●スパッツは邪道! ジャージなんて論外だ!! ――5月前半。世間の多くがはしゃぐゴールデンウィーク後半戦のある朝のこと。 狭間の日を休みにすれば連休になるけれど、多くの中高生にとってはそうでもない。 「なんかさ、この間もそうだったけど、休みの合間に学校って気分出ないよね?」 「……いいじゃん。電車とかも空いてるんだし。あたしは嫌いじゃないよ」 「そっかー。でもさ、せめて朝練くらい休みにしてくれれば良いのに……」 「しょうがないよ。明後日は試合でしょ?」 「そーなんだけどさ……」 時刻はまだ朝の6時を少し回ったくらい。会話からすると朝練のため駅に向かう女子高生、と言った所だろうか。制服の下にスパッツをつけ、ラケットの入った鞄を提げた2人連れが、駅に向かって歩いていた。 だが……。 そんな2人の前に駅の方から歩いてくる、やはり高校生くらいの少年。ブレザータイプの制服に身を包んではいるが、ここらでは見掛けない制服。その上彼は、華奢で整った顔立ち、メガネをかけた、いわゆる『白皙の美青年』というヤツだ。 でも、彼の周りには何故か春風の悪戯のように局地的な強い風が舞っていて、すれ違った女性のスカートが一瞬だけめくれ上がったり。 朝練に向かう女子高生たちは、そんな様子を一瞥しながら歩く彼と不意に目が合って。 「ちょっと、君たち……」 少年の方が声を掛けると、2人はきゃっ、とか言いながら照れたような顔で少年のことを見上げる。 「……スカートの下にスパッツは、邪道だと思うんだ」 そう言った途端、彼の周りに凄まじい風が巻き起こり、2人のスカートをめくり上げてスパッツを露呈させる。 「きゃーっ!」 そして、風は指向性の力を以て2人に襲いかかると、瞬く間にスパッツだけを切り裂き……いや、そんな微妙な加減は出来ず、女子高生たちの綺麗な脚をも血塗れにしながらスパッツや制服のスカートを引き裂いたのだった。 「これに懲りたらスカートの下にスパッツは辞めた方がいい。あ、そうそう……ジャージとかを履く子もいるけど、そんなのは論外。見掛けたら……殺すよ」 少年は顔色1つ変えずに恐ろしい台詞を吐くと、目的を達した満足感と共に悠然と立ち去るのだった。 ●風使い 「……いつぞやの鷲掴みとは違って、単なるワイセツ事件には収まらなさそう。この高校生たちが傷付けられる前に、皆の力でこのフィクサードを止めて」 アーク本部に設けられた1室で、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は集まった者たちに向かって冷静に告げた。 「この少年は下木端朗(したぎ・はしろー)。風使いのフィクサードの家系(傍流)で、当主から授けられた妖精(E・ビーストの一種。フェーズ1)をmaxで2体従えている。妖精は呼ばれないと出てこない代わりに、HPやBSを回復するから、出てくると少し面倒かも……」 「そいつを片付けるのが任務、ってこと?」 「ええ。ただ、彼も少しだけ歪んだ性格みたい。スカートの女性が好きだけど、スパッツなんかをはくのは邪道なんだとか。そのテンション次第で発揮できる強さが変わるみたい」 「それって、いったい……」 「私にもよく分からない。とにかく、お願い。それじゃ……気を、付けてね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:斉藤七海 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年05月20日(金)22:36 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●たとえ邪道と言われても スパッツは履く。だって相手は風使い――しかも微妙に変態なのだから。 「ふ、普段、スカートなんて履かないから、なんだか恥ずかしい……」 ホットパンツが基本スタイルの『臆病ワンコ』金原・文(BNE000833)は、微妙な違和感のせいで何だか無性に落ち着かない。 (囮役は下に履けて、よかったぁ……) それでもスパッツはせめてもの救い。ホッと胸を撫で下ろしていた。 「しかし、それだけ顔が整っているなら下着ぐらい正攻法でいくらでも見れるだろうに、男の考える事は理解出来ん」 「ん。……変態の……考えることは、良く分からない……」 『ナイトビジョン』秋月・瞳(BNE001876)とエリス・トワイニング(BNE002382)は、それぞれイヴの話を思い出しながら顔を見合わせ、次いで『残念イケメンヴァンパイア』御厨・夏栖斗(BNE000004)の方を見る。 でも、その男子たる夏栖斗は、 (風使いとか、超スカートめくり専用スキル持ってるってうらやま……あれ? 僕の斬風脚も、頑張ったらスカートめくりできねぇ?) なんてことを真剣に考えていたのだけれど。 「……? 一応ボクも男なんですけど、ばらしちゃマズイですよね、はい……頑張ります」 男、という言葉に反応したか、自ら頷いてみせたのは、性別不詳の『対人恐怖症』四鏡 ケイ(BNE000068)。 でもケイの場合は、見た目はどう見ても女の子。スカートの下にスパッツをつけて文と瞳に並んでいた。 そして。 文、瞳、ケイの3人は、 G.W.狭間の静寂が広がった早朝の駅前へ。 まもなく姿を現すであろうフィクサードを待ち受けるべく、万華鏡が視た高校生らの来る前に、駅の方へと歩いてゆく。 (このまま戦うと、食い込んでしまうかな?) 余計な、しかしながら重要な心配を浮かべる瞳。何故ならスパッツの下には何も着けていなかったから。 そんな彼女に、落ち着かない様子のケイが話しかける。 「瞳さん、平気そうですね。ボクは、スパッツって、あんまり履き慣れてなくて……」 が、もちろん着けないことに慣れてる訳もなく、曖昧に頷き返したのだった。 そんな2人のすぐ横で、文のほうはスパッツにも慣れてきたのか、恥じらいが次第に怒りへと転化。 「スカートめくりなんて、女子の敵! 絶対、天誅!!」と。 その直後! 彼女らの視線のその先に、改札を出てくる1人の少年の姿が映った。 「い、いましたね」 突然の邂逅に、ケイの声にも少しだけ動揺が生じる。 が、気持ちを落ち着けるようにして、平静を装い歩く3人……。 そして、少年(下木端朗)の視界に入ったその瞬間。 「君たち……中にスパッツを履いているね?」 周辺の空気が、ぶわっと音を立ててざわめき、巻き上がる風となって皆のスカートをめくりあげる。 すかさず両手で押さえるケイと文。しかし瞳は、目深に被った麦わら帽子を押さえたために、丈の長いワンピースの裾がひらり……大丈夫、スパッツは無事なのでギリギリセーフ。 「逃げなきゃっ!」 「こっちです……ってうぁぁぁぁ!」 再び突風が吹き抜ける。ケイのスカートが舞い上がり、スパッツが丸見え。それでもその先がバレたら洒落にならない以上、走る足は止められない。もちろん、他の2人は下木がケイに気を取られている間にもっと遠くに……。 「ぜっっっったい、めくらせないんだからっ!!」 文はそれこそ全力で走る。 「逃がさないよ。このボクが、絶対に脱がせてみせるっ!」 ——やっぱり、ただの変態かも知れない。 ●ストッキングはありや、なしや? こうして始まった変態とリベリスタ3人のチェイス。回避しようにも目に見えぬ風は厄介極まりなく、まして後ろから来るのだから。 回避すれどもケイはスパッツも脚も傷だらけ。文は懸命に押さえたスカートが見るも無惨。そして瞳に至っては……。 くるっ! 突然踵を返しフィクサードに正対。そして麦わら帽子の奥で密かに下木の能力を解析。+。 「くくっ……友人たちを助けるため、かな? もしそうなら無駄だよ。彼女たちも脱がすと決めたんだからねっ!」 を鳴らし、掬うような手つきで網をとうふいつおに手を振り上げると、一陣の風がスカートを巻き上げ、スパッツの両端を……。 ハラッ。 ただの薄布と化したそれが落ちてゆく。そして……。 「なにィ! は、履いてないだと! オトナだ……」 驚愕する下木。イケメンと言えどもまだまだ子供。一気に力が萎んでゆく。 「どうせ毛穴一つ一つまで調べ尽くされた身体だ。使えるならいくらでも使ってやるさ」 言いながら瞳は、麦わら帽子を投げ、スカートも大部分をビリッと破き捨てた。少し動いただけでも、肝心の場所が露わになりそうだった……。 「き、きき……君は、アークか!?」 「私だけじゃない」 再び、ケイと文が姿を見せる。 「皆さぁん、お待たせしましたぁぁぁぁ!」 叫びながら『さっさとやっちゃって下さい~』と書いたカンペをひらひらと掲げるケイ。 それを受け、辺りに隠れていた皆が一斉に姿をみせる。 「さーって、さくっとやっちゃおうかっ!」 チェーンソーを片手にぶんぶんと肩を回すのは、深いスリットの入ったスカートの『神斬りゼノサイド』神楽坂・斬乃(BNE000072)。 そしてロリっとしたメイド姿のエリスは、付近に強結界を敷く。 「……とりあえず……今ので、妙なこだわりがある……変態であることは……よく分かった……」 そして、ばーんと登場した、純粋な女子高生スタイルで黒ストッキングの『ミサイルガール』白石 明奈(BNE000717)。 「聞け、下木! ジャージについてはまあ、認めよう。あったかいけどダサいしね」 コクコクと頷いてるエリスの横で、ビシッと下木を指をさして真剣な口調で語る明奈。 「だが、ストッキングはどうだ! 問おう! ストッキングはアリやナシや!」 「……くっ!」 思わず、唇を噛む下木。 そして僅かに躊躇した後、アリだよと小声で吐き捨てる(±0になる程度には……)。が、その顔には苦渋の表情が浮かぶ。 「男と一緒、か……よーし、わかった。ならばこうだ!」 自らストッキングをすぽーん。その瞬間、明奈の前に夏栖斗が滑り込む。 「明奈さんは、僕が守る!」 「むこうを向いて言えっ!」 脱ぎ立ての生足による鮮やかな蹴りが一閃。白……悔いはない、と倒れる夏栖斗に目もくれず、改めて指先でフィクサードを挑発。 「ふ、冥土の土産だ! かかってこい!」 が、ここまでのショックで下木はかなりの弱体化。エネミースキャンが-10と弾き出す。が、それでも欠片も悔い改めはしていなかった。 「我が志を阻む不逞の輩め! ボクの風の前に散れっ!」 一帯に旋風が吹き抜け、脚を斬りつける。 その一瞬の隙を窺うようにして、上空から飛来。ゆっくりと下木の前に着地する『Trompe-l'œil』歪 ぐるぐ(BNE000001)の姿があった。 「ハローお兄さん。協力するよ」 「なんだ、君は? 騙そうったって、そうはいかないぞ。どうせあいつらの仲間だろ!」 当然のごとく疑ってかかる彼に、ぐるぐはぶんぶんと首を振って答える。 「ううん。そりゃたまには手を組むこともあるけど、それは利害の一致ってだけ。ぐるぐさんは今、桃色ハプニングが見たいの」 と、気を射ち込む。1発目は敢えて外すも、次は当てるよ、と。 「やれるもんなら……」 ガッ! 言い掛けた夏栖斗の二の腕あたりにピンポイントの一撃。ホントに当てた!? 「痛ってぇ~!!」 「まだ、信用できない?」 「どうかな?」 わかったよ……と、今度は斬乃のところに駆け込んでスカートをひらっ。 「おっと!」 咄嗟に斬乃のチェーンソーが唸りを上げ、地面をえぐる――お互いもう少し踏み込んでたら危ないところ……。 続いて明奈やエリスのスカートを捲るも、中を確認するのは自分だけに留め置く。 ざわっ……広がる動揺。 「なんで、ぐるぐさんがスカートめくってくるのーーっ?!」 叫びながらも、ざわめきを打ち破ったのは、その文。正確に言うなら、文の召喚したシャドウサーヴァントだった。 感情なき影が、容赦ない一撃を叩き込む。 「くっ! 来たれ、盟約の従者!!」 傷ついた下木が叫ぶと、彼の両肩の上に仄かな光球が浮かんだ。どうやらこれが『妖精』とかいうものらしい。 「お兄さんは風でスパッツに切れ込みを入れてよ。連携プレイでいこう」 ぐるぐが走る。標的は文。必死でスカートを押さえようとした文に、ゴメンと言った風に手を合わせ、油断を誘って一気に裾を捲り上げる。 吹き抜けた風が、傷つけながらもスパッツを細かく切り裂く。 「桃色ハプニング、いただきっ!」 「……え、ぐるぐさん? ちょっ、えっ、きゃーーっ!」 パンツが見えたのは、たぶんほんの一瞬だったけれど。 「……この中に、履いてない子がいますね。そして、その子のスカートの裾には今、この赤い糸が結ばれています」 いつの間にか指先に持っていたのは、1本の赤い糸。 「おっと、裾なんか確かめてる余裕があるんですか?」 女の子達に順番に視線を向けた夏栖斗と下木。2人に再びピンポイントの射撃。さらに誤射の振りをした1発が妖精の躯をも撃ちぬいた。 「……あっ!!」 その瞬間、ぐるぐの手から赤い糸がこぼれ落ちる。 「その糸は僕のだ!」 懸命のダッシュを見せる夏栖斗。 「絶対手に入れる!」 「させるか! それはボクが手にして確かめる!」 思わず叫び、そして夏栖斗を止めようと風を繰り出す下木。えっち!? 激しい攻撃に、傷つき、全身を痛みが襲うとも止まらない夏栖斗。 決死の覚悟に、フェイトの削られてゆくのがハッキリ感じられる! 「ダメージ? この希望を奪い取れない方がダメージだ!」 一瞬、世界には彼ら2人しかいないように感じられた。 ●敢えて……履かない? 下木の風と夏栖斗の蹴足から放たれたかまいたちとがぶつかり、互いの血が迸る。 2発、3発……フェイトを消費してでも、互いの意地がぶつかり合う。が、仲間たちも黙って眺めている訳じゃなかった。 「遠慮はしないよ……一気に行く!」 斬乃のチェーンソー。あふれ出すエネルギーを刃先に集中させた一撃。 ひらりと舞うスカートに、下木の視線もそれを追う。でも見えそうで見えない辺りは斬乃のテクニック。 「取った!」 夏栖斗の手が、頭から滑り込み、糸の先端を掴み取る。 その隙にケイの体から伸びた気の糸が妖精を縛り、明奈がそれにバールのようなものを全力で叩きつける。 光球ならぬ、妖精がそのまま地に落ちていった。 「くっ! あと少しだったのに……」 その声に反応したように、傷を残るもう1体は妖精から降り注いだ粒子が塞いでゆく。その下木に向かって夏栖斗は、立ち上がる間も惜しんで人差し指を突きつけた。 「いいか、よく聞け。履いてないのはこの糸の先にいる娘だけじゃない! このボクもだ!!」 「知るか! ボクは男になど興味はない! それよりも……その糸の先、見切った!」 フィクサードの手から再び風が走る。風の向いた先は、エリス。 突風が、メイド服のスカートを思いっきり捲りあげる。ただし、座り込んだままのカズトにだけは見せないように。 「くっ、フェイトはここで使うべきだったか!!」 悔やむカズトの視線の外、下木の眼前に秘密の花園ならぬエリスのスカートの中の光景が広がる。 履いて……ない? 「……だから?」 これっぽっちも動じる様子のないエリス。履いてないのは今に限ったことじゃないのだから。見られたところで、恥ずかしい訳がない。 「恥ずかしく、ないのか?」 「……何故?」 真っ赤な顔で尋ねる彼に、無表情のまま疑問を投げ返すエリス。 「くっ、これほどとは……いっそ清々しい。だけど……だけど風使いの名に賭けて、ボクはまだ負けられない!」 もうスカートを捲るとか、スパッツを脱がすとかじゃない。本気の男の顔が、そこにあった。 ●君の行為は間違ってるよ! 愛が感じられないもの! ――だが。 本気になろうが、遊びだろうが、今の彼はすでに戦闘力という意味では役立たずにも等しい程度の力しかない。何しろ未だスパッツが残るのはケイただ1人。あとはスカート×7で、うち2人は下に何も着けてないのだから。既にエネミースキャンは-18と告げていた。 弱々しくなった風が、全員の周囲を吹き抜け、ささやかに傷つける。 しかし、それにもめげることなく文が先ほどのケイと同様、気糸で妖精を縛り付ける。それを瞳の詠唱によって生まれた魔法の矢が貫き、光を霧散させた。 「痛っ……」 が、少々無理をしたせいか、囮役たち3人のダメージが、出血と共に苦痛を甦らせた。 そんな状況の中、響き渡るエリスの天使の歌。朝の空気によく似合う、透き通った歌声。 「斯くなる上は……やれっ!」 すっかりぐるぐを仲間か、あるいは手下のように勘違いし始めた下木。 でも、あいよーと小気味よく返事を返し、ぐるぐが斬乃に襲い掛かる。今度こそ……と。 (が、全力で抵抗させて貰うっ!) ひらっ、ひららっ。ギリギリのラインを守りつつ、スリットを上手く使った回避。この辺りは、ぐるぐと息が合っているとも言えた。 そんな中、チェーンソーの駆動音が空気を震わせ、注目を集める。 「君たちの行為は間違ってるよ! 愛が感じられないもの!」 「何だと! じゃ、じゃあ愛さえあれば、脱がしても良いってことなのかっ!」 「そ、そりゃあ愛があれば……って何言わせるのよっ!」 釣りに掛かりそうになり、思い留まる。 そして、全身に漲るオーラが雷の如く解き放たれる。自らの力をも削る、まさに渾身の一撃。 「……あと1歩……あと1歩前に出てさえいれば……」 僅かな悔いを残し、斃れる下木。その視界に斬乃のスカートの中は映っておらず、辛うじて文のそれだけが僅かに見え隠れ。 「もー、全部この変態が悪いんだーっ!」 ドカバキ、グシャッ……あ~あ。 「せめて傷つけず服だけ切り刻めるようになってから……いや、それでもやっぱダメだ! 反省しやがれ、このー」 明奈はアークに連絡。下木は矯正施設へと送られることに。 そして、リベリスタの面々は結界で人目にないうちに着替えを済ませる。ある意味、公開生着替え。 「それじゃ皆、またねっ♪」 「え? この状況で逃げるの? ぐるぐちん?」 僕なんて、後ろも振り向けないんだけど……。すぐ後ろでは皆が生着替え中だったから。 「ぐるぐさんは面白い方の味方だってば」 けらけらと笑いながら飛び去る、ぐるぐ。 「ふぅ~、ヒドい目に遭った」 ホッと息をつくケイ。しかし安堵するケイに、エリスはまじめな顔で告げる。 「……良い変態は……死んだ変態だけ……という、らしい?」 ならば下木端朗は、まだ『良い変態』じゃないのかも知れない。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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