう。 当然攻撃は出来ないし避けられない、だがそれと引き換えに敵を感知しないし、自身が攻撃されたことも自覚しない。 精神への攻撃に対して耐性を持ちうる彼女が出た、大きな賭け。 この戦闘中。彼女は何も行動しない。 その代わり、青の幻想だけが虚しく彼女へ拳を交差させるのみになった。 「精神的な揺さぶりも私には利かないわ」 煙草の煙を燻らせながら、静かに時が過ぎるのを有紗は待つ。 黄色いメイドは、エルヴィンに稲妻を浴びせて大きく踏み込む。 エルヴィンは自身を含めた仲間の傷を癒しながら、盾となって黄色の下男を阻んでいる。 緑の下男は、結唯へ毒を持つ攻撃を立て続けに浴びせた。 その毒に身体を侵食された彼女の反撃も、下男に届くことはない。 倒れゆく彼女が考えていたこと。 (もし死を「眠る」というのなら、どんな夢を見るのだろう?) そんなぼんやりとした考えが頭に去来しながら、彼女の意識は「眠る」。 カバーに回った有須が、自らの痛みをおぞましき呪いに変えて幻想を止める。 「ふふ……お待たせしました……愛のお返しですよ……?」 不吉な笑みを絶やさず、有須は下男の前を阻んだ。 桃色のメイドは、やって来た姓へと毒を浴びせかける。 だが姓にその毒は届かない。彼の体質はその手の攻撃を受け付けなかった。 「ダンスを願おう」 彼の気糸が下男の周囲に罠として張り巡らされ、不器用なダンスを強要する。 想い人は、目の前のユーヌを振り払って『骨女』を護ろうとしていた。 しかしその手に破邪の輝きを持って鋭く突き刺した剣も、ユーヌの下へ届くことはない。 彼女の鉄のような硬き心は、矛盾を突かれて動揺する幻想に打ち勝っていたのだ。 「所詮、幻想は幻想」 言い切った彼女は式符を飛ばし、『骨女』を倒すまでの時間稼ぎに入っている。 『骨女』が狂気なまでの大声を発すると、建物が歪んでその破片がリベリスタたちを襲う。 リオンはその一撃に耐え、仲間たちの力を高めるタクトを振るった。 力を得て臆することなく、竜一は自身の闘気を極限にまで爆発させていく。 彼と『骨女』の間を阻むものは、もうなかった。 「最後のワルツだ……あんたを、想い人の元へと送り届けてやる!」 気合と共に放たれる死を賭した一撃は、『骨女』の幻想の顔を砕いて正体を露にさせていく。 幻想の建物も、庭園のツツジも、想い人の姿も、下男やメイドたちも、そのすべてが揺らいでやがて消え去った。 崩れ行く骸骨の素顔を晒した彼女が、目の前の竜一へと手を伸ばす。 その手を優しげに取る竜一。 「貴女の想いは、まだ色褪せていないはずだ」 手を離して後方へと倒れ行く『骨女』。 骸骨の視界が最後に見ていたのは、果たして竜一であったのか、想い人の幻想であったのか。 どちらでも良いことだ。と、なずなは思う。 「……今度こそ好きなだけ、幸せな思い出の中に生きるが良いのだ」 彼女の魔炎が婦人に二度目の死を与え、幻想のワルツは終焉を迎える――。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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