●April 1, 2012 Deep forest. Japan ずーん、ずずーん…… 深い山中に雷鳴の様な低い地響きが轟いた。 『それ』が移動する度に大地は大きく揺さぶられ、土砂が巻き上げられ、木々は薙ぎ倒される。 鳥や森の動物達はパニックを起こして逃げ惑った。 天を突く見上げるばかりの巨大な影――それは狸であった。しかも陶器のアレ。 ●山の伝説 「お父さんお母さんの言う事を聞かずに悪さばっかりしてると山の狸に化かされるぞ」 子を持つ親にとってそれはしつけの一環であり、その為に付く多少の嘘は許されるはずだった。 「あの山奥には自殺した陶芸家の霊が彷徨ってるらしいぜ」 「いや、俺が聞いたのは、あの山には山の主の大男がいて、他所者を追い出すって話だけどな」 人々は無責任に語った。とかくその場所は根も葉もない噂話の的になり易い場所だった。 もしかすると、実際に何か神秘を引き寄せる土地であったのかもしれない。 しかし、その他愛もない噂話を語る人々の想いがいつしか形を取り、具現化する事を誰が予想し得たであろうか。 嘘から出た真。それはまさにエイプリルフールの神秘だった―― ●地球防衛隊出動! 「狸の置物……」 三高平アーク本部。召集に応じてブリーフィングルームに集まったリベリスタ達を前に『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はぽつりと呟いた。 「ああ、陶器で出来てるアレね? 和風の飲食店の前なんかによく置いてあるよな。縁起物だとか聞いた事があるが、それがどうした?」 聞いていたリベリスタの一人が聞き返す。 「そう。狸は『他を抜く』に通じると言って、商売繁盛の験担ぎに使われたりするわ…… だけど、狸には人を化かして困らせるという伝説もあって、今回は縁起でもない方の事態が発生したの…… ある山奥に使われなくなった陶器窯があるんだけど、そこの打ち捨てられた陶器に思念が集まって、E・ゴーレム化してしまった。それを倒して来るのが今回のミッション」 そう言いながら、傍らからイヴはスケッチブックを取り出してリベリスタ達に見せる。 正直上手いとは言い難い微妙なタッチの絵が描かれているが、そんな事は問題ではない。 そこに描かれていたのは山の木々より遥かに大きな狸の像。まさに怪獣レベル。 「これが、今回の敵? ――デカ過ぎないか?」 「確かに山の様に大きくて強い敵。だけど、こいつは発生した原因である思念に大きく影響を受けているの……つまり、ある『ルール』に基づいていて、それに逆らう事は出来ない。 分かったルールの一つは『怪獣映画』。どうやら子供が山に住むお化けを間違ったイメージで解釈してしまったみたい。それで、その『ルール』では怪獣は一旦全てを圧倒して暴れ回るけれど、最終的には必ず『ヒーロー』に敗れる。 だから貴方達が行って『ヒーロー』らしく戦って来て頂戴。だけど、一旦は負けそうになる事。それがそいつの『ルール』だから、相手を一度劣勢にして勝ち誇った後にやられるのがスタイル。 演技でも何でも、苦戦を装えば勝手に弱体化するから、その時が攻撃のチャンスよ。 もし一般人に見られても悪い夢だったと思われるから、安心して好きにやって来るといいわ」 説明を聞いて、めんどくさい様な、明確な弱点があってラッキーの様な微妙な敵だとリベリスタ達は溜息をついた。 「……はいはい。分かったよ。行けばいいんだろ行けば」 渋々覚悟を決めたリベリスタの顔の前でイヴは人差し指を振る。 「返事は『了解』か『ラジャー』。それがヒーローの『ルール』」 「……りょ、了解!」 「諸君の検討を祈るわ」 両者はズパッと敬礼を交わし、出撃準備を開始する。 頑張れリベリスタ。世界の平和は君達の双肩に掛かっているのだ! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:柊いたる | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年04月19日(木)23:36 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●危険が危ない! 巨大怪獣――そいつが歩く度に大地は大きく揺れ、木々は薙ぎ倒された。 森の動物達は怯えて逃げ惑い、その巨大な影の進む先を見れば、刻々と人の住む市街地へと近付いている。 誰にもその歩みを止める事は不可能に思われた。このままでは世界の平和が大ピンチ。 しかしこの絶望的な状況を打開すべく、颯爽とヒーロたちが現れた。 地球防衛軍から選りすぐられたエリート戦士たち。その名も運命戦隊アークレンジャー! 彼らの任務は地球の平和を脅かす神秘と戦い、人々の平和と安全を守る事である! ●緊急出動スクランブル! 「敵発見! 地球に仇なす怪獣め、この俺が世界の平和を守ってくれるわ!」 平和を愛するストリートファイターとして日本に流れ着き、何の因果か地球防衛軍に所属してレッドを名乗る事になった『紅蓮の意思』焔 優希(BNE002561)が、山間を移動する巨大狸像を見つけて闘志も露わに熱く叫ぶ。 「なに……これ……? 57mとか……と、とりあえず戦うのよね……」 天を衝く山の様な巨体を揺らしながら移動するそれを目の前に、あらかじめ聞いてはいたものの『深紅の眷狼』災原・闇紅(BNE003436)は思わず絶句した。確かにそれはタヌキの置物というにはあまりにも大き過ぎる存在であった。 「確かにデカいな……果たしてあれほど大きな敵相手に私らの攻撃が通用するのだろうか」 『レッドキャップ』マリー・ゴールド(BNE002518)も神妙な面持ちで唸る。 「ちょい、でかすぎんか? これ。まともにやりおうたらどう考えても無理っぽいんやけど……」 『人生博徒』坂東・仁太(BNE002354)が弱音を吐くのも無理は無い。 「いや、やるしかあるまい。アレを倒さねば明日は無いのだ」 マリーは目の前の狸を眺めながら、誰に言うとも無しにぼんやり呟いた。 「そういえば私、この戦いが終わったら告白するんだ」 どこかで旗の立つ音がした様な気がする。 「翔太、この闘いが終ったら、俺はタヌキうどんを食べるんだ……」 日本の料理をこよなく愛する優希の言葉に『やる気のない男』上沢 翔太(BNE000943) も熱く闘志を燃やして応じる。 「了解だ優希……俺も一緒にタヌキうどんを食べるぜ! そうタヌキうどんを食べるために、この戦い、負けるわけには行かない!」 「「了解!!」」 こういう時に互いに親指を立てて意思を確認し合うのが、地球防衛軍におけるルールでありマナーなのだ。 「俺はブラックじゃねえ。闇≪ダーク≫って呼べ」 そうニヒルに語るのは全身を黒づくめの衣装に固め、左手に包帯を巻いた『茨の守護騎士』ユーニア・ヘイスティングズ(BNE003499)。 闇の力を振るう自分に正義の味方の資格はないと思っているが、本当は仲間思いなクールなダークヒーロなのだ。決して笑ったり後ろ指を差したりしてはいけない。 「えーと。返事は『ラジャー!』だね。おっけー……あれ? ぐるぐさんは?」 『おじさま好きな少女』アリステア・ショーゼット(BNE000313)が、ピンク隊員こと『Trompe-l'?il』歪 ぐるぐ(BNE000001)の姿が見つからない事に気が付いた。 そのぐるぐさんが、その頃何をしていたかというと、一足先に山に入って、動物たちに声を掛けて、山を荒らす大狸を共に討とうと鼓舞し友軍を募っていたのだ。 「このままだと森がごっそりなくなっちゃうかもしれないんだよ!」 しかし、怯えきった動物たちは我先にと逃げ出すばかりで、ぐるぐさんの言葉に耳を貸す者はほとんどいなかったのだ。 早くもピンチ! 一体地球の命運はどうなってしまうのか!? ●死闘という名のバトル 「運命戦隊アークレンジャー、出動≪ゴー≫!」 「ラジャー!」 「了解!」 ユーニアの勇ましい号令にアークレンジャーたちは声高く雄叫びを上げながら突撃した。 ラジャーと了解が混在するのは、微妙な気恥かしさを持つブルーこと闇紅の様な者もあっての事だが、そんな事は正義を愛する心の前には些細なことである。気持ちまでブルーになってはいけない。 「変身≪フェイト・バーニング≫!」 先頭を切って駆けるユーニアが叫ぶと同時に額にDの文字の覆面が装着される。よーしカッコいいぞ! 「皆!回復は任せて!頑張って!」 アリステアは残って、後方から仲間の回復と応援を担当する。 ゴールド隊員ことマリーは愛用の武器、Lion Heartedを携えて、狸の足を砕かんと走る。 その遥か頭上では狸の手にした通帳がパラパラと開き、そこから何枚ものページがひらひらと宙に舞う。 見る間にそれはパタパタと折り畳まれて折り鶴や蛙といった生き物の形を取ると、アークレンジャーたちに向かって襲いかかって来るではないか。 マリーは全身のエネルギーを武器に集中させると、渾身のメガクラッシュを叩き込む。凄まじい攻撃に折り紙は跡形も無く吹き飛ぶ。所詮は紙切れ。アークレンジャーにとって大した脅威ではないが、とにかく数が多い。休む間もなく次から次から頭上から降って来るのだ。幾ら倒してもきりがない。 「くっ……押し切れるか?」 武器を構え直すマリーの顔に焦りの影が差す―― 「これはあれか、博士からロボ受け取って戦う展開か! 助けて真白博士ー!」 グリーンこと仁太が遠くの空に向かって叫ぶが、残念ながらスポンサーを説得できなかったのか、その他の大人の事情なのかは分からないが、今回はアークレンジャーに巨大ロボの出番は無いらしい。 「ああ、もうあかん……」 親指を立ててアークレンジャーを励ます真白博士の幻を空に見ながら、仁太は絶望に貧血を起こしそうになるが、ここで負けるわけにはいかない。気を取り直してタヌキングの足に巨銃パンツァーテュランをぶちかます。 戦場に耳をつんざく轟音と衝撃が響き渡る――しかし、煙が晴れた後には無傷の狸の姿。 「全然効いとらんぜよ! くっ、あのバリアーのせいかいな!」 見上げれば狸の背負った編み笠から謎の光がほとばしり、アークレンジャー達の攻撃に対して障壁を展開している。うん。分かりやすいバリアーだ。 「バリアーがある限り攻撃が通らん! な、何とかしてバリアーを破る方法を考えんと!」 「お前たちは下がっていろ。俺一人の力で十分だ」 ユーニアが自らの命を削った技、暗黒と呪刻剣で鬼神の如く戦い、折紙軍団へと切り込む。 大半の折り紙軍団を退けたのを確認すると、ユーニアは包帯を巻いた左手を見て悲しそうな顔をして自虐的に笑う。 「所詮呪われた力だ。これが正義の味方だとはな。はっ」 突然膝を付くユーニア。そして激しく吐血する。これが強すぎる力の代償。 「くっ、力を使いすぎたか……」 「後は俺たちに任せろ! 行くぞレッド!」 「ラジャー!」 ホワイトこと翔太はレッド優希と息の合ったコンビネーションで折り紙軍団を掻い潜りながら、不安定な地面も何のその。軽快なステップで巨大狸へと肉薄する。 「日本の平和を!タヌキうどんを守りぬいてみせる!!」 爽やかな笑みを浮かべ、優希はタヌキングの腹に気合いと共に突撃。 「おおお!!!」 翔太も雄叫びと共に大地を蹴って跳ぶ――ソードエアリアル。 目にも止まらぬ高速剣が狸を襲う。 どむっ! 陶器だと思ったその腹は意外にも柔らかい様に二人の突進を受けて大きくへこんだ。 だが次の瞬間―― ぼよーん 気の抜ける音と共にビリヤードの弾の様にレッドとホワイトは射出された。 「……あぁぁぁぁぁ!?」 そのままくるくると宙を舞いながら飛んでいき、錐揉み状態で大地に突き刺さる。 どしゃあ! 「ぐ……流石はタヌキの化身。その腹は簡単には破れぬというわけか……」 「ぐぅぅ、ここまでか、俺達はここまでなのか……」 「大丈夫?二人とも」 倒れた二人を助けようとアリステアが駆け寄るが、 「……あ、あれ? スキルが使えない!?」 慌てるあまりに集中力を欠いたのか、癒しの力を発現する事が出来ない。 「大丈夫? っていうかコレ普通にやばいんじゃな……って、きゃっ!?」 気を取られた闇紅がバランスを崩した所に、狸の巨大な足が振り下ろされる。 「危ないっ!」 横から飛び出したマリーが闇紅を突き飛ばし、間一髪の所で踏みつぶされる事だけは回避したが、撒き散らされた土砂や石飛礫を激しく浴び、二人はぐったりとしてしまう。 「どうして? 皆がやられちゃうよー! ……えと、えと……」 ますますパニックに陥ってしまうアリステア。 そんな彼女に最後に残った折り鶴が獲物を見つけた猛禽の様に襲いかかる。 ざしゅっ! 目を瞑ったアリステアの前に立ってたのはユーニアだった。折り鶴の鋭い嘴にその身を貫かれながらもニヒルな笑みは絶やさない。 「気にすんな、あんたのせいじゃねえよ……俺が勝手にやったことだ」 「ユーニアさーん!」 一方、仁太も激しく混乱していた。 「なんなんや! ぐあー! な、なんでわっしを攻撃するんや! 裏切ったんかいな!」 そう叫びながら手を振りまわし、敵味方関係無く攻撃している。 これぞ狸の幻術ラブリースマイル。仁太には仲間のアークレンジャーたちが自分に向かって襲いかかって来ているように見えているのだ。 畳み込むように今度はポンポコと腹鼓を打ち鳴らすタヌキング。 「うっ……こ、これは……! この音を聞いたらあかん……! 体から力が抜けてしま……う……」 仁太はその緊迫感の無い響きに脱力し、へなへなと倒れてしまった。 ●ペイバック!反撃の時間だ もうダメか……誰もが絶望を予感したその時―― 「勝利の女神!おっまたせ☆」 森の動物たちと共に隊員ピンクことぐるぐが帰って来た。 動物たちは戦力としては低いものの、タヌキングの周りを駆けまわり、飛び回り、視界を遮る。 予想外の出来事に流石のタヌキングも一瞬攻撃の手が止まってしまう。その隙がアークレンジャーたちに体勢を立て直すチャンスを与えた。 「落ちつけ私。正義の味方なんだからちゃんと勝つんだから!」 すっくと立ったアリステアの唇が、全てを癒す天使の歌を奏で始める―― (私も頑張る! 地球防衛隊なんだもん。地球のため皆のため……) 彼女の平和と正義を愛する想いが傷付いたアークレンジャーたちに再び戦う力を取り戻させる。 「皆の痛いの、飛んで行けー!!!!」 狸の足元の土砂が激しく巻き上がり、倒れていたマリーが立ち上がる。 「まだ倒れられぬ理由がある」 今やその眼には迷いが無く、誰よりも熱いハートが燃えている。 「此処で負ける我らではないはずだ! さぁ、反撃の時間だ」 言うと同時に土砕掌を狸の足にブチ込み、元は陶器のそれが当然であるかのように打ち砕く。 「了解。あたしたちはまだやられてないわ!」 闇紅もトップスピードでの高速機動からのソニックエッジで傾いた狸を追い討つ。 「……ぐうっ、こんな所で負けるわけにはいかんのや。ここで負けたら街が壊れてしまう…… あいつとの約束が果たせんようになってまう……!動け……わっしの身体……!こんな所で寝とる場合やないやろ!」 さっきまでの弱気を振り払い、仁太が内から漲る闘志と共に立ち上がる。 「ふっ、さっきのはちょっと貧血で倒れただけぜよ。さぁこっからが本当の勝負ぜよ!」 「ありがとう皆! 後はボク達に任せて!」 スナイパーライフルを撃ちながら、大勢の逆転を感じ取ったぐるぐは動物たちには危険が無い様に下がって貰う。 「森を荒らす者よ!去るがいい!」 スコープを覗くるぐのエネミースキャンが、タヌキングの弱体化を捕えていた。 「今がチャンスです。一気に畳みかけましょう」 「あのバリアーを突破するには高い攻撃力が必要ぜよ。今こそみんなの心と攻撃を一つにしてあいつにぶつける時ぜよ」 仁太が吠える。 「これだけは使いたくなかったが……!」 ユーニアも覚悟を決めて必殺剣の構えをとり、意識を集中し始める。 「タヌキうどんを愛する全人類の希望を守る為に俺は立ち上がる!」 額から血を流し、服は泥だらけであちこち破れ綻びさせながらも優希が立ち上がった。 「翔太!アレをやるぞ!」 額の血を拭い、相棒へ声をかける。 「了解! アレだな、わかった!」 翔太もまた不屈の闘志で起き上がり、共に闘う相棒の動きに合わせ、最高のコンビネーションを練り上げる。 「よし皆立ちあがったね!よかったぁ……がんばって!」 アリステアの声援がさらにアークレンジャーたちに戦う力を与える。 「これが俺達の切り札だ!バーストブラッド!!」 「地球の怒りを受けてみろ!轟け!バーニングブラッド!!」 天と地から翔太と優希が同時に攻撃を叩き付ける。 この輝けるコンビネーションに耐えられる敵など等あろうはずがない。 身体の大半を吹き飛ばされ、最早立っていられなくなったタヌキングが大きく傾く。 「仲間の居る方に倒れないで貰おうか」 気合い一閃。マリーのメガクラッシュが炸裂し、その巨体は味方や動物たちの居ない谷へ弾き飛ばされる。 陶器の身体がバラバラになっても最後に残った頭部が、不気味に貼りついた笑みを浮かべながらふよふよと飛んで逃げようとするが、その眉間をぐるぐのライフルが撃ち抜き、木っ端微塵に粉砕した。 ●果てなき戦いへ 「正義は勝つ☆ イェイ!」 アリステアが軽快にダブルピースを決める。後日この番組(?)を見た大きなお友達がこぞってネタにするだろうが、この番組が全国放送される機会がないのは非常に残念な所である。 「うム。今日も平和は守られた」 この平和をいつまでも。マリーはそう思う。だが、その半面、自分はこんなキャラだったろうか。そして告白する相手は誰なのだろうかと自問していた。 その傍らでは力の抜けたユーニアが途方に暮れたいた。 「……なあ、今回の件なかったことにできないか?」 「そう言われても……あたしも早く忘れたいわよ」 相手をする闇紅も肩を竦める。 お互いに封印せねばならない黒歴史ノートに新たな忌わしい一ページが刻まれたようだ。 「さて、帰ろう。タヌキうどんが俺達を待っている」 「ああ、平和は守られた。帰ろう。我が愛しき街へ」 翔太と優希は二人並んで夕日を眺め、満更でもない様子で余韻に浸っている。 「そこに悪がある限り、リベリスタに休みはないのです」 ぐるぐが締め、味方と笑みを交わしてアークレンジャーは基地への帰途に就いた。 ありがとうアークレンジャー! 君たちの活躍のお陰で地球の平和は守られた。 だが、地球を狙う悪の侵略はまだまだ始まったばかり、戦えアークレンジャー! 悪が滅びるその日まで! |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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