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ゴーレム婆娑羅 エターナルプチプチ

●プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ……。
 梱包材のプチプチがあれば生きていける、というのがあるオッサンの主張であった。
 暇な時。
 悲しい時。
 泣きたくなった時。
 彼女にフラれた時。
 なんかどうでもいい時。
 いつもそばにいてくれたプチプチ。
 もう梱包材とかどうでもいいから直に買いたいいやむしろ買うというくらい、オッサンはぷちぷちを愛していた。
 なので今日も細長く切ったプチプチロール(自作)でプチプチしながら街を歩いていた。
 そんな時にことである。
「こ、ここは一体……!?」
 床一面がプチプチだった。
 壁一面もプチプチである。
 もうどういう風に動いてもどっかプチっとやっちゃうような、そんな場所にオッサンは立っていたのだ。
 いつの間にだろうマジで。
「どうやら新しい得物が迷い込んだようだな」
 背後からプチプチの巨大ロールみたいなやつが話しかけてきた。
 頭おかしいんじゃないかと思われるかもしれないが、本当に、ロールに手足が生えた変な物体が話しかけてきたのである。
 だが異変はそれだけではなかった。
 なんだか……。
 そう、なんだか……。
「こ、このプチプチ……途轍もなく潰して回りたい!」
 耐えきれぬ衝動。
 そう、人間なら誰しも感じる『プチプチ潰したい願望』。
 それが身体の奥底から漲ってきたのである。
「逃げなければ……逃げなければならないのは分かっているのに、何故……なぜこうも俺はああああああああ!」
 そしてオッサンは、滅茶苦茶幸せそうにプチプチを潰しまくり、その間自分もプチっと潰されたのだった。

●プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチぐにゅ……あ。
 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)が鬼の形相でプチプチを潰していた。
 今更説明するまでもないのかもしれないが、よく梱包材として用いられる、空気の入ったビニール球が大量に敷き詰められたシートのことである。衝撃吸収に優れ、強引にぷちっと潰した時の感覚がたまらないと言って、あえて『潰しがいのあるプチプチ』が開発される程、絶大な人気を誇るアイテムである。
 リベリスタが集まってもプチプチをやめないイヴ。誰かが肩を叩いた所で、彼女ははっと我に返った。
「……ごめんなさい、つい夢中になってた。恐ろしいわね、プチプチは」
 そう言いながら雑巾みたいにぎゅぎゅうーっとやるイヴ。すんごい勢いでプチプチがつぶれて行って、彼女は何とも言えない表情になった。あんま変わらんけど。
「プチプチのエリューションゴーレムが出たの。皆で力を合わせて戦えば、決して苦戦はしない程度の戦闘力、ではあるんだけど……」
 目をそらすイヴ。
 潰れるプチプチ。
「戦場には大量のプチプチが出現しているわ。地面も床も、全部よ。それは潰しても潰しても再生するエターナルプチプチ。この空間に閉じ込められたが最後、人は『プチプチ願望』から逃れることはできないの。しかも……」
 唇を噛むイヴ。
 潰れるプチプチ。
「Eゴーレム自体はプチプチ部分を内側にしてロールされているのよ。しかもしっかりと固定してある」
「くっ……」
 リベリスタ達はぐっと奥歯を噛んだ。
 潰そうとしたプチプチが裏向きになっていて、なんか潰れた時の感覚がビミョーになってとてもモヤモヤしてしまう……そんな経験、誰にだってある。筈だ。
「敵はエリューションでありながら、同時に自分自身の欲望でもあるわ。みんな、負けないで」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年04月11日(水)22:15
八重紅友禅でございます
プチプチを潰していると時間が高速で流れて行きませんか。
私はできるだけ死んだ目を維持しながら幽鬼のようにプチプチを潰し続けるのが好きです。
死んだ目って所がミソです。

●エターナルプチプチ
だいたいイブさんが説明した通りです。
戦闘が始まるとプチプチに囲まれます。そういう能力です。
あえて欲望に呑まれてみた方が、もしかしたら楽しいのかもしれません。
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
覇界闘士
大御堂 彩花(BNE000609)
クロスイージス
春津見・小梢(BNE000805)
ソードミラージュ
安西 郷(BNE002360)
デュランダル
マリー・ゴールド(BNE002518)
スターサジタリー
杉原・友哉(BNE002761)
ナイトクリーク
宮部・香夏子(BNE003035)
ソードミラージュ
マク・アヌ(BNE003173)
ナイトクリーク
蛇穴 タヱ(BNE003574)
覇界闘士
鳴神・暁穂(BNE003659)
   

●ぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷち
「プチプチは、凹凸のある面を指で押しつぶすことこそが最善の楽しみ方とされているが、個人の趣向により邪道となる潰し方が生じてしまう」
 『レッドキャップ』マリー・ゴールド(BNE002518)がこれ以上ない真面目フェイスで語り始めた。
「私は隅からひとつずつ潰す派であり、雑巾絞りや多面潰しを見ると、いくらか哀愁を覚えるものだ……」
「ちょっとだけ、分かるわ」
 こっちはこっちで穏やかな顔して頷く『雷を宿す』鳴神・暁穂(BNE003659)。
「一心不乱にプチプチを、ひとつずつ潰していきたい欲求……あれ、本能だよね?」
「然り……」
 深く頷くマリー。
 その一方、『ライトニング・フェミニーヌ』大御堂 彩花(BNE000609)達はまた別の意味でプチプチに想いを馳せていた。
「あれ、正式名称は気泡緩衝材というそうです」
「え、エアーキャップじゃねえの?」
「製造企業によって色々商標があるんだとか」
 ほーうとトリビア的反応を見せる『愛の宅急便』安西 郷(BNE002360)。
 その横で『やったれ!!』蛇穴 タヱ(BNE003574)が何やかを包むジェスチャーをする。
「でもあれ重宝するよな、アンコ詰める時とか」
「アンコ?」
「クラフト紙だけじゃ足りない時にさ」
「あ、アンコ紙な。俺もよく扱うぜ、世の中プチプチで回ってんだなあ」
「本当……以前社の在庫を手当たり次第潰して大変なことに」
「おいそれはやめろ」
 で、そのまた一方。
「プチプチがんばりましょー」
「おー」
 世にもやる気の無い掛け声があがった。
 『第20話:4月1日は1日だけ』宮部・香夏子(BNE003035)と『まだ本気を出す時じゃない』春津見・小梢(BNE000805)、でもって『日常の中の非日常』杉原・友哉(BNE002761)の三人である。
 三人そろってダリィーズである。
「あ、でも香夏子頑張りません。プチプチも頑張らない方向で」
「ダリィーズというのはね……説明めんどい。ともやんよろしく」
「『だらだらしよう』をモットーに生きる俺達三人をダリィーズといい、だらだらカレーを貪……もう面倒くさい」
「面倒くさいですね」
「ココイチいく?」
「いくいくー」
 おいまでこのやろう。
 ……などと。
 三者三様。色々な思いを胸に、今日のエリューション退治へと向かったのだった。
「……………………」
 そして路上に倒れて放置されている『チャイルドゾンビ』マク・アヌ(BNE003173)。
 皆さんっ、皆さん落し物ですよー!

●ぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷち
「プチプチィー!」
 たぶん想像が楽だと思われる。
 巨大なプチプチシートをロール状にして、漫画みたいなノリで手足を生やした生き物が出現した。
 ロール状だからか知らんが横倒しになり、こちら目がけて転がってくる。その際地面のプチプチは潰さないという親切仕様である。
「はっ――!」
 転がってきたプチプチロールを掬い上げるように持ち上げ、反対側に大雪崩落で叩き落とす彩花。
 この勢いで地面のプチプチが勢いよくばちばちーっと潰れるか……と思いきや、ぷちぷち同士で衝撃を吸収しあってへにょんってなった。
 世にも残念そうな顔をする彩花。
 とりあえず解説しておくが、彼女のおうちは日系の工事屋さんである。現場や事務所へ遊びに行けば、トタンロールだのスポンジだの緩衝剤だのがどかっと置いてあるもんで、今投げたみたいなプチプチロールを地面に広げ、うりゃーと言いながらでんぐり返しして見せればそれはもうプチプチ天国になるのだった。無論その後怒られるが。
 それを知っている(プチプチは一斉に潰す派)彩花は。
「ものたりない……」
 と思って当然である。
 コンボで繋ぐかのごとく鋼糸を繰り出すタヱ。
「なんとおそろしーゆうわくのえりゅーしょんなんだー」
 だなんて言いながら、鋼糸に仕込んだ熱線機能でプチプチロールに斬りつける。
 もし中学校の授業をマトモに覚えている人がいるなら分かると思うが。
 電気を流して高熱化したエナメル線を発泡スチロールやビニールに近づけるとまるでプリンでも抉ってるかのようなスムーズな切断が可能になる。
 だが仮にも天下のエリューション。ちょっと熱いくらいでビニールが解けてプチプチがべひゅーってなったりするわけが。
「ぐわああああビニールが解けてプチプチがべひゅーってなると何故分かったー!」
「うおお効いてるぞ!」
 …………。
 タヱ自身がびっくりするぐらい効いていた。
 ちょろいエリューションもいたものである。
 わたわたするプチプチロールへ、暁穂が全力で殴りかかる。
「ロールに内包されたプチプチ……きっと至高のプチプチに違いないわ! 何が何でも開いて見せ……あら、端っこどこ!?」
 見たことない人にとって、ロールされてるプチプチの高級感(そして威圧感)は凄い。暁穂十六歳もまた、その威圧感にちょっと魅了されていた。
 ある意味プチプチの誘惑に負けたと言ってもいい。
 さて、そんなふうに形は違えどエリューションに対抗しようと熱意を燃やす彼等……とは別に。
「らいくらへいやー」
 香夏子が授業中に紙飛行機でも飛ばしてるんですかってくらいのやる気の無さでライアークラウンを投げていた。
「あー、でも香夏子。働かないって言いながら働いてること多いんで、今日はお兄さんたち見習うことにします」
「え、何が?」
 友哉が地面に敷かれたプチプチシートに寝そべっていた。
 小梢はうつ伏せに寝転んで、パーフェクトガードしながらプチプチを潰していた。
 戦闘中に戦闘しないリベリスタがこちらになります。
「もうこれで働かなくていいよね。どうせ攻撃しても当たんないし」
「えー、もうその時点で面倒くさい」
 戦場なのに。
 エリューションのフィールドなのに。
 何故か実家でくつろぐ従妹達みたいな感じになっていた。
「うわあ、本物のダメ人間です……今攻撃されたらどうするんです?」
「ぷちぷち潰してくれて楽かなって」
「駄目すぎる!?」
「あー、ぷちぷちと暇潰してるだけでアークからお給料もらえるんだからねー、いい仕事だよねー」
「えー……」
 それはいくらなんでも間違え過ぎだと思う。
 とは、あえて言わない香夏子である。
 一方では彩花達から逃れてきたプチプチロールがこちらへローリング。
 小梢も友哉も、回避って何それ美味しいのって勢いでロールに踏み潰されていった。
 パーフェクトバリアなんて無かった。
 メタなことを言うながらファンブった。
 全力で手を抜いたからか分からんが、二人は思う存分コロコロプチプチされた挙句、フェイトも使わず魂を口から吐いたのだった。
「うわ無抵抗に死んでるのです!?」
 ダリィーズの本気を見て絶句する香夏子。
 その様子を傍から見ていたマリーは唇を噛んだ。
「(くっ、もう二人もやられたか。そこを動くなよプチプチロール、所詮は梱包材……メガクラッシュで叩き潰してくれる!)」
 ……などと、足元のプチプチを一生懸命潰していた。
「完全に心奪われとるぅー!」
 飛び付いて肩をゆする郷。
「まてやめろ、関係ないプチプチを潰すんじゃない!」
「邪魔をするな、列が乱れる」
「いや列とかそういうんじゃなくて……!」
 もうこいつは駄目だ。郷は涙を呑んでマリーから離れると、もう一人の肩をゆすった。
「おいマク、起きろって。エリューションそこまで来てるぞ、マク!」
「…………」
 返事が無い。
 魂の抜け殻のようだ。
「ほら、ピンクのペイントつけてやるから。おいしそうな色してるだろ、ほら!」
「……たべれるれす?」
 ぱちりと片目を開けるマク。
 転がってきたプチプチロール(ちょっと血がついてる)に飛びつき、とりあえずかじってみた。
「……」
 齧りついたまま動きを止める。
 口を放す。
 そして地面に転がった。
 ついでにコロコロされた。
「死んだぁー!」

●ぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷち
 友哉と小梢の魂が空中に浮かんでいる。
 が、もはや浮かぶことすらだるくなったのか地面にぺひょんと横たわった。
 その上を高速でローリングしていくプチプチロール。
 香夏子はプチプチするのにも飽きて再び『らいくらへいやー』していたのだが、まさかの二度コロコロに二度見せざるをえなかった。
「死してなおコロコロされてます!?」
 まあ死んではいないが。
 依頼が依頼なら仲間もろとも全滅しててもおかしくないので、本当、あの、本当……。
 なんて言ってる一方で、タヱは対プチプチロール用の新たな作戦を実行していた。
「奴の力の源は何か……もしそれがプチプチする快感なのだとしたら、そいつを断てばいいんじゃないすかね!?」
「そこに気づくとは、やはり天才か……」
 とりあえず乗っとく郷。
 タヱは鋼糸の熱モードを解除しつつ、びみょーな力でプチプチロールを殴り始めた。
「プチプチを潰すことなく、中の空気をへにゃっと抜いてちょっと残念な気持ちにしてやる!」
「何、だと!?」
「ノリノリで潰してると時々失敗してぐにゅってなる、あの時のガッカリっぷりは奴にとっての弱点になると思うンすよ! 同時にプチプチの快感にとりつかれたアタシらの目覚ましにもなる。なので等間隔にぐにゅっとした中途半端な潰し方を……えーっと、こう……うん…………」
 地面に転がったプチプチを丁寧に押していくタヱ。
「…………」
「…………」
「…………」
 そして完全に無言になった。
 頭を抱える郷。
「駄目だ、へにゃっとさせることに集中しすぎて帰ってこない!」
「そうです、いっそのこと全部ぷちぷちやってしまえばいいんですよ」
 郷の後ろで地面をプチプチしながら呟く暁穂。
「このプチッと潰れる感触、その強度、全てが秀逸……これは夢中になっても仕方ないわ」
「こっちもこっちで捕らわれてるだと!?」
 静かにやる気を失っていくリベリスタ達。
 とても地味に、かつてないほど地味に、リベリスタ達はピンチに陥っていた。
「何故だろう。もはや俺しか残っていないような気がして来た。そうなる覚悟はしてたけど、いざなってみると心が折れそ……いやいやいや言っちゃだめだ、言ったら本当になる気がする! 俺は、仕事の相棒を、自らの快楽の為に潰すわけには行かないんだ!」
 自分で自分を鼓舞してみる。
 そして毒針を取り出すと、プチプチロール目がけて勢いよく突き立てた。
「ソニックニィィィィィィドル、ウィズ、ポイズゥゥゥンア!」
 プチッ。
「……オォウ」
 その後、郷はプチプチロールのプチプチを一個ずつ丁寧に針で潰していく作業に没頭した。

 プチプチに没頭しつつ、香夏子やらタヱやらがコロコロされていく中。
「えいっ!」
 彩花は元気よくプチプチを地面に叩きつけていた。
 メンコを勢いよく落とした時のように、もしくは癇癪玉を綺麗に踏み潰した時のように、美しい音と抵抗をもってプチッと潰れる。その感じに酔いしれていた。
「……はっ、私は一体何を!?」
 子供みたいにえーいってやったモーションのまま我に返る彩花。
 傍らには、口にプチプチシートを頬張ったままくたばったマクがいた。
 精神時ダメージだろうか。なんか一回くらいは死んでるようにすら見える。
「マ、マクさん起きて! プチプチは確かにイライラします、けれどこれを潰した後には筆舌に尽くしがたい快楽が待っている筈です!」
「…………」
「……何もなくてもご飯くらい奢ってあげますから!」
「ごはん」
 ピキュイーンとマクの目に光が戻った。
 ゆらゆら立ち上がるマク。
 食せぬものがあっていいものか。そもそも何故食せぬのか。食せぬものを滅ぼしてしまえば、世界は食べられる物だけで成り立つのではないか。
 などとちょっと自然破壊に対するアンチテーゼみたいなことを頭の片隅で考える。
「うああー」
 人間じゃあちょっとできない感じのジャンプをするマク。空中で斜めに二回転すると、プチプチロールに勢いよく食らいつく。
 まず外皮を食いちぎり、次に内側に食らいつく。それを更に引きちぎる。
 やっと正気に戻った郷が顔を上げる。
「あれは……」
「皮を剥いでいるんです」
「皮?」
「スイカでもバナナでも、食べられない皮を剥げば甘い中身に辿りつける……彼女は、そう考えたんでしょうね」
「なんという……」
 なんという暴論。
 でも言わない。表面上凄い戦ってくれてるから。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ー!」
 マクは抵抗するプチプチロールにしつこくくらいつく。
 壁だの何だのを跳ね返りつつ、中身よ出でよと食らいつく。
 だがプチプチロールにとってはたまったものではない。全力のスピンでマクを跳ね飛ばした。
「ぎゃっ!」
「はうあ!」
 そして、地面を十数列潰し終えついに壁を潰しにかかったマリー……の後頭部に激突した。
 勿論マリーは顔から倒れる。
 そしてプチプチを微妙に押し潰し、中途半端にくにゃっとしたプチプチが大量に出来上がってしまった。
「…………」
 タヱの言っていたことを、覚えているだろうか。
 ノリノリでプチプチを潰している時、急にへにゃっとしたのを押してしまった時のガッカリ感は、本当に異常なものがあるのだ。
 今のマリーがまさにそうだった。
 ゆらゆらと立ち上がり、剣を肩に担ぐ。
「巻かれているから行かんのだろう?」
「巻かれてるから食べられない?」
 二人ともなんかよく分かんないことを言って、全力で飛び掛った。
「ヒ、ヒギャアアアアアアアア!!」
 プチプチロールが徹底的に千切り捨てられたのは、当然のことである。

 かくして。
 一同はエリューションプチプチを撃破。
 後に残ったプチプチロールを一通り潰し終え、彼らは帰路についたのだった。
 そんな彼等の胸に『暇つぶしも程々にね!』なんて気持ちは……はやり微塵も無かったと言う。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
プチプチを火にかけたら凄い勢いでべひゅーってなるんですが、焼いてるのはビニールなわけですから、有毒ガスがもくもく出てきて非常に大変なことになります。絶対にやめましょう。