●服が解ける触手ですよおおおおおおおお!! 全長2m程のタコを想像してほしい。 ソイツが脚をまるで蜘蛛のように使い地面をわしゃわしゃ走っているさまも、想像してほしい。 できれば森の中を駆け抜けてゆく感じで。 緑の中を走り抜けてゆく真っ赤なポルシェ的な感じで。 そして、そんなタコから必死で逃げ続ける人の姿。 「ハァッ、ハァッ……いや、嫌ぁ!」 息を切らせ、髪を振り乱して走る。 身体は既に大人のそれであり、走るたびにゆさゆさと揺れる。こんなことなら揺れる程なければ良かったなどと思う。 だが現実は非常だ。 すぐさま足首を掴まれ、上下逆さに釣り上げられてしまう。 「やめてっ、服は……これ以上服を溶かすのはやめて!」 抵抗も、そして悲鳴も無意味だ。 巨大タコは非情にも触手を絡み付け、粘液をでろでろと撫で付けた。 粘液によりじわじわと溶けていく。 肌は溶けない。服だけが溶けるのだ。一体どういう理屈なのだろうか。さっぱり分からないがきっと神秘だからに違いなかった。 全身が露わになるまでそう時間はかからない。 身もだえし、羞恥に顔を赤くして『オッサン』は叫んだ。 「おじさんの服返してぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 ――さ、文章頭から読み直そうか。 ●男の服だけ溶かすらしいですよおおおおおお!! 「……………………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 アークの会議室に沈黙が迸った。 そこまでの説明を聞いて沈黙しなかったら、それはそれでおかしいというものである。 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は彼女特有ののっぺりとした表情のまま話の続きを語る。 「E・ビーストが現れたの。数は5体ね。雑木林なんだけど……さっき話したようにタコなの」 「はい……」 「服を溶かすのよ」 「はい……」 「男のものだけね」 「はい……」 性別の判定とかどうやってるんだろう。神秘だからわかるのかなあ。すごいなあ。……などと現実逃避を図る。 「じゃあ、そういうワケだから……頑張ってね」 「はい……」 一連の資料を渡され、リベリスタ男性陣は死んだ目で現地へ向かうのだった。 彼らの運命やいかに。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 9人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月18日(金)00:08 |
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■メイン参加者 9人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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