●だからぬるぬるした液体を体に塗って使うあのウレタン状の板みたいなやつだよ 知ってる人は少ないだろうことを承知で述べさせてもらうが。 ビキニパンツ一丁で全身にぬるぬるしたものを塗ったくり、ウレタン状のマットを片手に現れ意味もなく誕生日を祝いに来ると言うキャラクターが、ずっと昔バラエティ番組で流行ったことがある。彼は今日本のどこかで肉巻き饅頭を売って生計を立てていると聞くが、そんな彼……とは一切関係ないが似たような趣味を持つ小太りなオッサンがいた。 「いやー、今日も大学の同期生を祝いに祝っちゃったなあ。ヌルッヌルだぜ」 ふぁさぁっていうかぬちゃぁって感じで髪をかき上げる男。 が、いくらなんでもヌルヌルのパンツレスリング状態で街を歩くわけには行かない。しっかりと身を綺麗にしてからパンツレスリング状態で裏路地を歩いていた。 そんな、誰にでもある当たり前の昼下がりでのことである。 「貴様、どうやらヌルヌルが好きらしいな」 巨大なマットが話しかけてきた。 いや意味わからないかもしれないけど。 本当に巨大なマットが話しかけてきたのだ。 ウレタン状の、なんかピンク色のマットである。ほんと何に使うのかわかんないけど。とにかくマットである。 「え、え?」 あまりにファンシーな出来事に挙動不審になる男。 マットはやれやれと首を振ると(どうやってだろう)、アメリカンに肩をすくめて見せた(どうやってだろう)。 「まあいいさ、その身体に聞くまでよぉぉぉ!」 「一体どういう……はっ、これは!?」 地面を見下ろす男。なんとそこは、ヌルヌルする液体がどこまでも広がっていたのである。こいつぁ気づかなかったぜ! やべえぜ! だがもう遅い、マットの強烈な張り手(どうやったんだろう)が炸裂。 男はロォショォンとかいう不思議な奇声を発しながらどこまでもヌルヌル滑って行ったのだった。 でもってヌルヌル死した。 ●だからぬるぬるした液体を体に塗って使うあのウレタン状の板みたいなやつだってばよ! 『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)の説明である。 無論いつもの服装でいつものファイルを抱えてふるふるシェイカー片手に説明している。 もし何かを期待していた人がいたなら申し訳ないので、脳内にそれっぽいイメージだけを描きながらこの説明を聞いてほしい。いや、やっぱりやめてほしい。 「皆さん、このアイテムを知っていますか。これが覚醒し、エリューションゴーレムになってしまいました」 実物の上に座りながら述べるガハラさん。 今すぐそこから降りるんだというリベリスタ達の忠告を素直に受けて立ち上がるガハラさん。 「今も路地裏をマイフィールドとして、通りがかる人々を恐怖の渦に巻き込んでいるそうです。今日もまた新たな被害者が生まれていることでしょう」 言ってることは真剣なのにどうしてもマットが気になってしまうリベリスタ一同。 もっと言うとその隣に置いてある液体(ふるふるシェイカー)が気になってしょうがなかった。 「このエリューションはとてもヌルヌルする液体を周辺一帯に満たし、自らにも塗ることで相手の攻撃を受け流しやすいボディにしているようです。呼称はどうしましょう、ヌルヌルするマットですからヌ――」 「言わなくていい」 そっと言葉を挟むリベリスタ達。 咳払いする和泉。 「ちなみに、エリューションの攻撃はやはりヌルヌルしていますから、身体にヌルヌルした液体(現地調達)を塗ることで回避率がある程度上昇するという見込みもあります。そういうことなら、皆さんも安心して闘えますよね」 にこりとする和泉に、リベリスタ達は七割スマイルで応えた。 「では皆さん、エリューション退治。しっかりやって下さいね!」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年03月30日(金)23:22 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●やったー! エロが書き放題だー! がんばるぞぉー! 全裸の『スワロウ・スパロウ』出合島 白山(BNE003613)が仁王立ちしていた。 …………。 …………。 「おおっといけない!」 「身体が勝手に!」 左右からヌルヌル飛沫を上げながらスライディングしてくる『夜翔け鳩』犬束・うさぎ(BNE000189)と『閃拳』義桜 葛葉(BNE003637)。 都合よく反射した光が白山の下半身を隠した。 パンツじゃないから恥ずかしくないアニメの海外評価に『光よ恥を知れ』という名言があるが、今回ばかりはグッジョブと言わざるを得なかった。 全身をぬるっとしたまま、ソファで横になるハリウッド女優みたいなポーズをとってみせるうさぎ(無表情)。 「欲情してもいいのよ? いいのよ?」 うさぎちゃんって言えばなんだか可愛いし女の子だと思えなくもないが、実際どうなんだろう。性別不詳って本当どうなんだろう。 「しかしこの状況、実際に体験してみないと何とも言えんな」 成り行き上うさぎと同じポーズをとる葛葉。彼の場合ガッチムチ……じゃなかったガッチガチの男性用スクール水着なのだが、足首のガッチガチ……いやさガッチムチさのせいでもうビキニパンツにしか見えなかった。パンツレスリング状態だった。 そんな光景を、親に死ねと言われた子供の顔で見つめる『イケメン覇界闘士』御厨・夏栖斗(BNE000004)。 「みんな。敵は危険だ、気を付けて! 決して無理はするなよ!」 「おいお前誰だ!」 「間違えた、いえーいぬるぬる! えいっちがどないだえっちっちー!」 「……よし」 パーリナーイとか言いながらヌルヌルプールへと飛び込んで行く夏栖斗。なんだかわからないけどすごく幸せそうだった。 俺たちの夏はこれからだ。 青春が待ってるぜ。 さあ始めようアバンチュールサマー。 「いや、ちょっと待て」 『合縁奇縁』結城 竜一(BNE000210)が両腕を振りながら空気をかき消した。 「俺華、女子のぬるぬるしたのが見たいだけなんだよ。なのに何だよお前らときたら『ドキッ、男だらけのパンツレスリング!』なんかしやがって空気読めてんのか! 音読できてんのか! 俺は信じてるからな、この後ガッツリかつネットリした女子の描写があるって信じてるからな!」 ……ということで。 きっと世の男性たちが待ち望んでいることだろう。 今回この依頼に参加した女性陣、『雇われ遊撃少女』宮代・久嶺(BNE002940)、『すもーる くらっしゃー』羽柴 壱也(BNE002639)、『ライトニング・フェミニーヌ』大御堂 彩花(BNE000609)の三人について詳細に描写することにしよう。 コホン。もしかしたら女性にはこういうのを嫌う方もいらっしゃるかもしれません。 合図を出しますので、その地点まで読み飛ばして頂けると幸いです。ここから、はいこの行からです。 もし読むとしても『フフ、男ってばかね』くらいに思って頂きたい。間違っても『うわ男ってこんなこと考えてるの? キモッ』とか思わないで頂きたい。 では行きます。 まずは超絶美少女久嶺様。 「なんでお姉さまが居ないのよ、もしいたなら画面の右上に『●REC』と出して……ウェヒヒッ」 壁パンしたりわきわきしたりしている彼女こそ超絶微乳女久嶺様である。彼女の魅力は何と言ってもこの微――(※この文章は検閲により削除されました)――。 続いてこちら彩花さん。 「ココどこですか!? 何でスク水着てるんですか!? 何の罰ゲームですか!? 何者かの悪意を感じるんですけど!」 そう、御覧の通り彼女の上下左右に揺れるG――(※この文章は検閲により削除されました)――。 そしてどんじりに控えしは、羽柴のいっちーこと壱也である。 誰もが『な、羽柴』と優しげな視線を送ってしまうとされる哀――(※この文章は検閲により削除されました)――。 「ええいぬるぬるが何よ! ポ(※検閲削除)が何よ! (※検閲削除)が何なのよ! 大きさ関係ないでしょポ(※検閲削除)には! しやすいかしにくいかの違いでしょ! 大体私のキャミソールのポ(※検閲削除)率を舐めてんじゃないでしょうね! まあ恋人の居る身でポ(※検閲削除)はしないけど!? せっかくだからポ(※検閲削除)の心配が無い水着を選ぶわ! スク水ね! ということで……」 ――はい、此処から読んで大丈夫ですよ。いやあ書いた。二万文字は書いた。 仁王立ちするいっちー。 「よくもぬるぬるにしてくれたわね!」 「イェエス!」 もう返事でもなんでもないことを言いながら振り返るマット。 こうしてエリューションとの戦いは始まったのだった。 ●いいのかな!? こんなにエロいことばっかり書いて大丈夫なのかな!? 「覚悟して貰おうかエリューション……義桜葛葉、推して参る!」 葛葉は潤滑する床を活かして滑走すると、豪快なトリプルスピンからのギガクラッシュを繰り出した。 ぬるっと拳がマットを滑る。しかし彼は慌てない。 「攻撃が滑るのも道理、ならば身体ごとぶち当たってやればいい!」 身体を傾け肩からぶつかる葛葉。マットは呻き声をあげてのけぞった。 「竜一、今だ!」 「おう!」 カーリングのように壁と壁をジグザグに反射しながら突撃する竜一。 「マットよ、お前の悲しみは分かる……だがもう彼はいないんだ!」 誰のことか分からないが。劇団のことは許してやってくれと言いたいが。竜一は涙を浮かべてオーララッシュを繰り出した。 「ここで俺が、その想いとともにお前を……断つ!」 「ぐあああああっ!」 ……という。 真面目な戦闘シーンは以上になります。 夏栖斗とうさぎがうふふあははと水(ぬるぬる)をかけ合っていた。 「久嶺といっちーのぺたんこバディに吸いつくようなスク水はたまんないよね、よくお似合いですよね!」 「ウェット・アンド・メッシー!」 笑顔でぬるぬるを掬い上げる夏栖斗。 無表情でぬるぬるをそーれってかけるうさぎ。 「あのおっぱ(※検閲削除)詰め放題みたいな彩花もいいよね、背徳感があますところないよね!」 「エロス・アンド・タナトス!」 空に向かってヌルヌルを投げる夏栖斗。 無表情だヌルヌルをてろーってやるうさぎ。 そんな二人を無視して壱也がマットへと滑走して行った。 「くらえ、怒号のメガクラッシュウウアアアアア!?」 マットの表面をぬるっと滑りながらどこかへ滑っていく壱也。 途中で彩花に激突しもみくちゃになりながら滑って行く二人。 「え、ちょ、きゃー!」 「もうやだこのぬるぬるー!」 よっしゃ描写するぜ! まず――(※この文章は検閲により削除されました)――。 というあられもない様子を見ていた久嶺は戦慄に震えた。いや震えてないけど。 「冗談じゃない、こんなぬるぬるな場所にいられるか! アタシは飛ぶ!」 といって超絶美少女久嶺様・第一章、大地発つ。 空中でテラーテロールとかいうなんだかてろてろした技を放とうとした、その途端。 「へぶんっ!」 超絶美少女久嶺様・第二章、マット激突。 空中を回転しながら飛んでいき壁に激突。壁当てしたボールのように地面に転がり下りた。 超絶美少女久嶺様・第三章、ヌルリスタエンド。三部作完結。 そんな彼女の横を全裸の白山がヘッドスライディングで滑って行った。 地面の接触部分を謎の光が遮っていた。 ちなみにBL・DVD版ではこの光が解除されます。 「ギャハッ! すげえええ超高速で(※検閲削除)が迫ってくるぜ! (※検閲削除)でもいいぜ!」 彼がどこに向かっているかって? そんなの決まってるじゃないか。 いっちーさ。 「敵はあっちでしょ!」 いっちーのはしばぶれーどが炸裂した。 モルスァみたいなことを言って飛んでいく白山。 「十二年も生きてればオチも読めるもんさ、フフ」 とりあえずシブく決めてみる白山(全裸)。 適当な壁を蹴って反射すると、今度は直立姿勢のストリームアタックをしかけた。 今度は誰にかって? 彩花さ。 「つーかホラ、オレサマくらいの年齢(十二歳)になると同級生とかあれじゃん先生に怒られるじゃん。なら年上のオネーサンに突っ込んでいって『もう、駄目だゾ』って言われたいわけだよ分かるだろこの気持ち!」 「せいっ!」 彩花は突っ込んできた白山の方に手を置いた。ぴたりと止まる白山。 ここからの流れは実際にプレイングに書いてあったことであり決して捏造ではないことを先述した上で書くが。 身体を密着させます。 右拳を握って腰当たりで引きます。 腰を落とします。 ソーラー・プレキサス・ブロー(みぞおちパンチ)。 「ヘブォウ!?」 天国から地獄へのフリーフォールである。 なんだこれ。 本当になんだこれ。 このままではサービスシーンに欠ける。 ので、うさぎに頑張っていただきたい。 「目をそらすな、戦わなきゃ現実と!」 冒頭のポーズ再び。うさぎは集中を十回くらい重ねたメルティーキィッスを放った。 投げキスだった。そんなスキルじゃないのに。 そしてこの顔(無表情)である。 「エローイ!」 とかやってると、後ろをモルスァとか言いながら白山が滑って行く。 「あと一人いるが年下には興味ねーよ、ねーな!」 「って言いながら来ないでよ!」 超絶美少女久嶺様・リターンズ、無頼の腹パン。 白山はもんどりうって倒れた。 ぶっちゃけ彩花の一発でフェイト使う程痛めつけられていたのに、ここにきて安心の重傷ダウンである。 全部味方の所為だった。 特にトドメは超絶微乳女久嶺様の所為だった。 「わ、悪気は無かったのよ! 急に飛び出してくるからいけないのよ!」 などと供述しており、業務上過失致死の容疑で逮捕となりました。 一方の彩花は魔氷拳でマットをばこすこ殴っていた。氷結するヌルヌルがどういうもんか想像つく人は少ないと思うが、物凄く普通の物体なので期待はしないで頂きたい。強いて言うならちょっととがりやすいくらいである。 そんな彼女と一緒になってマットを殴っていた葛葉が口元のヌルヌルを拭いながらイイ声で言った。 「相手もだいぶ弱って来たな」 なんで彼だけこんなに真面目に戦っているのか。納得できないと言う人はステータスシートを見に行けばよい。納得できる。 「そろそろトドメと行こうか、夏栖斗!」 「待って、今スマホで動画取ってるから」 「何やってるのかしら、そこ?」 超絶美少女久嶺様・ビギニング、スマホショットキル。 砕け散るスマホ。 「ウワアアアアアアア僕のアイフォンがああああああ!」 悲鳴をあげる夏栖斗。その両足をむりくり掴んで引き倒す竜一。 「え、何これ何!?」 「俺の力をカズトに貸すぞ! 行けぇ!」 りゅういっちーはそう叫ぶや否や、大の字になった夏栖斗を天へと放り投げた。 大の字のまま空中に舞い上がる夏栖斗。 そこへ、壱也が後方から助走と共にジャンプしてきた。 「御厨アタック!」 いっちーのフライング・オーバーヘッド・キック炸裂。 「貫け、ドラゴン攻めいーえっくす!」 「ギャアアアアアアアアアアア!」 「ウワアアアアアアアアアアア!」 白目をむいた夏栖斗がマットを貫通した。 大量のぬるぬるをまき散らして消滅するマット。 べじょんと音を立てて落下する夏栖斗。 「ぼくの……ごぎょうそう……が……ガクッ」 そして夏栖斗は力尽きた。 ●これが放送禁止になったらどうしよう! ふふふどうしよう! 白目をむいて痙攣する夏栖斗だった肉塊。 鼻血を吹いて昏倒する白山だった肉塊。 そんな二人を前に、竜一と葛葉は手を合わせていた。 「かわいそうに……」 「彼等は犠牲になったのだ……」 片足で立ち天を指差しつつ足と腕をそれぞれクロスさせるという、名指し難いポーズでスライドインしてくるうさぎ(無表情)。 「はあ、でも最後にまき散らされたヌルヌル消えないんですね。これだけ神秘由来じゃないんですね」 「神秘由来じゃなかったら何由来なんだよ」 「……天然由来?」 「そりゃ大体の製品はそうだけどさ」 乾いた目をする竜一。 そんな彼らの後ろで、彩花が腕を組んだ。 想像して頂きたい。 G(※検閲削除)の彩花が胸の下から掬い上げるように腕組みするその様を。 「…………」 「…………」 無言で目を合わせる久嶺と壱也。 「まあ、私は十一歳だし。まだまだこれからよ」 「そんな、私十九歳だけどまだまだだし!」 「えっ……」 全員一斉に振り返った。 咳払いをした後でビキニパンツの腰ゴムをパツンとやる葛葉。 「希望を捨ててはいかんぞ……な、羽柴よ」 髪をふぁさぁっていうかぬちゃあってやる竜一。 「そうだぞ。未来はきっと明るいぜ……な、羽柴」 「う、うう……」 壱也はじっと地面を見つめつつ、肩をぷるぷるさせた。 意識を取り戻す夏栖斗。 「僕紳士だから……な、羽柴」 とりあえず起きてみる白山。 「オレサマもそう言うの許容できる人だから……な、羽柴」 壱也の額で、何かがブチ切れた。 首をかしげる久嶺と彩花。 「は……」 「は……?」 「はしばぶれぇぇぇぇぇぇぇどっ!!!!」 その日、四人の男達が空を飛んだと言う。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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