●必殺とは、必ず相手を殺す技のこと言う……! 「ばぁぁぁぁぁぁぁぁくねつっ! メテオ・シュゥートッッッ!!!!」 グローブから炎を上げ、少年はボールを投げ放った。 ボール大気に擦れてか、それとも魂を伝播してか、真っ赤な流星が如く燃え盛った。 ボールは相手に命中し、灼熱と共に撃滅する……かに思われた! だがしかし、ボールは激しい摩擦熱と煙だけを残し、相手選手の両手の間に収まってしまったのだ! 「何ッ!? 俺のメテオシュートを取った……!?」 目を見開く少年。トゲトゲした頭の彼は、90年代より伝わる小規模覇界闘士リベリスタ組織、その名も『覇界ドッヂーズ』!! 彼等は練習場である青葉の森公園スポーツ場を占拠しているという謎のフィクサード組織『タークキャノンボールズ』と対戦していた。 ダークキャノンボールズのキャプテン、オールバックに色黒肌の男は、にやりと悪魔的な笑みを浮かべた。 「ほほう、良い球を投げる……だが所詮は弱小組織、か」 ボールを高く放り投げる。 すると、フィールド内に居た他選手達が一斉にジャンプ。 自らの腕をカッターナイフで切りつける。 吹き上がった血が闇色に染まり、ボールを幾重にも包み込んだ。 「「ペインエネルギー充填完了!!」」 「血反吐を撒き散らし、臓物千切れて死ぬが良い――撃滅ッ・ペインシュートォ!!」 高所より両手を翳したダークキャノンボールズ・キャプテン。 「「う、うわああああああああ!!」」 こうして、リベリスタ組織覇界ドッヂーズは壊滅してしまったのである……! ●ゴーゴーファイト・スーパードッヂ! 『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)が、ボールを指の上で回していた。 何故か思わせぶりに振り向くと、青春を見つめる系の眼差しで皆を見た。 「ドッヂボール……知ってるよな!」 あれ、今日もキャラがブレている。 ドッヂボール。 90年代に大ブームとなった球技である。当時は全ての小学生がゲームボーイを投げ捨ててドッヂボールに興じたと言われ、昭和生まれに知らない奴は居ないスポーツである。 しかしもしかしたら知らない人が居るかもしれないのでルールを解説しておくべきだろう! 「ドッヂボールのルール……それは、必殺ボールを投げて相手を撃滅。全ての敵を撃破したチームが勝ちとなる」 あれ? そういうゲームだったっけ? 「少なくともゲームボーイ版のヤツはそうだった」 何の話をしているのかわからないが。 とにかく、今回の超爆裂ドッヂボールのルールは単純明快。相手フィールド内の敵を全て撃滅すれば勝ちなのである。 「勿論ただ投げて倒せばいいってもんじゃないぜ? 相手のボールを受け止める防御力。もしくはかわす回避力。時には弱い女の子を護れる心の強さ。ボール回してない友達にもちょっと投げさせてあげる優しさ。しばしば繰り出される派手なモーション。たまに編み出される合体奥義。夜寝る前に考えたオリジナル技。それらすべてが融合し、ドッヂボールの力になる……だが、こんなことを態々説明するまでもないよな。キミ達はもう、その心を身に着けている筈だから!」 ブレたキャラのままびしりとこちらを指差すNOBU。 一同は強く頷くと、河川敷へと走り出したのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月02日(水)00:56 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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●悪のドッヂボールチームと世界を賭けたバトルみたいな世界観 「チーム――」 『ミサイルガール』白石 明奈(BNE000717)がなんちゃらライダーの変身ポーズ的なものをとった。 「『三高平あきなちゃん超爆裂! ドッヂボーラーズ』、コートイン!」 「おい何だその欲張ったチーム名は!」 「明らかにその『あきなちゃん』だけ爆殺されてるぞ!」 「うわホントだ!?」 ここは某県某市六実ドッヂボールグラウンド。 今日も青空の下リベリスタとフィクサードによる血みどろドッヂボールバトルが行われているぞ! 相手に向かってボールを全力投球する『トランシェ』十凪・創太(BNE000002)。 「テメェらもなんなんだよ『タークキャノンボールズ』って、タークの意味が分からねえぞ!」 ボールをキャッチして怒りの表情を見せるフィクサード。 「なんだと……貴様ァ……!」 「あ、意味があるなら……」 「キャプテンがユニフォーム発注の時に文字を書き違えなければ……!」 「ガチ誤植かよ!」 「……で?」 創太の背後で名指し難いポーズをとっている『神速』司馬 鷲祐(BNE000288)。 「この俺が貴様等とドッヂボールしてやる理由はどこにある?」 「誰だコイツ!?」 「いきなり偉そうだぞ!」 「それだけだと思うか? 準備は万端にしてあるぞ……見ろこのセリフ集を」 「サポート含めた全員分のセリフ集が書いてあるだと……!?」 「何だこの欲張り過ぎて手が足りなくなったみたいなヤツは……!」 「フン……」 チャッと眼鏡を取って見せる『鋼鉄の信念』シャルローネ・アクリアノーツ・メイフィールド(BNE002710)。 彼女と背中合わせになった『雷を宿す』鳴神・暁穂(BNE003659)がにやりと笑う。 「ボールで敵を撃破する……でルールは間違っていないな?」 「さあ、撃滅するわよ!」 「こっちはこっちで殺気立っていやがる!」 「畜生ドッヂを何だと思ってるんだ!」 「お前がそれを言うのかの?」 くりっと首をかしげる『不誉れの弓』那須野・与市(BNE002759)。 「ええい言わせておけば……喰らえ、最強必殺スケフィントンシュゥート!」 漆黒の霧が渦巻くボールが与市へと発射される。 はっとする与市。まさかいきなり最強技を使ってくるとは! 「与市ー!」 顔を庇う与市。そんな彼女の前に、体操服の『鉄腕ガキ大将』鯨塚 モヨタ(BNE000872)が立ちはだかった。 「だいじょうぶか?」 「も、もよた……」 頬に手を当ててもじもじする与市。 ダークキャノンボールズの皆さんが盛大に歯軋りを始めた。 「くっ、コート内の恋愛は禁止だ!」 「聞えないぜ、くらえおいらの必殺――」 ドッヂボールなのになぜかすごく大きいモーションを加えるモヨタ。 「おじさんちのガラス割って怒られつつもう特訓した、ブレイクシュート!」 気合の籠った弾が相手へ発射される。それを片手で受け止める巨漢。 「なっ、おいらの必殺ボールを……!」 「ククク、甘いな少年。本当の必殺を見せてやろう!」 ボールを高くほうり上げるフィクサード。他の選手達が三人一緒にジャンプ。 と、その時! 与市のアーリースナイプがボールに突き刺さった。 「あ、当たったのじゃ」 「何イイイイイイ!?」 ペインシュートを放ったフィクサードだったが、微妙に勢いが外れてへなへなとしたボールになってしまった。 「俺たちの連携技に隙を見出しバランスを崩す作戦に出たのか、なんという策士!」 「いやそこまで考えてないんじゃが」 「ええいこうなったら奥の手だ。俺達が何故キャノンボールズと呼ばれているか見せてやる!」 フィクサード選手達がどこからともなく大砲を取り出し、空中でへなへなしているボールへ砲撃しまくったのだった。 「ククク、ボールを取れば砲撃に当たるぞ。取らなくても当てるがなあ! フゥーハハハー!」 フィクサードの高笑いが響く。『三高平あきなちゃん超爆裂! ドッヂボーラーズ』あやうし……! が、しかし! 「絶対安全領域(アブソリュートセーフティーゾーン)!」 甲冑に身を包んだ『鉄壁の艶乙女』大石・きなこ(BNE001812)がボールを砲撃ごと受け止めたのだった。 「何ッ!?」 「結界の効果範囲を5mまで狭めることで遺物侵入を感知、そこへ私の防御力を加えることでどこからボールが飛んできてもキャッチできるのです!」 「結界の部分無理在り過ぎるだろ……」 「ノン、勝った方が正義ですよ。明菜さん!」 「オッケー!」 彼女から翼の加護を貰うと、明菜はボールを持って高く跳躍した。 でもってモヨタにパス。 なんと相手コートに飛び込んでフィクサードの一人を羽交い絞めにしたではないか! 「な、コースアウトだぞ!」 「空中セーフだ!」 「ばかな!?」 とか言ってる間にモヨタが電撃を纏わせつつボールをシュート。 「行くぜ、超電磁ギガシュート!」 「グアアアアアアア!!」 悪魔みたいな断末魔をあげ、フィクサードは血を吐いて転倒。 タンカで外野へと運ばれていった。 「やったな、まずはワンアウト(一死)だ……」 眼鏡をちゃきっとやる鷲祐。それはドッヂボールじゃねえと突っ込んでくれる人は、残念ながらいなかった。 そうこうしている間に浅倉 貴志(BNE002656)が地面に転がったボールに何か投げて味方陣地へ転がしていた。 「何故でしょう、僕の出番が圧倒的に減っている気がします……」 「心配ない自然な流れだ」 ボールを拾い上げるシャルローネ。彼女は暁穂へボールをパスすると挑発的な笑みを浮かべた。 「細かい策など必要ない。全力でボールを投げつける。それだけで十分だ」 「任せて、威力は折り紙つきよ。止められる物なら止めてみなさい!」 そう言うと暁穂は稲妻走る背景を背負ってボールを放り、ギガクラッシュで殴りつけた。 「必殺、鳴神キャノン!」 「なんの、漆黒ハンドゥ!」 紫電を放つボールを、巨漢が全身で受け止める。 「な、なんですって……!? 完璧に入ったのに!」 「今度はこちらの番だ、ソウルバーンシュートゥ!」 暗黒の魔力が篭ったボールと言う意味の解らない物体が跳んで来る。 しかしシャルローネは無言で一歩踏み出すと、回転するボールを胸でキャッチした。 「どうした、貴様の力は……その程度か!」 「ぬぅ!?」 「ぬるい、ぬるいぞ……その程度はアフリカゾウ一頭すら倒せんぞ!」 「今だな……撃ちこめシャルローネ、お前の剛力を!」 何処をどう蹴ったのか地面と水平に跳んだ鷲祐が相手の顔面にスタンピング。そのまま跳ねるようにして陣地へと戻ってきた。 彼と入れ違いに放たれる土砕シュート。 「ぐああああ目がああああ!」 目を抑えていた男は迫りくるボールに気づくことなく。 「腹ががあああああああ!」 ボールは腹を貫通して外野へと突っ込んで行った。 「おおっとそろそろ俺のでばギャアアアアアア!?」 待ち構えていた『愛の宅急便』安西 郷(BNE002360)に激突。ボールは反射してこちらに戻ってきた。 「ピンボールのように反射させることは叶わなかったか……」 ちゃきっと眼鏡を中指で押す鷲祐。 「シャルローネ……パスは普通にしろ。今ので安西が死にかけている」 「すまん、外野と言うものを誤解していたようだ。次からは普通にパスを回す」 ひょいっとボールを放るシャルローネ。 ボールは空中で創太にキャッチされ、そのまま彼ごと上昇。 「見切って見せろ、俺様の最終奥義!」 創太は翼を広げてボールごと相手へ特攻……すると見せかけて空中で一度ループすると、もう一回突撃を繰り出した。 「燕翼天翔!」 「な、なんて無駄なワンターンだ!」 「しかも最初に使う技が最終奥義とは!」 「少年漫画では技が一瞬で破られるフラグではないか!」 「外野テメェ黙ってろ!」 創太は自分自ら相手へ突撃。地面は盛大に抉れ、土煙が上がる。 その場に残ったのは、涼しげな顔で浮かぶ創太と大の字に倒れる相手選手の姿だけだった。 「ツ、ツーアウトォ!」 もうそれダイレクトアタックやないかい、と突っ込んでくれる人は居なかった。 ●やーいやーいお前の母ちゃんを巡って生死を賭けたバトル! フィクサード組織ダークキャノンボールズ(正式名称タークキャノンボールズ)は焦っていた。 「奴等、聞いたこともないマイナー組織だと侮っていたが、やりおる」 「うぬらは聞いたことが無いか、三高平と名のつくチームのことを」 「はっ、まさかアーク!?」 己が相手にしている組織の大きさに気づきフィクサード達は戦慄した。 「仕方ない、この勝負……全員をハチの巣にしてでも勝ち、生き延びるしかあるまい」 「「おう!」」 頷き合うフィクサード達。 彼等は背中に背負っていたライフル(なぜ気づかなかったのか)を一斉に構えたのだった。 「な、直接攻撃するつもりか! そんなものはドッヂボールじゃねえぞ!」 「知ったことではない。審判も千葉ミルフィーユ三箱で買収した。文句は生き残ってから言うのだなあ! フーハハハハハー!!」 高笑いと共に射撃を始めるフィクサード達。 「させません!」 叫ぶきなこ。素早く陣地の前線へと飛び出すと、ガード態勢を固めて弾丸を一手に引き受けた。 「私が引きつけている内に、ボールを……!」 「そう簡単には渡さないぜぇ!」 モヒカンの男がロケラン担いでジャンプ。ランチャーの中にはなんとボールが装填されているではないか! 「スペシャルペインシュート! 粉々に砕け散れぇい!」 トリガーにかかる指。しかし男ははっとして目を見開いた。 なぜならば! 「来いよ」 翼を広げた創太が銃口の目の前にいるではないか。 「き、貴様……」 「さあ、打ってきやがれ! さあ、さあ!」 「う、うおおおおおおおおお!」 思い切ってランチャーを発射する男。創太は直撃を受け、陣地の外へと転がり出ていく。 「創太ァー! ひでえ、こんなの本当のドッヂじゃねえ!」 とても今更ながらモヨタは怒りの涙を流す。 「明菜、もう一度アレをやるぞ!」 「アレを……でももう手の内はバレてる筈」 「フ、心配は要らん」 二人の間にスライドインしてくる鷲祐。 「何の為に俺が(半分くらいスルーされるかもしれないのに)全員分の対応プレイングとセリフを書いたと思っているんだ」 「いや本当に何の為だったんだ?」 「いいから行け、俺の早さを持ってな!」 鷲祐は真顔で片膝立ちになると真顔で両手を低い位置に出しジャンプ台の構えを取った。 その途端、明菜の脳裏に何かのイメージがよぎった。 ――明菜、明菜、聞こえるか。 ――誰だ!? ――ドッヂは、性欲のメタファ。 ――あなたは……風斗(フロイト)先生! 「……分かったぞ、楠神!」 「俺は司馬だが?」 明菜は全てを察したみたいな顔をして頷くとダッシュ。鷲祐カタパルトで大きくジャンプすると、空中でまだ飛んでいる男へとしがみ付いた。 「ぐおおっ、何をする! このまま落ちたら貴様も場外判定になるんだぞ!」 「いいんだよ、それまでに……」 ちらりと後ろを見やる明菜。 「神速合体!」 真顔の鷲祐に肩車されたモヨタという奇怪な生物が光の翼をダブルで生やして飛翔していた。 与市が『なんじゃこりゃあ』と言う目で見ていた。 高く高く飛び上がると、今度は紫電をまき散らしながら急降下。 「いくぜぇぇぇぇぇ! これがオイラたちの、ドッヂ魂だ!」 ハイパー超電磁ギガシュート! というテロップが下に出たような気がした。 「ば、ばかなあああああああああ!!」 モヒカン男と三人の勇者はもつれ合い、他のメンバーが居る辺りへと墜落。なんでかしらんが大爆発を起こして気を失った。 「見事だ……見事な合体技だった……」 「ちゃんとチーム名も回収して……」 涙ぐむ観客(いつからかいた)。 「モヨタ……」 目尻を拭う与市。 そしてキリリと表情を整えると、相手チームへ視線を向け直した。 味方残り内野人数4名。 相手の残り人数は3名。 いよいよもって、決着の時が近づいてきたようだ。 「命中率は保証しないが、当たれば倒せる自信がある……」 ぽつりとつぶやくシャルローネ。防御態勢のまま固まっていたきなこと、『わしは出る幕ないのじゃ』とか呟いていた与市がちらりと視線を送る。 「打合せはしていないが……何とかできるなら、してもらおう!」 ボールをラグビーのように地面につきつけると、シャルローネは威風のオーラを纏い始めた。 「行くぞ、巨神の鉄槌――!」 豪快なパワーでボールを発射するシャルローネ。 相手の男はニヤリと笑った。 「ククク、そんな直線ボールを避けるなど容易――」 「それはどうですかね」 きなこの目がキラリと光った。途端、全身を覆っていた甲冑が弾けるように飛び散った。 キャストオフである。インナーのボディースーツである。 かつてスーファミでそういう感じのゲームがあって、死ぬ瞬間だけ鎧がはぎ取れるからとか言って一生懸命死にまくっていた少年が居たが、男はまさにそのタイプだった。 「外はサクサク中はふんわりだと!? ぐ、だがこの程度で集中力を削がれるような私では……」 一方きなこは鎧をパージしちゃったもんだから(一応アーマーパージのルールは無いけど)相手の弾幕に思い切り晒される。インナースーツがまだら模様に破けていくと言うどの層に需要があるのかいまいち分からないサービスカットを生み出したのだった。 「まさか奴はここまで計算してアーマーパージを!?」 「三高平のドッヂ選手は化物か!」 デジカメのシャッターを16連射するギャラリー達(組織が壊滅した覇界ドッヂーズの皆さん)。 「お、おのれ……そんなものにこの私が、屈するとでも思ったかああああ!」 男は血の涙を流し、一眼レフカメラを三脚の上にセットしてリモコン式シャッターを連打した。 当然顔面にボールがめり込んだ。 「ギャボン!?」 きりもみ回転して吹っ飛んでいく男。 一方のきなこは相手の攻撃を受け過ぎたのか何なのか、がくりと膝をついたのだった。 胸元を抑えて荒い息をするきなこ。 背後でひっきりなしに弾けるフラッシュ。 「すみません、私はここまでのようです」 「構わないわ。後はわたし達で決めてあげる」 ボールを片手に頷く暁穂。 彼女は思い切りボールを投擲。 「ふん、この程度の弾!」 しかし相手選手は軽やかにかわす。 外野の二人が今が出番のチャンスだとばかりに軽く押し合いへし合いしつつもダブルキャッチ。ほぼ同時に暁穂へと投球した。 「今よ――」 暁穂の腕には紫電が奔っていた。 その腕で直接ボールを殴りつけ、相手選手へと叩きつける。 「しまった、外野の二万文字に渡る壮絶なボール争奪戦(やむなくカットしました)に気を取られていたぁあああああ!」 「鳴神リフレクト!」 ボールが腹にめり込み、男は仰向けにぶっ倒れる。 だがそれだけではない。 「わしの出番がまだったのじゃ。まあ当たらんかもしれんが」 等と言いながら、常人には倍近い威力を誇るという矢をボール目がけて発射。 矢はそのまま貫通し、ボールを拾おうとした男の額にざくりと刺さった。 「し、しまったあああああああ!!」 額から血を吹いて倒れる男。 そして、高らかに笛の音がなったのだった。 「オールアウト(全滅)、勝者……『三高平あきなちゃん超爆裂! ドッヂボーラーズ』」 壊滅したくせに案外ちゃっかり生きていた覇界ドッヂーズの皆さんに見送られ、一同はコートを後にした。 だが彼らの行く先は平和な我が家……ではない。 新たな戦いとまだ見ぬ敵が待っている、未来と言う名の戦場なのだ。 それを察し、覇界ドッヂーズ達は涙した。 戦いの宿命から逃れられぬ彼らを。 割と適当に死んだタークキャノンボールズを。 そして何より、この戦いの連鎖を。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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