●ゴグバンゲシオドォシ! セイヤャァ! ある男子生徒(恋人募集中)が学校の廊下を歩いていた。 「ワワワ忘れ物……俺の忘れ物……」 台詞からして多分教室に何か忘れたんじゃないかと思われる。 男子生徒は目的の教室に辿りついた時、ふと何かに気が付いた。 「あの日あの時忘れちまっ――ん?」 お分かりだろうか? 教室の扉がちょっと開いているのである。 幅で言うと5~8センチ程度の、丁度上の方に何か挟んでんのかなーって感じの開き方だった。 男子生徒は神妙な顔で目を瞑った。 そう、これは漢の勝負なのだ。 うっかり上を見て『あ、黒板挟んでんジャン』とか言って取ったりしたら室内で今か今かと待っていたギャラリー達をガッカリさせることになる。場合によっては乱闘騒ぎも覚悟しなければならない。 彼女も欲しいし人気も欲しい。ギャグは絶対滑りたくない。そんな男子高校生は……そっと扉に手をかける。 と同時にクラウチングスタート体勢。 「忘れも――ノォイ!」 彼は扉を勢いよく開くと同時に低い体勢でスタートダッシュ。 頭頂部を前に突き出しロケットの如く飛び出した彼は、上から何かが落下する気配を敏感に感じた。 瞬時に頭を巡らせる男子高校生。 ――このまま突っ切って芸術点を稼ぐか? いや、ただ避けただけではギャラリーは納得しないだろう。シロートはそこで躓く。しかし俺は、違う! 完全に踏み切った思われた後ろ足を僅かに蹴り上げ、落下物を踵でトスする。 そして男子高校生は華麗に前転をキメ、前に突き出した両手にその落下物をキャッチしたのだった。 「フッ」 そしてドヤ顔。キラリと光る前歯。 完璧なプレイだった。トリノオリンピックで金が狙えた。 もしギャラリーがクラスのマドンナ角田さんだったなら二秒で告白されるレベルだった。 だがそこにいたのは、ギャラリーでも……まして角田さんでもなかった。 『…………』 ちょ~デカい黒板消しが、そこにはいた。 響く断末魔。 男子高校生は全身をチョークの粉まみれにされてチョーク死したのであった。 ●黒蛮卦死堕とし! 「はいでは依頼の説明始めまフッ」 がらりと扉を開けた和泉の脳天に黒板消しが直撃した。 舞い散るチョーク粉。 スローモーションになる時間。 事前に集まっていたリベリスタ一同の脳内で、サンバのリズムでいったりきたりの繰り返し映像が再生される。 「…………」 和泉はきっかり1秒だけ硬直すると、頭に黒板消しを乗っけたまま一同の前にスタスタと歩いてきた。 くるりと身体ごと向き直る和泉。 終始真顔である。 そして……。 「みなさん、今日もよろしくおねがいします」 おじぎと共に、黒板消しが振り落とされたのだった。 ちなみに黒板消しはガハラさん自ら、説明のために用意したものである。善良なるリベリスタ達の悪戯ではないことをご理解頂きたい。 とまあ、前置きがひたすら長くなってしまったが。 「某高校にエリューション・ゴーレムが出現しました。悲しいことに、既に三人ものチョーク死が発生しています。これ以上チョーク粉の悲劇を生まないためにもこのエリューションを」 すっごい淡々と話しているけども、緊迫感は無かった。 だってチョーク死だもの。 死に様全然想像できないもの。 強いて言うならバラエティ番組の罰ゲームで粉塗れになるアレみたいな、そういうイメージだった。 「あ、それであってます」 「あってるの!?」 どうやら今回、白い粉塗れにされることが確定しているらしい。 敵は巨大な黒板消しに手足か何かが生えた生き物(?)なんだそうだ。 全面に向いた黒板消し部分から無尽蔵にチョーク粉を出すことで相手をひたすら粉塗れにすると言う。なんてこったい! 「ついでに言いますと、教室の入り口にも黒板消しトラップが仕掛けられていて、入室した人間の芸術性(もしくは面白み)によって若干スペックがダウンするようです」 さっき説明したようにですよ、とガハラさんは言った。眼鏡こなっこなだけど。 「では皆さん、宜しくお願いします」 もう一度頭を下げる和泉。 残った粉が雪のようにぶわっと散った。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:八重紅友禅 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年02月07日(火)23:32 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●テレビの前のみんなー、黒板消し落としはっじまるよー! 扉の陰から『トランシェ』十凪・創太がチラリズム。 「誰もいねーだろうな……何かすんならいまのう」 チィ! と言いながら扉をフルオープン。 黒板消しリフトオフ! スタンダップ十凪創太! 「うおお危ねえ当たったらどう――すっ」 横回転バレルロール開始。 お前いつの間に人間魚雷覚えたんだってくらいの初速で飛出した創太は黒板消しを回転トス。 きりもみ回転しながら弾かれる黒板消し。 これだけではただトラップを弾いただけに見える――だろう? 「だがしかし!」 殆ど駄菓子菓子くらいのイントネーションで『ひーろー』風芽丘・六花が後ろに続いていた。 「かれーにかっこよくげーじゅつてきなあーてぃすてぃっくうるとらしーするかんたんなおしごとなのだー!」 このセリフをコンマ二秒の間に早回しで言うと立花はつま先ジャンプ。 両手の手首をくるりと回し額の上で美しい三角形を作った。 さあ見よこのしなやかなエビ反り。 だと言うのに無駄にきりもみ回転をかける余裕。 立花は目をギラーンと光らせると黒板消し……の下を高速で素通りした。 「外してるぅー!」 「あと二番手なの俺ぇー!」 戦隊モノのブルーみたいなポーズで滑り込んでくる柿木園二二。 オデコ隠した無造作ヘアーの下で二つのたれ目が光った。 「こいよ!」 何処までもクレバーに抱きしめてやるぜ、ではなく。 「受け取れ咲夜、ダイナミックサイクロンスーパーセクシィーパスだぁ!」 シャープな動きから手刀を放ち、地面につきかけた黒板消しをギリギリのところで打ち払う。扉の淵をジグザグに反射しながら上方向に上がって行く黒板消し。 丁度落ちて来た所に『嘘つきピーターパン』冷泉・咲夜が立っていた。 「頼んだのじゃよ」 かくっと首を傾げる咲夜。美味い具合に頭に当たった黒板が回転を維持しながら飛んでいく。 にっこり笑う咲夜。 笑った瞬間目の端からちっちゃい星が飛んだ。背景が強制的にピンクとブルーの混じったほんわかしたものに代わる。 頭上を黒板消しが通過する約コンマ5秒がいきなりスーパースローになった。画面上を右から左に流れていく『にぱー』『ニパー』『2%』の弾幕。 その直後、『夢見る乙女』樅山 多美の顔が画面を占領した。流れる悲鳴弾幕。 「とうっ!」 多美は両腕の肘で己の胸を圧迫するようなポーズをとると屈強な大胸筋を漲らせた(非誤字)。 大胸筋の谷間に挟まり込む黒板消し(非誤字)。 誰が望んだのか分からないが挟まり込む前後の映像がサンバのリズムで連続再生された。 多美は両足で乙女チックに着地すると教室のタイルを激しく陥没させた(非誤字)。 そこから180度ターン。 「モヨタさーん!」 多美リフトオフ(誤字)。 「う、うおおおおおおおお!?」 打ちあわせ時点ではヘディングで黒板消しをトスするつもりだった『鉄腕ガキ大将』鯨塚 モヨタは絶叫した。 お姉さんの胸の谷間へ顔を埋めるからだって? ハハッ、そうだね(裏声で)! 暗転する画面。 モヨタが爽やかな笑顔でサッカーボールをリフティングするサンプル映像が流れた。 汗を散らしてヘディングを繰り返すモヨタ。その部分の効果音だけがひたすら連打されていた。 映像終了。 「行くぞ、珍ね――」 「那由他」 「那由他ぁー!」 若干目の光を取り戻したモヨタからトスを受け、『残念な』山田・珍粘は足を高く上げながらジャンプした。 ――番組の途中ですが、現時刻をもって山田珍粘(29)をなゆなゆと呼称すると政府から発表がありました。まかり間違って珍粘の方をあだ名で呼ぼうものならお巡りさんが黙ってないぞと――。 「はいどうぞ」 ヘディングから繋いだ爪先蹴り。それも後方へのトスだったので必然的に大胆なオーバーヘッドキックになったのだが、何の不思議かスカートの中は巧妙に隠れていた。 見せりゃいいってもんじゃねえというアニーメーターの熱い心意気が見えるワンシーンだった。 「基本でしょう?」 これ以上ないドヤ顔で振り向くちん――なゆなゆ。 さてここまで華麗に繋がれた七人トス。 ラストショットを任されたのは、我らが『ジェットガール』鎹・枢。 「決めろMAXコンビネーション!」 うおりゃ~と言って凄まじい初速(ジェットガールの名は伊達じゃないぜ)で飛び上がった枢は扉の上縁に額を強打。 はぶりゃあと言う不思議な悲鳴をあげると一気に墜落。ここぞとばかりに顔面で黒板消しをキャッチしてちん、なゆなゆを巻き込んですっ飛んで行った。 この時ちゃんと黒板消しの消し部分(?)を顔で受けたのはラストミラクルであった。 で、最終的に。 「当たったらどうすグハァ!?」 「わにゃー!」 「どうだカッコイイだごはぁ!?」 「何じゃこむぐ!?」 「「わあああああ!!」」 全員ピタゴラスイッチ並のミラクル連鎖で机の山へどんがらがっしゃんした。 一秒遅れでもわもわと上がる黒板消しの粉。 その様子を、巨大な黒板消し(今回の敵)は沈黙をもって見つめていた。 額の点数カウンターが回り出す。 古いカラオケボックスについていた採点機に似ていた。 ダララララララララララララララ――ダンッ、ジャジャーン! 『100点』! 「「おお!?」」 机の山からにょきっと頭を生やす一同。 『本来なら一人競技であるところのエクストリーム黒板消し落としをまさかの八人団体競技とし最後にはしっかり全員で粉を被るというベストミラクル。これは満点を付けざるを得ない』みたいな顔をしていた。 そんな長セリフを顔が語れるわけねえし。 そもそも顔ねえし。 なんてツッコミは誰も望んでいない。 だが何より素晴らしかったのは、今日の目的であるところのエリューション退治をほったらかして黒板消し落としのアクションに尺の半分を使い尽くした所に合った。 ほんとこいつら、ただもんじゃねえ。 ●本番と言う名の後半戦 創太は頭から絆創膏を引っぺがすと、どっしりと武器を構えて見せた。 「さあ休み時間、黒板消し掃除の時間だ!」 「ここは任せろー!」 バリバリと言う音が聞こえてきそうな勢いで立花が飛出した。 「まけてらんねーんだおとこのこはよー」 どっかで聞いたようなセリフを吐くと、腕をぐるぐるさせながら脚が沢山に見えるダッシュ。 「いくぞ低空スライディング、キャッチ・クラッチ・ふぁいんぷれーでパトスアタックに繋げる感じむぎゅう!」 そして真っ直ぐ後ろの机山へと突っ込んで行った。 回避率が限りなくゼロに近くなっている巨大黒板消し相手にファンブルするという、わざととしか思えないプレーだった。 窓の外。青い空に良い笑顔が浮かぶ。 気を取り直す創太。 二二と鏡合わせになると巨大黒板消しへと攻撃を仕掛ける。 それだけではない。八人(マイナス一人)は巨大黒板消しをぐるりと囲んで一斉攻撃に出たのである。 「おっともう逃がさないぜ黒板消し!」 「殴られたり壁に叩きつけられたりは宿命だよな。さっさと綺麗になりやがれ!」 呪刻剣とハードブレイクが炸裂。黒板消しのボフボフ部分に命中。もんのすごい粉が舞い上がった。盛大にむせる二人。 「やべえ、粉がやべえ!」 「チョークなんか、恐れるに足らんのじゃ!」 両手を掲げて笑顔を浮かべる咲夜。 守護結界が展開したかと思うとスーパースローモーションが発動した。 右から左に流れる『にぱー』の弾幕。 画面の上に『回復役の出番を増やす会』という文字が加えられた。 スロー終了。 しかし守護結界は粉を防いではくれなかった。 思いっきりぼっふんぼっふん体当たりされる二二と創太。 「お尻ぺんぺんです」 鎖の突いた鉄球で黒板消しの尻(だと思われる部分)をひたっすら殴る多美。 前方に押し出されて飛ぶ粉。むせ返る創太達。 そうとも知らずに多美は小さくむせた。 「げほげほ、けむいです! マスク購買に売ってなくて……」 「おいこの程度コンビニで売ってるぞ!」 マスクフル装備で振り返るモヨタ。 こんな状況で真面目な話するのは気が引けるが、使い捨てアイテム程度ならコンビニだのホームセンターだので買ってこれるのでわざわざ購買部に頼らなくていいんですよ。 「ちくしょー、粉出過ぎなんだよ! 誰がぶいーんってヤツ持ってねえの!?」 ギガクラッシュを叩き込むモヨタ。 その時机の山からちん、なゆなゆが飛出してきた。 「ありましたよ、ぶぃーんってヤツ!」 「使えるか! デカイのだよデカイの!」 そうですかと言ってぶぃーんってヤツ(正式名称ラーフルクリーナー)を投げ捨てるちんなゆ。あ、違うなゆなゆ。 「考えたのですが、横から剣で挟めば動きを止められるのでは」 予告通りに剣でばふっとやるなゆなゆ。 その時、ベランダで黒板消しを定規を叩きつけるアレと同じことが起こった。 めっちゃむせかえる創太と二二。両側から抑え込んだせいか横向きに粉が出てきて、なゆなゆも一気に粉塗れになった。 ついでに言うと抑えいこみにも失敗した。 こんな時に真面目な話をするのも気が引けるパート2だが、ギリギリブロックルールを適用して抑え込めるかなと思ったが、相手がデカ過ぎたので逆にぶん回された形である。仮にできても行動不能レベルの抑え込みは無理だろうと覚えておいて頂きたい。 だっちゅーのに翼で飛行して突っ込んでくる枢。 「見たかこの輝かしい連携プレー!」 空中で体勢を変えると、両手を伸ばしてのドロップキック姿勢。 「じゃすてぃすくるるきーっく!」 巨大黒板消しの背中に命中。盛大な音と粉をまき散らしてうつ伏せに倒れる黒板消し。 周囲にいた皆(さりげなく後ろに下がっていた咲夜も含む)は一気にこなっこなになった。 両手両足をじたばたさせる巨大黒板消し。 なんか、この状態から立ち上がる術がないらしかった。 「今だリベリスタ達よ!」 周囲の机を跳ね飛ばして出てくる立花。 美少女戦士アニメにお約束の展開ぽかった。 お前机に突っ込む以外何もしてないよなとはだれも言わなかった。 世界の半分は優しさでできている。 ちなみに残り半分は毒の沼地である。 「超近接型フレアバーストなっこー!」 とか言いながら蹴っ飛ばす立花。 「超近接型マジックミサイルぱーんち!」 とか言いながら蹴っ飛ばす立花。 ちなみにその間ずっと粉が周囲に散っていた。うつ伏せ状態の黒板消しマジ凶器。 「もう一度言うが、さっさと綺麗になりやがれ!」 「めいっぱい痛めつけてやんぜ!」 ここぞとばかりに殴り始める創太と二二。 「受けやがれ、俺の愛!」 「ゆくのじゃ、わしの可愛い小烏」 二二のパンチに合わせて咲夜がそっと式神・鴉を飛ばす。 今再びのスローモーション。 どういうつもりかシルクハットから鴉を飛ばす笑顔の咲夜がワンカットだけ現れていた。そう考えるとファンタスティック。 「みんな粉お化けになってんじゃん!」 げらげら笑いながら巨大黒板消しを殴るモヨタ。 とその時、枢の頭上で何かが起こった。 ミニ枢が一生懸命自転車をキコキコ漕いで、後ろにつながった豆電球がぺかー。 「もしや、水かけたら粉飛ばないんじゃないでしょうか!?」 言った時には既にバケツを持っていた。 四苦八苦の末ようやっと起き上がる巨大黒板消し。 てやーと言ってバケツをひっくり返す枢。 ――説明しやすいようにイメージ映像をお楽しみください。 ――巨大な砂漠にジョウロを抱えた三頭身枢が飛んできて、ちょろろーっと地面に水をまいた。一瞬で蒸発した。 「ばふっ!?」 一瞬で粉塗れになる枢。 こんな時に真面目な話をするのは気が引けるパート3なのだが、エリューションとして世界的上位の存在力を持った相手にこの世のアイテムを適用してもろくな効果が出ないのでやめておこう。具体的な所だと炎のEフォースに消火器、みたいな。 「はっ、そろそろ本格的にトドメを刺さないといけない気がします」 不意に振り返って言うなゆちん。 教室の端っこで立花が『尺足りない、まいて』というスケッチブックを掲げていた。 無駄にシリアスに頷いて巨大黒板消しの側面へ回り込むなゆちん。 挟み込むと見せかけてソニックエッジを繰り出した。 同時に鉄球を叩き込む多美。 「お仕置きです」 「切り刻みます」 ぼふぼふ部分が切り裂かれ、思いっきり押しつぶされる。 『ラ、ラァァァァァァァァァァフル!!』 ここにきて漸く正式名称を叫び、巨大黒板消しは爆発。 白い粉をまき散らして消滅したのだった。 ●黒板消しの正式名称はラーフル 「ふぅ、なんぞ楽しかったのう」 手抜き着色かよってくらい真っ白になった咲夜が、懐から取り出したハンカチ(これも白い)で顔を拭い始めた。 どうぞじゃよなゆちんに別のハンカチを渡す咲夜。 なゆちんは優雅に受け取ると顔を吹き始めた。一向に白さがとれないのだが。 「たまには童心に帰るのも楽しい物です」 「今度黒板消し落としやられたら、面白い引っかかりかたしてやろう……口で受け止めてブリッジ歩きでどうだ」 真剣に考えるモヨタ。 イタズラ一つで親が人権を乱発してくるこのご時世、確か黒板消し落としだけで停学になることもあると聞く。あんな愉快ないたずらなのだ。引っかかるほうも引っかける方も、より愉快な娯楽を目指していればこんなことにはならなかったのではないか……という教育問題への提議とかしておけば少しはこの依頼に重みが出るのではないだろうか? 「こなこなに……色白な私も素敵ですか。粉も飛び散るいい女ですか」 「お前、ブレラヴァ使えたのか?」 ほらこんな多美みたいな人もいるわけですし。 「さ、退治が終わったら掃除して帰ろうぜ」 キリッとした顔で二二が振り返った。 「来た時より美しく、基本中の基本だな!」 登山家みたいなことを言う二二である。 地球にやさしいエコロジストリベリスタだった。 エコリスタだった。 ミラバケッソくらいに流行りそうな名前である。 「だったらクリーナーよこせ、あのぶぃーんってなるやつ」 「それならここに!」 「二個もあったよ!」 立花と枢がぶぃーんってなるやつ(ラーフルクリーナー)を掲げて机の山から飛び出した。 「使えるかあ!」 「仮に使えたとして、あれに鰹節削りみたいに押し付けられるのは嫌だろ?」 「……そうだな」 ふと冷静になる創太だった。 その後、彼らは教室を綺麗に掃除した後、黒板消しを扉に挟んでその場を去ったのだった。 次なる挑戦者のために。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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