●NOBU祭りとは! 鬼騒ぎでなんやかんやひっちゃかめっちゃかになったかもしれない岡山のあっちこっちをどーのこーのとなんやかんやして元気に笑かしてあげようという大雑把な企画である! ●『超演劇・桃太郎オブカオス』出演者募集中! アーク某所の壁に、こんなタイトルのポスターが貼ってあった。 「…………」 「…………」 「…………」 「…………」 ポスター(NOBUがいい笑顔でサムズアップしている写真がウザイ)の内容を凝視するリベリスタ一同。 なんでも、鬼騒ぎで色々と岡山の一般人に迷惑がかかった気がしないでもないし、もしかしたら全然気にしてない上に記憶にすら残ってないかもしれないけど、一応こっちがすっきりするからって理由でひとつ面白いことをやって楽しませてあげようじゃないか、という企画が持ち上がっているらしい。 これはその一つで、岡山某所のホールを借りたから、そこで桃太郎的な演劇をやろうというのである。 だが何故だろう、タイトルには堂々と『桃太郎オブカオス』と書いてある。 それだけではない。 キャスト:不明。 脚本不在。 演出不在。 監督不在。 『でもアークなら、アークのリベリスタなら何とかしてくれる……!』みたいな気持ちで企画だけが通っているのだった。 あなたはどっさり置かれているチラシのひとつを手に取り、そして……。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月03日(木)00:05 |
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●即席結成アーク超演劇部『モモタロウオブカオス』 岡山某所、演劇ステージにて。 「………………」 翔太が幕の脇に突っ立っていた。 子供達を睨むように見ている。 そしてこう言い放った。 「もうどうにでもなれ!」 開かれる幕。 そして超演劇の世界が始まった。 ●第一章・桃太郎爆誕 昔々ある所に妖艶な団地妻とハードボイルド爺さんがいました。 ランディ爺さんは山へ……。 「山で芝なんて刈ってどうするんだよ……そんなことして一体誰が金をくれるんだ。金も稼がずに生きていけるような世の中じゃない、そうだろう、山賊さんよ」 爺さんは山に立てこもった山賊を武力制圧し、ボスの額に銃口を突きつけていました。 それをじっと見つめるユーヌの木。 「財宝を寄越して死ぬか、死んでから奪われるか、好きな方を選ぶがいい!」 響き渡る銃声。岩壁に飛び散る脳漿と血飛沫。 爺さんは汚れた手を相手の服で拭って、血は拭えてもこの手は汚れたままだぜとかハードボイルドな呟きを転がし、いつものように山賊狩りを楽しんでいました。 一方、お婆さんにはどうしても見えない団地妻こと由利子が川で命の洗濯(全裸になって水浴びをすることを指す)をしていました。 「…………」 桃が……と言うか桃から奈々子の四肢が生えた奇怪な生物が川に乗って流れてきました。 それをじっと見つめるユーヌの木。 桃は豪快に右腕を三回転させると、凄まじい高速アンダースローで桃を投球。 それでも足りないとばかりにピッチャーマシンに桃を挟み込みバシバシと団地妻に撃ちまくりました。 「え、ちょっとまって! そういう担当じゃな……待って待って!」 で、激しい攻防戦を終え、お婆さんが桃を持ち帰ってきました。 お爺さんとお婆さんは巨大な桃と言うか瀕死の奈々子を見下ろしています。 それをじっと見つめるユーヌの木。 「お爺さんこの桃――」 「こいつぁ食いがいがありそうだぜ、ククク……この斧で一刀両断にしてくれるわああああ!」 「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 振り下ろされる斧。飛び散る脳漿と血飛沫。 ●第二章 三つの家来(しもべ) 「オレの名は桃太郎……桃からbirthし、鬼を討つdestinyを背負う者」 風斗桃太郎がスポットライトを浴びつつ現れた。 脳天には斧が刺さっている。 恨みの籠った目で桃がピッチャーマシン射撃を加え、後ろではまだ出番はあるぞとばかりにセクシャルな腰つきで黍団子を作る団地妻がいた。あとユーヌの木。 「とりあえず、この黍団子で家来を作ることにするか……よし、あの犬にしよう」 「くぅーん」 いつからスタンバっていたのか、綺沙羅犬がええ感じのポーズでスポットライトに照らされた。 「そこなdogよ、団地妻の作ったこの黍団子らしきユーマを食え」 「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」 腰の巾着よりもちもちしたワーム型生命体が唸りをあげて飛び出す。 「イヤアアアアアアアアアアアア!!」 悲鳴を上げる綺沙羅犬。泣きわめいて逃げ出すもキビダゴンガから逃れる術は無い。たちまち全身に絡みつかれ粘液に塗れた後に色々あって桃太郎の部下に加えられた。 「………………」 死んだ目で地面を指す綺沙羅犬。どうやらここを掘れと言いたいらしい。 風斗桃太郎は凄く手伝って欲しかったけど、それを言い出したら『死んだ上目使い』と言うアバンギャルドかつサディスチズムをくすぐるポーズで嫌がるので、仕方なく自分で掘った。頭に刺さっていた斧で。 すると、斧の先が固い物に触れた。 「こ、これは……!」 金属である。しかし人型をしており、どこか猿をイメージしたつくりになっていた。 目の部分が発行する。 「桃太郎遺伝子高反応……貴方がマスターですね」 周囲の土をビームで吹き飛ばしつつ守夜猿が起き上がった。 「そうか、では褒美にこの黍団子を」 「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」 「ウワアアアアアアアアア!!」 死んだ目をした二人の家来を連れ、桃太郎はニヒルな笑みを浮かべつつ旅を続けること……数か月。 「世界中に散らばった六色のオーブ、漸く集めたぜ」 「途中でお爺さんの入歯を探したりとお使いクエストの嵐でしたね」 「レベル相当上がったしね」 「よし、祭壇にオーブを捧げるぞ」 聖なる祭壇にオーブを置くや否や、眩い光が周囲を覆った。 光に目を細める桃太郎達。が、彼らは見た。光の中から美しい不死鳥が生まれるシルエットを……! 「こ、これは」 「みなさんこんにちは、不死鳥セラフィーナです!」 ひたすら普通にセラフィーナがばっさばっさ下りてきた。人だった。羽生えてたけど。 「皆さん人数多いですね。店員オーバーで乗せられないんで、建設会社に依頼して瀬戸大橋かけといたんで、ええ!」 ひたすらドヤ顔で功績をアピールしてくるセラフィーナ(雉)。 「これでいつでも最終ダンジョンに乗り込めますよ。さあ、共に魔王を倒しに行きましょう!」 「おい待てゲームが、ゲームが違うぞ!」 「気にしないで下さい、世界平和は目の前ですよー!」 話も聞かずに聖なるショットガンをがしゃこんするセラフィーナ。桃太郎たちは微笑ましく頷き合うと、巾着から黍団子を取り出した。 ●第三章 もうひとりの桃太郎 「我が名は伝説の神託竜シヴァズゥヴズギャー!」 「何っ、伝説の神託竜シズヴァズギャーだと!?」 「伝説の神託竜シギャンズギャン!?」 「本当にMS-15カスタム・ギャンキャノンですか!?」 「誰だ伝説のモビルスーツと一緒にしたのは!」 ここは件の瀬戸大橋。 しかし橋は既に伝説の神託竜シヴァンズギャンギャンこと鷲祐さんに破壊されていた。 「今は人の姿を取っているがな……この海を渡りたければ俺の試練を乗り越えるんだな」 「ど、どうします桃太郎さん」 「うん……」 夏栖斗桃太郎が振り向いた。 「あ、ヤバいって。イケメン過ぎる俺が桃太郎とか、岡山県民のパッションがトリートしちゃうから」 「ちょっと黙っててもらえます?」 亘こと真の雉が夏栖斗桃太郎にジャーマンスープレックスホールドを仕掛けた。 白目をむいて気絶する夏栖斗桃太郎。 「さあ行きますよ、優秀なる家来――」 神託竜ユウヤケニャンヤンを指差す雉。 彼の左右から二匹の家来が姿を現した。 「権力の犬!」 「教えてやるぜ、日本最大の暴力機構はなにであるのかをな!」 対物ライフルを担ぎ上げる竜一犬。 「資本主義の豚!」 「買収、資金洗浄、インサイダー取引。頭脳戦なら任せてくれや! ただしタダ働きだけは簡便な!」 金の指輪をぎらぎらさせるオーク(豚)。 「「行くぞ伝説の神託竜シュビドゥヴァズギャーン!!」」 彼らはケーンからのパワーボムで竜を叩き落としGAU-8アヴェンジャー機関砲でハチの巣にした後最終的には筆頭株主になって運営を軽く揺さぶり事実上の吸収合併と言う形で試練を乗り越えたのだった。 「フフ、迷いの無い買収行為……認めざるをえんか」 「フハハハハ! 鬼どもめ、今まで好き勝手して来た罰じゃ。金銀財宝有り金全て、身ぐるみ剥いでくれるわぁー!」 後からひょっこり出てきた陽菜婆さんが鷲祐さんからなんでもかんでも奪い去り、最終的には髪の毛まで刈り取った。鬼じゃないけどそんなの気にしてなかった。それを見つめるユーヌの木。 と、そこへ。 「なるほど、あれが桃太郎か……相手にとって不足無し」 第一の鬼拓真さんが現れた。彼は腰から二本の刀を抜き放つと、桃太郎へと突きつけた。 「俺は鬼。名もなきただの鬼よ……さあ、存分に仕合おうぞ。桃太郎!」 「「望む所よ!!」」 夏栖斗桃太郎と風斗桃太郎が同時に身を乗り出した。 「…………」 「…………」 顔を見合わせるダブル桃太郎。 「お前はうんこ的な桃太郎(略してうんこ太郎)の楠神(笑)じゃないか!」 「フッ、Fateに導かれたPeach Fighterはどうやらオレだけでは無かったらしい……神も気まぐれなものだ」 がしりと襟首を掴み合う二人。 「てめぇこの前はよくもやってくれたな!」 「うるせえ死んどけ御厨、貴様が居るだけで劇の品位が下がるんだ!」 「よいこのみんなー! こいつは悪者ですよー! お兄さんが倒すからねー!」 「誰がだ歩く公衆猥褻物陳列罪! 舞台裏でカーテンの皺の数でも数えてろ!」 「285個でしたー! もう数えましたー!」 「嘘つくんじゃねえここのカーテン巻き取り式だったぞ! ギガクラッーシュ(非神秘)!」 「バーリアー! はい弾いたー!」 「バリア破ったー!」 「破れてませんー、二重バリアですー!」 「それもさっき破った」 「いつですかー、何月何日何時何分地球が何回廻った時ー!?」 醜い取っ組み合いを続ける夏栖斗桃太郎と風斗桃太郎。 それを無視して、鬼VS家来チームの戦いが勃発していた。 「みなさん右です!」 「残念だったな、こっちだ!」 「アパーム、アパーム!」 「ケーンからのドラゴンスクリュー!」 「ハイメガ粒子砲、発射ァー!」 「どうした家来たちよ、お前たちの力はその程度か!」 「くぅーん……」 「お嬢ちゃん三万でどや? な、どや?」 二刀流で戦う拓真鬼に対し亘雉の真空イズナ落としで対抗し彼もろともカーブラックホール砲とアハトアハト高射砲で塵も残さず潰しきり最終的には裁判に見せかけた合法賄賂によって実質示談に持ち込むと言う様子を綺沙羅犬とセラフィーナ雉が茶ぁしばきつつ眺めていた。あとユーヌの木も。 そして、最後の最後には陽菜婆さんが敗者に欠けられていた生命保険をがっぽり受け取るという外道行為に出ることでこのライアーゲームに決着がついたのだった。 ●第四章 もう桃太郎とか何人いてもいいんじゃないかな 鬼ヶ島、城門前。 祢子鬼と楽鬼が巨大な門の前で待ち構えていた。 「ククク、よく来ましたね桃太郎」 「ここを通りたければ……私の出すお題に答えてもらいましょう!」 「な、何故お題なのです!?」 光桃太郎がたじろいだ。 「ちなみに私達は派遣社員なので労災が下りません。今の世の中、正社員にはそうそうなれないんですよ」 「あ、わかります。ボクも異世界からの紹介で来たんですけど、交通費とかでなくて」 「もうね、六ヶ月で正社員になれるって契約書にサインしたのにいざ六ヶ月たったら契約書が間違いだったとか言い出しましてね」 「わかりますわかります。勇者の仕事だよって、戦士さんとか僧侶さんとかが一緒に派遣されるよって聞いてたのにいつまでたっても部署にはボク一人ですし。派遣会社の言うことって大抵ハッタリか何かですよねー」 「ねー、でもこのご時世働く場所とお金くれる人がいるだけ全然イイと思いませんか?」 「お金なかったら死ぬですしねー」 「「はっはっはっはっは!」」 肩を叩いて笑い合う光桃太郎と楽鬼。 祢子鬼が手持無沙汰でサイコロをいじっていた。 「あのー、そろそろお題のサイコロ転がしても?」 「あ、どうぞどうぞ」 なにがでるかなの歌をひとしきり歌いつつダイスロールをかける……と。 「はい、恥ずかしかった話ー」 「え、ええと……風斗さんと性的な合体を強要されたことですかね?」 「何ですかその犯罪的なフレーズ」 詳細は『エリューションスポーツ ~超次元サッカー~』をご覧ください。 「はいありがとうございまーす。では次のお題に……」 「騙されるな桃太郎!」 「ギャアアアアア!!」 アルフォンソ鬼が背中からぶった切られて倒れた。 今が初出だったのにいきなり斬り殺されていた。 そこにいたのは、血まみれの刀を握った優希であった。 「そいつのサイコロはイカサマ用だ。合コンの時に女の子に恥ずかしい話ばかりさせるのを目的に作られたのだ。酒に酔っていると気づかないが、振れば振る程恥ずかしい話をさせられるぞ!」 「な、なんですって!? それを教えてくれるあなたは!?」 「俺は……復讐鬼桃太郎!」 逆光ライトを浴びながら優希がポージングした。 「悲しみ憎しみ痛さ辛さ、それは全て鬼の所為だ。抜き打ちテストもストレス社会も全てな……」 「と言うことは前の会社をていよく自主退職させられたのも!?」 「鬼の所為だ」 「最近肩こりや腰の痛みが激しいのも!?」 「鬼の所為だ」 「年金がもらえるかどうか不安なのに払わなきゃならないのも!?」 「鬼の所為だ」 「さっき舞台の端で親指ぶつけたのも!?」 「それはお前の不注意だ」 優希は腰の袋に手を突っ込むと、アルフォンソ鬼の口に黍団子を目いっぱい詰め込み始めた。 「ふはははは喰らえ! 黍団子が世界を救う! そして黍団子はそこで大量購入したものだから地域経済も潤うぞ! フーハハハハハー!」 こうして、新たな復讐鬼桃太郎の乱入によって形勢は大きく崩れた。 四人の実力は拮抗しあい、そして十度目の決算ターンが訪れた。 「はい、というわけで桃鉄20年モードもいよいよ折り返し地点というわけですけども」 雅鬼が長机に座ってレポートを続けていた。隣では口いっぱいに黍団子を詰められたアルフォンソ鬼が白目をむいて痙攣している。あとユーヌの木も。 「ククク、貧乏神は擦り付けさせてもらいますよ!」 「そうはいかないのです。ボクの中に満ち溢れる勇気、希望、愛、正義、あと愛……くらえリニアカード!」 「ちょっ、まっ、キングになってんじゃん! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ、三位から急転落する!」 「いいじゃないですか借金くらいいつでもチャラにできるんですから。楽ですよー、物件もカードも持たない旅はー」 「手招くな! ルーレットに神が宿るだろうが!」 なんかのスーファミゲームを四人でプレイする優希たち。ちなみにコントローラーは1コンを回して使っている。 カメラ目線でウィンクする雅鬼。 「では、スタジオにカメラお返ししまーす!」 ●第五章 桃太郎とかもう関係ない クリーム色のドアには『プリンセス 様控室』というプラスチックプレートが貼られていた。 室内にカメラさんが踏み込むわけにはいかないので、部屋に取り付けられた隠しカメラからの映像をご覧ください。 「あれー、こっちと一緒にレポートしてくれる筈だったんですけどねー。あれー?」 ブラウン管テレビをばしばし叩くチャイカ。 いくら叩いてもノイズしか帰ってこない。チャイカはそれ以上の追及を諦めて作業に戻った。 三十八人分のリストをチラチラ見ながら、役柄と名前をパソコンに打ちこんで行く。 「あ、よく見たら何人か出演しない人いますねこれ。えーっと……ルーメリアさんとエリスさんですね。一応スタッフロールに入れときましょー」 一通り名前を打ちこむと、マイクに向けて素材用の声を入れる。 「おおよそ全ての物事が科学で解決されちゃう時代、突如として出現する鬼的な何か! そんな世紀末ヒャッハーを成敗するため桃太郎が立ち上がる!」 一度ヘッドホン越しに自分の声を聴いてみて発音の変な部分を言い直したりする地味な作業が続いた。それを見つめるユーヌの木。 「あー、でもこのナレーション全く使われない気がしてきました。文章嵩むからとか言って……ん? アレ? なんか部屋の隅にカメラ的なものが……」 おっと間違えた。これはスタッフルームのカメラ映像でした。 引き続きプリンセス控室の内容をご覧ください。 「必殺、プリンセス☆レッグスプリットォォォ!」 「ボールドコンバット! チェーイスカッター!」 ロッテとブランが血みどろの格闘戦を繰り広げていた。 「ちょっと、私まだ弱いんだから手加減しなさいよね!」 「聞えないですぅ! プリンセス役はだれにも渡さないのですぅ!」 「ロッテのばかぁ! どいてよぉ!」 二人の拳が空中で掠り合い、互いの頬にめり込んだ。 汗と唾が飛び散り、二人の顔面が複雑に歪む。 と、その時。 「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番正統派ヒロインなのは誰?」 楽屋の大鏡の前でメイクを直す英美。 名札には『ミスパーフェクト白雪姫』と書いてあった。 英美はぐるりと振り返ると、サブマシンガンの銃口をロッテ達の口に突っ込んだ。 「『それは貴女ですよパーフェクト白雪姫エイミー!』」 ウージーから分速600発の9ミリパラペラム弾がぶっ放され、二人のプリンセスを壊れたスプリンクラーに変えた。 マガジンを袖ギミックで再装填すると、英美は天井に向けてウージーを乱射した。 「そうとも、わたしこそしんのひろいんだ! 桃太郎よ、この『腐れ泥大蛇』の異名を持つ白雪エイミーを倒すと言うのか、面白い……その額に『バッドアップル』を割かせてやろう! 来いよMOMOTATOURYYYYYYYYY!!」 カメラは砕け散った。 ●第六章 沈黙の桃太郎 2012年5月。 アメリカ海軍艦ミズーリは最後の航海を楽しんでいた。 クルーは皆そわそわとして、奇しくも航海中に誕生日を迎える艦長の為にサプライズパーティーの準備をしていた。 反発心の強い禅次郎・ライバック兵曹もまた、副官といつものように揉め事を起こしつつも気のいいクルーたちと特製メニュー作りに勤しんでいた。 だがそんな和やかな時間は、サプライズパーティー開始と共にぶち壊されたのである。 空輸されたパーティー料理とスタッフに偽装したテロリストによって艦内は血の海となる。 無敵と思われていた戦艦だが、死の武器商人エーデルワイスによって持ちこまれた幾ばくかの銃器によってたちまち沈黙してしまったのである。 それに逸早く気づいた禅次郎はコーヒーを淹れるかのように気軽さで爆発トラップを仕掛けテロリストを次々にジェノサイド。途中で出会った戦争の犬ことツァインと共に艦内を制圧していく。あとユーヌの木も。 異変に気付いたエーデルワイスはこのためにと黍団子で雇った美少女雉ヒロイン明菜ちゃんを向かわせる。 だがそれは雉界のプライドを傷つける行為でもあった。 保守派の雉こと守羅の乱入により明菜は銃殺される。 文化、文化、文化と雉として恥ずかしくないのか。 守羅が明菜の額にトドメの銃弾を撃ち込んだその時、背後に回り込んでいた禅次郎が首をごきりと捻じり絞め殺したのだった。 彼は途中で凶弾に倒れたツァインに涙すると、宿命の敵エーデルワイスとの決戦に挑むのだった。 彼の運命やいかに。 ●第七章 桃太郎と鬼、宿命の戦いはついに最終局面を迎えていた。彼らの運命は四畳半の畳で昼寝するオッサンのTシャツに滲んだ乳首のように儚くそして汗臭い感じだった。 「よく来たな、桃太郎たちよ!」 鬼キング刃紅郎がスモークと共にせり上がってきた。 「我が名は超銀河暗黒戦鬼軍団大皇帝グランドオーガキングライガー十六世なり! 無敵の超銀河暗黒戦鬼軍団を従えはるか銀河の彼方からしし座流星群と共に鬼が島へ不時着した我等は建設した暗黒魔城オーガパレスを拠点に世界侵略を始めるのだ。命乞いも裏切りも一切許さない。容赦なく苛烈に一切の慈悲もなく捻り潰しこの世界をわが手に納めてやるのだぐわーっはははははは!」 長セリフを一息に言い切ると、巨大な剣を掲げて見せた。 「さあ行け、我が四天王軍団」 するとどうしたことか、巨大な門が開き鬼達が姿を現すではないか。 「四天王第一の鬼――殺人鬼の葬識!」 「この先にはあと108人の四天王が存在している筈だ」 「おいいきなり108人に増えたぞ!」 「四天王じゃなかったのです!?」 光桃太郎と仲間たちが野次を飛ばす。 「第二の鬼――守護鬼の快」 「桃太郎……お前の本当の父親は我らが王なのだ」 「いきなり衝撃の真実を話し始めただと!?」 「待ってそれ俺達が兄弟ってことなんじゃ!? キモッ! このイケメンとうんこが兄弟とかキモッ!」 「何だとこの野郎!」 取っ組み合いの喧嘩を始める夏栖斗桃太郎と風斗桃太郎。 「第三の鬼――金満鬼のフツ!」 「ホホホ、これは新たな金儲けの機会ですね。わたしはこの鬼ヶ島が欲しい、あなたはあの鬼が邪魔。報酬は惜しみませんよ。ウィンウィンの関係を気づきませんか? ホーッホッホッホッホ!」 「是非」 「是非」 「是非(ブヒー)」 資本主義の豚と権力の犬と戦闘の犬が敵に回った。 「第四の鬼――復讐鬼の優希!」 「このリプレイに文字数がかさんでいるのも鬼の所為!」 「おいお前桃太郎じゃなかったのか!?」 「俺がダントツでボンビーに虐殺されたのも鬼の所為!」 「逆恨みだ! こいつ逆恨みで寝返ったぞ!」 「そして俺が第五の鬼こと狄龍で」 「やっかましい!」 「ぐぎゃああ!? なんだと、俺の防御を易々と!?」 名乗りきっていないにも関わらず大乱闘を始める鬼と桃太郎一行。 「どうやら、また休暇が無駄になりそうだな……」 そこへ乗り込むテロリストを静かに皆殺しにしていく禅次郎。 「わたしに殺されたい桃太郎は前へ出なぁ!」 腹にダイナマイトを巻いて乱入する英美。あとユーヌの木。 そんな中、刃紅郎が威厳のある声で言い放った。 「貴様等は鬼を全滅させなければ平和を取り戻せないと思っているようだが……別に倒さなくても訪れる」 「何っ!?」 「地元から奪った金銀財宝は倍以上の利益になったので配当金と共に還元しておいた」 「なら俺達からも言わせてもらうが、鬼退治をする使命があった気がするが別にそんなことは無かったぜ!」 「そうか……ではあとはこの俺を倒すだけだ! こい桃太郎!」 「「うおおおおおおおおおおお!!」」 「桃太郎が世界を救うと信じて!」 「ご清聴ありがとうございました!」 割とマジな乱闘に発展した鬼や桃太郎たち。 そんな彼等を背に、ユーヌの木がゆっくりと振り向いた。 「めでたしめでたし」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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