●鯉の滝登り ドドドドドドドドドドド……! 滝つぼに水が叩きつけられ、轟音が響く。山奥にあるその滝は、かつては僧が修行に使っていたとかそんな謂れの滝である。 そんな滝も今となってはハイキングコースの1つ。自然の雄大さを感じさせ、写真を撮られ、そんな観光名所だった。名所、といっても休日に数人くれば大入り。そんな場所なのだが。 「もひょひょひょ! ついに見つけたぞ!」 なので、滝つぼに向かって大声で叫ぶ男がいても、誰も奇異な瞳でみることはなかった。 「あれを捕まえて調べれば、わしの研究は更なる境地に至る! 『あーく』とか言う輩を出し抜いてくれるわ。笑いがとまらんのぅ。もひょほよほほほほほほほほ……いかん、ゼンマイ切れそうじゃ」 黒のフォーマルスーツにシルクハット。片眼鏡にステッキ。見た目はそんな『初老の紳士』だった。言動は非常に残念だが。 さらに残念なことに、老人の頭には一本のぜんまいねじが刺さっていた。時折それをぐるぐると廻し、また高笑いをする。 高笑いをする男の目線には1匹の鯉。 鯉は滝を登ろうと、必死になって跳ねていた。 ●『万華鏡』が映し出したもの 「その鯉はアザーバイト」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はそういって説明を一旦結び、集まったリベリスタたちに向き直った。 「アザーバイトといっても特に害のない存在。能力や攻撃手段は何もない。ただ滝を登ると龍に変化して、そのまま自分のチャンネルにもどっていくわ。 何かの間違いでこちらにやってきたみたい。自分の世界に返ろうとがんばってるの」 「? 害がないのなら無視してもいいんだよな?」 ならなぜリベリスタたちを呼んだのか、そう問いかける前にイヴは説明を続けた。 「問題はそれを見ている老人。フィクサードよ。通称『ネジマキ博士』。戦闘スタイルはスターサジタリに近いかな。自分が作った『怪光線が出る銃』で射撃をしてくるわ。 あと彼が発明したロボットも近くにいる」 「ロボット!?」 「こんなの」 イヴが近くにあったスケッチにクレヨンで絵を描き始める。 ……端的にいえば、ドラム缶に手が三本くっついてキャタピラがついている。そんな感じだ。 「……イヴさん、これはなんですか?」 「ロボット」 「ロボっすか」 「自信作」 「……あー、そう。で、強いの?」 何かを諦めたようにリベリスタたちは説明を促した。 「ロボットはE・ゴーレム。フェイズは1。3本の腕で殴ってくる近接系。これが3体でてくる。『ネジマキ博士』の強さはそこそこ。並のリベリスタたちよりは強い。 『ネジマキ博士』はアザーバイトを捕らえて研究しようとしている。そうなると、行方不明の『子供』を捜しに『親』が探しにやってくるかもしれない」 ――それはロストコードを招く可能性がある。そこまでいかなくとも、別チャンネルの存在がやってこられては世界の神秘とか均衡的によろしくない。 「残念なフィクサードだけど、事態は深刻なのか」 「鯉は放置しても構わない。大人しく自分の世界に返ってもらう。そのためにこのフィクサードを退治して」 イヴはそういってリベリスタたちを送り出した。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年05月09日(月)22:51 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
●五月の空 空は晴れ渡り、陽光降り注ぐ滝。春の日差しが暖かく、自然の中を歩くのに適した雰囲気。 いかにもピクニック日和。そんな観光地。しかし8人のリベリスタたちはそれを楽しむ余裕はなかった。急ぎ足で進む彼らの胸中はけして穏やかではない。 「鯉くんの一世一代の大舞台。邪魔するなんて無粋だよ」 寝癖の残った髪をそのままに、『偽りの天使』兎登 都斗(BNE001673)は怒りを露にする。そんな馬鹿なやつはとっちめてやらないと、と拳を握って決意を固めた。 「あのネジマキ……ちょと、許せない、ね? 帰りたがってる子は、そっと、しておく、べき……」 無表情で呟く『インフィ二ティビート』桔梗・エルム・十文字(BNE001542)の問いかけは、走る音に紛れて消える。だがここにいる皆の思いは同じだ。返事を聞くまでもない。 「鯉から龍に進化……なんかそんなゲームあったような」 ありますが、あまりきにしないでください。 『でんのうむすめ 1ひき』須藤 凛(BNE001580)は黒髪を揺らしながら走る中、そんな天からの声を聞いた気がした。何はなくとも進化……もとい、龍になって自分の世界に帰ってもらわなくては。 「この鯉さんには是非何事も無く、穏便に自分の世界に帰ってもらいたいものだぜ」 これが初依頼となる『まごころ暴走便』安西 郷(BNE002360)はアザーバイドを目にできる運のよさに喜ぶと共に、鯉の無事帰還を願う。小型モーター内蔵のインラインスケートで道を進みながら、これから起こる戦いに身震いした。 そして彼らは目的地にたどり着く。滝が一望できる公園。そしてそこにいる一人の老人。 「もひょひょ! さぁて、アザーバイドをいただきじゃ」 滝を見て高笑いする彼は、控えめに言っても変なおじいちゃんであった。 「アザーバイドを捕まえて調べる……ね。研究熱心なのも大概にして欲しいものね」 そんな老人を見てため息をつく『威風凛然』千早 那美(BNE002169)。セーラー服の肩と胸の部分が、落胆と嘆息で気が抜けたように下がった。わざわざ害のないアザーバイドを刺激して、世界に危険を招く必要もない。 「む……貴様等何者じゃ?」 リベリスタ達の気配に気付き、振り向くネジマキ博士。 「まさか……! このネジマキ博士に弟子入り希望?」 「「「違うわ!」」」 間髪いれず入るボケに、間髪いれず入るツッコミ。 「オイラたちはアークのリベリスタだ。 この鯉はまだなんにも悪いことしてないんだ。頑張って帰ろうとしてるのに、とっつかまえちまうのは可哀相だぜ」 『鉄腕ガキ大将』鯨塚 モヨタ(BNE000872)が鋼と化した指先をネジマキ博士に向ける。アザーバイドとはいえ、無抵抗の存在を私利私欲のために捕まえてしまうなんて許せない。単純だが、純粋な正義の心で彼はここに立っていた。 「可哀相? 違うぞアークのリベリスタども。このアザーバイドは偉大なる研究の進歩のために尊い犠牲になるのじゃ。もっひょひょひょ!」 「文字通りネジの緩んだマッドサイエンティストってワケね」 自分勝手な意見を放つネジマキ博士に、『ソリッドガール』アンナ・クロストン(BNE001816)はあきれた顔になる。まったく、こういうキャラはアニメと漫画とゲームとラノベだけにして欲しいわね。いや、まったくです。 「ふん! 普通の手段ではたどり着けぬのが世界の真理。そのすばらしさのわからぬヒヨっ子たちが。 理由はわからんがディメンション・ホールが全てふさがったおかげで、ワシの研究は全く進まんようになってしもうたのじゃ。折角見つけたアザーバイド、見過ごすなど言語道断! 邪魔立てするなら排除するまでじゃ! カモン、トテチテタ四十五号から四十七号!!」 ネジマキ博士が叫ぶと同時に空から何かが降ってくる。 円筒形の金属が三つ。ネジマキ博士とリベリスタたちの間に壁となるように立ちふさがった。その姿はまさに、 「イヴ……絵、上手かった……」 桔梗はイブが書いた落書きロボットを思い出す。ドラム缶に3本のアーム。キャタピラで動くその格好。 「……まずい。関係無いけどロボ可愛い……」 そしてそのフォルムはアンナの感性を刺激したようだ。なんと答えていいかわからない仲間達。その沈黙を破ったのは、ネジマキ博士だった。 「ちなみにトテチテタの動力はゼンマイ! 老廃物ゼロのクリーンエネルギー!」 「聞いてねぇよ」 「とにかくアザーバイトは渡さないぜ!」 微妙に緊張感の削がれた状態で、アザーバイドをめぐる戦いは幕を開けた。 ●緒戦 「先手必勝」 まさに言葉どおりに先手を取る凛。杖を構え、魔力の炎を打ち出した。ネジマキを中心に荒れ狂う炎。それを合図にリベリスタたちが動く。 まずはヨモタ、桔梗、那美がロボット……エリューション・ゴーストに近づき、その動きを封じる。 「ロボットは引き受けるわ、博士の方は任せたわよ」 那美は鋼糸を手にロボットに近づき、仲間の方に目をやる。体内に気をみなぎらせ、爆発的に解放した。 「ヤらせてもらうぜ……徹底的になあ!」 ネジマキ博士に向かって走ったのは『不退転火薬庫』宮部乃宮 火車(BNE001845)だ。博士に接近し鯉の方に向かわせない為の足止めをすると同時に、炎を拳に纏わせて殴りかかる。博士に炎が燃え移ることはなかったが、ネジマキはその衝撃で顔をゆがめる。 「こいつは、なんとしてでも捻って捻って捻じ切ってやるしかないな!」 郷は笑いながら自らのアクセルを高めていく。速く、速く、もっと速く! 脚部に熱がこもり、動きが速くなるのを感じる。 「きみの野望とそのネジまき、ボクがかりとってあげるよ」 都斗も博士に近づき、気で練った糸を博士に絡みつかせようとする。拘束はできなかったが、糸はネジマキ博士の肌を裂く。その血が博士の白衣に赤い斑点を残した。 アンナはマナを体内で循環させながら冷静に戦況をみる。如何に博士が俊足でも一足で滝に行って鯉を捕まえるのは難しいだろう。ましてや今は戦闘中。リベリスタたちをある程度無力化すればそれも叶うだろうが……。 「ワシの発明に驚くがいい!」 ネジマキ博士は持っていたおもちゃっぽい銃のトリガーをひく。ほわんほわんほわん、リング状の光線がリベリスタ達に襲い掛かる。速度を上げていた郷だけが避けることができたが、それ以外は肌を焼くような痛みに身体を硬くする。 そしてエリューション・ゴーレムが近づいてきた3人のリベリスタたちに襲い掛かる。 「誰も、わたしを砕けない」 桔梗が持ち前の防御力でその攻撃に耐え、お返しとばかりにバスタードソードにオーラを纏わせてきりかかる。二度、三度と繰り返し叩き込む。 「この缶々はオイラたちでやっつけとくから、博士の方は頼んだぜ!」 モヨタは親指を立ててからパイルバンカーでゴーストの腹部と思われる部分を穿つ。穿たれた場所が歪むが、まだ戦えるぞとゴーレムは腕をぐるぐる回転させた。 「なるほど。3人でトテチテタ号を抑えつつ、ワシにも足止めを。あくまでアザーバイドを奪わせない布陣じゃな。 ヒヨっ子と思っていたがなかなか戦いなれておるようじゃ。不測の援軍にしっかり対応しておるとは!」 ネジマキ博士は『万華鏡』のことを知らない。ゆえに彼らがしっかり作戦を取っていることなど予想外だ。 だがしかし、相手に合わせて行動するのはリベリスタだけではない。ネジマキ博士は知性あるフィクサードなのだ。……頭ブッとんでるけど。 「甘ぁい。わしの相手をするには少しオツムが足りんのぅ」 相手に作戦に隙があれば、その隙を突いた動きをとる。 ●カウンターアタック 「そりゃっ、幻影脚!」 郷がすばやくネジマキ博士に接近し、すばやく動いて博士を翻弄する。ヘビーレガーズを履いた足で博士の足をはらうように蹴った。動きに幻惑された博士はその攻撃をまともに受けてしまう。もとより、接近戦に強いわけではないのだ。 「トテチテタ号、そいつ等を捕らえてしまえぃ!」 ネジマキ博士はエリューション・ゴーレムに接近戦を挑んでいる3人を指差し叫んだ。ゴーレムはその命令に従ってCのアームを那美達に伸ばす。アームで掴み動きを拘束するために。 「……あ、ぅ」 桔梗がそのアームに捕まり、動きが拘束される。それを良しと笑みを浮かべフィクサードは高笑いをする。 「もひょひょひょ! トテチテタ号の性能を見誤ったようじゃな。2人で3体は押さえれまい。 フリーになったトテチテタ号でアザーバイドを捕らえれば――」 ネジマキ博士の言葉は最後まで続かなかった。モヨタのアンテナランプが赤く光る。勇気を与える光が桔梗に活力を与え、アームの拘束を振り払ったのだ。ぱっきーん、と砕けるC型アーム。 エリューション・ゴーレムを抑える数が少ないため、突破口はそこにある。ネジマキ博士の考えは、正しい。 だがリベリスタの方が一歩上手だった。拘束されたときの対策もしっかり立ててあったのだ。 仮に拘束されゴーレムが突破されても、そのときのために動けるように立ち位置に注意を払っていたものも多い。作戦負けをしたのはネジマキ博士のほうだ。 「捕らえれば……なんだって?」 「ぐぇ」 都斗が放つ気の糸が、逆に博士を拘束した。 「てめぇは黙ってろ!」 動きを封じられたネジマキ博士の顔を、火車の火拳が殴打する。 「じゃ、暫く博士はお願い」 博士のほうはもう大丈夫ね。そう判断した凛は標的をエリューション・ゴーレムのほうに向ける。魔力の炎がは味方たちを避けて踊り、、ゴーレムを燃え上がらせる。 「お、お、お前らー! ワシが苦心して作り上げた作品に何たる乱暴狼藉! そもそもアザーバイドの研究を邪魔することがおこがましいんじゃ。ワシは――」 「うるせぇよ、クソフィクサード! だいたいテメーは鯉に研究していいか、って断り入れてんのか? こっちもテメーにお伺いする必要ねぇんだよ!」 口に泡を飛ばして喋ろうとするネジマキ博士の言葉を、一刀両断で切り捨てる。その迫力に押されたか、あるいはそれどころではないと判断したか。 気糸の拘束を振り払うと、モヨタの方に光線銃を向ける。イナズマを思わせるジクザクの光線がびびびーとモヨタに向かって飛んだ。まずは状態異常を回復できる人間を戦闘不能にする。イカれた頭ではあるが、博士はけして馬鹿ではない。光線はモヨタに当たり、その体力を大きく奪う。さらに雷の残滓が彼の体力をさらに奪っていく。 が。 「鼻血出すまで癒されなさいっ……!」 最後まで待機していたアンナが癒しの風をモヨタに送る。鼻血こそでなかったが、それでもその癒しの効果は充分なもの。 「ヒヨっ子どもが……!」 その声に先ほどまでの余裕はなかった。 ●総力戦 「ならば癒し手を先に潰すまでじゃ!」 癒し手のアンナを攻撃するネジマキ。アンナは自分自身に回復を集中してそれに耐える。ネジマキ博士の火力とアンナの回復力はわずかにネジマキが勝り、疲弊したアンナが倒れ付した。 「く……すみません」 しかしその間に、リベリスタたちはゴーレムと博士にダメージを重ねていた。 「……避けられないよ?」 桔梗の剣が幾度となくゴーレムに振り下ろされる。機械化した身体は常に自分にエネルギーを与え、それが彼女の経戦能力の高さとなっていた。自らの価値を求めて、戦いに身を投じる少女。人のように心臓は鼓動しないけど、それでも彼女は確かに誰かの役に立っていた。たとえば今、自分の世界に返るアザーバイドを助ける為に。 「転んだら……お仕置きの時間よね」 エネルギーを集中させたブラックコードを振るい、ゴーレムを横転させようとする那美。急な角度から武器を叩きつけようとしたが……動き回る相手には難しいとわかったので普通に攻撃をする。爆発させた闘気も載せて、ゴーレムのボディを一気にへこませた。 そこに凛の放った炎が荒れ狂う。それでエリューションの力を失い、ただの鉄くずになって3体――3本の円柱は地面に転がった。 「雑魚掃討、終わり。ボス撃破に専念」 凛にとってはRPGの中ボスを倒すような感覚なのだろうか。経験値経験値、と時折呟いていた。 「くらえっ ソニックキィィィック!」 郷が限界までモーターを回転させ、連続で蹴りを放つ。流れるような連撃に追い詰められていくネジマキ。 「くぉ……! ワシがこのようなところで。おのれおのれおのれぇ!」 「もう……きみは動くなって言ってるでしょ?」 都斗がよろめく博士の動きを気糸で封じる。自分より格上の相手に拘束を狙うのは楽ではないが、数を重ねれば何回かは成功する。 「これで終わりだ。クソフィクサード……!」 火車の拳が顎にクリーンヒットし、ネジマキ博士の身体が中に浮く。そのまま地面に倒れて頭のネジが落ち、動かなくなった。 ●鯉の滝登り 空は晴れ渡り、陽光降り注ぐ滝。春の日差しが暖かく、自然の中を歩くのに適した雰囲気。いかにもピクニック日和。そんな観光地。 戦闘が終われば、その空気を楽しむこともできる。ましてや今日はめったに見られない出来事があるのだ。 アークのサポート部隊がネジマキ博士を拘束して連行し、アンナに応急処置を施す。傷は痛むが、派手に動かなければ大事には至らないだろう。そう判断してアンナも公園に残った。鯉が龍になる。そんなファンタジーは見てみたい。 「まさか、本物の鯉のぼりを目にするなんてね」 滝の下で跳ねている鯉を見ながら、ビニールシートを広げて和気藹々と楽しんでいた。 ちなみにネジマキは縛って転がしてある。あとでアークに連行する予定だ。 「母ちゃんにお弁当作ってもらったし、駄菓子も沢山持ってきたんだぜー!」 「花見にはちょっと遅いけど、いいのが見れれば」 「何より高い辰のぼり ってな。こどもの日気分を楽しませてもらうぜ」 「鯉が龍になるところを見る機会なんてないだろうから楽しまなきゃね。……うん、お酒がうまい」 持ってきたお弁当やお菓子、菖蒲の葉を浮かべたジュースに柏餅。あと未成年はだめですよ、なお酒も少々。それを広げながら鯉を皆でわいわい応援していた。そして―― 滝を完全に登りきった鯉は一筋の光となる。その身体は大きく伸びて、鱗は金色に輝いた。まっすぐに天を向き、心地よい咆哮を上げる。咆哮がこだまとなって山に響く中、鯉は龍となり天に昇り消え去った。 時間にすれば3秒にも満たない時間。 「おれもこのアザーバイドにあやかって、めきめきと出世したいもんだぜ!」 しかしそれは見たものに確かに感動を与えた。郷は天に登る龍に感銘を受けて、子供のように叫ぶ。 「帰ること、できて、よかった、ね」 桔梗は龍に無表情で小さく手を振りながら、優しい口調で呟く。 お礼のような龍の咆哮が、リベリスタたちの耳に確かに聞こえた。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|