●もしくはダイナマイト脛毛 「On Your Mark」 クラウチング状態のオッサンを想像してほしい。 できればタンクトップに短パンの。 いや、そういう嫌がらせなんじゃなくて。 「レディ!」 くいっと上がる尻。 「――ゴォウ!」 地面を蹴ったオッサンが凄まじいスタートダッシュを決める。 そして道行くオッサンに飛び掛るとオッサンの顔を両手でサンドするようにわしづかみにする。オッサンは悲鳴をあげるがかまわず引き倒し自らのオッサンすね毛にオッサンの頬をゴリゴリ擦り付け物凄いオッサン臭とオッサン剛毛によるオッサン鑢状態でオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサンオッサ――。 ●オッサン。 「ヴァアアアアアアアアアアア!?」 カレイドシステムだか何だかから飛び出してきた少女(?)が涙と鼻水でぐっちゃんぐっちゃんになりながら地面を転がった。 そしてびったんびったん転げまわる。 「イヤアアアアアアアア! 初仕事で汗ばんだオッサンの脛に強制頬ずりする感覚とかイヤアアアアアアアア! 絶対嫌がらせだよ、訴えてやるううう! ちっくしょおおおおおおう! ちっく……うっ、オヴァ、おヴぉええええ!」 自分で用意したであろうエチケット袋にバックトゥーザーもんじゃ。 知らない人の為に紹介しておくが今ゲロってるのがつい最近出張りだしたと言うフォーチュナ。自称クレバーで自称ミステリアスで自称セックスアンドシティのアイワ・ナビ子(nBNE000228)である。性別不明らしいけどバレバレである。 ナビ子は『orz』態勢のまま暫しぐすぐす泣いていたが、と言うかげろげろ吐いていたが、目尻を拭いながら立ち上がった。 左手で微妙なピースサインを作りつつ腰をくねっとさせる美少女的なポーズを取って見せた。 「はいどーもナビ子です! らっしゃっせー!」 今更取り繕っても遅い。 「あのっすね、巷で噂のダイナマイト脛毛がクラウチングスタートでレディーゴーしててっすね」 「おい落ち着け」 説明の内容が全く分からない。 こいつ何でフォーチュナやってんだろう。 ナビ子はコホンと咳払いしてから続けた。 「まあその、ノーフェイスが暴れてるんでげすよ」 「げすよ?」 所は某港町。磯の香りと遠いさざ波がブルースなこの土地で、最近ノーフェイスが人を襲っているらしい。 「いやもうね、スゴい。脛毛と髭がもうね、凄いの。胸毛なんかもう胸毛じゃないね、帰らずの森だね」 ノーフェイスは通りがかった人に素早く組み付き、自らの身体を武器に凄惨な方法で殺してしまうとされている。 「クラウチングスタートとか滅茶苦茶堂に入ってた。陸上やってた絶対。苗字絶対浦辺君だよ。高校の時友達だった浦辺君に超似てたもん。いやこのノーフェイスは知らない人だけどさ」 このままでは大変な被害が出てしまうに違いない。 君達の手で悲劇を終わらせてはくれないだろうか? 「浦辺君マジ頭良くて、足も速くて、すっごいモテたそうだったんだけど性格最悪だったから女子に超嫌われてて。遊びに言ってもアクションリプレイ自慢しかしないんだもん。スパロボの主人公にエロゲのタイトル名つけてるしさ。あ、あと顔がボルトみたいだった。アフリカ系の顔立ちだった」 ちなみにノーフェイスは一名のみ。 非常に素早く簡単には攻撃を当てられそうにないのだが、誰かに脛毛ダイナマイツや胸毛ボンバーや顎髭ハリケーンを食らわせている間は止まっているので攻撃するチャンスがあるらしい。 「しかも極度のロリコン。高校生時代でルリルリ病患者だったかんね、今どうしてんのかなー、捕まってなかったらいいなー」 こんなノーフェイスを倒せるのは君しかいない。 危険な任務になるかもしれないが、どうかよろしく頼む! 「あ、所でこのエチケット袋どこに捨てたらいいんだろ。ゴミ箱に捨てたら絶対怒られるよね?」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 9人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月25日(金)23:39 |
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■メイン参加者 9人■ | |||||
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●脛毛が凶器だと言われて納得できる世代→(9) 「私の誇りがボロボロじゃー!」 某港町で『雪暮れ兎』卜部 冬路(BNE000992)の叫び声がこだました。 「……はっ、今回の敵とその浦辺君は関係ないのかのっ? 紛らわしいことをしおってナビ子おおおお!」 空に向かって叫ぶ。青空に浮かんだナビ子が笑顔で『ちょりっす☆』と言った。後でぶちころがしておこうと思った。 「まあそれはそれとしてだ」 冬路の苦悩を軽く流しておく『糾える縄』禍原 福松(BNE003517)。 「毛むくじゃらでクラウチングでPARとはな、毛もクラウチングもいいが――」 「いいのか?」 「いいが、PAR自慢だけは頂けんな。あれは個人で楽しむものであって堂々と広めるものではない。どうせスパロボでグランゾン無双とかしてたんだろうぜ……潰すか」 リボルバー銃(つい最近新しくした)をコッキング。 『グラウンドゼロ』ミリー・ゴールド(BNE003737)が慌てて両手を振った。 「待って待って、そこは浦辺君の話じゃなかったの?」 「じゃあ脛毛の方は浦辺君(仮)と言うことにしておこう」 「そうね……って言うか、何なのこれ、トニー・ジョーズのあそこより危険だわ! 下腹部の、あの、なんていうのあれ」 「ギャランドゥですが何か?」 どこまでも平然と語る『子煩悩パパ』高木・京一(BNE003179)。 「……ヒデキ?」 「ユーミンが言ったのを関根が広めたそうで」 「そ、そう……」 知らなくてもいい知識だった。 咳払いする京一。 「それにしても『脛毛ダイナマイツ』ですか。ネーミングセンスがどうも私と同世代っぽいというか……ナビ子さんが考えたんですかね」 「最初っから決まってない以上それ以外ないんじゃないですかねえ」 自らの後頭部をがりがりとかく『俺は人のために死ねるか』犬吠埼 守(BNE003268)。 「でもあの人、エチケット袋用意してる辺り意外とできる人かもしれませんよ。岐阜の城みたいな氏してますし。所であのエチケット袋、どうしたんですかね。技術部に持っていけば処理して貰えるんじゃないですか?」 「ぶちころがされますよー」 『のんびりや』イスタルテ・セイジ(BNE002937)がどこかのほほんと呟いた。 「ちゃんと集積場に持っていきましたから。手も洗ったし」 「…………」 遠くの空を眺める『無音リグレット』柳・梨音(BNE003551)と『シュレディンガーの羊』ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495)。 「ところで、なぜ私は、ここにいるのだろう?」 「さあ……でもおっさんぶちころがすって所は理解したわ」 「ころころ、するのか」 刃渡りの長い剃刀にアルコールを吹きかける梨音。 「巷で流行りのおっさん狩りよ。ルカそういうの好き」 「何故だろうオレ、オッサンじゃないのに危機感を感じる」 ぶるぶるとおぞ気に身を震わせる『てるてる坊主』焦燥院 フツ(BNE001054)。 このままだと本当に怖いままで終わりそうなので気合を入れておく。 「よ、喜べ男子諸君! 終わったらウラベ君が脛をもふもふさせてくれるぞ!」 「待て、それはどっちのウラベだ! 私か! 私はこれでもビスハだからな、後でゆっくり触らせてやるぞ、うさ耳は……優しくのう」 「まあオレ奥さんいるからいいんだけど」 「私も家庭あるんで」 「誘い受けならぬ誘い避けとな……」 ごく自然に首を振るフツと京一。冬路は社交辞令と言う名の冷血社会に身震いした。 イスタルテがそっと手を上げる。 「あ、膝枕でよかったら」 「喜べ男子ぃ!」 「もうそれいいですって!」 などと言いながら、彼らは件のノーフェイス浦辺君(仮)がいるという港へ向かったのだった。 ●枕からオッサンの臭いがしたらもうオッサン フツは強結界を張りつつ埠頭へと訪れていた。 「えー、ノーフェイスノーフェイ……あ」 埠頭の出っ張ってるアレに片足を乗せ、膝部分に肘を載せ更に手の甲に顎を乗せると言う最高カッコイイ(ってしまぶーさんが言ってた)ポーズのオッサンがいた。 タンクトップに短パンである。 「どうやら、戦う運命にあるようだな……」 「ええ……」 守はニューナンブを腰のホルスターから抜いた。福松が反射的にうげっという顔をする。 足を肩幅に開き、両手でしっかりと構える。 対してオッサンはクラウチングスタートの体勢をとった。 「あなたの武器は速度と凄惨さ。しかしその二つを両立させることはできない。才能と性格と両立できなかったウラベ君のように」 「おい、漢字で書け」 冬路のぼやきを無視。 「そこに付け入る隙があ――」 「ゴォウ!」 凄まじいスピードでダッシュ。守の顔面を掴み取ると高速で擦り付けた。 「う、うおおおおおおお!?」 反射的に全身装甲を展開しようとしたが顔の部分に脛が挟まってシャコーシャコーと壊れた自動ドアみたいに何度も開閉していた。 「よしいいぞ、そのまま捕まえておいてくれ!」 よいしょよいしょと折紙で鶴を折るフッサン。別に折らんでもいいが。 「できるだけ早めに――」 「守護結界張ってて聞こえんな」 「あの、できるだけ回復はしますんでっ」 遠くから回復をかけてくれるイスタルテ。 よほど近づきたくないのか飛んでまで距離をあけていた。距離にして13mである。 「地面からも浮いて、それにこれだけ離れてれば……うん、きっと攻撃されない筈です!」 このセリフが後のフラグになろうなどと、イスタルテは知る由もなかった。 ……などというフリはさて置いて。 「身を張ったカバー、期待しておるぞ!」 「たのんだのよ」 それまで一生懸命目を反らしていた冬路と、意外と平気そうなルカルカがびしばし斬りかかる。 京一とフツも鴉さんでやけに普通な攻撃を加えていく。敵の部分だけモザイクをかけたら何の味気もない戦闘に見えるかもしれない。 「お、おおおおおう! 靴下の、靴下の臭いがやけにダイレクトに、おおおおっ!」 前言撤回! いつの間にかフェイトを削ってまで相手を抑え込んでいた守。 そんな彼を前に、ミリーはぐぬぐぬと歯ぎしりした。 「やっと火力MAXでぶっ放せると思ったのに……」 「コイツを、私ごと撃てー!」 「喜んでー!」 ミリーはハッピーの極みみたいな顔をして飛び掛った。 女子力の高い焔腕が唸り、オッサンに斬りかかっていたルカルカ達が慌てて飛び退く。 「毛根もろとも焼き尽くすわ!」 「ギャアアアアアア!」 「ぐあああああああ!」 炎に包まれてこてんと倒れる守。 「ハッ、マモル! 一体だれがこんなこと!」 「ミリーさ……なんでもありません」 一方のオッサンは自らの脛を庇いながらぴょんと飛び退く。 「よくも俺の剛毛を……これ以上日焼けしたらどうしてくれる。クク、だが俺にはもう一つの足がある!」 もう一方の脛を全面に出して構えるオッサン。 彼の高速膝蹴りならぬ膝擦りがミリーへ襲い掛かる……かと思われたその時! 「無敵コードでガンシューやってんじゃねえ!」 福松のパンチがオッサンの脛に炸裂。ぐじょりという嫌な音をたてた。 即座に銃を突きつける。 「44マグナムがてめえの脛毛も一瞬で吹っ飛ばすぜ」 撃てる限りに乱射。伝説的なセリフを自ら汚した気がしないでもないが無視した。 だって脛が近いもの。ものすごく近いもの。 「ククク当たらん!」 オッサンこと浦辺君(仮)は高速で地団太しながらジグザグ移動。どうでもいいが、こういう動きをする奴と相性が悪い福松である。 浦辺君(仮)はぴょいんと福松に飛びつく。咄嗟に相手の腕と膝を抑え込む福松。しかしそれを読んでいたかの如くオッサンは自らの胸を押し付けてきた。 当ててんのよ状態である。 じっとりと汗ばんだ胸に顔を埋める福松……とだけ書くとエロいが、相手はオッサンである。帰らずの森に招かれた福松は非紳士的な悲鳴をあげた。 「ウ、ウヴォアアアアアアアアアアアアア!!」 「福松ーぅ! ヒィィィィ!!」 泡を吹いて倒れる福松。 冬路は悲鳴をあげた。信頼すべき仲間が倒れたからか? 否――! 「くらうがいい、多重脛毛剣!」 オッサンは凄まじい早さで分身すると、後ろで震えていた冬路たちへ飛び掛ったのである。 「嫌じゃイヤじゃオヤジ臭いのじゃうわーん! あ、でもクセになって……くるかあああああ!」 ガチ泣きしながら脛毛に蹂躙される冬路。 「キモい! キモッ……イヤアアアアアア!」 ギャランドゥに顔を埋もれさせたミリーが矢鱈滅多に焔腕を乱射。それでも足りないのかゲヘナの火で自分ごと焼き払った。 「くっ、意外と応用が効いてますね……フツさん、大丈夫で」 「無理だ」 泡を吹いて倒れたフツがその辺に転がっていた。 「フツさん!? そんな、やられる描写すらなくですか!?」 冷や汗を流す京一。 その一方では、イスタルテが涙目でぎゅんぎゅん逃げていた。飛行スキルフル活用である。 「こ、来ないでー! やーん!」 「フハハハハハ! 逃げても無駄だ、脛毛エアリアル! ハイスピード脛毛アタック!」 超高速ダッシュで多角的に脛毛を繰り出してくるオッサン。 本当誰だよあんなスキル作ったの。こうなったらなんでもアリじゃないか。 がしりと地面に押し倒され、両肩を抑え込まれるイスタルテ。 この時点でかなり犯罪的だったが、押し付けようとしているのが膝というのだからフェチズムも極まろうというものだ。 イスタルテの柔らかな頬に脛毛が近づいていく。その距離3センチ……と言う所で。 「えい」 傍で屈んだ梨音が、オッサンの脛に剃刀を走らせた。 それも微妙に錆びた古いヤツである。 切れ味なんかない。 なので。 「ビャアアアアアアアアア!?」 オッサンは悲鳴をあげてのた打ち回った。 「せつめいしよう。切れ味の悪い剃刀は、毛を切る時に引っかかって刃が通らない。凶器になるくらいの剛毛なら尚の事、今世紀最大の剃刀負けを経験させてくれる。慈悲はない。脛毛、そるべし」 以上、1.5倍速の早回し口調でお送りしました。 「くっ、こうなれば手近な貴様だけでも……!」 「うん?」 振り返ったルカルカ。オッサンは容赦なく脛を繰り出す。 ルカルカはガムテープを繰り出す。 「なんか不快」 「……ハッ!」 あなたが体毛がそれなりにある男性なら、想像してみてほしい。 脛にガムテープを張り、一気に引っぺがされる痛みを。 「ハァン!?」 前屈みになったオッサンはそのまま胸毛をルカルカに押し付けそうになったが、そこへガムテープ(エアコン設置用の強粘着タイプ)が張り付く。 「こっちも」 「ハァァァン!?」 ついでに顎のあたりにも貼り付け、若干ゆっくりと引き剥がした。 「ゴメンナサイゴメンナサ……ひゃああああい!」 最後に残ったのは、全身を焼野原にしたオッサン一人。 京一は合掌してトドメをさしてやった。 ●半日で復活するんならもう剃らなくていいんじゃないかという発想 「脛毛がダイナマイツなわけないだろ、常識的に考えろよ。ここは港町だ。海藻と間違えたのさ、海藻はいいぞ、髪が生える……」 「ねえ、フツどうしたの? さっきからアリに話しかけてるんだけど」 「現実逃避の一種ですよ、そっとしておいてあげて下さい」 ひそひそと話すイスタルテ。彼女の膝には福松の頭が載っていた。 なんだか嗚咽を漏らしている。 「うう……ふぐっ……おおおぅ……」 「心が少しでも安らぎますように」 頭をなでてやるイスタルテ。 その一方、端っこの用でミリーが松明に火をつけていた。 傍らにはエチケット袋(済)。 どよんと沈んだ表情で焼却物に火を投じると、つらい過去を抹消するかのように目を反らした。 ふと振り返る。 「ねえ、男の子ってみんなあんな足してるの?」 「…………はは」 「…………ははは」 いつの間にか復活していた守と京一が和やかに肩を叩き合った。 否定はしない。 京一は男性ホルモンの強そうな顔つきではないので解らないが、守はガチでソレの部類に入っていた。電動髭剃りが信用できない畑の住人である。 とりあえず話をそらしてみる。 「浦辺君(仮)、俺も駄目な奴だったよ。説明のおばさお姉さんも大好きだったし、ダジャレの人も好きだった。サターン版では攻略できるって言うから試したらロクなエンディングじゃなかったがそれでも良かった。あ、でも浦辺君じゃなかったよねあの人、もうやだ」 だってポチは犬だものーとか、誰が聞いても理解できない歌を歌を口ずさむ守。 「……コホン」 冬路、咳払い。 「ささくれた心を癒してやろう。膝枕もしてやる。このウサミミを触ってもいいし……あ、でも頭はダメじゃからな、絶対じゃからな?」 チラチラと見ながら頭を突き出してくる冬路。 「はい、頭は触りません」 「くっ」 「……やっぱり触らせて頂きます」 咳払いしてから頭を撫でる。 「えへへー」 冬路は恍惚とした顔で耳をぱたぱたさせた。 それを見ていたルカルカが小走りに寄ってくる。 「ルカ優しいから、尻尾くらいなら触らせてあげる」 「……はあ」 「もふっとした部分ここだけだから。はい」 お尻を向けてくるので、守はそっと手を伸ばす。 お尻のあたりに手が振れたその瞬間、背後で『ピロリンッ』という音が鳴った。 「…………」 「…………」 振り返る。梨音が携帯を構えて立っていた。 ひっくり返して画像を見せてくる。 警官ぽい服を着たオッサンが薄着の女の子の尻を撫でているような構図だった。 親指を立てるルカルカと梨音。 「『独身警備員、少女に夜の密着警護』」 「慈悲はない……さあ、ハンマープライス」 ビシッと指で輪っかを作る二人。 守は膝から崩れ落ちた。 慌てて駆け寄ってくる京一。 「おやどうしたんです、まだ癒しが足りませんでしたか!? いいでしょう私秘蔵の写真を見せてあげます。携帯ですみませんが……まずこれが娘の七五三です。ほらいいでしょうこの時点でお嫁に欲しくなるくらいの可愛らしさなんですが、あ、私としてはまだ反対ですからね。分かってますね。天使みたいでしょう? 続いてこちらが私の妻なんですよ。娘が天使なら妻は女神、なんていっちゃって、あはは。いやあ照れますねえなんと言っても妻は――」 京一の家族自慢をBGMに、遠くなる意識。 最後に見えたのは、空へと登る何かの煙。 そして分け前を相談し合うルカルカ達のイイ笑顔だった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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