●セピアの想い出 足早に人々の歩む道に、どこか物哀しげな音色が響き渡る。 その瞬間……みなの心に、幾つもの風景がよみがえった。 (……なつかしいなぁ。何年前だろ?) (うぁ、バカばっかやってて恥ずかしい……でも楽しかったな。卒業して、もう6年か……) (すっかりだったもんね。今度の連休にお墓参りにでもいこっと……) 幾人かは道脇へとよけると、携帯やスマホを取り出して数字を打つ。 「よ、久しぶり。何かちょっと懐かしくなってさ? 今度久しぶりに皆で飲まね?」 「あ、母さん? ……うん、ちょっと、ね? 父さんも元気? 今度の休みに、ちょっと帰ろうかなって」 心に懐旧の情を抱かせた、その音は……近くの路地裏に転がった、一台のラジオから流れていた。 ●壊れかけのラジオ 「捨てられていたラジオがE・ゴーレム化したのだと思います」 マルガレーテ・マクスウェル(nBNE000216)は説明した。 通りから離れた路地の奥の方に、投げ捨てるように放置された無機物等の中にあったひとつのラジオが、エリューションとなったのだ、と。 「音のようなものを発して、聞いた人の心の中にある懐かしい思い出を一時的に呼び醒ますという能力を持っています」 短時間の間だけ強制的に白昼夢を見させるような能力。 呼び醒まされるのは心地好い、寂しくとも懐かしい、そんな風に思えるような過去だけのようだ。 つらかったり、苦しいだけだったり……そういった記憶は蘇らない。 時間の方も、体感でも短時間。実際の時間は……ほんの刹那だけ。 それ以外の能力は持ってはいない。 攻撃はもちろん移動する能力もまだないらしく、耐久力の方もリベリスタなら容易に壊せる程度。 「ですが、フェーズが進めばどうなるかは分かりません」 何より、エリューションである以上は崩界を進める原因となる。 「……皆さんなら問題ないと思いますが、どうかお気をつけて」 マルガレーテはそれだけ言って、リベリスタたちを送りだした。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:メロス | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月18日(金)23:56 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●セピアに似た、夕焼け 路地裏に響く、どこか懐かしいラジオの音。 (前の家にあった、有線の放送みたいだわ) 聞こえるのは夕方の有線放送、適当な流行歌。 夕日のあたる家の縁側で、『薄明』東雲 未明(BNE000340)は子猫の相手をしていた。 山間の寂れた集落の、さらに隅っこ。 それは……以前の家での思い出。 「思い出そうとしても細部までは思い出せなかったのに、こういう時はヤケに鮮明なんだから」 かつての風景の中にいる自分と、今の自分の心。 本当に夢を見ている時のような、自分と、それを客観的に眺めている……もうひとりの、自分。 背後から聞こえる音に振り返ると、婆ちゃんが夕飯の準備をしていた。 納屋の方から聞こえてくる物音も、それが何なのか聞かずとも分かる。 (爺ちゃんが農機具の片付けでもしてるんでしょうね) くすぐったい感覚に目を向ければ、遊び疲れたらしい子猫が膝によじ登ろうとして、ちょっと不器用そうにもがいていて。 「猫の癖にどんくさいわね」 苦笑いして摘み上げる。 子猫は一丁前に、返事をするように小さく鳴いて。 ああ、そうだわ。 「いい加減この子の名前考えないと……」 その後は……如何だっただろう? ●父と、母と、妹と…… 父さんは中流企業のサラリーマン、穏やかでのんびり屋さんで休みの日はよく遊んでくれた。 母さんは専業主婦、しっかり者で怒ると怖いけど、根はとても優しかった。 妹は3つ下で泣き虫の甘えん坊。大好きなイチゴジャム入りのコッペパンを食べ易くぺったんこにすると、とても喜んでた。 僕……源 カイ(BNE000446)は、良家の出自でもなければ、生まれながらに不遇でもない……所謂ごく平凡な家庭に生まれた。 僕は父さんや母さんや妹が大好きで、みんなも僕の事を愛してくれた。 本当に平凡だけど、とても仲の良い家族だった。 ありきたりで、穏やかな……優しい日々。 当り前のように続くと思っていた、日常の中で……ある、夏の日に。 長期休暇が取れた父さんが、富士の麓の遊園地へみんなで遊びに行こうと提案した。 暫く忙しくて途切れていた父さんの家族サービスに、僕と妹は大喜びしてはしゃぎ回って。 母さんも、腕によりを掛けてお弁当を作っちゃおうと意気込んでいた。 どんなアトラクションで遊ぼうかな? 早く行きたいなぁと、心躍らせて……夜はなかなか寝付けなかった。 それは……ナイトメア・ダウンが起こる、一週間ほど前の…… ●もう、戻らない 人懐っこい笑顔で一緒に居てくれたあの子。 (懐かしい思い出……ね) もう戻ってこない、取り戻すことのできない夢。 リベリスタになる前は、普通に平凡に生きていた。 今の、『ヴァイオレット・クラウン』烏頭森・ハガル・エーデルワイス(BNE002939)に為る前の、自分。 暖かで……ちっぽけだけど、幸せを感じ取れる生活だった。 「今はいない唯一の家族、妹がいたんだもの」 そう、今は……いない。 その悲しい響きの意味を、現実を知っているのに……浮かんだ風景の中の、目の前の、妹の姿は…… 現実のように、今、この場にいるかのように鮮やかで。 一緒に料理して食べた食事は、とても暖かい幸せな味がした。 (最初はなかなかうまくできずに失敗ばかりで微笑ましかったわね) 包丁で手を切ったり、熱した鍋で火傷したり。 「もう、本当に手がかかるんだから」 そう言いいつつも、何か自然と優しい笑みが浮かんでしまう。 (そんなところもなんだか可愛いんだけどねー) そしてようやく完成した、二人で作ったオムライスは。 (世界で一番おいしかった……) 「やっぱりケチャップがいいよねぇ、大好き」 ああ、どうしてだろう? 同じことを口にしている筈なのに……今、同じことを口にしても…… ●宵咲 粋がって木刀振り回しているガキが見える。 ――ああ、白昼夢とはよく言ったものだ。 (アレは……革醒を果たしたばかりの俺だな) 「やれやれ、だ。構えがてんでなっちゃいない」 『戦闘狂』宵咲 美散(BNE002324)は溜め息交じりに呟くと、その光景に目を凝らした。 (相手は……氷璃さん、か) 躾と言って叩きのめされ、暫くの間、再起不能になった事はよく覚えている。 「徹底的に罵られて精神的に、な……」 まぁ、感謝はしている。怨みも深いが―― 続いて見えた光景は、革醒する前の自分と。 「……婆さん、か」 リベリスタの一族に生まれながら革醒せず、裏方に徹して一族を支えて来た強い人だった。 革醒していないというだけで、総てにおいて一流だったと記憶している。 剣に槍、徒手空拳に至るまで。指南を務める程に、だ。 (婆さんの言葉は総て遺言として記憶している) 思い出はとめどなく続いていく。 続いた懐かしい顔は……母と、3歳になったばかりの妹。 つまりは一緒にいる自分は5歳の頃だ。 (これから起こる事も知らないで暢気なものだ) そう、知る由も無かった……妹が革醒するとは。 「運命の寵愛を得られずノーフェイスと化すとは、な」 美散は呟いた。 心の内の何かが、少しだけ疼いたような……そんな気がした。 リベリスタたる父は一族を率い妹を狩った。 母は自分を責め、自害した。 美散は祖母の家に引き取られる事になった (やがて親父もノーフェイスと化し、一族の者に狩られた) 父の討伐に付いて行った時の事は、よく覚えている。 けれど、今の……かつての自分は、当然のように知らなくて。 未来を、これからの行先を……当り前のように、気付かなくて。 ただ…… 「神秘界隈ではよくある話だ」 発したのは、今の美散。 どこか乾いた声が、自嘲を含んでいるように感じたのも……自分。 ●ルカとボク、ボクとルカ『微温湯の白昼夢』 たまには浸かってみるのも悪くないの。 『シュレディンガーの羊』ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495) 『メンデスの黒山羊』ノアノア・アンダーテイカー(BNE002519) その昔、ボクは一人だった。 来る日も来る日も、一人深淵を見つめていた。 この世の全ては戯言だ、そう思っていた。 「それに、明日と言う光はボクにとって眩し過ぎて……見ていたら目が焼け付きそうだったのさ」 それから幾許か過ぎ……小さな羊が生まれた。 本当に、小さなものだった。 捻れば絶える様な命にとって、ボクが無くてはならない存在だと感じた。 『ちなみに魔界とか嘘だけど』 まだ魔界にいたころ、ルカもねーちょんも小さくて。 ルカはねーちょんの膝の上で食べるドーナツが好きだった いつもふたりで、ふたりでひとつ。 「あ、ねーちょんのほうが52%でルカが48%だわ」 『ね、ねーちょん?』 あまりおぼえてないけれども、ルカはそんなやり取りも好きだったの。 白は全てを遮り、全てを拒まない。 存在して、存在しない。 生れ持って十全で、万全で、変わらぬもの。 揺るがず、強く、されど……ほんの少しが混じるだけで、白で無くなるもの。 不安定で、弱きもの。 そして分かったのさ、ボクに欠けていたのはこの子羊だったのだと。 その日からボクは光を見続けた。 狼と言うのは、古来闇を司る獣だったろう? だから、どんなモノからでも羊を守れる様にと、光も恐れぬ狼であろうとしたのさ。 傍観者だった黒山羊は、原罪の羊を得て、当事者となった。 山羊は悪魔の遣い。羊は神の僕。 無垢なる白を守るために、山羊は多くのものを探し求め、為し得て、その身に重ねていく。 その身に色を、重ねて往く。 何かを混ぜて、白は生れぬ。 白に、何かが混じらぬように。 白が、何かで汚れぬように。 あのとき魔界の扉が開いて、ルカとねーちょんの頭に生えた角。 あたらしいせかいに、呼び出されて。 みえるものが全て新しかった。楽しかった。 世界は広いのね、っておもったわ。 だからね、ルカはねーちょんの手を握って、いっしょにいくのって言ったの。 でも、所詮山羊は山羊だった。 等身大のボクは所詮捕食される側だったと言う訳だ。 しかしだからと言って泣き寝入りなど出来ようか? 色は混じれば混じるほど、かつての色を失って。 暗く、濁り、光を遮る。 色を重ね、重ねるほど、山羊は黒へと近付いていく。 (羊にはボクしか居ないのだ、そう思い込むようにしていたのだろう) 「だからボクは光に負けない、例え世から疎まれようとも、英雄に退治されようとも滅びぬ魔王を目指したんだ」 生きる価値を羊に委ねていたと言っても過言ではない。 「いつの間にか羊は、ボクにとって無くてはならない存在へと変貌していた」 自分が最初は何色だったのか。それはもう、わからない。 白を陰らす全ての色を、白を侵す全ての闇を。 遮るために。遮ろうとして……山羊は闇へと近付き……やがて、闇となった。 けれど、それでよかった。 「ねーちょん大好き」 だから、それでよかったのだ。 ●「……星川、天乃。また、何時か本気、でやろう」 初めての出会いでは、フィクサードの群れを圧倒的に屠る姿に感動した。 決戦での再会の時は、数を頼りにするしかない自分に不甲斐なさを感じた。 公園での決戦においては、その過去とも言えるものを……視た。 三度目の春の日の夢では、助言ともつかぬ事を、教わった。 直接相対したのは、たったの三度。 大抵、血と悲鳴と、死の香りと、狂ったような熱がそこに、あった。 (でも……結局、嫌いじゃなかった、よ) 「少なくとも、桃子が指摘した、恋ではない……けどね」 『無軌道の戦鬼(ゼログラヴィティ』星川・天乃(BNE000016)は呟いた。 歪夜十三使徒。その第七位。 『The Living Mistery』 「彼は私が相対した中では、人として……一番強かった」 己の力で、道を切り開く姿に……憧れがあるのは、否定しない。 「今の、私にはできない、しね」 やれば、長くは生きられない。 闘いを好む、とはそういう事。 あの時を過ぎた、今の自分が確かにいて。 けれど、この光景は、確かにあの時と同じだ。 最初に会った、あの時の風景。 何もかも、同じだ……悲しいくらいに。 この時だけ、は……素直に、なりたい。 あの時の様な、小難しい作戦は、抜きにして全力、でいきたい。 素直になって。 幻でいいから、幻だからこそ望む……束の間のダンスタイム。 けれど……それは、既に過ぎた過去で。変えようのない歴史で。 今、現実であるかのように感じられる……春の夜の夢より短い、一瞬の闘争の宴。 あの、圧倒的なまでの力が揮われて。 もう叶わない願を……あの時の自分が、口にする。 ●青いドレスと、紅い…… 学校から帰ってきた彼を、青いドレス姿の私が出迎えた。 「おかえりなさいっ♪」 ただいま。どうしたんだそれ。お姫様か? 「私は女王だ。不敬であるぞ」 そりゃ失礼。 「よい、特別に許す」 胸を反らし笑顔で返した。 児童養護施設で育った私、『硝子色の幻想』アイリ・クレンス(BNE003000)は12の時、施設に訪れた劇団に魅せられた。 わがままを言って身を寄せ、成人したばかりの女性に引き取られ、弟と2人暮らし。 そんな生活の中で、ある時……兄としか見ていなかった彼に告白された。2歳上の恋人。 それから2年が経ったのだ。 「今度ね、女王役まかされたの」 彼のベッドに並んで腰掛ける。 カッコイイじゃんと言ってくれる彼に、得意気に胸を張って。 「でしょー。あと、女王様の小道具も作るの。青くて綺麗な剣っ。物作りも好きだな、私」 そう言った私に、アイリって変、と、突然言った彼に反論するようにして。 「なんにも変じゃ――」 無い、と言おうとした私の唇を……彼の唇がふさぐ。 「ん……っ」 唐突なキス。 いつも彼はいきなり。けれど、そこが好きだ。 幸せだった。 けれど。 これはもう戻らない過去で……今に、繋がっている。 女王を演じる公演の日。劇の最中に突然現れた、不可視のエリューション。 立ち向かおうとする私。私を突き飛ばした彼。 あたりが……紅く、染まったように見えて…… 時間が、止まった。血の気が引いた。 「―――!!」 名前を、叫んだ。 ●そして…… 生きろ。 雑音と幾つもの悲鳴の中で響いた筈の、微かな声は。 ……なぜか、しっかりと聞き取れた。 彼は微笑んでそう唇を動かして…… 止まった時間を振り払うように、アイリは背を向け走った。 「生きろ、とは呪いの言葉だ」 こんなになってでも、愛しい彼の最後の願いだから、叶え続けたい。 まだ、呪いを抱えて生きるのだ。 「女王の頃の時間を抱えたままで」 ラジオを、壊そう。 結界が発動し、人の近付かない路地裏で。 カイも……現実へと、今へと心を戻した。 (……大丈夫、僕は頑張ってるよ。みんなの分も強く生きるから、心配しないでね) あの日の平穏な日常は……何時までも僕の中に、在り続ける。 「……僕は今でもみんなの事、大好きだよ……」 静かに呟く。 (ボクは、これからも羊が生き続ける限り魔王を目指すだろう) 何故なら、その羊が寄越した『対価』はそれ程までにボクにとって大きく、すばらしいものだったのだから。 ノアノアは未だ、失ってはいない。 失わせる気も、ない。 「魔を統べる王が、契約を違える訳にはいかないのさ」 そんな彼女が好き。 「ねーちょんが引っ張ってくれる手が好き」 (ねーちょんはいつもルカに新しいものをみせてくれるもの) ついていって間違いはなかったから。 いつもさり気なくドーナツは2%~5%、ねーちょんの方が多いけど。 文句を言えば、いい負かしにくるけど。 「でもね、そんなまおーなねーちょんが大好きなの」 自分を引っ張ってくれるその手を、ルカルカは握りかえす。 「我ながらよく覚えてたわね」 未明も懐かしげに呟いた。 覚醒前の何でもない平和な日の記憶。 懐かしいかと問われれば。 (……ええ、素直に懐かしいわ。でも、懐かしいだけ) 2人が相次いで死んだ時には、あんなに哀しかったのに。 「戻りたいとも思わないのは、戻りようもないと分かってるからかしら」 (それとも今の生活も好きだからかしら) ……後者であれば良い、と思う。 「だから、明日からも今日までと同じように仏壇に手を合わせましょ」 気持ちの整理ができたのは、毎朝そうしてきたからでもあるかもしれないから。 そう思う。 「壊すには、惜しい気もする……けど、仕方ない」 ATSに似た機能を、とも思ったけれど……嵌り過ぎても困る。 過去は、過去。 (時折、振り返る程度で、丁度いい) 天乃は感傷を一瞬だけ……瞑目して、やりすごす。 「そんな極ありふれた……よくある話さ」 自分に言い聞かせでもするかのように、静かに繰り返し。 美散もラジオへと視線を向けた。 「うふふふふ、なかなか楽しい時間だったわ、ラジオ君」 でも今の私には過ぎたものよ、あんなに暖かくて幸せな味は。 ハガルの浮かべる笑みは……いつもと同じだ。 「あ、そうそう。今でもケチャップは大好きよ。だって血飛沫みたいじゃない♪ あはっははっはっはははh」 そう言って、笑って……なにもかもを、笑った後で。 「さぁてと、お礼は鉛玉で良いかな? 良いよね? 逝っちゃうね♪」 そのまま笑顔で、訊ねるように口にして。 「それじゃ、バイバイ、ノスタルジー」 次の瞬間、路地裏に。続けざまに銃声が響き渡った。 ●過去から、未来へ 「今までおつかれ、さま。夢を、ありがとう。そして……おやすみ」 そっと、目を逸らして……天乃は小さく呟いた。 「優しい夢を見せてくれてありがと。さようなら」 未明も、ラジオであったものへと言葉を贈る。 カイは静かに空を見上げると、帰りましょうかと皆に声をかけた。 リベリスタたちは、かつてエリューションであったものへと背を向ける。 路地裏を後に、表通りへ。 過去へと背を向け……今へ、未来へ。 らじお、らじお、ことばを発信。 紡いだ言葉は幾億千、歪み返って人の群れ。 羊の歌は喧噪に掻き消されながら……路地裏へと小さく響いていく。 ああ、もっと言葉を発したかった。 世界の営みをもっと。 「ね、理不尽」 正しく生まれ、正しく歌い。 理不尽に変わり、理不尽に歌い。 それでも、世界を愛し続け。 変わりながらも世界に愛され、世界に留まる者たちによって……壊されて。 戻されて。 世界を破壊する存在から、世界の一部へと還っていった。 そんなラジオの物語。 音色は8つの旋律によって……フィナーレへと、導かれた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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