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エリューションスポーツ ~超次元サッカー~

●やめろ! 僕たちはサッカーがしたいんだ!
「うわああああああぁ!」
 小規模リベリスタ組織ジェフイエローズのリーダー、なんとかって人がサッカー場の芝生を転がった。
「リーダー!」
 駆け寄ろうとする仲間たち。しかしキーパーのデブやディフェンスのメガネは既に力尽きている。駆け寄れた仲間とて二人くらいしかいなかった。
 額に血を流しながら立ち上がるリーダーの人。
「やめろ、こんなのはサッカーじゃない……本当のサッカーじゃない!」
「いや、違うな。これこそが超次元サッカーだ」
 対して、悪魔じみたコスチュームに身を包んだ男たちが立っていた。妙に顔色が悪くて、なんかもう青紫色だった。
「やがてサッカーが世界を征服する。俺達デーモンズはその先兵に過ぎん」
「くっ、負けてられるか。本当のサッカーを見せてやる……くらえっ」
 サッカーボールを蹴り上げる少年。
「業炎シュゥゥゥゥゥゥト!」
 炎を上げて飛んでいくボール。
 そいつは狙い違わず相手へ突っ込んで行くが……しかし。
「甘い!」
「何っ、僕の必殺(必ず殺すと書いて必殺)シュートが片手で止められただって!?」
「今度は俺の番だ。くらいな、ペインシュート!」
「ぐわあああああ!」
 漆黒の闇に包まれたボールが少年へと激突する。
 こうして、小規模リベリスタ組織ジェフイエローズは壊滅したのだった。

●ボールはトモダチ(と言う名の兵器)!
「皆、サッカーしようぜ!」
 『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)がサッカーボール片手にサムズアップしていた。
 あれ、コイツこんなキャラだったかな?
「どうやらとあるサッカー場が小規模フィクサードサッカーチーム『デーモンズ』に占拠されてしまったらしい。このまま放っておけば、サッカーが世界を征服してしまうだろう」
 どうやってだろう。とは突っ込まない一同。
 空気を読む能力にかけてアークは右に出るものがいない。壊すことにかけてもである。
「こいつは俺達の手で始末をつけるしかない。そう、サッカーでな!」
「「おうっ!」」
 とりあえず空気を読んで賛同しておく一同。
「目には目を、歯には歯を、サッカーにはサッカーをってな。俺たちのサッカーを見せてやろうぜ!」
「「おうっ!」」
 空気を読んで以下略。
 一同は一人一個ずつサッカーボールを抱えると、サッカー場へと駆け出して行ったのだった。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 9人 ■サポーター参加人数制限: 2人 ■シナリオ終了日時
 2012年04月13日(金)23:11
八重紅友禅でございます
サッカーってアレですよね? 超能力で相手を皆殺した方が勝ちのゲームですよね?

●デーモンズ
小規模フィクサード組織で、全員ダークナイトです。
11人いて、強さはバラバラです。強い奴になると中級スキルを網羅してたりしますが、でもそれがこの試合と一体どんな関係があるというのかしら?

こちらはアークのリベリスタチームとして対戦します。
勝敗? 相手を全滅させたら勝ちじゃなかったんでしたっけ?
でもそれだとただの殴り合いなので、限られた時間内に最も多くボールを相手ゴールへ叩き込んだ方の勝ちってことにします。負けたら投降コースです。
内2名程サポート枠で入っていますが、この2名に関しては以下のサポート描写則に準じます。
サポート描写則『メイン参加者がプレイングに裂いた割合分、当人の描写量を付与。ゼロである場合一行程度に収まる』

……え、サッカーのルールを知らない?
この試合にそんなものがあるとでも!?
参加NPC
 


■メイン参加者 9人■
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
クロスイージス
新田・快(BNE000439)
クロスイージス
祭 義弘(BNE000763)
デュランダル
楠神 風斗(BNE001434)
ナイトクリーク
十七代目・サシミ(BNE001469)
覇界闘士
祭雅・疾風(BNE001656)
デュランダル
神守 零六(BNE002500)
ナイトクリーク
マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)
クリミナルスタア
阿倍・零児(BNE003332)
   
■サポート参加者 2人■
デュランダル
真雁 光(BNE002532)
クリミナルスタア
禍原 福松(BNE003517)

●20XX年、世界はサッカーに支配されていた……みたいな世界観。
 とある千葉県の黄色い感じのサッカースタジアムを、11人の悪しきサッカーチームが占領していた。
 人々は絶望し、近隣の商店街は軒並みシャッターを下し、一時的に豪利を得ていたカレーショップも潰れかけていた。
 誰もが絶望し、もう黄色いシャツ捨てようかなって思い始めたその時……何処からともなく彼らがやってきたのだった。
 サッカースタジアムにずらりと並ぶ十一人のリベリスタ達。
 デーモンズの悪しきリーダーは額に脂汗を浮かべた。
「お、お前達は……」
「そう、俺達は……!」
 十一人は一斉に別々のポーズをとると、全く同時に、一糸乱れぬタイミングで叫んだ。
「「三リアリ三三ア三三三三高ベーベ高高ー高高高高平リクリ平平ク平平平平イスイ☆殺アゴシアリアレタース車クッテーベーブージタ忍シトィクリクンユスー者ョウFエスイズナズンィCンアンイFンジヒパテCズェールッルロスドーズだ!!」」
「うおおおおい混ざってる混ざってる!」
「え、って言うか何で全員ユニフォームもポーズもかすりもしてないの!? 一週間近い打合せ期間は何だったの!?」
 高速で振り返る『Average』阿倍・零児(BNE003332)と『薔薇の吸血姫』マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)だった。
 今日のツッコミ担当である。
 と言うか、他に真面目なこと言ってくれそうな人がいなかった。
「な、なんだか縦読み暗号みたいなチームだな……」
「だが相手にとって不足は無い。一人残らず消炭にしてるぜ!」
 というわけで、血で血を洗う超次元サッカー試合が幕を開けたのだった。

●宇宙からの侵略者がサッカーボールで家屋を粉々にするみたいな世界観。
「必殺――!」
 『正義の味方を目指す者』祭雅・疾風(BNE001656)は天高く10mくらいジャンプすると、華麗に上下反転した。
 空中で光り輝きながら停止するサッカーボール。
「オーバーヘッド斬風脚!」
 疾風のシュートを受け、ボールが触れただけで鉄をも切り裂く高速の鎌鼬を帯びて飛んだ。
「フ、甘い――魔神・スケフィントン!」
 途端、周囲を漆黒の霧が渦巻きボールを弾き返す。
「何ッ!?」
「安心しな、叩き込んでやるよ!」
 ミサイルが如く芝生をから飛び立つ『人間魚雷』神守 零六(BNE002500)。
 彼はコート端のポールを蹴って反射すると、空中でボールを多角的に蹴り込んだ。
「雷騰雲奔・蹴ッ!」
「まだだ、ダークバリア!」
 相手キーパーが両手を突き出す。背後から湧き出た闇のオーラが巨大なシールドとなりゴールを完全に覆う。
 するとキーパーはボールを勢いよく蹴り飛ばした。
「そっちに言ったぞ、夏栖斗君!」
 マーガレットがごくごく自然な支持を飛ばす。
 それを受けて『イケメン覇界闘士』御厨・夏栖斗(BNE000004)は歯を光らせてサムズアップした。
 そして『折れぬ剣《デュランダル》』楠神 風斗(BNE001434)目がけて触れただけで鉄をも切り裂く高速鎌鼬のシュートを撃った。
「斬風脚」
「ペヨンジュン!?」
 もんどりうって倒れる風斗。
 空中をきりもみ回転する間、光る世界の向こうに何かを見た。
『風斗、風斗、聞こえますか……?』
『あ、あなたは……』
『サッカーとは、性欲のメタファー』
『フロイト先生!?』
 顔からポールに激突する風斗。
 はっとして顔(血塗れ)を上げると、ゴールまでの直線コースに夏栖斗の姿があった(逆説的に奴はオウンゴール方向にシュートしたと言うことである)。
「フ、分かったぜ……フロイト先生」
 風斗はニヒルに鼻血を拭うと全力でダッシュ。夏栖斗の下腹部より下にあるダブルサッカーボールにギガクラッシュをスパーキングした。
「必殺、御厨クラッシュ!」
「チャンドンゴン!?」
 相手ゴールのポストに顔からめり込む夏栖斗。
 彼はむっくりと起き上がると風斗の下へと全力スライディング。からのオーバーヘッドキックを繰り出した。ダブルサッカーボールがスパーキング。
「死ねぇ、ゴールデンボール!」
「パクヨンハッ!?」
 股間を抑えてのた打ち回る風斗と夏栖斗。
「てめぇまじふざけんな! なんなんだよ、ラノベの主人公かよ!」
「ラノベ主人公舐めんなよ! つい最近だって正義や現実や組織に苦悩してたんだぞこの野郎! ……あれ、ついさっきシリアスな目にあってきた筈なのに俺何してるんだろう」
「フラグ立てすぎなんだよバーカバーカ、うんこ!」
「ば、馬鹿って言った方が馬鹿ですー!」
「うるせー幻想ぶち壊してろ白黒!」
 夏栖斗と風斗が醜い罵り合いをしている間に敵選手は順調にドリブル。
 ディフェンスの『ニンジャブレイカー』十七代目・サシミ(BNE001469)と相対した。
「行くでござる……忍法・乱れ糸縛りの術!」
「なんの、漆黒解放!」
 サシミから放たれた無数の糸を、闇から生まれた大量の鋏で切り裂く敵選手。
「ぐはっ!」
 サシミは顔から芝生に倒れる。その横を駆け抜けていく敵選手。
 が、しかし。彼のドリブルしていたボールが突如爆発。
「これは!?」
「すり替えておいたのさ!」
 にやりと笑うサシミ。
「忍法・発破地獄送りの術でござる!」
「ぐああああああああ!!」
 爆発するサッカーボール。敵選手はきりもみ回転してその場に倒れた。
 新たなサッカーボールが飛んできて、マーガレットはそれを胸でトラップ。慣れた動きで足まで運ぶと器用にドリブルを始めた。
「マトモな試合は期待してないよ。ゲームの流れをコントロールして、しっかりパスを回してい――」
「ソウルバーンスラッシュ!」
「はうあ!」
 敵選手が巨大な剣をフルスイングしてきた。マーガレットは咄嗟に防御行動。しかし相手の剣はガードを破って彼女の腕と胸を盛大に切り裂いた。噴き上がる鮮血! 地面を転がるマーガレット!
「剣……って……」
 血をだくだく吐きながら呟くマーガレット。芝生が既に血塗れだった。審判らしき男が近寄ってくる。
 そして胸ポケットからハンカチを出してきた。
「さ、これで血を拭きなさい」
「とめないの!?」
 などとやってる間にも敵選手は進行を続ける。
 零児は大きく下がってゴール前で相手選手を迎え撃った。
 でも真ん中のラインからは絶対でない。零児のポリシーである。
「僕には皆さんのような技はない……でも守るための技ならあります!」
 零児はリーディングを発動。さらに超直観を使って相手の動きを見た。
 見える。見えるぞ! 相手の次の動きが手に取るようだ!
 今から一秒後、相手は背中からガトリング式機関銃GAU-8アヴェンジャーを取り出すと左右に控えていた仲間に号令。ロケットランチャーからサッカーボールを五つ同時に射出すると進行方向上の敵に重火器による制圧射撃をしかけるのだ!
「って守れるかあああああああああ!!」
 零児は風にあおられるビニール袋の気持ちを、ちょっとだけ理解した。
 その後ろでは『侠気の盾』祭 義弘(BNE000763)がずっしりと構えている。
「大丈夫だ、一個くらいは止めて見せる!」
 ハイディフェンサー発動。ロケット噴射でウナギが酔っぱらったような軌道を描き飛来してくるサッカーボール弾頭をキャッチした。
 そして爆発した。
「ぐああああああああああ!!」
「義弘ぉぉぉぉぉ!!」
 煙を引いて天高く飛んでいく義弘。
 残るはキーパーの『SGGK』新田・快(BNE000439)だけである。
 が、この時ある重大なことに気づいた。
「しまった、超次元に慣れるべく身に着けていたJリーグ養成ギプスを外し忘れていた!」
 身体中にはすげーバネがつきまくった変態的な全身ギプスが装着されている。なぜ気づかなかったし。
 快は無理矢理横向きにジャンプすると、両手を目いっぱいに伸ばした。
「そう何度も抜かれてたまグハァ!?」
 顔面に直撃。快ごとゴールにボールが突っ込んで行く。
 その反対側では別のボールが突っ込んできた。再びジャンプする快。
「身体のどこかに当たってグハァ!?」
 きりもみ回転してボールと一緒にゴールインする快。
 ちょとだけ快の魂が口から抜けた。
 そこで、前半戦終了の笛が鳴ったのだった。
 デーモンズVS有象無象。2-0の大ピンチである。
 
●「ここは俺のシュートで」「やめろ建物を破壊する気か!」みたいな世界観。
 後半戦開始。
 フィクサードチーム『デーモンズ』はニヤニヤと笑っていた。
「名うてのアークリベリスタと聞いて焦っていたが」
「ククク、どうやら杞憂だったようだな」
「この試合で貴様等を塵も残さず消し去ってやろう、フハハハハハ!」
 三人の敵選手は大空へ飛び上がると、三角形のフォーメーションを組んだ。
 闇のエネルギーが満ち溢れ、額に描かれた第三の目が輝く。
「シュヴァルツ――シュート!」
 生命を蝕む漆黒の光をその手に溜め、対象に向けて撃ち放ちます。(スキルマニュアルのコピペです)
 新田快は額に脂汗を浮かべた。
 だが表情は晴れている。なぜならギプスを脱ぎ捨てているからだ。
 もはや今の彼は新田快であって新田快ではない。
 いわば新田・改!
「プレミアリーグ養成ギプスを外した俺の本気を見せてやる!」
 そこまで言うと新田・改は全身のエネルギーを集中。相手のボールに向けて大きく手を広げた。
「パーフェクトガード・ザ・ハンド!」
「何っ、俺様のシュヴァルツシュートを止めただと!?」
「それだっけではない。アイアンリーグ養成ギプスを外した俺に不可能はないぞ――零六!」
「おうよ!」
 大空を舞うように、大気を貫くように、零六がロケットの如く飛んでいく。
 その背を見て、新田・改はボールをフルスイングした。
「リーガルショット」
「ぐああああああああ!!」
 手にした武器が一点の曇りも許さぬように鮮烈に輝きます。輝きを纏った武器は破邪の力を帯び対象一体とその付与さえも切り裂きます。(スキルマニュアルのコピペです)
「真雁さん、禍原さん、シュートは打たせて構わない。二人ともあがれ!」
「うおおやっと出番が!」
「シルエットしか登場してなかったからな俺ら!」
 『勇者を目指す少女』真雁 光(BNE002532)と『糾える縄』禍原 福松(BNE003517)がゴールめがけて走って行く。
 丁度ゴール前では零六が空中で一点の曇りも許さぬように鮮烈に輝いているボール目がけて流星の如き高高度からのシュートを叩き込む。
「流星光底・墜ッ!」
「うわああああああああ!!」
 全身のエネルギーを武器のみに集中させます。対象一体をエネルギーの球を溜めた武器で一閃します。(スキルマニュアルからのコピペです)
 激しい紫電を帯びたボールがキーパーへと突撃。キーパーは暗黒バリアを展開。なんとかギリギリで耐えようと堪えている。
「なんという威力。こんな力を隠していたのか、奴等は……!」
「いいでござるか、スポーツとは逆転劇でござる。お主等には……ガッツが足りなかったでござるな!」
 土煙をあげて突撃してくるサシミ。
 彼女は強い踏み込みから地面と水平にジャンプすると、キーパーの持ってるボール目がけて強烈かつ連続のキックを叩き込んだ。
「忍法・弾審愚慄覇!」
「ぐおおお!?」
 腹に、膝に、顔面にボール蹴りを食らうキーパー。ちなみにこれを別の世ではジャッジスルーと呼ぶ。
 ボールが宙に浮く。キーパーがゆっくりと仰向けに倒れ始める。
「い、今だ!」
 今行かないと絶対普通キャラで終わらされてしまう。
 そんな危機感を抱いたのか、マーガレットは高く跳躍。シャドウサーヴァントと共に左右からのダブルシュートを繰り出した。
 スローモーションで倒れるキーパーの頭上を、高速で回転しながら飛んでいくボール。
 やがてボールはネットへと叩き込まれ、ゴールを示す音が鳴らされた。

 センター。デーモンズの選手は焦っていた。
 正直センターラインから意地でも退こうとしない零児がすさまじくウザかったが、それは我慢した。と言うか蹴倒した。
「奴等、思ったより強い」
「思ったより実力があったようだ」
「最初は超次元サッカーに慣れていないようだったが、しだいに適応を始めている」
「これは強硬策を取るしかあるまい……!」
 今までが強硬策じゃなかったみたいなことを言いながら、キャプテンらしき男はボールを高く上げる。
「行くぞ、闇連結フォーメーション!」
「「おうっ!!」」
 見れば、デーモンズの選手達はキーパー以外全員一列に並んでいた。センターからゴールまでである。
 波のような美しい動きでジャンプ。反転。
「オーバーヘッド――」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
「ペインシュート!」
 なんと十人連結のペインシュートではないか。
「このボールは俺が……ぐ、ぐあああああああああ!!」
 これには流石の新田・改とて止められなかった。腹を貫通する勢いで叩き込まれたボールによって血を吹き、完全に意識を失った。
 しかしボールだけは入っていない。それは新田・改の意地だった。
「新田・改ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「ひどい、ボク達はサッカーがしたいだけなのに!」
「フハハハハ、なんとでも言うがいい! 貴様等はここで死ぬのだ!」
 闇色の翼を広げて高笑いする敵キャプテン。
 ツッコミを入れてくれる人はもはや居ない。
 キャプテンは調子を取り戻したのか、零児からボールを奪うとキーパー不在のゴールに向かってドリブルを始めた。
「そっちに行きましたよ、義弘さん、疾風さん!」
「任せろ! ジャスティスキャノン!」
「なんの!」
 義弘の出したビーム的なものを闇の盾でガード。キャプテンはそのまま突撃してくる。
 が、義弘に気を取られていたのか、疾風には気付かなかった。
「隙あり、業炎撃スライディング!」
 燃え盛る炎を纏った疾風が突撃。ボールを奪いにかかる。
 ギリギリのジャンプで交わすキャプテン。だが彼の眼前には義弘の棍棒が高速で迫っていた。
「何っ!」
「美しいスポーツマンシップを見ろ……そして骨まで砕けろおおおおおお!」
 魔落の鉄槌が炸裂。敵キャプテンの顔面を粉砕し、血と脳漿を噴き上げた。
「今だ、疾風!」
「フィクサードごとゴール決める勢いでいいのだろう?」
 疾風はワイヤーアクションさながらの飛行を行うと、空中でボールをドリブル(もはや脚に挟むとすら言う)してセンターへボールを蹴り飛ばした。
 それを胸でトラップする零児。今日は基本的にぶっ飛ばされる役だったが、最後くらいは上手く決めたかった。
「目にもの見せてやりますよ、僕の平均的な――パスを!」
 一般成人男性が平均的に出せるごくごう平均的なパスが放たれた。
「な、なんて平均的なパスなんだ!」
「フォームの質から速度と精度、どれをとっても平均的!」
「50点!」
「ミスター50点!」
 立ち上がって拍手を始めるギャラリー(近隣商店街で暇してた皆さん)。
「あれ、なんだろう。褒められている気がしない」
「いや大丈夫だ、褒められてるぞ!」
 風斗がボールを受け、一旦高く上げた。
「真雁、合体技だ!」
「合体技だと!?」
「『サッカー=性欲』の心理に目覚めた風斗選手の合体技だと!?」
「性的な合体技だと!?」
「凄まじくやり難いんですけど! ですけど!」
 光は涙目になりながら高く跳躍した。
 そして宇宙とか雲とか雷道とかをアレしてアレするすごいアレがアレされた(付与された文字数的な表現の限界)。
「見ろ、オレたちの友情の力! これが、これこそがサッカーだ!」
 性欲のサッカーに目覚めたと言う風斗による性的な跳躍。ボールが飛んでくるタイミングに合わせて性的なフォームから性的なメガクラシュートを繰り出した。
「ハイパーサンダークラッシュ!」
「ぐあああああああ!」
 身構えていたゴールキーパーは全身を紫電に焼き尽くされ、黒焦げになって転がった。ネットを突き破って跳んでいくボール。
「やったぜ!」
「ヤったー!」
「さすが風斗選手!」
「性欲の風斗!」
「いやさ性斗!」
「我が国のセックスシンボル!」
「おいお前らやめろ」
 ギャラリーに向けて静かな殺意を向ける風斗。
 そんな彼を無視して、センターらいんから夏栖斗が出撃。
「いくぜ福松!」
「おう!」
 夏栖斗は全身のエネルギーを集中させると、ボールを殺人的な勢いでシュートした。
「ヒッサァァァァァツ!」
「「アルカノイドシュゥゥゥゥト!」」
 ボールが凄まじい勢いで飛んでいく。
 間に入った敵選手達が次々となぎ倒され、血を吹いて倒れていく。
 その中にさりげなく風斗も混じっていた。
 最後の最後、風斗がきりもみ回転してゴールポスト目がけて飛んでいく。しかしボールは跳ねて明後日の方向へと飛んでいた。
「バカめ、あれだけやって外していやがる!」
「それはどうかな」
 呟く福松。彼はゴールを強烈なパンチで叩くと、ゴールごと盛大にズラしたではないか。
 ネットの中に吸い込まれるように入って行くボール。
「な、何ィィィィ!?」
 笛の音が鳴る。
 2-3!
 チームなんちゃらかんちゃらの勝利である!

●サッカーで死んでもそれはしょうがない、みたいな世界観。
 沈む夕日に向かって、十一人のリベリスタ達が歩いていく。
 国道沿いにゆっくりと徒歩で帰って行く。
 商店街の皆さんはワケの分からないまま彼らを見送り、そして涙したという。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
サッカーなら仕方ない。
そんな広い心で楽しみましょう。