●ナース 井上誠一は朦朧とする頭を抑えながら、病院への道を進んでいた。おそらく風邪だろう、とたかを踏んでいたら妙に長引く。これはヤバイということで医者にかかることにした。 新生活で新しい町に引っ越し、地図を見ながら病院を探す。確かネットで調べたときにはこの辺に……あった。 少し寂れたビルだが、医者の腕が寂れているとは限らない。仮に腕が悪くても診察して薬もらって終わりなのだ。とにかくとっとと診察してもらって―― 「凶悪な感染症です。隔離入院します」 は? 反論する間もなくベルトで拘束され、隣の部屋に連行される。そのままテキパキと点滴やら機械を繋がされる。あの、何の冗談? っていうかいきなり入院とかナニソレ? 「安心してください。新薬を投与します」 あの、確かそういうのって同意が必要なんだよね? って言うか何の薬をぎゃああああ! 「容態悪化。電気ショックの準備を!」 ばりばりばり。明らかに人体に当てるには大きすぎるだろう電流の帯を見て、井上は恐怖する。ああ、俺ここで死ぬかも……しかし男のサガか現実逃避か。井上の思考は自らを『治療』する医者のことを考えていた。 (ミニスカナースでぱっつんぱっつん。そんな女医にクールに診られるなら死んでもいいや……) ●アーク 「イチハチサンマル。ブリーフィングを開始します」 録音機にスイッチを入れて、資料を開く。『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)は集まったリベリスタたちの顔を見ながらこれから起こるであろう神秘の説明を始めた。 ちなみにいつものアーク制服ではなく、ナース服である。 あんたなにしてんの、という視線を受けて持っていたバインダーを手に顔を赤らめた。 「こ、これは司令室長からの命令で仕方なく……っ!」 さおりんなにやっとるか。取り合えずそこには触れない優しさでリベリスタたちは先を促した。まさか和泉を辱める為にブリーフィングルームにリベリスタを呼んだわけではあるまい。 そう。これはエリューション事件なのだ。リベリスタたちは気を引き締め、フォーチュナの説明に耳を傾ける。 「敵はフェーズ2のノーフェイスが一体と、フェーズ1のノーフェイスが三体です」 言葉と共にモニターに写しだされる寂れたビル。そこの三階がクローズアップされた。『如月医院』という看板がある。 「ここの医長と看護士全てがノーフェイスです」 ノーフェイス。革醒してフェイトをえられなかった人々。世界を崩壊に導く存在であるがゆえに、滅ぼさなければならない相手。運命はかくも残酷なのか。人の命を救う医者であっても等しく残酷に選別は行なわれるのか―― 「革醒して得たフェイトを自らを使って人体実験等を行って消費し、わずか一ヶ月で全て失いました」 「自業自得かよ!」 「そしてノーフェイスになり、人の理を外れたスキルを手にし、さらに不死性を高めてその行動は加速しているようです」 「本気でどーでもいいな!」 「それだけなら他人に迷惑をかけないのでいいのですが……」 いいのかなぁ? 首をひねるリベリスタ。 「近々その医院に患者がやってきます。彼女達はその患者を使って様々な『治療』を行なうでしょう。有り体に言えば、ノーフェイスの毒牙にかかります」 それは捨て置けないよな、うん。 って待て。いま彼女達っていわなかったか? モニターに写しだされるミニスカナースの姿。クールな瞳で見下ろす知的な女性。ぱっつんぱつん。 「確かにそれは見過ごせないな」 やる気が出る一部のリベリスタ。それを冷たい目で見るリベリスタ。 「ビルは多少派手に暴れても問題ありません。皆さん、よろしくお願いします」 和泉の声に送られて、リベリスタはブリーフィングルームをでた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年04月22日(日)23:17 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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