●『セリエバの枝』と坂木一族 願望器。 願いを叶えてくれるアーティファクトは、その代償としてとんでもない不幸を与えてくれるものが多い。 『セリエバの枝』もその例に漏れないアーティファクトである。神に近い能力を与え、死者復活すら叶う……というものだが、実際のところは力を求めるものの運命を食らってノーフェイスにしたり、死者をEアンデッドにしたりと迷惑千万なことこの上ないアーティファクトである。 そんな危険なものは破壊すればいい、という意見もあったが壊せばどうなるかがわからない以上は迂闊に壊せない。最終的に坂木と呼ばれるリベリスタの家系が封印し、厳重に取り扱っていた。 そんなリベリスタの家に、炎が上がる。全てを壊す破壊の炎が。 「何者だ!」 消火に勤しむ坂木一族。誰かが炎の中に人影がいるのを見つける。 「ケタケタケタ! ワタシが何者ってーよりモ、何しにきたかって方が大事ダロ? ああ、そいつは推測がついてるノカ。そりゃソーダヨな!」 炎の中、一人の少女が笑いながらやってくる。チャイナ服を着た少女は周囲を燃やす赤い炎を指差して哂う。 「ここまでやっといてオ友達になろう、ってワケもいかねぇヨナ。コリャ失敬! マー、そんなわけダ。『枝』ヨコシナ」 「黙れ賊! ここまでされて大人しく渡すと思うのか!? 我等坂木一族総勢十四名! これだけの数を相手に勝てると思うなよ!」 「アーア、渡せば痛い目見ずにすんだのにナ。拷問させてもらうゼ! 痛いのは最初だけダゼ? ケタケタケタ!」 ナイフを構える少女。そして炎の中から現れる獣。たとえるなら炎の鬣を持つ黒い馬。炎の蹄で地面を蹴りながら、走ってくる。らんらんと赤く光る瞳は、宝石のよう。生物とは思えないほど無機質だった。 「『焔環陣』展開! 全て炎に包まれナ!」 『チャプスィ』は懐から大きさ5センチほどの何かを取り出す。炎の走りが加速した。人の手では抑えられないほどに炎が燃え上がる。 ●アーク 「任務はフィクサードの撃破。あるいはアーティファクトの保護」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は集まったリベリスタたちに向けて淡々と説明を開始する。 「加勢は間に合わない」 『万華鏡』が補足した未来を逆算した結論。どれだけ早く行っても、坂木一族とフィクサードの戦いに加勢することは叶わない。 「急いでいけば、生き残りにアーティファクトの場所を聞き出そうとしているところに間に合う」 その『聞き出し方』も死人に鞭打つような酷いものらしい。詳しくは教えてくれなかったが。 「フィクサードは『チャプスィ』と呼ばれる六道所属のナイトクリーク。護衛に炎のEビーストがいる」 能力は炎の息を吐いたり、炎の蹄鉄で蹴ってきたりする。多少傷ついているけど、それでも強敵。それが二体」 七派フィクサード組織のフィクサードに強力なEビースト。 「戦う場所もまだ火事の最中だから危険。長居はできないと思って」 おまけに制限時間まである。 「……最悪、フィクサードにアーティファクトの情報を与えさせなければいい」 「それは……」 イヴは首を振り、それ以上の発言を遮った。 アーティファクトの情報を知るのはリベリスタの一族。その一族の口を封じれば、最悪の事態は防げる。 イヴがそれを提案したのは、つまりそこまでしなければならないほどの相手だということだろう。 「作戦はみんなに任せる。ただし危なくなったら逃げて」 オッドアイがアークのリベリスタを見る。その目に映るのはリベリスタに対する信頼と、危険な目にあわせることに対する不安。彼女を見慣れてなければ気付かないかすかな表情の揺れ。 その瞳を受けて、リベリスタ達はブリーフィングルームを出た。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月04日(金)23:49 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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