● 手を繋いで、バスを待っていた。 今までと少しだけ世界は変わったけど、二人でいられる未来、という日常は変わらない。 それを与えてくれた人たちに感謝して、憧れて、そうなりたいと思ったはず、だった。 「勇気、勇気っ……!」 自分を庇って倒れた少年を、少女は必死で癒し続ける。 その顔に赤い巻貝が這うのを払い落とした。 痛い。自分の体にも這い上がってくるそれは、まるでヤスリで皮膚を削られている様だ。 見回すが、先程まで在ったはずのバス停が見えない。景色が見えない。 ここは、本当に現実の世界なんだろうか。 視線の先では、老人が笑っていた。元凶は恐らく、彼だろう。 だが、少女は理解していた。 例え自分と少年が万全の状態であろうが、あの老人の前ではなす術もなく殺されるであろう、という事を。 今は何を思っているのか一切の攻撃を加えて来ないが、戯れにでも手を出されたら――。 「勇気……!」 少年の手に、指を絡めて血を吐くような叫びで呼び掛ける。 起きて。起きて立ち上がって、一緒に逃げて。 少女の癒しの風は、一人にしか齎せない。 いずれ、この風を呼ぶ精神力さえ尽きてしまえば、もう本当に何もできない。 こんな、真っ赤な空間で。 かつて自分を守ってくれた少年を守る事もできずに。 少女は顔を歪めて、涙を落とす。 「死にたく、ないよ……!」 「……イシシシシシシ」 少女の慟哭を嘲笑うかのように、老人は声を漏らした。 ● 「さて皆さん、すみませんがまた緊急の案件です。別に焦らしてから言ってる訳じゃないですよ、皆さんのお口の恋人、断頭台ギロチンは弁明しておきます。それはどうでもいいんですよ、で、急ぎなんです」 自分で言い出しておいて打ち切った『スピーカー内臓』断頭台・ギロチン(nBNE000215)は地図を取り出した。赤ペンで示したのは、三高平市から程近い道路。 「先日、『獏』という黄泉ヶ辻のフィクサードが、E・フォース『瞑』を伴いフォーチュナを襲撃する、という案件が発生しました。対応に向かった皆さんのお陰で、フォーチュナがこれ以上狙われる事態は防げたんですが……彼自身は未だに活動を続けています」 獏が好むのは、自らが動きを止めた上で『獲物』を瞑に貪り食わせる事。 その苦痛の表情と断末魔を何より好む彼は、凄惨な未来をも視得るフォーチュナを羨み襲撃していた。 「フォーチュナを狙えなくなったから、手当たり次第というつもりなのか……。獏が狙ったのは、アーク所属のリベリスタです。とは言え実戦経験もほとんどなく、獏と相対するには明らかに実力差がありすぎる。遅れれば彼らは確実に殺されるでしょう」 本人達に連絡したとして、逃亡できる目は薄い。 下手な行動をして万一これ以上の状況の悪化を招く訳にもいかない。 だからこそ、呼んだのだとギロチンは顔を上げた。 「今から皆さんには即座に向かって頂きます。現地まではアークの送迎車があるので大丈夫です。周囲への配慮は……山間なので大丈夫だと思います。彼らはバス停にいたのですが、バスも未だ来ていません」 それに何より、向かえば大量の瞑によって歪んだ空間に引き摺り込まれる。 「今回は瞑に加え、『悪霧』というE・フォースが存在しています。これは然程強くはないのですが、体力が高い上に、瞑と同様に受けた攻撃の一部を跳ね返す特性を持っているのが厄介となります」 赤、赤、赤、赤の巻貝で満ちた空間。 笑いながら中央に立つのは老人。 「獏は取り込んだリベリスタ……勇気さんと葉さんって言うんですけどね、彼らに対しては見ているだけですが、恐らく皆さんに対してはそうは行かないでしょう」 獏は熟練のインヤンマスターだという事実が判明している。 だから、前回よりは多少対策が立てやすいはずだ、と言ってからギロチンは息を吐いた。 「それでは、どうぞお気を付けて。……一度命を拾った彼らが、再び落とすなんて事は嘘にして下さい。ぼくを嘘吐きにして下さい。お願いしますね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:黒歌鳥 | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月31日(木)00:04 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 蠢いている。動いている。赤い壁と床と天井と。波の様。何かの生物の内臓の様。後は消化されるだけの胃袋。巨大魚に飲まれたらこんな気分だろうか。魚の中ならばいっそ水で満たされて早く死ねただろうか。唇を噛み締める。目の粗いヤスリで強く弱く撫でられ続ける感覚。もしくは、猫の舌をもっと尖らせた痛み。冷たいぐねぐねとしたものは吸盤のしつこさで離れてはくれない。勇気に肩を貸す形で立ち続けてはいるが、いつまで持つか。歌で風を呼ぶ。教えて貰ったあの旋律で。けれどそれは体を癒しきるには足りなくて、うねる赤い海の中心で傍観する老人の笑み一つ動かす事ができやしなかった。彼は時折指先に赤い貝を遊ばせながら、その枯れた肌には赤の一滴も見えない。肌、自分の皮膚の下の色なんて、そう見たくなかった。一度抉られた所を別の貝が抉っていって、思わず呻いて膝をつく。弱い息を繰り返す勇気を抱き締めて、耳元で癒しを唱う。せめて、彼だけは。自分が倒れた後も、もう少し持ってくれれば、何かの奇跡が起こるか も知れない。以前みたいな都合の良い奇跡じゃなくていい。でも、自分が死んであの老人が満足するような、そんな有り得ない確率のものが欲しい。自分も死にたくはないけれど、揃って死ぬのはもっと嫌だった。けれど、それすら、きっと……。 視界の隅に、灯りが点った。 この赤い空間は変に明るかったが、どこか決まった光源はなかったはずだ。なのに。 それは見る間に、複数の人影を浮かび上がらせ――。 「よく、耐えたね……!」 いつかの天使を映し出す。 傍らの金の髪の微笑む少女が下げた光が、私の目に光を灯した。 ● 「そんなに悪夢が好みなら、焦がれたまま死に絶えろ」 床の瞑を足で邪険に払い除けながら、小柄な体に並外れた速度を持って『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086)が真っ先に二人と獏の間に立ち塞がる。 帽子を目深に被った老人の笑みは変わらないが、蠢く瞑の姿を見てもまた、ユーヌの表情も変わらない。小手先の技、と彼女が称する陰陽の技。獏が操るのも同等のものであるはずだが、その行動にも心理にも全く共感は湧かない。普通を自称するユーヌにとっては当然の事だ。 「まずは少し、落ち着いて下さいね」 「あ……」 座り込んだ葉の髪に、『A-coupler』讀鳴・凛麗(BNE002155)の指がそっと触れた。己の中を循環するエネルギーと脈を繋げてゆるりと流す。灯りは戦闘自体には不要そうであったが、葉に現実との糸を結ばせるのには一役買ったようだ。彼女の視線の先には獏がいる。悪夢を食らう、と伝えられる獏。それを名乗る輩が、自ら食らう為に悪夢を振り撒いているのだとしたら実に本末転倒。それは最早悪夢を食らうものなんどではない。悪夢の一部だ。ならば食らってやろう。自分らが正しく獏となり、この夢を食らい尽くしてやろう。 「道理も利かねぇ悪夢なんざ、ぶっ潰すまでよ!」 相棒のグレイヴディガーを振り上げて『悪夢と歩む者』ランディ・益母(BNE001403)が『壁』を為している瞑の一群を打ち払う。ざりざりざり。針の布に拭われたかのような痛みは、E・フォースの無言の断末魔。広範囲を薙ぎ払ったが故にダメージも多大ではあったが、それでも彼は倒れず『塵も積もれば』の苦痛を唇の端で笑う。 赤い壁の一部が消えて、揺らめくのは先程彼らが越えてきた日常の光景。伸びるアスファルトに時刻表、屋根とベンチがあるだけの小さなバス停。蠢く瞑が、眩い日の光を厭うように少しずつ少しずつ穴を埋めていく。 「ごっきげんうるわしゅう。悪趣味だよね、こういうの楽しい?」 「悪い夢は楽しいものだよ。シシシシ……」 ユーヌの隣に並ぶように、『イケメン覇界闘士』御厨・夏栖斗(BNE000004)が悪霧の前に立ち塞がって獏に問う。笑う老人に構わず、夏栖斗は視線だけで二人に振り向いた。 「お疲れ様、ここからは任せておいてくれ」 「お久しぶりね、アークが、助けにきたから、もう大丈夫」 葉の血に濡れた手を取りながら、『みにくいあひるのこ』翡翠 あひる(BNE002166)は優しく歌う。赤い貝が這いずった痕が薄れていくのを見ながら、彼女は微笑んだ。大丈夫。もう、怖い事なんてない。握る手が、強く握り返された。年で言えばあひるの方が下であろうが、戦いに身を置き重ねてきた年月は遥かに上。だから葉も、その言葉に強張っていた顔を泣きそうに緩めた。 葉と勇気の傍らに凛麗とあひるがいる事、ランディが傷を受けながらも脱出口を開いたのを確認し、夏栖斗は向かう顔を引き締める。 「仲間を助けるためになら、命くらい余裕で張れるんだぜ」 「良い事だね。ならば獏が。悪い夢を食べに行こう」 信号待ちをする老人。杖が無くなったからか、後ろ手に組まれたそれが何らかの印を切ったようだった。途端、夏栖斗を含めた数人の体に無数の錘が下げられたかの様な倦怠感が襲い掛かる。痛みは瞑が這い上がって『食事』を行う以外には無いが、動くのに金属の枷を複数付けられた様なもの。 だが、その不利を払い除けて『誰が為の力』新城・拓真(BNE000644) が剣を構えた。 「……アーク所属、新城拓真。さて、厳しい状況だが……ひっくり返すとしよう」 剣先を突きつける先をずらし、葉と勇気のいる方向へ。次の瞬間生まれた魔力の弾丸が、彼女等の体に這い上がろうとしていた瞑を弾け飛ばした。瞑の悲鳴、細かい針で突き刺される様な苦痛が拓真に返って来るが、彼はその場から動かない。 「七村と言ったか」 「は、はい」 「脱出したらアークに連絡を取れ。野月を速やかに保護して貰うようにな」 「え」 瞬いた葉をランディが指先で招いた。 彼が先程受けた傷は、全てとは行かないが半分近くがあひるの歌によって塞がれている。 「何の為に穴開けたと思ってんだ、ぼさっとしてないで早く今の内に抜けるんだな」 「外に出たら……今度は、葉が勇気を守ってあげるのよ。葉なら、できるよね」 ランディの顔は、既に悪霧と奥の獏に向けられていた。ぎゅっと握った掌を、あひるはそっと放す。もう少し回復をしてやりたかったが、瞑によって壁が塞がれてしまえば二度手間だ。凛麗によって精神力を分け与えられた葉ならば、自分と勇気に対する回復も叶うだろう。 ――それは鉤爪か。赤い霧が、そんなあひるの背へと腕のようなものを振り上げた。視界に入れた葉は息を呑んだが、腕は届かず、銀の刃に阻まれる。 「我は盾、降掛る禍事を退け守る者」 靡いたのは紫の髪。纏うは小柄な姿に見合わぬばかりの堂々たる威風。『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)が凛とした声を響かせた。仲間を信じていたのだろう。あひるは動じず、ただ微笑んだ。 葉は悟る。この場に自分等は居らずとも大丈夫だと。助けに来てくれた人を置いて逃げるという躊躇いは、そもそも不要。『青い目のヤマトナデシコ』リサリサ・J・マルター(BNE002558)が聞いたならば謙虚に否定するかも知れないが――この場のリベリスタは、訪れたばかりの葉らでも端々で活躍を目に耳にするアークの精鋭と言って差し支えない。だから彼女は頷いて、勇気を抱き上げ走った。 「ありがとう、ございました……!」 安堵と激励と感謝に裏返ったまま消えていく葉の声を笑う者は、ここにはいない。脱出の為の穴を背に、リベリスタは改めて敵へと向き直った。その姿を見ながら、リサリサは小さく感嘆の息を吐く。仲間の、彼女らを救いたいという思いはリサリサに強く伝わっていた。それを果たした仲間を頼もしい、と彼女は思う。 「ワタシも、立派に勤めを果たして少しでも早く一人前のリベリスタへ……」 リサリサの実力はアーク内部でも決して低くはなく、上位と数えて良いのだが――彼女の目指す領域には、未だ足りないらしい。火力となる仲間を、支えとなる仲間を守るべく、リサリサはランディへと鎧を授ける。それは速度の足を引く不可視の枷をも解き放ち、あひるの歌で間に合わなかった傷を埋めて行った。 「かわいい後輩に手を出して……許さないから」 「人の不幸、人の悲嘆を築くもの。苦しみと悲しみ、絶望を夢見るもの」 あひるの視線を背に、アラストールが剣を向ける。 「汝は獏にあらざり、名のみを同じくする別のモノ也」 「フォーチュナだけ狙うならまだ似合ってたかも知れねぇがな。もう改名したらどうだ?」 「まあ、不要だろうがな」 獲物を握る柄に力を込めて鬼気の表情で尚笑うランディをちらりと見ながら、ユーヌが肩を竦めた。 「幾ら占おうが、この変態が生き残る道理はあるまい」 ● 「獏だよ。悪い夢を食べにきたよ」 例え結界の効果で速度を下げたとして、ユーヌのそれはしばしば獏を上回った。 インヤンマスター同士による互いの行動阻害合戦は、各々の命中力の高さも相俟って一進一退の攻防を繰り返す。致命により時に癒しが届かなくなれば、凛麗の光がそれらを打ち払った。 「悪い夢なんて、敢えて求めずともこの世のあちらこちらに転がり落ちているものですよ」 リベリスタが瞑に纏わりつかれる姿を見て笑いを浮かべ続ける老人に、凛麗が目を伏せる。避けようと願っても避けられず、望まぬ終わりを迎える者のなんと多い事か。リベリスタとなって見るその数の、なんと多い事か。 「ランちゃん上手く避けてね!」 「当たり前だろ、誰に言ってんだ!」 巻き込みそうなギリギリにいる姿に夏栖斗が呼びかければ、返るのは頼もしい声。ランディによって振り抜かれた斧の刃は二体を巻き込み、霧散させた。 悪霧を打ち払うその姿に、拓真が声を掛ける。 「後ろは任せておけ、夏栖斗。此方を気にする余裕もそう無いだろう」 「ああ、後ろにいるのお前だろ? 最初から心配なんかしてねぇよ」 同じ年頃の気安さに、背中を任せられる仲間の存在に、二人は一瞬だけ顔を見合わせ笑みを浮かべた。その姿に、リサリサも微かに笑う。 「背中はワタシ達に任せてください。ワタシ達の支援は、決して途切れる事はありませんっ……」 「外では二人が待ってるんだから、ね……!」 リサリサとあひるによる回復は、瞑によって削られた仲間の体力を癒し続けた。 「貴殿がどんなに悪夢を好きであろうが、私は騎士だ。人を悪夢から守る者だ」 笑う老人から目を離さず、あひるの前に守護者として立ちながらアラストールが宣言する。 「私達はリベリスタ、悪夢を壊しに来た」 「貴様の凶行もこれまでだ!」 拓真の放つ弾丸が、悪霧を更に一体打ち砕いた。 赤い部屋が蠢いている。激しい戦いにゆらゆらと。内臓が蠢いている。穿たれる苦しさに揺らめき始めている。それでも未だリベリスタを吐き出しはしない。 瞑が肌を這う。やすりを掛けて行く。削られた皮膚の下から赤い肉が見え始める。打ち払うことも出来ずその内に留まるだけならば、確かに絶望もしただろう。悪い夢に追い詰められて気が触れもしただろう。だが、ここにはそれを恐れる者はいない。互いに互いを信じる仲間が存在する中で、リベリスタは決して止まりはしない。 「ワタシは、どんな状況でも護りきってみせます……」 歌が、風が、肌を撫でていき、振る氷の雨に覆われたとしても光があっという間に溶かしていく。数と質を兼ね備えたリベリスタは、悪霧を全て消滅させた上で獏を追い詰めていた。 「この一撃で、貴様を断つ……!」 拓真が己の武器に全身全霊の力を込めて、振り上げる。枯れ木の様な老人に向けて、刃を振り下ろす。 手応えは、あった。彼の刃は老人の胸を大きく切り開き、奥の骨さえも露出させていた。 「ンなに悪夢とやらが見てぇなら……見せてやるよ」 ランディが吼えて、獏へと飛び込む。張り裂けんばかりの闘気を込めた刃が、エネルギーを球として伴いながら獏の首を打った。傾いでいた体が、刃を受けてがくんと震える。首の皮一枚で繋がった彼の頭は、妙な方向に曲がった。有り得ない方向に。 獏の視線が、目前のユーヌを捉えた、気がした。 彼は尚も、笑っていた。 ぶづり。傷口から赤が溢れ出る。瞑が皮膚を突き破って零れ出る。風船が弾ける様に早回しの様に赤い巻貝は獏の体を食い荒らし、床に倒れた老人の体を覆い尽くす。 赤に埋もれた老人がいた場所にに、凛麗は寂しげに囁いた。 「貴方が道を誤らなければ。ワタシのように幾つもの悪い夢に出会えたのでしょうに」 悪夢を望む者もいれば、それを壊すべく、悲痛に目を向けながら戦うものもいる。 皮肉か否か、壊そうと願う者に程、そういう悪夢は突き付けられるものだ。 願うならば、良い夢を。例え彼が、厭ったとしても。 ユーヌは頭であろう盛り上がった場所を踏みつけるが、踏んだ感触があったのは被っていた帽子のみ。まるで中に瞑の入っていた袋だったとでも言うように。……そんな筈はないのだが。 「全くもって、これだから常識の通じない変態は困る」 感慨なく呟かれた言葉の余韻が消え去ると同時、赤い部屋が剥がれ始めた。 天井や壁の瞑が剥がていく。落ちて行ったものは薄れて消えていく。 溶けてしまう淡い雪の様に、ぼろぼろと崩れて落ちていく。イシシシシシシ。 「……だから悪趣味だって」 崩れる中に、老人の笑い声を聞いた気がして夏栖斗は目を眇めた。 「おかえり――なさい!」 完全にそれらが消え去った時、リベリスタを出迎えたのは――落ち着いた寝息を立てる勇気を抱き締めながら、目を赤くした葉の浮かべた笑顔だった。 あひるが笑って、その手を取る。 「帰ろう。皆で」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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