● ずるり、と。それは何処からともなく。 生まれた赤子が母親を求める様に、何も無い空間を手が泳ぐ。 扇げば扇ぐ程、出てくるものは風以外に他ならない。 しばらくして、気づいた。 何も掴んでいない両手を力無く地面に向け、見上げる。 久々だ、これが――空。 これが、空気。これが、地面。これが、躰。 嗚呼、そうだ、此処だ。此処に再び帰ってきた。いや、此処に元々居た。 いや、違う、我が身に一体何があったというのか。 ……思い出せない。 頭に二本の角があり、性は男。 和装に身を包んだ彼を一般的に文字に当てはめるとしたら――そう、鬼。 今は夜か? 寒い、寒いな……そうだ、寒い。これが寒さだ。 吐く息は白く、躰は寒さに震えた。 そりゃそうだ。一月も半分終わっている。 何か、温かくなれるものがあればいい。 「きゃっ!? 貴方……え、なにその……!?」 運が悪かった。 夜路に一人で歩くなんて。いや、二人でも三人でも変わらないだろう。 女性が見たのは異様な姿の男。 手は頭よりでかく、目は金色に光る銀髪の男。 ――刹那、女の目と口に、その鋭い指が吸い込まれるように入っていった。 柘榴の様に弾け、哀れにも今は頭無き物体。そこから吹き出す血は温かい。 なんだ、温かいじゃないか。 もっと、もっとだ、もっとこれが必要だ。 ……そうだ、これが、血と肉だ。 だって、寒いんだもん。もっと浴びればきっと――ね? 自慢の足を使い、恐るべき早さで消えていった。 狂気を心に、躰は凶器。 羅刹が一人、ニンゲンの世界を渡り歩く。 ● 「げふ……げほっけほっ……あ、お構いなく……」 頭部が弾けるだなんて耐性無いよ。『未来日記』牧野 杏里(nBNE000211)はモニターから目を離し、その場に座り込んで迫る吐き気を必死に抑えていた。 しばらくして立ち上がり、いつも通り話を始める。 「こんにちは、皆さん。アザーバイドと思われる者が出現しました……見た目、鬼っぽいですね」 出現したと言うものの、どこから出てきたのか。 アザーバイドと言うものの、D・ホールと、また何処の世界の者かは掴めなかった。 「謎です……杏里の力が及ばないばかりに、申し訳ありません。野放しは大変危険なのはいつもと同じです。討伐を依頼したいと思います」 ふうと息を吐いた杏里は資料を配りながら話を続ける。 「まず鋭い爪は危険です。なお、雷が出せ、目に見えない程の早さで移動し、死角から攻撃する事もあります、それには一番お気を付けて……。」 続けて杏里は、地図を広げる。 普通の住宅街のちょっと大きな道路に赤ペンで丸をつけた。 「人気のない此処で、死体をふたつ抱えた鬼が来ます。ここで討ちましょう!」 死体……すでに犠牲者は出てしまっているらしい。そしてそれが動くという。 「これ以上犠牲者を増やさない。そのためにリベリスタさんのお力が必要なのです……! この場所にも一般の方は往来します、対策は必要です」 話を一通り終えた杏里が、椅子にどすんと座りモニターに目をやった。 「鬼に帰れる道は存在しません……宜しくお願いします」 杏里は深々と頭を下げた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:夕影 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年01月24日(火)23:44 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●杏里「どうせ無茶するなって言っても、皆さん無理するんですから!!」 廻る月夜は、さも寂しく冷たく。 寄せ集めのぬくもりをその肌に纏い、今日も人の世を徘徊する。 探すのは血と肉。それで構成された下僕を連れる。 嗚呼、見つけたぞ。忌まわしい臭いが固まっているじゃないか。 黄金色の目が捕えたのは――。 「最近、この手の依頼が多過ぎるわ」 『薄明』東雲 未明(BNE000340)がはっきりした口調で呟きながら、最後の赤いコーンを力強く置いた。 大通りを囲む道路に赤いコーンを設置し終えたリベリスタ達は中心へ集まる。 「……そうですねぇ」 そう言って辺りを一周だけ見回した『寝る寝る寝るね』内薙・智夫(BNE001581)が腕を振り上げる。一息吐くと共に、強結界が周辺へと張り巡らされた。 岡山を中心に爆発的に発生している『鬼』が関係した神秘事件の数々。 古来から日本神話には鬼が欠かせないものだ。また、それから派生した妖も少なくは無い。 三ッ池の穴の影響か、崩壊度が何かを招いたのかは不明だ。 Dホールが無い。元の異界が分からない。アークのフォーチュナ達もそれには頭を抱えている。 今言えることは、リベリスタ達はそれの対処に人員を割かれているという現実だろう。どれくらいまで続くかは神の目さえも見通せない。 静まる大通りの中で、リベリスタ達は二人組になる。 「いっちょ気合入れて鬼退治の桃太郎でも気取ってみるか」 『高校生イケメン覇界闘士』御厨・夏栖斗(BNE000004)がAFから武器を解放する。漆黒の中に赤い炎が走るトンファーを空中で掴み、未明の背中と自身の背中をくっつける。 「全くね、因みに全員が桃太郎で合ってるかしら?」 「問題無し!!」 夏栖斗の元気な声に微笑する未明は、バスターソードを構えてリミットオフを身体に纏う。 「鬼が多いのは節分が近いからでござろうか……?」 黒装束を身に纏う『無形の影刃』黒部 幸成(BNE002032)が『突撃だぜ子ちゃん』ラヴィアン・リファール(BNE002787)に問いかける。 「まあ、出たもんは倒すまでだぜっ!」 マナブーストを効かせながら、ラヴィアンは無邪気に笑う。 ラヴィアンはあえて幸成の言葉に返答をしなかった。幸成だって節分だからという理由では無いことは分かりきっている。 ただ……目の前の敵は倒す。それだけ分かっていれば問題なんて、皆無さ。 「鬼とはまあ、日本らしくていいな」 『紅蓮の意思』焔 優希(BNE002561)が白い息をふっと吐きながら『花護竜』ジース・ホワイト(BNE002417)を見た。 ジースは心此処にあらず状態で、目の前を見つめていた。 「……あの子には笑顔で居てほしいんだけどな」 ぽつりと呟く。それはとても小さな声で。 ジースは杏里の事が気がかりだった。また再び酷い光景を見てしまったのだろう、悲しい顔でリベリスタを送り出すフォーチュナ。 ――いつも悪いな。最善を尽くしてくる。だから、安心して待っててくれ そう言って彼女の頭を撫で、アークを後にした。杏里は傷だらけの手で撫でられた箇所を触りながら見送る。 ――ボロボロになっても、吉報を届けて下さる事を心より願います その声はリベリスタ達に届け。 「……ジース?」 優希がジースの顔を覗く。それと同時にジースは飛び上がり武器を前に出す。 「お!? なんだ、敵か!!?」 「いや……まだだ」 辺りを見回すジースに優希はやれやれと肩を落とす。それからジースの背中に自身の背中を合わせて語りかけた。 「ジースはデュランダルなのに回復持ちとは面白い。頼りにしている」 「こっちこそ、頼りにしてるぜ。相棒」 ●獣人の極意 耳に聞こえるのは風の音と、葉が葉を擦る音だけ。感じるのは、後ろに居る仲間のぬくもり。 ――身体の中に宿る野生の勘が幸を招くか。 「っ!?」 『エーデルワイス』エルフリーデ・ヴォルフ(BNE002334)が何かに気がつく。 「どう……しました?!」 咄嗟に智夫がエルフリーデの異変に気づく。問いかけるが、エルフリーデは人差し指を智夫の口にあて、静かにと暗黙に言う。 静寂にのまれた大通り。風が止み、音が消え、不気味さが漂う。 エルフリーデは異変を源を探す。暗視に目は光り、暗闇を撫でるように見ていく。 ――そして、見つけた。殺気に満ちた金眼と銀髪が弾丸の如く飛んで来るのを!! 「ラヴィアン君!! 伏せてえ!!」 「ふえっ!?」 AFに向けてエルフリーデは叫ぶ。それがAFを通さずとも全員に聞こえ、そしてラヴィアンはぴくりと反応した。 ラヴィアンのすぐ真横から、肥大な手の甲が力任せに振られる。それは測ったように、ラヴィアンの頭目掛けての一撃。 刹那、鈍い音が辺りに響く。ミシミシと、骨が悲鳴をあげる音さえリアルに聞こえた。 「ご……っふ!?」 痛みに顔を歪めたのは幸成だった。彼の中にもエルフリーデと同じ獣の血が流れている。 エルフリーデとほぼ同時に勘を働かせた幸成は、背後のラヴィアンをその身体で庇ったのだ。一撃は幸成の横腹に直撃し、鬼の身体から出た電流が幸成の自由を縛った。 ラヴィアンが申し訳なさそうに幸成に歩み寄るが、幸成は立ち上がる。 「背中はお任せあれと、そう申したでは御座らんか」 その言葉にラヴィアンは一度だけ頷く。 鬼はいまいち違う手応えに顔を斜めに倒しながらも跳躍し、リベリスタ達から距離をとる。 すると鬼の身体の近くに肉塊が現れた。 犠牲者の末路はなんて滑稽か。元人間に肉塊という言葉は合わないだろう、死体と呼ぶべきか。 蹂躙され破壊され肥やしにされ、共通点は頭部が無い。一人は女子高生、血に染まった制服を着ている。もう一人は社会人、ボロ切れのようなスーツを着ている。 「ごめんな、すぐ解放してやるから」 夏栖斗がいち早く飛び上がり、脚で宙を斬った。飛ばされた真空波は、哀れな操り人形の糸を切るためのもの。 彼等は悲しく、助けを求めるように、ぎこちなく身体を動かす……いや、動かされる。 夏栖斗の金眼が鬼と交差する。 ――魂の無い身体なんて、ただの道具さ。滑稽で無様だけど役に立つ。 見開いた鬼の眼が嘲笑う様に光れば、夏栖斗の目尻がぴくりと動く。 入れ替わりで未明が軽々と大剣を持ち上げて、鬼へと切り込んでいった。 余裕と言うのか、鬼は首をコキコキと鳴らし始めた。 それを横目にエルフリーデはライフルの銃口を肉塊へと合わせる。 探すのは、ただの紙切れだが重要な魔具。きっと鬼の術の様なものなのだろう、それは肩に着いていた。 「これ以上……犠牲者を好きにはさせないわよ」 だが、ライフルから放たれた光弾はギリギリで術符をすり抜けてしまった。 慌ててもう一度と銃口を向ける。 鬼は倒す、それは決定事項で当たり前だ。けれど犠牲者を早く解放したい。その気持ちがエルフリーデの手を狂わせていたのだ。 現に、目の前で苦しんでいる。早く、早く――。 「……大丈夫! もっかい!!」 エルフリーデはその声にハッとした。傍でラヴィアンが肩を叩いてにっこりを笑ってみせた。 そう、大丈夫。もう一度狙って。 ラヴィアンは手の上で小さな火の球を作り上げ、それを肉塊の咆哮へ投げる。 「俺の魔法、そう簡単に避けられると思うなよ?」 火の球は肉塊のすぐ傍で爆発するように燃え広がり、肉塊ごと術符を燃やし上げる。 エルフリーデが再び銃口を前に。放たれた光弾はきっと、届く。 だが、炎が消えた瞬間に鬼の姿も見えない。 まさかと思ったエルフリーデが振り返る。その予想は当たるもので、再び俊足で消えては死角を捕える鬼。 「優希殿!! 後ろで御座る!!」 「!?」 幸成の咆哮と共に優希の首が、強すぎる衝撃に酷く曲がった。 研ぎ澄まされた耳から音を拾っていた優希は寸前で身体を捻って受身を取れたものの、ダメージは大きく、身体も自由に動けない。 すぐにでもトンファーを握り直して前に出ようともがいてみたが、身体を縛る電撃は強い。鬼の金眼を忌々しく思う。 間も無く、智夫の歌が響いた。 一般人を全て助ける、それは当たり前。だけど、リベリスタも守る。これも絶対。 戦士を鼓舞するその歌は完治までとはいかないが、戦っていくには十分の威力だ。 詠唱が終わった後に智夫は声を出す。 「名前は……聞いてもいいかな?」 再び戻ってきたのであれば、きっとこの世界に居た存在なはず。 その言葉は鬼へと送られる。けれど、鬼は一瞬だけ身体を揺らしただけで、返答は無かった。 ――嗚呼、久々に言葉を聞いた。 絶叫断末魔は聞いてきた。けれど言葉は久々だ。 けれどそれもつかの間。すぐにジースの疾風居合切りが唸る。 ● 煌めく雷が雷鳴と共にリベリスタを撃ち抜く。 智夫の回復は鬼に取っては邪魔だ。本能的に闘争心が前に出ていた鬼だが、限界はある。それまで智夫の回復が尽きるまでのいたちごっこをするのは、鬼としては面白くない。 結論的に狙うは智夫。けれどそれが分かっている智夫は遠距離の攻撃に当たらないように間を取っている。 つまり、いかに前に出て智夫を潰すかが鬼の考え。 「……どこいくの?」 けれど未明がそれを邪魔していた。 前に出ようとすれば未明がその身体で止めた。ならばこうだ、この女を止めよう。 「寒いんなら帰って炬燵にでも入ってなさい」 未明のソードエアリアルが鬼へと振りかぶられるが、一歩鬼の方が早かった。 霧の様に消えた鬼が、次に現れたのは未明の死角。 風の気配に後ろを向いた未明だったが、遅い。肥大した腕が未明の身体を吹き飛ばした。 それだけでは終わらない。智夫を抑えるために鬼は術符を投げる。 ――僕が倒れたら、仲間は……っ その恐怖に目を瞑った智夫とエルフリーデが神雷に巻き込まれていく。 「大丈夫か?! 今、回復してやるからな!」 すぐにジースが仲間へ神々しい光りを放った。ジースがこのハイブリットなデュランダルであったのは幸運だ。 鬼へ攻撃して、早く潰しこんでやりたいものだが、仲間の命だって大事だ。 ブレイクフィアーを展開しながら、ジースは鬼を警戒しつつ見つめる。 ケタケタと肩を上下に揺らし、笑う鬼はなんと不気味か。 しばらく遅れて幸成が動き出した。 最初の一撃の痛さは、既に智夫が埋めてくれている。 「……黒部幸成、参る」 暗月という名の小太刀を構え、忍者真柄、音も無く前へと走り出した。 智夫へ再び術符を解放せんとする鬼へ向かって、光り輝く気糸を出し、そして縛る。集中に集中を重ねたその気糸は、確実に鬼の動きを止めてみせた。 糸の中で藻掻く鬼の力は強かった。油断すればすぐにでも糸を斬り破ってしまいそうだ。 「急ぐで御座ァ……っ!!」 「わかってる!」 それを見た未明が麻痺を抜け出して剣を持つ。麻痺に混乱を重ねて、お返しの一撃。 続くリベリスタ達。解けない麻痺は、鬼にとってどれほど歯痒かったか。 優希が鬼へ大雪崩を放つ。 頭の二本の角。その片方を咄嗟に掴み、そのまま地面へと叩きつけた。 鬼は声無き絶叫で頭を抱える、ついでに目の前が回っているからどうしようも無い。 「此処で、必ず」 ――仕留めてみせよう。 迷い? 無いさ。それが優希の信念。生かされ、生きている理由。 ●吸血鬼の極意 鬼の体力は確実に削れていった。だが、未明が麻痺を被る度に智夫の体力も削れていく。 ついに智夫の前に優希が盾となり、ジースが智夫の傷を癒していった。 エルフリーデがライフルを構え、何度目かのピアッシングシュートを放つ。 きっとこの鬼も湧いて出てきた鬼の一人。けど倒すべき相手なのは変わりない。 魔力で補強された弾は、精密に鬼の胴を撃ち抜いた。 「……ん?」 ふと、エルフリーデが鬼の様子がおかしい事に気がつく。鬼は痛みに顔を歪めつつ、荒い息ばかりを口から吐く。 つまり――好機。 いち早く幸成が動き出す。集中していたが、それを逃すわけにはいかない! 「異形の事件、此処で断たせてもらうで御座る!」 再び編み出される気糸を武器に、鬼へと接近する。鬼は逃走を考えたが、ほんの少しの差で幸成の方が早かった。 縛られる身体、動けない、不自由。鬼の破滅へと第一歩。 「血を、命を奪うってことがどういうことかおしえてやんよ」 肉塊……いや、犠牲者。 彼等を玩具の様に扱うなんて、それだけは絶対に許すことができない。 その攻撃に武器はいらない。その攻撃に覇界闘士の恩恵はいらない。その攻撃に容赦はいらない!! 吸血鬼の総称とも言える牙を剥き出す。 鬼の長い銀髪を巻き込みながら首筋へ噛みつき、勢いのままに顔を振って噛みちぎった。 首から溢れる鮮血に顔面を染めながら、鬼は絶叫した。首の損傷はでかく、口からも血が溢れ出す。 夏栖斗は唇を真っ赤に染めつつ口の中の違和感を吐き出したが、その瞬間に鬼の爪が腹部を貫通する。 しかし……攻撃するということは、脚が止まるということでもある。 「悪い鬼は……退治されるもんなんだよっ!」 すぐにラヴィアンが立ち上がった。ガントレットを着けた手の指から魔法陣を書きあげていく。 平和な夜、返してもらおうじゃないか。 飛び出す四色の光線が放物線を描いて鬼を縛り上げて、夏栖斗の身体を解放する。 「ずっと、リベリスタのターン!!」 ラヴィアンの魔封から抜け出すことは叶わない。彼が咆哮しながら人差し指を鬼へと向けた。 それを聞いて、未明が走り出す。 「彼岸は、温かいといいわね」 終わりゆく鬼へ、それしか言ってやれることが無い。 跳躍し、鬼の頭上目掛けて大剣が振り落とされ、鬼の身体を切り刻む。 出血に混乱が生じ、鬼の視界は揺らいで頭を抱えた。 「生まれたばかりなのに済まんな。今は人の世、人殺しはご法度なのだ」 その声に鬼はギギギを唸る。優希が脚を振り切って真空波を放つ。 「だから人を狩ろうとするお前を、狩らせてもらう!」 所詮これも人間が生き残りたいがための戦い。エゴだけど、それでも戦うべきリベリスタだから。 それに続いてジースも武器を精一杯に振り切る。 「人間……舐めてんじゃねえぞ!!」 二つの真空波は鬼目掛けて飛んでいく。 そして直撃、鬼の身体は部分的にちぎれて粉砕される。だがその一瞬手前で鬼が笑った気がした。 嗚呼、忘れていた。そして思い出した……これが痛み。 そして――これが、死か。暗闇に落ちていくのはもう慣れたさ。 だが、いつの世も人間とはなんと面白きものか――……。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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