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お色気うさうさ☆かーにばる!

●バニーちゃん天国かと思ったか!?
「ヒャッハー俺だよ!!」
 オッサンがドアップで映った。
 筋肉に包まれた屈強なマッスルボディをいかんなく見せつけるオッサン。
 オッサンは頭上のウサミミをジャイアントスイングすると、罠にかかった通行人にダイビングタックルを食らわせたのだった。

●ホイホイ開いて、これがグロ依頼だったらどうするつもり!?
「…………………………」
 イヴは、うさみみを付けて仁王立ちしていた。
「…………」
「…………」
 沈黙するリベリスタ達。
 尚も沈黙するイヴ。
「つけておかないと詐欺になると、思って」
 絞り出すように、イブはそう言った。

 まあイブがウサミミを付けた所で、最初っから四本生えているウサミミが六本に増えるだけの話しである。ちょっとした宇宙人みたいで、もはやウサミミサービスでもなんでもなかったのだが、それを言ったら可哀そうなのでリベリスタ達は彼女の説明を待った。
「ある街でのことなんだけど。裏路地にウサミミと網タイツの脚がチラリズムする事件が起きてるの」
「……はあ」
 それはいいですね是非ご相伴に預かりたいですねと思ったが、事件はそうそう簡単なもんじゃなかった。
「ホイホイついていくと、ウサミミと網タイツの屈強なオッサンがいるのよ」
「…………」
 イヴの口から『屈強なオッサン』という言葉が漏れる背徳感。
 じゃなくて。
「どうもノーフェイスによる奇行らしくて、この後罠にかかった人はスタッフにおいしくいただかれるの」
 つまり新たな犠牲者になるの、とイヴは冷静に語った。
 詳しく話しましょうかと言ったが、一同は断固拒否した。
 こわいから。
「ノーフェイスは五人で行動してるわ。裏路地の先は行き止まりだから、一網打尽にしてあげて」
 じゃあそういうわけだから、と言ってイヴは自分のつけていたウサミミを手渡した。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年02月14日(火)23:31
八重紅友禅でございます。
これがデストラップだったらどうするつもり!?
これに懲りたら『今から依頼入ってくる』と書き込んでその通りに行動なさいっ(ツンデレっぽく)!

●うさうさ☆かーにばる
ノーフェイス五人組のオッサン集団です。
エリューションこわいわー。
エリューション何考えてるかわからんわー。
基本は肉弾戦で戦い、主にタックルが得意だそうです。
自慢は筋肉です。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
ソードミラージュ
神薙・綾兎(BNE000964)
プロアデプト
★MVP
如月・達哉(BNE001662)
マグメイガス
ラヴィアン・リファール(BNE002787)
スターサジタリー
ブレス・ダブルクロス(BNE003169)
ホーリーメイガス
鈴村・優樹(BNE003245)
スターサジタリー
黒須 櫂(BNE003252)
ダークナイト
ロズベール・エルクロワ(BNE003500)
クリミナルスタア
禍原 福松(BNE003517)

●bar rabbit bit
 バーカウンターにて。
 『トランスショコラティエ』如月・達哉のサングラスが光った。
「バニーガール、それは1960年2月29日、アメリカ・シカゴの高級クラブにて青年雑誌との連動企画として誕生した。企画は大成功し、雑誌の名前と共にマークが商標登録された。現在ではその知名度は常識レベルのものとなり、青年向けのアダルトな雑誌のロゴマークでありながらもあらゆる商品に描かれる、誰もが知っている『蝶ネクタイ兎の横顔マーク』として知られるに至った。雑誌創始者のH・H氏はハーレムマンションを建て大量のバニーさんと共に85歳と言う高齢にもかかわらず愉快な老後を過ごしているという。つい数年前雑誌の売り上げ不良のあおりを受けて数名のバニーガールを解雇せざるをえなかったと言うのは悲しいニュースとして記憶に新しい……第一章、了」
「それ二章以降もあるのか」
 『さすらいの遊び人』ブレス・ダブルクロスは額に手を当てた。
 そうか、あのバニーハーレムにそんなことが……みたいな顔である。
 しかし、しかしだ。
「今回は、そんなバニーガールは居ない。あるのは近距離パワー系肉ダルマによる詐欺行為だけだ。何故だ!」
 テーブルを両手で叩く。連打する。
「その幻想をぶち壊した兎野郎共を、皆殺しだぁー!」
 戦争だーと言って店を飛び出すブレス達。
 その光景を、『誰かの為に』鈴村・優樹は微妙な笑顔で見つめていた。
「ヒートアップ、してますね」
「と言うより濁ってやがるな」
 白い帽子を深くかぶり直す『糾える縄』禍原 福松。
「全く、オッサンがハニートラップとはやってくれるじゃねえか……」
「ハニーどころかまんまオッサンじゃない!」
 『十字架の弾丸』黒須 櫂はその辺の木箱を蹴っ飛ばした。
「ウサギを汚すなんて許せないわ」
「そのレベルの問題なのか?」
 がらんごろんと転がる木箱。
 それをスニーカーの底で受け止めて、『突撃だぜ子ちゃん』ラヴィアン・リファールは腕組みをした。
「日本文化で有名な……『HENTAI』ってやつか」
 違いますよ。
「まあいいや、こっちもうさみみ装備で対抗すっか!」
 シャキーンという効果音を自分で出してウサミミを被るラヴィアン。
 名前からして割と似合っていたのだが……。
「当該対象を悪魔と断定。すみやかに死罪を……」
 『祓魔の御使い』ロズベール・エルクロワ(美少年)がウサミミ装着。
「ね、悪い子にはお仕置きが必要だよね?」
 『淋しがり屋の三月兎』神薙・綾兎(美少年)が天然ウサミミをぴこぴこやった。
 沈黙するラヴィアン。
「何故だ。正しいことをしてる筈なのにアウェイを感じるぞ!?」
 クレイジーでアバンギャルドな少女によるバニーと、クレイジーでアバンギャルドな少年によるバニーは、近代ではほぼ同じくらい需要があるようで、今日に限ってラヴィアンは唯一の『ウサミミつけてる女の子』になっていた。
 かようなことでラヴィアンが女の子扱いされることがあろうとは。
 ぐるりと振り返る綾兎とロズベール(W美少年)。
「じゃ、そういうことで」
「死をもって償としましょうか」

●筋肉Beach Side Bunny
 色々省略するようで申し訳ないが。
「バニーガールの良さは分からんが、流石にバニーオッサンの危険度は分かる」
「バニーって、こういうものではないのですか。そうですか」
 福松達は裏路地でバニーオッサン達と対峙していた。
 想像力が豊かな人はぜひ、筋肉豊かなバニーマッスル達が歯の見える笑顔でポージングしている様を左に。右にはウサミミをつけた美少年を想像して頂きたい。……できるもんならなあ!
「罰ゲームじゃねえんだぞ、そういう商売はよそでやりな!」
 靡くストール翻し、福松は走り出す。
 白いスーツにブレードハットの少年が、シルクのストールを靡かせて殴りかかる様は裏路地と言うロケーションも相まってかなり格好良い筈なので、是非そう言う風に描写したい。そういう気持ちは山々なのだ。だから――。
「ヘイ!」
「ラッ!」
「シェイ!」
「はぶっ」
 色黒なバニーマッスル達にショルダータックルをくらって吹き飛ぶ様はできるだけ見ないでおいて頂きたい。
 高速反復横跳びの末に福松をキャッチするラヴィアン。
「相手は五人だ。ブロック要員が足らなくなるぞ!」
「大丈夫です。ロズも前へ出ます」
 十字架を細長くしたようなハンマーを担ぎ上げ、ロズベールが立ち塞がる。
「主よ、罪を振りまくことをお赦しください」
 一言述べると、ロズベールは暗黒の瘴気をまき散らした。
 敬虔な聖職者のような服装と金髪翠眼の整った顔立ち。しかし重々しい鈍器やゴーグル、ガントレットといったアクセントで暴力性を表に出すアンバランスさは美しくさえあったし、そんな彼が暗黒の瘴気を放つ様はそれはもう絵になるのだ。そう言うシーンを描写する気は大いにあるし是非そうしたい。ので――。
「見ろぉ、白タイツのバニーだぜぇ!」
「ヒャーッハー!」
 ロズベールが何かあざとい萌えキャラみたいになっているのは想像しないで欲……いやしても良いかもしれない。
 で、そんな中のラヴィアン(ウサミミ)のターン。
「何故だ、同年代の少年少女に押されて俺のプリティさがアピールされていない気がするぞ!?」
 彼女も前に出つつ、魔曲・四重奏を繰り出した。
「と見せかけてパンチっ!」
「オォウ!」
「右魔曲パンチ! 右魔曲パンチ! たまに左魔曲パンチ! そして右魔曲パンチ!」
 これを魔曲・四重奏と呼べるのか否か。
 というか殴ってていいのか否か。
 そんな議論……したくない!
「フッ、どうだ。ブロックされながらの魔曲は。ちょっと麻痺したら放っておける便利仕様のはうあ!」
 再び魔曲パンチを繰り出そうとしたラヴィアンに、バニーマッスルのショルダータックス。
 ラヴィアンはくるくる回って宙を飛ぶと、優樹に両手でキャッチされた。
「あっと、大丈夫ですか?」
「お前は平和だなー。今何してんだ?」
「何って天使の息とブレイクフィアーをかける役ですけど」
「なぜそれをアクションに活かさない」
「何故と言われても……」
 光を放ったり清らかな存在に呼びかけている様を、一体何に利用しろと?
 ……と思っているアナタに朗報です。回復中はどんなモーションをしていてもいいという理屈を利用して――あ、巻きで? すみません巻きます。
「ほんと、兎を侮辱するのやめてくれない?」
 天然ウサミミこと綾兎はバニーマッスルの頭上を飛び越えながら残像剣を発動させた。
 頭上から降り注ぐ綾兎の群れ。彼等は軽快な動きで飛び回るとバニーマッスル達を切り裂いていった。
 カッコイイだろう? だから――。
「兎を侮辱した者は、兎に倒されて当然だよねっ?」
 という綾兎のイイ笑顔については忘れて欲しい。
「よし、バニーマッスルどもが瓦解し始めたぞ。一気に押し込め!」
 福松達が叫びをあげて殴りかかっていく。
 これにはブレス達も勢い付いた。
「今度こそ可愛いバニーちゃんとキャハハウフフできると思った俺のささやかな楽しみを返せぇ!」
 血涙流すんじゃないかって勢いでギガクラッシュを仕掛けるブレス。
「これは可愛い兎の分! これはウサミミに釣られた私の悲しみの分!」
 スターライトシュートで畳み掛ける櫂。
「バニースーツのスタンダードは尻尾の飾りをつけたレオタードと兎の耳を象ったヘアバンド、そして蝶ネクタイの付いた襟。咥えてカフス、ストッキング、ハイヒールの組み合わせとされている。これは先述した青年誌の起源によるところが大きい。その意味で正統派を述べるとするならレオタードにワイヤーボーンを仕込みコルセット的役割を持つものを使用するべきだ。ふわふわとした感覚を出すのと『バニー』を強調するために尻尾や耳に上着の毛皮が使われるのがスタンダードだが、現代において『兎型のヘアバンドと肩の出た服』と言う認識にまでボトムダウンしたことでポリエステルやナイロン、サテン、単純なものになるとプラスチック製のものも出だした。レオタード部分で言うならば燕尾服を羽織るバージョンは勿論のことキャミソール型やへそや背中の出るタイプ、場合によってはほぼフリルドレスに近い状態になることもある。とはいえ多様化を続ける昨今、バニーメイドやバニーナースといったニッチな型も生まれ始め、今や属性の一つといっても過言ではない。第二章、了」
「達哉ちょっと黙ってろ」

●筋肉うさぎ何見て跳ねる
 このままではあんまりなので、格好いいシーン。
「目に毒ね、別の意味で」
 櫂は灰色のコンクリート壁を蹴ると、ジグザグに飛び跳ねながらバニーマッスルの間を縫った。
 一体の後ろに降り立つと同時に斜め斬り。振り向かれる前に飛び退き、木箱とコンクリ壁、そしてビールケースを足場にして半円状に元の位置まで戻ってきたスニーカーでブレーキをかけながら愛用の自動拳銃を流し打ち。激しくきりもみ回転して飛んできた達哉は上半身を捻ってスルーした。
 背後のダンボール山に突っ込む達哉。
「タックルはされたくないし、近寄らないでほしいし……」
「とは言えオッサンを袋小路に追い詰める図ってのはやるせないものがあるな」
 体当たりを仕掛けようとしたバニーマッスル。福松はその足を踏んづけると、つんのめった所に無頼の拳を叩き込んだ。
 もんどりうって倒れるバニーマッスル。
 起き上がる前に後頭部に銃を突きつけた。迷わず引金を引く。
 粗末な銃の代名詞、サタデーナイトスペシャル独特の金槌音が響いた。
 残ったバニーマッスルは一人。
 そこへブレスが勢いよく飛び掛って行った。
 一人の胸(大胸筋)に人差し指を突きつける。
「覚悟しやがれ兎野郎、ハニーコムガトリングでひき肉にしてやるぜっ!」
 うおりゃーと言いながら相手の大胸筋を人差し指で16連打するブレス。
 格好いいシーン終了のお知らせである。
「どうだこの野郎! バニーさんを汚しやがって、俺の夢を奪いやがって、俺がマウスをクリックした瞬間のワクワクを裏切りやがって、でも課金しちゃうビクンビクンとか浮かれた気持ちにさせやがって、お陰でこんな依頼に俺は、俺は……うぅ、うっ……」
「ブレスさん……」
 とりあえず手を挙げてみる優樹。
 ハニーコムガトリングは銃が無いと撃てませんよとか、そういうツッコミができる次元じゃなかった。
 かける言葉がないとはこのことである。
 なので優樹は、そっと優しく微笑んで……。
「BUNNY SMASH!」
「はうあ!」
 きりもみ回転して飛んでくるブレスをしゃがみ回避した。
 達哉ともつれ合ってダンボール山をはじけさせる。
 そろそろ良いよねとナイフを翳す綾兎。
 ブレードに映り込む横顔。
 彼はイイ笑顔でこう言った。
「あんた達よりも――」
 綾兎は風となり、バニーマッスルを切り裂いた。
 一秒遅れて立ち上がる天然ウサミミ。
「俺の方が可愛いっての!」
 綾兎はイイ顔をしていた。
 折角なので各カメラでVTRを見てみよう。
 1カメ、側面。
「俺の方が可愛いっての!」
 2カメ、斜め下。
「俺の方が可愛いっての!」
 3カメ、後ろ姿。
「俺の方が可愛いっての!」
 4カメ、真正面。
「俺の方が可愛いっての!」
 血を吹き出すバニーマッスル。
 ロズベールはそんな彼をガン無視すると、真っ赤に染まった十字架をバニーマッスルへと叩きつけた。
 ぐしゃりと音をたて、コンクリ壁にめり込むバニーマッスル。
「貴方の罪、ロズがいただいて糧とします――地獄に落ちて悔い改めて下さい」
 ハンマーを上げる。
 まるで色が移ったかのごとく真っ赤に染まったバニーマッスルは、その場でうつ伏せに倒れたのだった。
「う、うう……」
「なっ、まだ生きてるのか!」
 うりゃっと後頭部を踏みつけるラヴィアン。
 そしてウサミミのヘアバンドを鷲掴みにした。
「いいかよく聞け皆……いくらエリューション化した人間だからと言って、一斉に五人ものマッスルが一ヶ所に集まり、あまつさえバニースーツを着込んで人をおびき寄せるなんて奇行に及ぶわけがない。だがこの事件は起こった。それはつまり――」
 ウサミミを引き抜く。
 天高く掲げ、ラヴィアンは今日一番のシリアス顔で振り返った。
「諸悪の根源はこれだ! このウサミミはアーティファクトか何かに違いないぜ!」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
 八人分の沈黙が帰ってきた。
 その内の一人、バニーマッスル(ウサミミなし)が一言。
「いえ、趣味ですが」
「死ねぃ!」
 ラヴィアンはとどめのフレアバーストを派手に叩き込んだのだった。

●メイド喫茶がただの飲食店として認められない理由の一つに一般バニーガールクラブが実質ただの飲食店としての売買しか行っていなかったという相対的倫理性があり云々はこのお話とは一切関係がありません。
「ミルク――ロックで」
 カウンターテーブルを指でこつんと叩く福松。
 どんな気を利かせたのか、カクテルグラスにチェリーの乗ったミルクが出てきた。
 目を瞑り、薄い笑みを浮かべる。
「オレもまだガキってことか」
「それが分かったら、大人になる日は近い」
 初老のマスターがファッションド・グラス片手に言った。
 ……なんて、渋いやり取りをしている傍でラヴィアンと優樹は大人しくオレンジジュースを飲んでいた。
「気のせいじゃなかったら、俺の周りにいるのってバニーガールだよな」
「たぶん?」
「だとしたら俺達、こういう店には入れないんじゃないのか?」
「たぶん?」
「じゃあ何で達哉が『ちょりっす』て言っただけで通されたんだ?」
「……それはチョットわからないです」
 一緒にグラスを傾けるラヴィアンと優樹。
 二人の間でロズベールがミルクをストローで吸った。
 ゼンマイ状のストローの中をくるくる回って行くミルク。

 状況を説明しないと妙なことになりそうなので説明しておくが。
 彼らはノーフェイス退治を無事に終え、達哉お勧めの店とやらに入ったのだった。
 彼はクラブって言ったけど、今入っている店がクラブなのかどうか、彼等にはあまり判別がついていない。だが何か倫理的な話に関わっても悲しいので、詳細には述べないでおこう。
「今日のことは……」
 グラスをがつんと丸テーブルに叩きつけ、綾兎は突っ伏した。
「今日の事は忘れて」
「『俺の方が可愛いっての!』」
「主にそれを忘れて!」
 あばっと顔をあげる綾兎。
 櫂はどーしよーかなーと抑揚のない声で呟きながらシャンパングラスを小さく回していた。
 ちなみに中身はシャンメリー的なアレである。未成年に飲酒? フッ、させるか!
「帰ったら彼に癒して貰お。チョコもあるし。そうしよう」
 忘れてーと言ってじたばた悶える綾兎を無視して、櫂はグラスを空けた。

「高級クラブで見られる胸の谷間から名刺を取り出すあの技術。ストッキング越しにできるS字ライン。全世界のバニーガール好きを代表して主張する。バニーガールは伝統文化である! 巨乳バニーこそ至高の存在であると! ――完!」
 タンブラーをテーブルに叩きつけ、達哉は叫んだ。
「今更かもしれないんだが、お前今日その話しかしてないよな」
「まだ語り足りないが?」
 背もたれの大きいソファから身を乗り出し、顔を赤くして語る達哉。
「だが今日はバレンタインデー。そして俺の誕生日だ。リアルバニーに誕生日を祝われつつ家族の夕飯を作らねばならない。先に失礼するぞ」
「なっ……!」
 立ち上がり、マスターに軽く挨拶してから出ていく達哉。
 ブレスは言い知れない悲しみにリアルな涙を流した。
「チクショウ、あいつ……あいつは俺と同じだと思ったのに……勝ち組だったのか……!」
 ブレスは神経の糸でも切れたのかと言う凄まじさで立ち上がると、財布の中身をばらまかん勢いでポラロイド下さいと叫んだのだった。
 そうして、夜は更けていく。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした。
凄まじいプレイングを書いてくるものだから、過去のバニーガールに関する資料を漁るはめになったじゃありませんか。
ということでMVPは達哉さんに差し上げます。
理由は……フッ、わかるだろう?