●異界の文化は鮮烈に その女性の世界にどんな文化があるのか、この世界の人間にはわからない。 その女性がどんな目的を持っているのか、この世界の人間にはわからない。 殺しの文化をもってこちらの世界を侵しに来たのかもしれないし、学びの文化をもって興味本位でやって来ただけかもしれない。だが彼女が何であろうとて、何かしらの行動を起こさなければ、こちらの世界の住人と何ら変わりはない。まして彼女の姿は、こちらの世界の人間と、そう大差はなかったのだから。 だから、彼女がその辺をほっつき歩いて見つけた、綺麗な装飾の看板を見ながら叫ばなければ。アークは彼女を討伐しにかかったかもしれないし、最も友好的にしてもボコボコにしたあげく元の世界に送り返したかもしれない。 ともかくそれは運命の巡り合わせであり、二つの世界の幸運であった。 「これは! すてきな催しですわ!」 ●異文化交流 「アザーバイドが現れた」 字面だけ見れば事件の予感がぷんぷんするのその言葉はしかし、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)によるとてつもなく柔らかい口調で告げられた。気を引き締めようと握った拳が一瞬で緩んだ。拍子の抜けた顔など一切気に留めず、イヴは楽しささえ混じった声で続ける。 「とは言っても友好的アザーバイド。なんでも気ままに異世界にきてみたらこっちの世界の文化にとっても感動したみたい。こっちの世界に危害を加える気はないみたいだし、満足したら帰ってくれるそうよ」 アザーバイドの学生団体さんがこちらの世界の文化を学びにくるそうだ。彼らにそれを教えてあげるのが今回のお仕事。 「会場はすでに取っておいた。依頼ついでに、皆存分に楽しんで来て欲しい。あくまで異文化交流会だから、楽しく帰ってもらわなきゃ意味がないからね」 「話はわかった。で、何の文化を教えればいい」 時期が時期だし、何かはわかっていたけど一応、と言わんばかりのか細い質問に、イヴは折れる所の一切ない愚直な答えを返す。 「バレンタインよ」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:天夜 薄 | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年02月16日(木)22:49 |
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■メイン参加者 20人■ | |||||
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●異世界コミュニケーション 異なる文化をもった者同士が交流をもち、互いを理解し合うのは難しい。歩んだ歴史や得られたバックボーンが異なるために、それを自分の文化に合わせて考えてしまいがちだ。そのため些細なことで諍いが起こる。異文化でもそうなのだから、異世界ならばなおさら。自分の世界ではないのだから戦争だって簡単に起こりうる。お前の挑発で地球がヤバい。 だからこうしてこちらの文化に興味を持ってもらって、まして異世界文化を実体験する交流会の開催を迫られるなど、幸運にも程がある。彼らの外見が、こちらの世界の人間とそう大差ないのも、親近感を湧かせているのかもしれないが。 ともあれ、興味を持って頂いたからには、こちらの文化を理解してもらって、その上で楽しんでもらうことが一番だ。若干暗い顔してる奴らも、さ、ほら。 「今日は我々の提案を了承して、こんな会を開いて頂いて、ありがとうございます」 マイクを片手に引率兼言い出しっぺの女教師が挨拶し、深々と頭を下げて一礼する。なんだ、アクティブな割には礼儀正しくて大人しそうな人だな。と、誰もが思った。 「さーて堅っ苦しい挨拶なんてここまでよ! バレンタイン! 愛を語らうイベントなんて素晴らしいじゃないですか! 皆奥手過ぎるのよ、もっと積極的に! 彼らが教えてくれるわ!」 ポカーンと口を広げたリベリスタにスポットが当たる。女教師はウィンクを投げかけて、よろしくね、と言葉を投げる。要するにフリである。 ゑる夢がはいはーいと調子よさそうな返事をしてマイクを手に取り、叫ぶ。 「はーいこんにちはっ! バレンタイン守護者★聖ゑる夢でーすっ! 今回は皆さんにバレンタインの何たるかを教えるということで、張り切って参りましたーっ!」 女教師に対抗するように挨拶を響かせる。途端、キリッと真面目な顔をしてマイクに囁く。 「いいですか? バレンタインとは――戦です」 そうその日女性は戦士になる。武器を手に取り、勇ましき心を燃やして、敵を射抜きに戦場へと繰り出すのだ。チョコは持ったか? 意中の男子はどこにいる? 勇気の装填は十分か? 「いざ、出陣!」 振り下ろされたグッドラック★チョコレィトは交流会開始の合図であった。 ●チョコをあげる日、チョコをもらう日 「バレンタインってのはねぇ…ちょっぴりシャイな女子が好きな男子に気兼ねなく告白できる、素晴らしい日なんだよ」 富子が昔を想って学生たちに語りかける。 「アタシだってそりゃぁ女学生だったころは好きな男子の一人や二人いたもんだよ、そして…そうアタシもあの頃は若かったねぇ…」 しみじみと言い、彼女は続ける。 「一大決心でチョコを買ったはいいけど結局渡せなかったんだよねぇ…あの頃はアタシもシャイガールだったんだねぇ」 照れる富子に、学生たちも笑みを見せる。周囲の雰囲気は戦時中の実体験を語るような……さっき戦って言ったしあながち間違いでもないけど。 「まぁ気持ちを込めるってことが大事だね。そう、どんな気持でもいいんだよ。相手をどう思ってるかをたたきつけてやればいいんだよっ。頑張るんだよっ」 後は若いお兄さんお姉さんが教えてくれるさ。実体験で。 「もちろん、女性が愛しいあの人にチョコレートに思いを乗せて伝えるのが、ここでの主流ですけれど、もう少しお手軽に仲良しさんやお世話になってる人に感謝を伝えてもいいイベントなのですよ」 そあらは会場に用意されているチョコを配り始める。皆さんもお世話になった人なのです、と感謝の気持ちを伝える。 「そあらさんには、愛しい人っているの?」 「あたしですか? 一番大本命なのはこれから渡しに行くのです」 大本命はタイミングとムードも大事ですからね。エッヘンと胸を張って言う。 「あ、一つだけ注意なのです」 彼女は人差し指を立てて学生の目を引きつける。 「チョコに飢えた男共におびえながら渡さなくてもいいのですよ? 例えばあそこでチョコに飢えた人達はスルーしてOKですからね」 バレンタインとは格差を生む行事だ。もらえる者、もらえない者。明確な格差が存在する。故に俺の役目は彼ら『もらえない者』へのフォロー。異世界にまで悲劇を広げるのは、好ましくない。 だが。ここは交流会。ゲストはもてなすのが前提、従って『もらえない者』は存在し得ない。 そして気付く。 ……あれ? むしろ、おれがぼっちじゃね? 考え込む。焦った思考が導出した最高にして究極の答え。アザーバイドとはいえ沢山の可愛い少女たちがいるのだ。自分はホスト。もらえない理由がどこにあろう。スイッチON。 「あ、そこの可愛いお嬢さん。俺にもチョコをいただけないかい?上目遣いで! あ、そちらの素敵なお嬢さん。俺にもチョコをおくれ!もじもじしながら! あ、そこいくクールなお嬢さん。俺にチョコとかどうだろう。頬染めながら!」 そこら中の女の子にチョコを求めまくる。躊躇などというものはない。ただ愛に飢えた漢がいるだけだ。 ドスン、という衝撃が彼を襲う。刺すような視線で睨む女教師推定28歳。 「可愛い生徒たちに、何をするつもりなのかしらねぇ……?」 「あ、すんません…先生、ちょっとハッスルしすぎました…が一つだけお願いがあります」 正座して誠実さをアピールしながら、懇願する。 「なに、言ってみなさい」 「チョコ下さい」 硬直。照れつつそばにあるチョコを差し出した。 「見上げた精神ね」 なじる言葉さえ心地よかった。 「いやー、先生も大変だね」 一連の様子をうろうろしながら見ていた喜平が女教師に声をかける。 「本当に、こっちは『活発な』人が多いのね」 「いっそ、先生も活発になってみたらどう?」 「私?」 女教師は頓狂な声を上げる。喜平の指差した方向に目をやると、同じく引率の男性教師の姿。彼は既に女生徒に囲まれていた。 「やめとくわ。生徒に悪いし、それに夫がいるのよ」 「あらま、じゃああっちに戻ったら頑張って欲しいね。渡す時は上目遣いでな!」 そうね。と女教師は返事をする。喜平は彼女に手を振り、その場を離れる。 色めき立つ会場を見回す。異界にもバレンタイン犠牲者が増えることを悟り、喜平は嘆くのだ。 負けるなよ! 遠き場所の友(非リア充たち)よ!! ●チョコは食べるもの バレンタインデーは…女の子から男の子にチョコを贈る日なの…。 梨音は光のない目で男子生徒に迫る。泳ぐ場所もないのにスク水を纏った異常性に彼はたじろいだ。 女の子は…何個上げてもいいの…貰った男の子は…一ヶ月後にお返しをするの…。 三倍返しからが…基本なの…多ければ多いほど…いいのよ…。 一番たくさん返せた人が…ホワイトデーに…その子と一緒に遊べるの…くすくす…。 奇怪に響いた声色が耳を刺激する。緊張した体が後退を許さない。少女はサディスティックに笑みを浮かべながら近付く。その手が、彼の肩に触れて――。 <censored>。色んな意味で。 残ったのはほっぺたを紅葉色に染めた少女であった。 「…うむ、偶にはオーソドックスな異文化交流もいいものです」 重い雰囲気が漂う近くで、ユーキは目の前の女の子たちを見回す。彼女たちの手元にはユーキが焼いてきたザッハトルテ。彼女たちへのプレゼントであり、彼女たちのプレゼントだ。 「えー、私から皆にプレゼントを渡しても面白くないので、ここは一つ! 貴女方から! 気になる男性の方に渡して上げて下さい!」 指した手の先には男の子。女の子は照れ隠しにキャーキャー小声で叫びながらユーキに従った。 「来年からは皆さんの手作りのチョコをプレゼントしてあげてくださいね」 ホワイトデーを教え込むとまずそうなのでまた今度。もらえなくて泣いてる男の子もいるんですよ。 「さて、このバレンタインという文化には原点があるのですよ」 凛子は女教師より女教師らしく講釈を始める。聖ヴァレンティヌスのお話や本来の趣向、さらに日本における独自性の取り入れの歴史まで。そうして今のバレンタインが生まれたこと。 「世界各地で色々と形を変えていますが広まっているイベントですね」 「ということで、愛の告白ってわけじゃありませんが皆さんと仲良くなれた記念です! 私探偵ですから、チョコは虫眼鏡型!」 ウィンクを男の子に向けながらチョコの一つを手に取って掲げる。虫眼鏡のレンズ部分は飴。めっちゃ甘そう。 「男の子にはプレゼントです。女の子は一緒にチョコを作りましょう!」 十数人分の調理器具。アークが一晩で用意してくれました。 「想いが届くようにがんばって作りましょう」 ガシガシトポトポカチャカチャ。ホットチョコの完成でございます。行程? なにそれ。 「はい、どうぞ。やけどしないようにね」 凛子に渡されたチョコを女の子たちに経由する。凛子は不出来なチョコをそっと見えない所に隠した。 「あ、しっぽかわいいね。さわってもいい?」 頭を撫でながら宇宙は聞く。ダメ、と言って服の中にあるのに両手でしっぽを隠す仕草だけで眼福だった。 ミーノの簡単お手軽バレンタイン。 「まずはちょこをかってくるの~なるべくたくさんのしゅるいをかうといいの~」 突然走り出してホールの外へ出て、すぐに帰って来た。 「そしてあじみなの~あげるものはやっぱりおいしいいものがよろこばれるからしかりあじみはぜったいひつようなの~」 もぐもぐもぐもぐもぐ。おいしいの〜。 「あじみしておいしかったものべすと5をきめるの~べすと5がきまったららっぴんぐするの~」 選別、包装。完成したものがこちらになります。 「そしてこういいながらわたすの〜」 ミーノはこそこそと耳打ちしてから、音頭をとる。せーの! \はっぴーばれんいんたん!!/\はっぴーばれんいんたん!!/ さむずあっぷ。余ったチョコはスタッフがおいしく頂きました。主にミーノが。 「ごちそうさまでしたっ♪」 ●チョコそっちのけ 「チョコレート戦士! 大石・きなこ!参上っ!」 決めポーズ。テーマソングは流れない。けれども心は戦士であった。恥ずかしがって戦場に立てない兵士を見つけ、声をかける。 「ハッピーバレンタイン!」 恋人にするように腕に抱きつく。頬をちょっと赤くした男の子は顔を背けながら。 「あの…その…」 なんとも歯切れの悪い声で指摘できず。代わりに。 「…あててるんですよっ!」 必殺胸当て。相手はイチコロ。現に彼は放心状態であった。 同じ戦士でもテトラさんやリトラさんには真似できない必殺技。誇らしげに、きなこは二人の方に目を向ける。 「ふぉっふぉっふぉ~ボクが真のバレンタインを教えるのだー!」 決めポーズ。カッコいいかはわからない。けれども心は戦士なのか……? テトラの心は揺るがないっ! 横で「チョコレート戦士で決めっ☆」とリトラもささやかな決めポーズ。 まぁ何はともあれ。 「ニク! とにかくニクをたくさん食べるのだっ!! これもバレンタインのためショーガナイのだー!!」」 秘伝その一。食べて食べて食べまくる。 「食べたら次はお昼寝! キューケイも大事なのだー!!」 秘伝その二。寝る子は育つ。育つ……? どこからともなく現れるお布団6点セット。アークが頑張ってくれました。 「寝たらお腹がすいているのだ! さぁまた食べるのだー!」 「姉よ、本当にそれでいいのか…??」 思わず突っ込み。姉の暴走は止まらない。 はぁと息を吐きつつ。バレンタインか。 「まぁ捕食したい異性にチョコレートを渡すイベントみたいだな」 チョコを囮に。森にいた頃も得物を得るためによくやっていたことだ。がイベントはどんな形でも楽しむのが一番。そういう事なんだなと納得する。そして手近な男の子にヒョイとチョコを渡す。 「ハッピーバレンタインだ」 どちらかと言えば自分も教えて欲しいものだと三郎太は思う。人の気持ちを大事にするイベントはどれも素敵だ。大切な人と想いを共有できる日。いつかはそれをできる女性と巡り会いたいなと思う。 なんだか恥ずかしいですねと照れ笑う。 「素敵だと思いますよ」 女の子は微笑みを投げかける。三郎太の頬が朱に染まった。 「と、とにかく、バレンタインといえばチョコです! チョコレートを買ってきて気になる人に渡せばいいと思います!」 想いはきっとチョコレートに乗って届く。届くとボクは信じている。 「日本のバレンタインはさ、最近いろんなのあるね。お菓子会社の陰謀とかいってもさ、やっぱ好きな気持を甘いチョコにのせて贈るのは、ステキだよね。 じゃあ、あざっちゃん、超萌える感じで、レッスンしよう!」 夏栖斗は糾華を呼ぶ。糾華はレッスンしつつ彼の元へと歩み寄る。 「感謝の気持ちと共にプレゼントをあげるの。日本では、女の子がチョコ…お菓子をあげるのが主流だけれど、海外では、性別関係なく感謝の気持ちを込めて花を送ったりするらしいわ」 用意したチョコを手に取る。 「箱のままより、ラッピングされた方が特別感が煽られて良いみたい。そこは気持ちで、ね。告白しても、感謝を伝えても良し、可哀想な男子に施しでも、ね?」 「女の子はさ、はにかみながら渡してくれるとうれしいよね!」 夏栖斗の指摘に糾華はクスリと笑う。 「はい、カズト君、いつもありがとね?」 面映さを隠しながら、親愛の気持ちを告げる。 「いやっほ! あざっちゃんのチョコげっとお! ありがとう! 大好き!」 突然テンションアップした残念イケメンに驚愕とどん引きの混じった視線が集まる。いい訳していると、糾華が微笑みを浮かべながら教える。 「3/14はお返しの日で、3倍返しが基本なんですって」 任せてよ! と夏栖斗は乗り気で返事をした。 その日が近付いてうきうきそわそわするのが男のサガであろうと平静を装うのがジャスティス。そしてどんな贈り物も感謝を述べて受け取る。ここまでが礼儀。 そう男は平静を装うのに必死である。ティアリアの手には手作りチョコ。疑似リア充の夢の品。 「いい? バレンタインというのは、女の子が好きな男の子にチョコレートをあげる、恋の儀式のようなものよ」 最近は義理チョコや友チョコの文化も浸透しつつある。渡し方も色々ある。 「でも、一番いいのは面と向かって直接渡すのが一番よ」 こんな感じね。とティアリアは快の方を向く。 「快、わたくしのチョコレート、受け取ってもらえる?」 それは可憐な少女が愛しの人に愛を告げる仕草そのもの。そこにはサディスティックは欠片もない。 「あ、ありがとう。えっと、大事に食べるよ」 素で照れながら快は返事を返す。わぁ、と拍手が上がるのがまた照れくさい。 「…あ、これは義理よ?」 付け加えつつ、更に小声で補足する。顔には小悪魔な笑みが浮かんでいた。 本命がよければ本命でもいいけれど。 からかわないでくださいよ。二人の様子は疑似ながらもカップルのそれであった。 「お、お手本だからな、いつもより積極的にいくぞ?」 「わ、分かっている」 素敵なバレンタインを知ってもらいたいと意気込んだ木蓮も、依頼ならこなすだけと平静に言った龍治もいざとなるとどこか歯切れが悪い。合わせようとした視線が微妙にずれる。 「人前でこういう事をするのは…」 声もどこかよそ行きだ。全く意に介さず木蓮は攻める。 「あっ! あのジュースを…えーと、ストロー2本で、い、一緒に飲みたい! …ダメならあっちのチョコクッキーを食べさせたいな。ど、どうだ?」 「と、取りあえず、落ち着け」 ちょっと興奮し過ぎの木蓮をなだめる。一方で、すでに観念したような顔を見せていた。手元にはストロー2本。まあ、ここまで来れば何をしても一緒か、と二人でジュースを飲む。 ニヤニヤニヤニヤ。周りの視線が小っ恥ずかしい。 「今日はありがとな。…こ、これ! やるよ、手作りなんだから大事に食うんだぞ!」 差し出されたのは小箱。中身は本番用ではないけれど手作りのハート形ビターチョコ。 「美味しく食べてもらえたら嬉しい」 小声で付け足された声。少し躊躇いつつ龍治は受け取る。 「…もう少し恋人らしく渡してくれても良いと思うがな」 「な、なんだとお!」 そんな感じで最後までイチャイチャしていたそうです。周り置いてきぼりで。 ●ハッピーバレンタイン 楽しい時というのは瞬く間に過ぎていくもので、気がつけば終了時刻間際。開始時と同じようにマイクを手に取った女教師の挨拶。 「皆さん、今日はどうもありがとうございました!」 異世界コミュニケーション。それは難しいけれど楽しくて、素晴らしい事。化け物であるかもしれなかった異世界人は友好的に愛を語らう術を求めてきた。きっと彼らが今宵のバレンタインの主役になるのだろう。リベリスタたちが主役になるのはこの後のお話だ。 じゃあお別れだ。今日の事を忘れないように。それぞれの世界で愛を語らえるように。今日この日を祝って。 ハッピーバレンタイン! |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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