●新年第一声 「ねえ、みんな初夢は見た?」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)が聞くと、集められたリベリスタは一斉に頷く。 「そう、じゃあ問題ないね」 イヴはそう言うと、モニターに映像を映し出す。映しだされたのはヘンピな空間。青白い背景に真っ黒の地面。時折入るノイズのような極彩色。 気持ち悪い。何この空間。 「これはとあるアーティファクトの創りだした空間。この中に人が取り込まれるとその人の見た夢が一つ取り込まれてアーティファクトの力になる。取り込まれた人はアーティファクトが壊れるまで出てこれず、いずれエリューション化する。まだ発生して間もないからエリューション化はしていないと思う」 力をつけたアーティファクトはやがて爆発し、その衝撃で、溜め込んだエネルギーに応じたD・ホールを開けるという。エネルギーが最大まで溜まった場合、その影響は計り知れない。 「これがとある民家の一室にあって、どうにかして回収したいんだけど、触ると取り込まれちゃうもんだから手がつけられない」 そこであなたたちにお願いがある、とイヴは切り出した。 「今なら、爆発してもまだ小規模の被害で済むはず。このアーティファクトは一度に大きなエネルギーを与えれば、キャパシティオーバーして壊れる。そして初夢はこのアーティファクトにとってかなり影響力が大きい。 だからアーティファクト内であなたたちの初夢を見せてあげるの。そしてアーティファクトと発生したD・ホールを壊して欲しい。まだ爆発も僅かで、穴もブレイクゲートで確実に壊せる規模のはずだから」 お願い、と少女は最後に付け加える。 こんな可愛い少女に懇願されたとなれば、リベリスタとしては引くに引けない。 さて初夢はどんなのを見ただろう。 彼らは思い出すのに必死になった。 ●旧年最終発言 あけました、でも何もおめでたくありません。 拝啓お父様、お母様。あんたらの息子は今わけのわからない空間に閉じ込められてます、はい。 今年もよろしくお願いします。自分の口で言うつもりだったんだけど、伝わらないや。 今、あっちはどうなってるんだろう。三十日に取り込まれて、もう三日は経ってるはずだ。眠気も空腹もないし意識もしっかりしているのでそのはずだ。一回寝たけどさ。 とりあえず出たい、退屈だ。何もすることねぇもん、ここ。 変な世界にお地蔵様が一体立ってるだけ。殴っても蹴っても何も起きやしない。どうしろっていうんだよ。 つーかなんでお地蔵様? 意味分からん。何か変なところもないし。 ん、目が開いた? え、何か、何か、吸い取られてる気がする。これ、さっき見た夢? やっべ、何見たっけ。 見られたらヤバイ夢じゃないよね? お願い、お願いだから、そうだよね? |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:天夜 薄 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2012年01月07日(土)22:45 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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●おやすみなさい。 某日深夜。暗く、人気のない夜道。チラチラとした灯りに照らされた民家の前。周囲の様子に目を配りつつ、リベリスタたちはその扉をくぐる。人の気配はない。千里眼は家の中に人の姿を捉えず、また物質透過も、開錠をすんなり終えるに至った。あるのはただ一つ、呪われたアーティファクトの気配のみである。 それは部屋の真中に、ごく普通の枕のようにぽつんと存在していた。だがそこにいる全ての者が知っている。これはすでに人を一人飲み込んでいる悪魔なのだと。そして自分たちはその悪魔を倒すために、あえて飲み込まれるのだと。 「……これか?」 その異様さの欠片もない物体に、疑問の声が上がる。しかしその声もやがて消える。代わりに部屋の中から人の気配が一つ、また一つと、消えていった。アーティファクトの破壊。中に取り込まれた人物の救出。それを達成するために。 残った『白詰草の花冠』月杜・とら(BNE002285)は、枕に触れないように注意しながら、部屋を見張り、彼らの帰還の時を待つ。 「くはぁ~、味噌汁うめぇ…」 そんな声を部屋に響かせつつ。 アーティファクトが、初夢を吸収し始める。 ●夢は小説より奇なり 茄子をくわえた鷹が、彼女の周囲を飛び回る。富士山をバックに、金で埋め尽くされた大風呂に浸かるその姿は、壮観であった。緋塚・陽子(BNE003359)は高らかに笑う。 「全ての博打運はオレの元に集まった!!」 そう豪語するのも、決して驕りではない。買った馬券はことごとく大穴を当て、ルーレットはどんなに適当にやっても大当たり。カジノにいけば連戦連勝、賭けた金は何百倍にもなって彼女の元に帰ってきた。 何をしても、つきにつきまくって外れなし。有頂天は青天井。金は彼女を中心に回っていく。 大風呂に浸かったまま、彼女は世界の上空を飛んでいく。溢れた金が宙を舞い、しかしその量は一向に減らない。溢れた金は微量よりも少なく、そして瞬時に継ぎ足されていく。 「金なんてなあ、好きなときに好きなだけ稼げるんだよ!」 高笑いは金と共に周囲に広がっていく。お札のシャワーを浴び、彼女は笑いを止められない。 「無限に出てくる金だ! 泡のごとくどんどんばら撒け―!」 大風呂は世界を飛んでいく。東京タワー、エッフェル塔、ピラミッド、自由の女神、万里の長城、世界各地の名所に金と笑いをまき散らし、飛んでいく彼女の顔は、やり遂げた男のそれになっていた……。 世界が一人の男を映し出す。 真っ赤な炎が周囲を埋め尽くしていた。降り注ぐ紙がそれに拍車をかける。爆発音が辺りにとどろき、逃げ惑う人間がそれに飲み込まれて、姿を消した。後に残るのは残骸のみ。 それは男の両親だった、もの。惨たらしさに、悔しさに、男は顔を歪ませる。無残に散った彼らの影を想い、彼は歯を食いしばる。 男もまた、背中に致命傷を負っていた。それでも、守りたかった。守らなければ、という決意があった。両手に抱えた、この幼い妹だけは、絶対に。 「俺はどうなっても…いいからッ……!」 ――ドクン。 背中の傷がうずく。違和感が肩甲骨の辺りに現れる。微量の痛みと優しい温かさを伴って、そこに羽が生える。両翼が空を目指してぐんと伸び、やがて彼とその妹を包み込むように、広がった。 『みにくいながれぼし』翡翠 夜鷹(BNE003316)は、自分の背に生えたそれを見、確信する。 妹を守ることが出来る、翼だ。 動かし方も、持っている力も定かではないその翼を彼は懸命に広げ、妹に覆いかぶさる。彼女を傷つける全てから彼女を守れるように。この羽がどうなろうと、どんな痛みが自分に降りかかろうと、彼にはもはや関係ない。 守りたい、ただそれだけの想い。 それはやがて、守れたという喜びに変わる。 彼の目を刺す初日の出の光が、それを教えた。 妹が生きていることを。無くしていた暖かさを。 それが続いていくであろう、未来を。 ブツッ。そんな音がしたかと思うと、世界が暗転する。しかしすぐに視界は『アウィスラパクス』天城・櫻霞(BNE000469)を捉える。突然落ちたパソコンに、彼は驚いて周囲を見回し、あたふたとしている恋人を見つける。どうやら彼女が電源コードを引っこ抜いたらしい。必死に謝る彼女の姿に、彼は思わず溜息を吐く。 「いいよ、気にしなくても」 彼が許すと、彼女はシュンとして、再度謝意を告げる。彼は彼女を慰めつつ部屋を出ていくように仕向け、パソコンの様子をみる。データのバックアップは取ってあるものの、急に電源を落としたせいで、色んな部分がいかれているようだった。 仕方ない。彼は急いでパソコンを修理に出すと、棚に挟まっていた原稿用紙を取り出す。 「まさかの手書きとは、どこまで進められるのやら…」 ブツブツと呟きながらも、彼はペンを走らせる。 しかし慣れたデジタルとの勝手の違いに、櫻霞の筆は乗らない。書いた原稿と読んだ資料を積み上げながら、彼は執筆を進める。あーでもないこーでもないと試行錯誤しているうちに、いつしか原稿と資料の山に囲まれていった。 彼がふと周囲を見回した時、その山は今にも崩れそうな、しかし絶妙にバランスを保った状態で、彼を取り囲んでいた。彼は息を呑みつつ、今しがた書いた原稿をそっと、その山のてっぺんに乗せる。 バランスが、崩れる。 決壊した大量の紙と書物が一斉に彼のもとに倒れこむ。逃げ惑い、しかし逃げ場のない彼を、それらは容赦なく飲み込んでいった。バタバタと節操のない音は、やがて全ての均衡が保たれて静かになる。 大量の紙類と書物に埋め尽くされた部屋で、櫻霞は足一本だけを器用に山の中から出し、もがく。しかしやがて力を失くして、果てた。 ●とある組織の憂鬱 『特殊工作員『蒼輝翠月』石 瑛(BNE002528)、君にはとある施設に侵入してもらう』 瑛は特命を受け、その組織に忍び込む。アークに似てるけどきっと違う組織。彼女は施設の研究員にバレぬように、情報をかき集める。 そして彼女が知ったのは、組織の恐ろしい計画。 「これが実行されたら……世界の崩壊なんてもんじゃない、必ず阻止しないと!」 得た情報の中に、一人の男がいた。彼のこそが、この研究の鍵を握っている男のようだった。彼と話をしなければ。彼女は自慢の人脈を使って彼を探し、そして突き止めた。 彼は仲間に裏切られ、囚われの身になっていた。 研究の平和利用を目的とした穏健派のトップだった彼は、過激派によって捕らえられ、隔離施設に収容されていた。毒性の強い細菌の被験体になってしまった彼は、やがて死ぬ定めにあった。 彼女は彼に会うために、その隔離施設へ単独で侵入を試みる。しかし厳重な警備によって防衛されたその施設は、彼女が秘密裏にそこに入ることを許さなかった。 乱れ飛ぶ銃弾、罵声、なすびの嵐。なぜか起きる大爆発で吹き飛ぶ人、そして施設の壁。彼女は嵐をかい潜り、なだれ込む人の波をかわしながら、やっとの思いで彼の元へたどり着く。すでに満身創痍であった。よろよろとした歩みで、瑛は彼の収容されている牢へ近づく。透明の防護壁に隔てられながらも、彼女が敵ではないと確信した彼は、彼女に研究に関する情報の入ったメモリを手渡そうとする。これが、自分のできる償いであると。 しかし、それを受け取れば彼女もまた、細菌に感染する。受け取らなければ、研究の阻止などできない。後ろには追手も迫っている。 世界を守るか、自分を守るか。 彼女は究極の選択を、迫られた。 場面は二人の研究員を映し出す。 聖櫃戦略司令室。一人の男が、諦めたように首を振る。 「手遅れだ。合言葉を叫びながらこのボタンを押せば計画は実行される」 男は全研究員に指示を送る。『星守』神音・武雷(BNE002221)は握った拳を机に叩きつけ、怒りのままに声を上げる。 「…室長、アンタは間違っている! 枯井戸・システムを使い、日本中の将来ひんにうになってしまう女の子に牛乳を飲ませまくってたわわに実らせようなんて!」 武雷は室長の計画に異議を唱える。しかし室長は、武雷の言を鼻で笑う。 「最早そのような小さな計画ではない。既に富士山火口に大量のモチが用意されている。地中でちょいと爆発をおこせば、誘発された噴火とともに日本全国がモチに包まれ、否が応でもモチのような巨乳になってしまうのだ! モチモチチだ!」 「そうか…! 先日の聖櫃餅つき大会で手返し中のあの表情! あの時、杵でモチじゃなくて頭を叩いておくべきだった!」 武雷は自分の間抜けさに目も当てられなかった。愚かしい計画が進められている裏で、自分はそんなものに気づきもせず、モチをついていたというのか。犯してしまった過失は、あまりにも大きい。 「そういうことだ。モチとチチが結びつくこの天才的頭脳…。更に皆大好きモチモチ肌だ。全人類は私にひれ伏すことになる」 高らかに笑う室長。その様子を見て唇をかみ、武雷は傍らのなすびに手をかける。 「やるしかないか…」 瞬時に決意し、なすびを大上段に構える。 「そのなすびでは私を殺す事はできんよ? それに、君にはそんな度胸もないと思うがね。モチモチチー!」 「やめろぉ!」 合言葉を叫ぶ室長。武雷は駆け出し、室長を止めようと、なすびを振り下ろす。 吹き飛ばされる室長。しかしその手は一瞬早く、ボタンに触れていた。 かつての噴火から三百年。眠りから覚めた富士の山が咆哮をあげる。吹き飛ぶ溶岩と灰、そしてモチ。視界が臼く、白く染まり、白で満たされていく。 遠くの方に何かが見える。それを、武雷は目で追う。目を凝らしそして、姿を捉える。 鷹、であった。 それを見届けた彼は、やがて眠りの沼へと身を捧げていった。 ●夢は夢のままに バイクを走らせる一人の男。国道X号線を颯爽と駆け、悪のはびこるその場所を目指す。 『仮面サイガー、『正義の味方を目指す者』祭雅・疾風(BNE001656)は改造人間である。彼を改造した悪の秘密結社ジョーカーは世界制服を企んでいる。仮面サイガーはそれを阻止せんと愛と平和の為に戦うのだ!』 唐突に流れるナレーションの言葉尻に火をつけるようにドリフトし、砂埃を上げながらバイクは止まる。疾風は顔にシワを寄せながらバイクを降りる。 「奴らは以前に倒したはず! クソ!」 女性を襲おうとしている怪人に体当りする。怪人は奇声を上げながら倒れ、しかし瞬時に立ち上がる。疾風は彼女を守るように間に立ちふさがり、叫ぶ。 「ここは自分が何とかする、早く逃げて!」 女性が逃げる。疾風が壁になっていて、怪人は追うことが出来なかった。女性が逃げ切ったのを確認すると、彼は叫んだ。 「もう一度地獄に送り返してみせる! サイガー変身!」 彼を眩い光が包む。怪人は驚きながらそれを見ていた。疾風は戦闘服を身にまとい、ポーズを決める。真紅のマフラーが、風で優雅になびいていた。 「いくぞ!」 飛びかかる怪人。しかし疾風は臆することなく立ち向かい、彼らを倒していく。次々と地に伏していく怪人。やがて親玉が残る。 「貴様……よくも!」 怪人は負け惜しみを言う。意に介さず、疾風は叫ぶ。 「これで終わりだ! サイガーキィィィック!」 断末魔の叫びを残して、怪人は倒れる。そして巻き起こる爆発。その爆風を、疾風は清々しい気持ちで受けていた。 疾風の活躍により、またしても街の平和は守られたのであった。 その時、世界が揺れた。 ゴゴゴという地響きと共に場面が変わり、天空魔城ファイナルバロックが姿を現す。バロックナイトの決戦兵器。その圧倒的な力に、日本は窮地に立たされていた。 この状況に危険が危ない危機感を持った時宗家は、二高平の地下に眠る最終兵器『CHOCOLOP』を、満を持して起動させた。 ――Channel Hole Opener and Closer Otherbide Links Omega Punisher. それは極秘に保管されている強大なアザーバイトの肉体の一部を媒介とし、G・ホールを通じて力を召喚、神秘的な破壊の力として放出する抹殺兵器。 作動の代償は、リバリスタ百人分のファイト。 自らの命を懸け、散っていくリバリスタ。そのファイトを受取り、エネルギーを充填する『CHOCOLOP』。 秘密結社ジョーカーの妨害を受けながらも発射されたその光線は、天空魔城を撃墜する。 崩れ落ちる魔城の姿に、歓喜の声が上がる。戦いは、彼らの勝利に終わったのだ。 ――それは始まりに過ぎなかった。 地を引き裂いて現れる大地魔城。海を割り姿を現す大海魔城。三つの魔城はその力を融合させ、合体する。 アルティメットバロックキングダム3世。それがリバリスタが倒すべき最後の敵であった。 全世界のリバリスタが、現れた究極の魔城に乗り込んでいく。ボトムズチャンネルの平和を守るために。彼らの勇気が、世界を救うと信じて。 『シャドーアポクリファ』斜堂・影継(BNE000955)は魔城の形に覚えがあった。記憶のどこかに、あの形に似た何かがあるような気がしたのだ。何だ、何を見たというのか。 そして彼は思い出し、呟く。 「……ドリン?」 『鉄拳令嬢』大御堂 彩花(BNE000609)は息を切らしながら、走る。奴らに追いつかれぬように、懸命に。 振り向く。少しも変わらない距離に、彩花は冷や汗をかく。 「そんな……奴らからは逃げられないというんですの……?」 恐怖に引きづられそうになりながら、逃げる。捕まりたくないのだ、あんな意味不明な奴らに。 「なんで……なんで、ドリンなんですか!」 再び振り向く。依然として、大量のドリンが彩花に向けて猛然と追走していた。 世界の果てから湧き出るドリンの大群が、街になだれ込んでいた。街は瞬く間にドリンによって埋め尽くされ、人々は逃げ惑っていた。 ドリンたちは片目にスコープをはめ、そこからビームや砲弾を発射し、街を破壊する。積み上がったかと思えば巨大化し、その球体状の体に色んな部位を増やして、進化とは思えぬ変異をしていった。目玉や手足が大量にあるドリンを見かけると、彼女は鳥肌を立てながら逃げていった。 ただでさえ多いのに、攻撃はほとんど効かず、それでいて口から小さいドリンを吐き出して、更に増殖していった。人々はドリンに飲み込まれ、彼らもまたドリンの一部になって彩花に襲いかかってきた。かつての友人も、今となっては頼るすべもない。今考えなければならないのは、早く大量のドリンに征服されたこの街から逃げ出すこと。 彼女はひたすら駆ける。上からドリンが降ってきても、横からドリンが湧いても、それをかわしながら、走る。曲がり角を抜け、ドリンのいない道を探し、抜ける。ドリンに捕まりたくない。早く、早く。 言葉を失う。彼女の前に立ちはだかる、行き止まり。袋小路。頭が真っ白になる。振り向く。押し寄せる大量のドリン。逃げなきゃ、どこへ。四方は壁。飛行能力など持たず、乗り越えられる段差もない。壁を壊している時間はない。どこへ、どこかへ、逃げなきゃ、いけないのに。 手が、足が、肩が、体が、ドリンに浸かる。絶句。身動きがとれない。飲み込まれた体。もがけども逃れられず、ただ見つめる。首が。耳が。口が。鼻が。頭が。目が飲み込まれて、世界がドリンの色に包まれる。 彩花は世界を呪い、そして意識を失った。 離宮院 三郎太(BNE003381)は先輩リベリスタたちのそんな姿を夢に見つつ思うのだ。 先輩方に負けないように頑張っていきたい。リベリスタとしてもまだまだこれからの自分だけれど、どんな世界にも立ち向かえるように。 そう思えば、どんな夢も温かく、楽しい夢だったに違いない。 ●おはようございます。 小規模爆発。初夢から得られた莫大なエネルギーが、アーティファクトを破壊する。あまりに小さく、部屋の壁を傷つけるにも至らなかった。 部屋は帰ってきた彼らは、それぞれの反応を見せる。頭を抱える者。清々しく笑みを見せるもの。まるで無頓着な者。 出迎えるように開いたD・ホールが、彼らの初夢を吹き飛ばす。 「…嫌な夢だった、と言うか初夢からこれだと…?」 力のままにD・ホールを破壊する櫻霞と彩花。その横で、疾風が瑛の膝に寝かせられた男に声をかける。 「これで問題無いはずだからゆっくり寝て欲しいね」 男は力なく頷き、そしてすぐに眠りについた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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