●繰り返す悲劇 かつかつかつかつ、背後で足音がする。 小城みゆきは、後ろをちらちらと気にしながら、胸中で会社の終業時間が遅いことへの恨み言を繰り返す。こんなに怖い思いをするなら、職場の近くに引っ越すことも考えなくてはなるまい。 みゆきは夜道の恐怖に苛まれながら、足を止める。すると、もう一つの足音も止む。 (やっぱりだわ……やっぱり、つけられてる) ここ数日、いや数週間、数か月だろうか。記憶は曖昧だが、ずっとそうなのだ。 どうして駅から家までこんなに遠いのだろう。なぜこんな街灯の少ない道を通らなくてはならないのだろう。 ……そんなこと、こうして誰かに付き纏われるようになるまでは、ちっとも気にならなかったのに。 みゆきは肩にかけたハンドバッグをぎゅう、と握りしめる。 (このままじゃ、いつか殺されてしまうかもしれない) それはここ数日、いや数週間か? 記憶は曖昧だが、ずっと考えていたことだ。 後ろの男は危険だ。どうにかしなくては、また殺されてしまう。また? またとは何だろう。 かつん、背後で一際、大きな足音がした。 そのとき、みゆきは自分の手が包丁になっていることに気がついた。 自分の身を守れるもの。あのときにはなかったものだ。あのとき? あのときとは何だ? ……今はそんなことはどうでもいい。背後の男にこれを振り下ろさなければ、私は殺されてしまうのだから。 ●新しい結末のために 「エリューション・アンデッドだ」 ブリーフィングルームに現れた『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)は端的に告げた。 「エリューション化したのは、ストーカーに殺された女だ。生前の名前は小城みゆき。OLだな。 自分が既に死んだことも分からなくなって、殺された当夜をやり直してる。自分の背後に現れた人間に見境なく『正当防衛』しちまうって訳らしい。放っときゃ、連続殺人事件は確実だ」 気分の良くない話だな、と言わんばかりに伸暁は、鼻の頭に皺を寄せる。 「出現ポイントは、女の殺害現場。 俺たちが仕事をするには幸いなことに人気のない道だ。時間帯から言っても、戦うのに不都合ってことはないだろう。……女にとっては運のないことに、ってことになるんだろうが」 電灯もまばらで気味の悪い道さ、と伸暁はスクリーンに映し出された地図上の細い道を示して言った。 「女は腕を刃物に変化させて攻撃してくる。フェーズは2、戦士級だ。 手下の類は従えちゃいないようだが、毒霧を吐くから注意が必要だな。 本人は『痴漢撃退用スプレー』だと思ってるらしい……並みの痴漢なら撃退どころか殲滅される代物だ」 女のカバンから出てくるには、hardなブツさ。伸暁のよく分からない感想にコメントする者はいない。 「問題はもう一つある。不幸にも女に刺されちまう方。名前は、羽田友康。 町内会長のオジサンだ。この町内会長、ストーカー殺人事件に心を痛めて夜の見回りを始めたんだそうだ。 ……それで被害者に殺られっちまうってんだから、世の中分からないもんさ。まさに悲劇の上塗り」 数奇な運命の巡り合わせにリベリスタ達は各々に驚きをしめす。伸暁は手元の資料を閉じた。 「まあ、luckyなことに、まだ悲劇は上塗られてないんだ。お前たちの仕事は二つある。 現場をうろうろ巡回してる邪魔くさい善意の町内会長・羽田友康を現場から遠ざけ、安全を確保すること。 そしてエリューション化した小城みゆきを撃破し、その悲劇を終わらせることだ」 伸暁はリベリスタ達に向かって、微笑む。 「健闘を祈るぜ。女を泣かしておくのはロックじゃねえだろう?」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:碓井シャツ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年04月06日(金)22:39 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●夜中 死んだ女が歩いている。 もう今は存在せぬ脅威に身を小さくして、薄暗い道を歩く脅威そのもの。 「自分が既に死んだことも判らないのですね……」 その皮肉めいた光景を物陰から眺めながら、『のんびりや』イスタルテ・セイジ(BNE002937)は幼さの残る顔を曇らせた。 「何も悪くねえヤツがヒドい目に遭って、結果こうして悪いコトするようになる……イヤな話だよな」 イスタルテの憂いに同意するように、『孤独嬢』プレインフェザー・オッフェンバッハ・ベルジュラック(BNE003341)も眉を寄せる。 被害者が加害者に入れ替わる。悪い夢のような話だった。 「今回のE・アンデッドは悪意を感じないわ。彼女は唯自身を守ろうとしてるだけだもの」 後ろから二人よりも感情の乗らない声で言ったのは、『ヴァイオレット・クラウン』烏頭森・ハガル・エーデルワイス(BNE002939)だ。 「それでも彼女らを殺すのが私達リベリスタ。後味悪くて嫌なお仕事ですよ。本当に運命ってものはままなりませんね」 重苦しい空気を抜こうとするように、普段の軽妙な口調のまま続ける。 「俺達がこの女の傷を癒してやることは、きっとできない。しかしだからと言って、この女の暴挙を見過ごす事などできない」 夜目の利く『求道者』弩島 太郎(BNE003470)には、サングラスの奥からでもエリューションと化した女の異相がよく見えた。シルエットは生者と何ら変わらないが、背後から刺されて死んだのだろう、スーツの背中には無数の切り裂き後がついている。 もうこの世にあってはならぬ者。太郎の目には、とりわけそれが強く感じられた。 「勿論、だからって誰かを傷つけて良い理由にはならないってのも、分かってる」 プレインフェザーもそれが分からないほど子どものつもりはない。だからこそ、だ。 「だからこそ、みゆき様を悲劇から解放する意味でも倒さなければなりません」 ただアンデッドを倒すだけではなく、《恐怖》から解放してやること。言いたかったことを繋げてくれたのは『無何有』ジョン・ドー(BNE002836)だった。皆、同じ気持ちなのだと言うように。 「それには、まず町内会長の羽田様を何とかしませんと」 「はい。『みゆきさんの殺害現場と帰宅ルート』については、私が将門伸暁さんに確認しておきましたので……」 ジョンの言葉に促されて、イスタルテがこの付近の地図をプリントアウトした紙を取り出す。駅から現場までの道が赤くマークしてあるものだ。 実はこれを例のフォーチュナから聞き出すのに、サインをねだられるのとコールナンバーを聞かれるのはノーサンキューだぜ、などと言われて要らぬ苦労をしたのはイスタルテしか知らない話である。 「この道のどこかで羽田さんが現れるのは確かです」 「それだけ分かれば、私の感情探査で位置の特定が可能ですね」 頬杖をついたままエーデルワイスが言う。 「誰が引き離しますか」 尋ねたのは凛とした少女、『下策士』門真 螢衣(BNE001036)。 「あたしの記憶操作で何とかなると思う」 たぶんだけど、とプレインフェザーが請け合った。 「それなら、おじさんは此処に残ろうかなぁ」 事の推移を聞いていた『足らずの』晦 烏(BNE002858) は新しい煙草に火をつけながら呟く。 「結界をはっておくにしろ、E・アンデッドを放置しておくのも何だしねぇ。見張っておくよ」 「そうですね。理性を失いかけているみゆきさんはともかく、町内会長さんに不審を抱かれてもいけませんから」 『鋼鉄の戦巫女』村上 真琴(BNE002654) が同意し、町内会長を引き離すのには別働隊をとるかたちになった。 「全部の仕事。キレイに片付けてやろうぜ」 プレインフェザーが作戦会議を締めくくるように言う。 新しい朝を迎えるために。 ●深夜 エーデルワイスが意識を集中させると、小城みゆきの《不安》と《恐怖》がなだれ込んでくる。これではない、と感情を探索する範囲を広げるが引っかかるものはなかった。 「この辺りにはいませんね。道を遡りましょう」 周囲を探る集中を途切らせないまま、エーデルワイスは小城みゆきの辿ってきた道順をなぞることにする。プレインフェザーがそれに続いた。 ちらちらとフィラメントの切れかけた街灯が明滅している。確かに不安を煽りそうな道程だった。 ふと、道の向こうに強い《使命感》の存在を感じる。 「いましたよ」 「オッケー。了解」 エーデルワイスの示した角をプレインフェザーが曲がると、蛍光色のウィンドブレイカーを着た中年男がこちらに向かって歩いてくるところだった。事前に渡されている資料の写真と同じ顔、町内会長の羽田友康で間違いない。 「君、こんな遅くに何をしてるんだ」 羽田の問いかけに、プレインフェザーは何も答えず目をすっと細める。そして羽田の頭に直接働きかけた。 《今日のパトロールはもう終了した……もう終了した……》 プレインフェザーの働きかけに羽田の目の焦点がぶれる。男の記憶が書き換わろうとしているのだ。 《だから、この先へは行く必要がない》 (この先へは……行く必要がない……?) しかし帰るよう促した途端、陥落寸前に見えた男の目には使命の熱が帯びた。 「駄目だ! この先が一番、暗いんだ!」 「げっ、ウソだろ」 羽田の予想外の意志力の強さにプレインフェザーは身を反らせる。 「もしや、君は家出少女じゃないか? この辺は物騒だ。オジサンも年頃の娘がいるから他人事とは思えなくてね……家は何処なんだ、送って行こう。親御さんには私からも謝ってあげるから」 その上、羽田が腕を掴んできたのでプレインフェザーは落ち着かなげに目を逸らせた。ぶっちゃけ、家出少女というのは間違っていない。 (マジかよ……失敗したら、怖いから家の近くまで一緒に帰って欲しいとか何とか言やいいかって思ってたけど、コイツ家までついて来る気マンマンじゃねえか) 「あー、あたしも帰りたいのはヤマヤマなんだけどさ……」 さあ、どうやって誤魔化そうかと思案していると、後ろから伸びてきた手がプレインフェザーを羽田からそっと引きはがす。 「I'm sorry,彼女、ウチ帰れないのワタシのせいデスネ」 聞きなれない喋り方だが、ジョンだった。 「ワタシ、日本語あまりワカリマセン。彼女に道キイテマシタ……アナタ、道くわしいデスカ?」 暗がりでも分かる彼の見事な白髪、執事然とした格好の与えるイメージからはかけ離れていないが、実際のジョンは大学で教鞭をとるほどの語学力を有している。プレインフェザーは呆れた目でジョンを見た。 「勿論、私は町内会長だから道は詳しいが……」 「Oh! 助かりマス、アリガトーゴザイマス」 ジョンは羽田の手を握り、感謝を示す。町内会長もまんざらではなさそうだ。 「お嬢サンも感謝デスネ」 ジョンはくるりとプレインフェザーに向き直る。そうして、そっと声を潜めて耳打ちした。 「ここは、わたくしめにお任せを。ミス・ロンリー」 プレインフェザーがその提案に小さく頷くと、ジョンは地図を手に羽田に案内を乞う。そして現場の反対方向へ歩いて行った。 ●未明 灰が落ち、煙草の身がまた短くなる。燻る火は巻紙に印刷された菊花紋章をじりじりと焦がした。 「随分と遅いねぇ。こりゃ本当に真っ暗になりそうだ」 烏はなかなか戻らない仲間のことを口にしながら紫煙を吐く。 「暗さ対策はばっちりです!」 イスタルテは暗視ゴーグルをかけながら懐中電灯を構え、意気込んだ。 「おじさんも不精せず用意して来たさ。おっと、吉報が届いたようだぜ?」 烏は自身も暗視ゴーグルをかけてみせ、物陰から現場の道を覗くと、煙草を咥えた口元をにやりと吊り上げる。 プレインフェザーとエーデルワイスが駆け戻って来るところだった。ゆるく手を振っているのは、オーケーの合図だろう。つまりは戦闘開始の鐘だ。 物陰で息を潜めていたリベリスタ達はエリューション・アンデッドの前――いや、背後に躍り出る。 その瞬間、空気が変わった。被害者を殺人者へと変える夢魔が舞い降りたかのようだった。 「やっぱり、私を殺す気なのね……?」 憎悪がびりびりと頬を刺すようだ。小城みゆきはネジ仕掛けの人形を思わせる動きで振り返る。生前はきれいな顔立ちだったのだろうが、血の気のない皮膚には無残な傷が刻まれていた。 (やーん、はっきり見えない方がよかったかもしれません~!) エリューションの一番近くに陣取ったイスタルテは暗視ゴーグルのクリアな視界を少しだけ恨めしく思った。 そのホラーじみた姿を睥睨し、螢衣が胸の前で複雑な印を結ぶ。指を組み、絡め、次々と変化をみせる手の動きが止まると、方形の陣が展開され、リベリスタ達を包んだ。防御結界だ。 「許せないわ……今度は大勢で嬲り殺しにする気なの?」 みゆきの手が変質する。指が伸び、手首がぎりぎりと絞られ包丁へと姿を変えた。 「許せないッ!」 みゆきの怒りは主に男に向いているらしく、前衛に立ったイスタルテと真琴の間を抜けて突進しようとする。 「行かせません!」 その進路を塞いだのはイスタルテだ。正面に出て、みゆきの激昂した顔を魔力を滾らせた青い双眸で見据える。 「下がってください!」 イスタルテの目から迸る魔力が、みゆきに叩きつけられた。みゆきは怯んだように一歩引く。 「な、何、今の……? 私が何したって言うのよッ!」 みゆきが理不尽な暴力に吠える。 「そのやるせない思いを俺達が受け止めよう」 答えたのは太郎だ。 『俺達がこの女の傷を癒してやることは、きっとできない。しかしだからと言って、この女の暴挙を見過ごす事などできない』 太郎は先に言った自分の言葉を思い出す。その思いに変わりはない。 (故に、せめてもの安らかな眠りを与えることが、フェイトを得たリベリスタの使命と言っても過言ではないだろう) 「はぁ!!」 太郎は体内の魔力を活性化させ、循環させる。自らの使命が体を巡るようだった。 (俺は弩島太郎。成すべきことを全力で成す。それだけだ) 女は男の気合にぶるぶると身を震わす。 「私は殺されない、絶対に殺されないわ……!」 みゆきは手近な真琴に向かって、刃物の腕を振り下ろした。 しかし『鋼鉄の戦巫女』の異名をとる真琴の鉄壁の防御の前では然したるダメージも与えられない。 「駄目だわ……もっともっと身を守れるもの……」 みゆきは後ろに下がりながら、虚ろに呟く。その呟きに応えるように彼女の腕はまた変質していく。 もっともっと。自分を殺そうとする脅威を駆逐できる姿に。 みゆきの包丁だった腕は折れ曲がり、今や巨大な鎌のような形になっていた。 「アスタ・ラ・ビスタです。レディ、健やかなる来世を祈ります」 Hasta la vista――さようならを意味する言葉。 しかし、その言葉には『また会う日まで』という意味が強く含まれている。さようならをしなければ……一度、すべてを終わらせなくては彼女に安息はない。エーデルワイスには、それがよく分かっていた。 よって、容赦はしない。 彼女の義手が火を噴いた。フィンガーバレットが小城みゆきの左顎が吹き飛ばす。 「口内を狙ったんですけどね♪ 貴方の無念と悲劇、ここで断ち切ります」 エーデルワイスの歌うような殺人予告にひっ、と短い悲鳴を上げたみゆきの脚を、今度は違う銃口が狙う。日本人には馴染みのある猟銃らしいフォルム、烏の愛銃は獲物の逃亡を許さない。 「姓は晦、名は烏。稼業、昨今の役戯れ者で御座いってな」 体の支えを一本失ってふらついたみゆきを横目に、烏はニヒルに笑って散弾銃を構え直した。 「無辜の人が悲劇に襲われることは看過できません。全力をもって倒します」 真琴は十字に刀印を切り、リベリスタ達に加護の力を付与する。これから起こる悲劇を防ぐのだ、という意志の力が身の内で高まってゆく。 「殺される前に、殺す……ッ!」 度重なる銃撃に、錯乱状態になったみゆきの鎌が振るわれる。イスタルテの肩口が袈裟がけに切り裂かれた。それでも突破させはしない、と前衛に踏みとどまるのはイスタルテの気概だった。 真琴がみゆきとイスタルテの間に割って入ろうとしたとき、暗闇の中でほの光る糸が放たれ、みゆきの鎌を絡め取る。 「わたくしめの出番を残しておいて下さったのですか?」 後衛に合流したジョンの実体のない糸がみゆきの自由を奪ったのだった。 「おのれ、おのれ、おのれぇ……!」 みゆきは憤怒に毒霧を噴き出す。壊れた左顎からはだらだらと毒液が滴っている。散布される紫の煙がもたらす、粘膜を刺激する痛みにリベリスタ達は呻いた。 「紫煙は……煙草だけで十分なんだがね」 毒霧を噴き出すのに、事前動作がないとは予想外だった。いつでも数の少ない前衛の代わりが務まるように、と前に出ていたのも災いして、直に食らってしまったらしい。 烏の霞み始めた目に見えるはただの怯えている女だ。 (数多にも連なるやり直し、そして積み上がる死の連鎖、ここで止めてやるのが供養ってやつかねぇ) 烏は銃を構える。喉元を狙い澄ましたバウンティショット。 「この一撃では仕留めるに『足らず』、だが致命の一撃にはなるだろうよ」 みゆきの喉に空いた風穴から毒霧が噴き上がる。身を守るための毒がみゆきを侵していく。足が立たなくなり、地面に膝をついた。 「嫌よ、死にたくない、怖い……助けて」 「お前はもう、既に命を失っている。だからどうか……安らかに眠ってくれ」 真琴と手分けをしてブレイクフィアーに当たりながら、太郎がみゆきを諭した。ゆっくりとプレインフェザーはみゆきの前に歩み寄る。 「大丈夫、長くて怖え帰り道は、もうココでお終いだ。もう、殺されたことも、自分が誰かを殺しそうだったことも忘れて、ゆっくりオヤスミ」 プレインフェザーの生み出した気糸がみゆきの急所を四方から貫く。長く苦しむことのないように。 死者に戻ったまゆみへ、太郎はサングラス越しに目を閉じて黙祷を捧げた。 ●明け方 「何とも不憫な話だったよなぁ……」 ストーカーに殺されただけではなくエリューション化もだものなぁ。 烏はしみじみと言って、殺人現場に花束をそなえる。 「不幸な結末じゃあったけれども、せめてもの弔いになると良いのだがね」 その前で合掌していると、もう一つ横から花束が重ねられる。 「もう2度とこのような惨劇が起きる事の無いように」 真琴だった。考えることは同じというやつらしい。 「いずれ、ストーカーにも終止符を与えますから安心して眠って下さい」 なかなかに物騒な追悼は勿論、エーデルワイスだ。 白々と。夜が次第に明けていく。 もう同じ夜は来ない。新しい朝を迎え入れたリベリスタ達は感慨深げに朝日を浴びるのだった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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