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とりあえずゾンビ!

●ショッピングセンターにゾンビっつったらもうアレでしょう!
 とある中古ゲームショップに売られていた古い古いゲームソフト。
 端的に言えばンビ殺しまくるゲーム……のパクリと言われる同人ソフトだった。
 バグが大いだの何だので不人気だったが、ついにこいつが脚光を浴びる時が来る。
 そう……覚醒という形で!

●ゲームやろうぜ!
 和泉はノートパソコンを起動して一同に見せた。
「アクションゲームの中に入れるとしたらコレだけは嫌だ……というゲーム、あるじゃないですか」
 いきなり砕けた口調で話し始めるガハラさん。
 懐から一枚のCDを取り出して見せた。
「今回皆さんに解決していただくアーティファクトは、この同人ゲーム『とりあえずゾンビ』です」
「『とりあえずゾンビ』……」
「『とりあえずゾンビ』です」
 『とりあえずゾンビ』らしい。
 内容は簡単で、広いショッピングセンタービルの中で大量のゾンビを一生懸命殺しまくるゲーム……らしい。
 しかしつくられたもののクリアされることもなく中古ショップに投げ売りされ、その悲しさゆえか(多分関係ないと思うけど)アーティファクトとして覚醒してしまったのだと言う。
「どうやら、一度クリアすれば成仏(?)してアーティファクト化が解けるようですね。説明書にそう書いてありますし」
「説明書に書いてあるのか」
「説明書に書いてあります」
 説明書に書いてあるらしい。
 だったら本当なんだろうなあ。うんうん。
「ですが問題なのは……このゲーム、プレイし始めると中に引き込まれてしまうんですよね」
 こともなげに言うガハラさん。
 一同は其れを聞いて、彼女の不思議な語り出しに今更納得したのだった。

「効果はゲームの実体験。代償は負傷状態のリアル化。リセット無しセーブ無しの一発勝負……」
 言いつつ、CDケースを開く。
 そしてパソコンに入れた。
「大丈夫ですよ、皆さんならば」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:八重紅友禅  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年02月02日(木)23:21
八重紅友禅でございます。
このシナリオにはグロテスクな表現が含まれており以下略。
『とりあえずゾンビ』……別名『ゾンビ無双』をお楽しみください。

●ゲーム内容
五階建てのショッピングビルを最上階まで上り詰め、屋上にいるボスゾンビを倒しましょう。
難易度設定もないくせに無駄にルートが3つに分かれており、メンバーも3つに分断しなければいけません。
プレイング冒頭に【Aチーム】【Bチーム】【Cチーム】と記載しましょう。
(記載が無い場合はランダムに配置されます)

●ゾンビ
どこにそんな人員がいたのかってくらい大量にいます。
ですが言ってしまえばパンチ一発で沈む雑魚ゾンビどもです。
範囲攻撃をもっていればそりゃあ有利なんでしょうが、ボス戦で詰む可能性があるので強力な技は温存しておきましょう。通常攻撃の素敵さを体感して下さい。
ちなみに、今回に限りその辺にあるアイテム(バットとか鰹節とか)を武器に使うとちょっとだけ攻撃力が上がります。武器攻撃力にプラスされる親切設計です。

ボスゾンビは8人総出でかからないとヤバい相手なので、皆さんで協力して倒してください。色んな意味で。

●ショッピングセンタービル
それぞれ一階からスタートし、瓦礫やらなんやらで結局合流することなく屋上の合流ポイントまで行きます。
途中にはいろんなお店が入っており、なんやかんやアイテムが揃っています。
ただしホームセンターだけはない。惜しい。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
マグメイガス
雲野 杏(BNE000582)
ソードミラージュ
上沢 翔太(BNE000943)
デュランダル
四門 零二(BNE001044)
プロアデプト
ヴァルテッラ・ドニ・ヴォルテール(BNE001139)
デュランダル
桔梗・エルム・十文字(BNE001542)
デュランダル
小崎・岬(BNE002119)
プロアデプト
アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)
マグメイガス
三角 木馬(BNE003495)

●とりあえずゾンビ・Aルート!
 非常識に慣れきったリベリスタ達と言えど、窓ガラスを突き破って50体のゾンビが溢れ出る光景は見たことが無いだろうと思う。
 そんなよく振った炭酸飲料が如きしっちゃかめっちゃかの中を『闇狩人』四門 零二(BNE001044) はブルドーザーもかくやという勢いで突き進んでいた。
 剣を片手にゾンビの頭を吹っ飛ばし、ついでに片足で蹴り飛ばす。ドミノ状に倒れていくゾンビ眺めながら通信機を操作する。
「此方Aチーム。聞こえるかブラザー……駄目か」
 こういった状況ではほぼお約束とも言えるセリフを吐きつつ、その辺にあったサッカーボールを蹴っ飛ばした。遠くでぶっ倒れるゾンビ。
 しかしここはゾンビゲーム。その名も愉快な『とりあえずゾンビ』。その辺からほぼ無限にゾンビが沸き出してくる。
 零二の周囲がすっかりゾンビに埋め尽くされた頃になって、『鉄血』ヴァルテッラ・ドニ・ヴォルテールが姿を現した。
 自販機の上で背筋を伸ばしネクタイを片手で整える。
 そして膝をじっくり曲げると、一っ跳びで零二の近くへ着地した。
「――散りたまえ」
 業爆炎陣炸裂。凄まじい爆発と共にゾンビの群が文字通り吹っ飛んだ。
 周囲5mに渡って広がる空白。はらはらと燃える紙切れやら木片やらが転がっている。
「我々が歩くのに邪魔だろう?」
「お、おお……」
 近距離パワー系が二人も集まるとこうも頼もしいものか、などと『ゲーマー人生』アーリィ・フラン・ベルジュは思っていた。
 とはいえ相手が無限にわらわら湧き出ている以上ブロックなんて言ってられねーので、アーリィなりに近づいてきたゾンビを鈍器でぽかぽか殴りつけていた。

「あ、見て。あっちに樽とか木箱がっ」
「よし……」
 木箱が置いてあるショッピングセンターってどこの国だろうと思わなくもないが、零二は途中のゾンビを文字通りに千切っては投げして進んで行き、最終的にはゾンビ自体を木箱に叩きつけて破壊した。
 ごろごろと転がり出てくる棒や何か。
「これは伝説のヒノキボルグ……」
「え、檜の棒?」
「そしてエクスカリバール!」
「バールって……ええ!?」
 想像してみて欲しい。
 スーツにネクタイを締めた、34にもなる渋めの男が、棍棒とバールを握って仁王立ちする姿を。
「こっちにも良いものがあったのだね」
 雑貨屋の店舗からゾンビを吹き飛ばしながら出てくるヴァルテッラ。
 彼はなんと釘バットを引き摺っていた。
 売ってるのかよ。
 ついでに、歴戦のガンマンの如く斜め掛けしたホルスターに無数のダーツを差し込んでいた。
 これまた43にもなる渋めの白髪紳士がやっているのだから壮観である。
 アーリィは今になって自分の装備が貧弱に見えてきた。
「そうだ。回復アイテムとか無いかな回復アイテム……あっ!」
 カウンターの裏に鉄製の救急箱を発見。
 アーリィはちゃらっちゃーみたいな効果音を自分で言いつつゲット。
 相変わらず反動つきの大技をぶっ放しているヴァルテッラ目がけてぶんぶんと振った。
「ほらヴァルテッラさん回復回復ー!」
「うむ頼むのだね!」
「必殺――!」
 ざりりっと音をたて片足を振り上げるアーリィ。
 そのまま大きく振りかぶり手にしていた救急箱を全力でぶん投げた。
「回復役ぴっちゃー!」
「がほう!?」
 ヴァルテッラ……の横にいたゾンビの顔面に激突。
 頭を原型が無くなるレベルでへこませると近くのゾンビもろとも薙ぎ倒した。、
「…………」
「…………」
 黙って振り返るヴァルテッラ。
 アーリィはそっぽを向いて口笛を吹いた。口笛はちゃんと天使の歌だったと言う。

●とりあえずゾンビ・Bルート!
 うーあーと叫びながら両手を振り上げ全力疾走してくるゾンビがいたらどうするか?
 『インフィ二ティ・ビート』桔梗・エルム・十文字は金属バットを大きく構えてフルスイングした。
 もんどり打って倒れるゾンビ。勢い余って跳んで行った頭が後ろのゾンビに激突して軽く三連鎖した。
 これがメガクラッシュだっていうんだから世の中広いもんである。
「むう、敵が多い」
「正攻法で行ったら確実にスタミナ切れするよな。ポーションねえのかよポーション」
「それ別のゲーム」
 広いスポーツ用品店の裏口からスタートした彼らは、あまりのゾンビ量に店舗から出ることすら苦労していた。
 とはいえ一般人相手なら一騎当千のリベリスタ。『やる気のない男』上沢 翔太は剣を鋭く構えると無数の残像を生み出した。
「ちゃっちゃと済まさせろよ」
 残像剣炸裂。大量に積まれたプロテインボトルを薙ぎ倒しながらゾンビを蹴散らしていく。
 粉塗れになった床を駆け抜ける十文字。思い切りバットをスイングするとゾンビの群れを強引に薙ぎ倒した。
 その勢いで出口まで到達……すると。
「見ろ、すげー武器作った」
 レジの横で『キャラクター4』三角 木馬が木製のバットを掲げていた。
 どうやら先端にオイルが塗られているらしく、木馬はライターで火をつける。
 ごうごうと炎をあげるバット。
「武器合成はゾンビ映画のロマ――あっつ!」
 手元までオイルが垂れてきたバットを手近なゾンビにぶん投げた。
 火をあげて暴れるゾンビ。
 しょーがねーこっちで行くかと刃物をガムテープでくっつけまくったモップを振りかざす。
 効果音が流れた……ような気がした。
 三人はそれから暫くゾンビを蹴散らしながら散策。エレベーターが動くのを発見した。
「どう思う?」
「さっき階段埋まってたしな。上行くならコレしかないけど……」
「ほい」
 オープンボタンをぽちっとなしてみる木馬。
 すると、二十人は乗れるような大型エレベーターが開き……30人くらいのゾンビがどっと溢れてきた。
「重量オーバー」
 溢れてきたゾンビにバットのフルスイングをかましつつ呟く十文字。
 昇太は軽くため息をつくと……無意識に笑った。

 狭いエレベーターの中で縦横無尽に暴れまわった昇太のお陰でエレベーターには乗り込めた。
 木馬はショッピングカートにがっちりモップを固定。
 屋上までは行けなかったものの、フロア案内を見る限り5階から直線コースで済みそうだ。
 が、どうやらそこまでの通路はかなりぎゅうぎゅうになっており、予想する限りでは相当なゾンビ詰め状態になっていそうだった。
「そんじゃ行くぞ」
 剣を握る昇太。
 バットを担ぐ十文字。
「いつでも」
「どこでも」
 ぽーんという軽い音と共に扉が開く。
「ショッピングカートクラーッシュ!」
 軽く火花を散らし、木馬はスタートダッシュをかけた。
 案の定溢れていたゾンビが三匹くらいいっぺんに跳ね飛んでいく。
 そのままゾンビを適当に轢くなり撥ねるなりして突っ走る木馬。
 後ろを走りつつ、十文字は横から食いついてくるゾンビをバットで吹っ飛ばしていく。
 木馬が不意に呟く。
「なあこれ、噛まれたら感染すんのかな」
「してたまるか」
 昇太はそうぼやきながらも大きく跳躍。天井に一度足を付けると遠くのゾンビ目がけて蹴りかかる。
 どうやら屋上までは近そうだった。

●とりあえずゾンビ・Cルート!
 ていやー、という気の抜けた声と共に3mの巨漢が吹き飛んだ。
 ユーフォーキャッチャーの筺体に頭から突っ込み奇妙な火花をあげる。
 てんてんと転がってきたぬいぐるみを踏みつけて、『吶喊ハルバーダー』小崎・岬(BNE002119) はお得意様のハルバートを肩に担いだ。
「とりゾンかー、メ○ドさんを右にとかだったら回れ右だったけども」
 折角だからこのゲームを選ぶぜーと言って、岬はハルバートの柄をぐるんと回した。
 肩から腰のラインを軸にして禍々しいデザインの大斧が回転。小柄な身体からは想像もつかないような重心移動で振り込むと巨大な鎌鼬を生み出した。
 走り込んできたゾンビがもんどりうって倒れる。
 彼の持っていたバットがくるくる回って跳んできたので、とりあえずキャッチしてみる。
「はっけーん、いぶし銀タイムリー!」
 片手で振ってからへやーとスイング。手からすっぽ抜けて遠くのゾンビがぶっ倒れた。
「……使い方よくわかんないや」
「ほらほら遊んでないで」
 途端、チェインライトニングの雷が周辺のゾンビを一掃した。
 『重金属姫』雲野 杏がギター片手に現れる。
 ゲームセンターのコーナーで若干手間取っていたらしい。
「あたしたちが一番最初に到達するわよ。タイムアタックで!」
「よーっし負けないよー!」
 腕をぐるぐるさせる岬。
 そうこうしている間にも、どこからともなく(恐らく仕様ゆえに)ゾンビがそこら中からどっと溢れてくる。
 杏はギターをバットのように構えると、ゾンビの一体をぶん殴りつつ叫びあげた。
「レッツ・ショータイム!」

 で、どうなったかと言うと。
「なによ、まだ着かないって言うの? 流石にアタシもEP無限じゃないのよ!」
 もう何度目になるかというチェインライトニングで通路上のゾンビを一掃する杏。
 その後も(多分クソゲー仕様ゆえに)前後から溢れ出てくるゾンビの群。
 杏はそろそろ嫌になったのか群の中に飛び込んだ。
「わっ、雲野さんいーの!?」
 一応杏に敵を近づけないように進んでいた岬は、杏まさかの蛮行に驚いた。
 しかしまあ、無限に沸いてくるゾンビ相手に『近づけない』も何もあったもんじゃなかったのだが。
 おかげで随分タイムロスしてしまったのだが。
 そういう話をし始めると鬱屈してくるので無視たかったのだが。
 まあいいとして。
「皆まだついてなかったらいいなー」
 手近なゾンビをかっとばし、岬は屋上への通路を走ったのだった。

●とりあえずゾンビ・ラストステージ!
 ボスがいるという屋上エリア。鉄製の両扉の前で八人は合流した。
 やっぱり仕様ゆえかゾンビは来ていないらしく、ちょっとした心の準備をしてから昇太は扉に手を……いや足をかけた。
「それじゃ最後だし、さっさと終わらせますか」
 思い切り蹴破る。
 八人は広い屋上へと飛出した。
「さっさと片付けるわよ!」
 ギターを構えて叫ぶ杏。
 その声に呼ばれたわけではあるまいに、大きな地響きが鳴り響いた。
 屋上のコンクリート床を突き破って巨大なモンスターが飛び出してきた。
 一応これもゾンビ扱いなのか。一応人型はしていたが……どう見ても化物である。
「こ、これはまた」
「少し強そうだね」
 全長10mくらいか。
 マッチョイズムを突きつめたようなボスキャラを見上げるヴァルテッラと十文字。
 そんな二人に大きな影が覆った。
 凄まじいパンチが叩き込まれ、地面が凹んで砕け散る。
 両サイドに飛び退いてよける二人。
 後方にいた零二がバールと棍棒を握って跳躍。野太い腕に乗っかると肩まで一気に駆け上がる。
「貴様等ゾンビに何より足りぬもの……それがチームワークというものだ!」
 翼のように広げたバールと棍棒を巨大ゾンビの頭に叩き込む。
 巨大ゾンビは足を踏ん張りぐらりともしない。
「くらえかゆうまー!」
 そこへ身体ごとぶつかって行く岬。
 ハルバートの重量そのものを巨大ゾンビの胸に叩き込む。流石にぐらつき始める巨大ゾンビ。
 更に隙を見て翔太が足を切りに行く。
「行くぜオラー!」
 吹き出る血。悲鳴か咆哮か分からぬ声が響き渡った。
『……!!』
 巨大ゾンビは零二と岬を無理やり掴むと、思い切り地面に叩きつける。
 コンクリートを砕く勢いで後頭部を強打する二人。巨大ゾンビはそのまま体重をかけていく。
「二人が潰されちゃう!」
 天使の歌をかけつつハラハラするアーリィ。その横で、ヴァルテッラが小さなパイナップルのようなものを取り出した。
「……それは?」
「手榴弾なのだね」
 売ってたのかよ。
 んなわけあるか。
 ヴァルテッラは勢いをつけて手榴弾型の何かを投擲。巨大ゾンビの顔面で軽い爆発が起こる。
 驚いた巨大ゾンビは零二たちを離してよろめいた。
「派手に行こうじゃないかね!」
 勢いよくジャンプするヴァルテッラ。
 天高く釘バットを振り上げると巨大ゾンビに殴りかかった。同時に業爆炎陣炸裂。今度こそ凄まじい爆発を起こして巨大ゾンビは仰向けにぶっ倒れた。
 その際にコンテナらしきものを破壊する。
 ばらばらと流れ出てくる何かの物資。
 木馬は隠しアイテムひゃっほーとばかりに駆け寄った。
「けひひ、面白そうなモンみっ……け?」
 サーモンだった。
 凄い沢山のサーモンだった。
 屋上に置いておくなよ。
 木馬はとりあえずその場にあったサーモンを片っ端からぶん投げてみた。
『ウオウ!?』
 奇妙なうめき声をあげてのたうつ巨大ゾンビ。
 サーモンにこんな攻撃力があるとか絶対おかしい、と木馬は強く思った。
 ぶんぶん手を振るアーリィ。
「インスタントチャージ欲しいひとー」
 ギターを頭上でぶんぶん振る杏。
「こっち、こっちにお願い!」
「マナサイクルあったんじゃ?」
「余裕で切れたわよ」
 ゾンビすごかったもんねと言いつつアーリィはインスタントチャージをかけた。
 力を取り戻す杏。彼女はギターを正しく構え(殴るでなく弾くためだ)、魔曲・四重奏を繰り出した。
 四色の光がジグザグに進み、巨大ゾンビに降りかかって行く。
 巨大ゾンビは身体を起こそうとして失敗した。ずしんという音が響く。
「よっし行けそう……!」
「任せて」
 巨大ゾンビ目がけて大きく跳躍する十文字。
 彼女は若干拉げた金属バットを振り上げると、ゾンビの脳天目がけて渾身のギガクラッシュを叩き込んだ。
 トラックでも破壊したのかと言う破砕音が鳴り響き、巨大ゾンビが今度こそ倒れる。
 そしてもう、起き上がることは無かった。

●エンドロール
 辺りが次第に暗くなる。ゲームが終了し、アーティファクト化が解け始めているのだ。
 最後の演出なのか、モノクロ写真になった彼らのカットインが順番に表示されていく。
「B級ゲームか……次は普通に興じてみたいね」
 腕を組む零二。
「不安感の漂うタイトルだがね」
 ネクタイを直すヴァルテッラ。
「わたしはちょっと……」
 血まみれの鈍器を抱えるアーリィ。
「こういうゲーム、またでねぇの?」
 普段と違って愉快そうに笑う翔太。
「返り血とか後で取れるといいんだけど……」
 服を手で払う十文字。
「おい、本当に隠しアイテムサーモンでよかったのか?」
 釈然としない顔の木馬。
「そう言えばタイムアタックの結果ってどうだったの?」
 ギターを肩に担ぐ杏。
「ごめん……時計なくて」
 突き立てたポールウェポンに寄りかかる岬。
 そしてスタッフロールが終わった頃。つまりただのゲームに戻る寸前、暗い画面にこう表示された。
 ――『thank you』。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
お疲れ様でした。
いつものキャラクターでいつもと違うゲームで遊んでみるのは如何でしたか?
明日からは現実に戻ってエリューションを蹴散らしましょう。