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天下一スウィーツ

●スイーツじゃなくってスウィーツだよ
 夜。暗い路地。
 塾帰りの男子高校生二人が、外灯の明かりの下にいた。
「やっぱよ、部活の後はプロテインが一番だよな!」
「だよな~」
 腰かけているのは古びたベンチ。足元にはユニフォームで膨らんだエナメルバッグを置いて、爽やかな表情で錠剤プロテインを頬張る。
 明日も朝錬かとか、来週合同練習だっけとか、平和で平凡で青春な時間を満喫している二人。

 そんな彼らに、ズシリ、ズシリと近付いて行く巨影が一つ。

「違うでしょ……」

「……え?」
 突如、脳内に響いた声に男子高校生達は目を丸くした。
「違うでしょォオオ……」
 果たして、暗闇から彼らの前に姿を現したのは。

「部活の後はスウィーツでしょぉおおおおおおおおおお!!!」

 チョコレートだ――
 須らくチョコレートでできた人間だ――
 身長は3mぐらいあるだろうか――
 左右に同じく人型でサイズも人並みなマシュマロを従えた――
 トンデモない凄まじいチョコレートだ――

「うぎゃぁああああああああああああああ!!!」

 夜の路地に、少年達の悲鳴が響き渡った……。

●とってもスウィーティ
「………。」
 『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)は何とも名状し難き微笑みで事務椅子をくるんと回し、リベリスタ達へと向き直った。
 その背後モニターには何処にでもありそうな夜の路地――思いっ切り広々戦う事は難しそうだが狭い分類ではない。定間隔に設置された外灯のお陰で視界に苦労はなさそうだ。
「……そういう訳で」
 そのまま一つ告げると、彼は早速説明を始める。
「今回の依頼はこのE・ゴーレムの討伐ですぞ。そして私はメルクリィです。
 皆々様に討伐して頂きたいのはE・ゴーレムフェーズ2『甘い魔人』……御覧の通りチョコレートのエリューションですな。
 見た目こそアレですが決して侮ってはいけませんぞ? その一撃は強力で状態異常付与系も予知致しました。お気を付けを!
 更に配下エリューションE・ゴーレムフェーズ1『甘い怪人』が二体おりまして。
 直接ダメージになる様な攻撃方法は持ち合わせておりませんが、皆々様を色々と妨害してきますぞー。」
 油断なく。重ねられる忠告に勿論とリベリスタ達が頷けば、フォーチュナは更に説明を続けた。
「サテ、E・ゴーレム以外にもう一つ問題がありまして」
 彼らなんですが、と機械の指がモニターの男子高生を示す。
「E・ゴーレム達が来る前に先ず彼等を何とかせねばなりません。
 お二人さんはただ仲良く楽しくプロテインを摂取してるだけですから、戦場から退避させるのに苦労はしないと思いますぞ。
 あ、そうそう――因みに、皆々様はエリューションなので食べちゃっても大丈夫ですぞ、E・ゴーレム達を。フェイトのタマモノですな!
 ただカロリーと血糖値と虫歯にはお気を付け下さいね。あとチョコを食べ過ぎると鼻血が出るとか出ないとか。アレですな、『過ぎたるは猶及ばざるが如し』ですな。
 ――ン? 味ですか? 美味しいですぞ。多分」
 えらく投げ遣りだな。肩を竦めると「だって味まで予知できなかったんですモン」とか言われた。畜生お前がそんな言い方しても萌えねぇ。
「サテ次に場所についてですが」
 リベリスタの気分にお構いなく、顔面兇器の機械男は続ける。
「大体御覧の通りでして……特に言うべき事は御座いませんな。
 横に広々並ぶぜ! ってのが出来ないぐらいでしょうか。
 ――説明は以上ですな。それでは皆々様」
 締め括り、メルクリィはリベリスタ達に目を向ける。ニヤッと笑んだ。
「宜しく頼みますぞ。お気を付けて!」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:ガンマ  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年01月08日(日)22:49
●目標
E・ゴーレムフェーズ2『甘い魔人』の討伐
E・ゴーレムフェーズ1『甘い怪人』×2の討伐

●登場
E・ゴーレムフェーズ2『甘い魔人』
 全身チョコでできた巨人の様なE・ゴーレム。全長約3m
 食べれます。美味しいです。多分
 Q:何で喋れるの? A:何ででもです。
>主な戦法
 巨腕で殴る、蹴る。ノックB
 倒れ込んでプレス。ショック
 クソ甘~い香り。魅了
 チョコを食べ過ぎると鼻血が出るよね。失血
  など

E・ゴーレムフェーズ1『甘い怪人』×2
 マシュマロでできた人間大のE・ゴーレム。
 食べれます。美味しいです。多分
 Q:喋れるの? A:喋れます。
>主な戦法
 口の中に手を突っ込んでくる。麻痺、ノーダメージ
  など

一般人『マッチョな男子高校生』×2
 プロテインを食べている塾帰りMDK(マッチョな男子高校生)達。

●場所
 夜の路地。幅は軽トラックが難なく通れるぐらい。外灯に照らされてそれなりに明るい
 ベンチがポツリと一つある。
 一般人『マッチョな男子高校生』以外の一般人は来ない

●その他
 開始時には既にMDKらはベンチでプロテインタイムです
 開始して少し経てばエリューションが現れます

●STより
 こんにちはガンマです
 原点回帰してみました
 宜しくお願い致します。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
ナイトクリーク
アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)
プロアデプト
如月・達哉(BNE001662)
ソードミラージュ
番町・J・ゑる夢(BNE001923)
マグメイガス
羽柴・美鳥(BNE003191)
スターサジタリー
黒須 櫂(BNE003252)
デュランダル
ノエル・ファイニング(BNE003301)
覇界闘士
ベリル・ネス・アジュールド(BNE003308)
スターサジタリー
織村・絢音(BNE003377)

●スウィーツな夜
 夜、向こうの方で踏切の音が聞こえる。カンカンカンカン……それから電車が猛然と通る音だ。多分、急行だろうか。文明のお陰で夜でもそれなりに明るい。
 そんな路地のとある一つから談笑が聞こえる。明日になれば忘れていそうな他愛も無い会話だ。

「――んっ。これ、ちょっと胸がきついですねえ……」
 ジジジ。ノーブラオンジャージ。豊満な胸に今にもはち切れそうなジッパーを再度上げ直し『バレンタイン守護者★聖ゑる夢』番町・J・ゑる夢(BNE001923)は胸を圧迫する息苦しさに息を吐いた。装備は幻想纏いに仕舞い、その長い金髪はスポティッシュなポニーテールに纏めている。
 良し。準備が出来れば『テクノパティシエ』如月・達哉(BNE001662)を視線を合わせる。パティシエとしての使命感を瞳に、達哉は静かな闘志を燃やしつつしっかと頷いた。
「凄い肉体美だね……プロティンでさらに肉体強化を図るなんて、惚れちゃいそう! だよ……」
 切り込み隊長は『愛を求める少女』アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)。内心『マッチョはちょっと』と思いつつ、マッチョな男子高校生らの前にひょっこり現れる。
「ふむ、確かにプロテインを摂取するのは良いかもしれん。
 だが、その前にきちんとした栄養バランスが取れた食事を摂ることが健康な肉体と精神を形作るのだ!!」
 その横に達哉が颯爽と現れ、顔を上げ目を点にするMDKらの前に間髪入れずズビシと調理師免許を突き付けた。
「失礼、私は栄養学的見地から選手育成を行っている如月というものだ。
 私が提示したメニューを食べることで諸君らのスペックは3倍になるだろう!!」
 力説。傍に佇む『十字架の弾丸』黒須 櫂(BNE003252)もマネージャー風として首から下げたストップウォッチを片手にウンウン頷く。
「え、ちょ……!?」
 いきなりのいきなりにMDKらは狼狽え気味だ。急に妖しげな集団に熱く迫られたらそりゃそーだろう。何か変なスポーツクラブ的な勧誘とでも思っているようだ。取り敢えず『このままここにいては何かマズイ』とは思ったらしい、不審度MAXにリベリスタ達を見渡しつつも早々に去る支度をしている。「なんかスイマセン失礼しまッス」とベンチから腰を上げた――その、目の前。

 ぷるん。

「君たちっ、今日の運動強度はちゃんと足りてる!? プロテインは摂取したら運動で筋肉に変えないとねっ」
 仁王立ち決めポーズのゑる夢、おっぱいめいっぱーい。
「へ、いや」
 色んな意味で慌てているMDKへ、おっぱいさんはぐっと顔を寄せ前屈み。たにまっぱい。
「若人はもっと走らないと駄目だぞっ。さ、夜のランニング!」
 一緒に走ろっ★彼等の手を取り強制ダッシュ。
「お兄さん達のカッコいい所、見たいなぁ……!」
「さあ、あの夕日に向かってダッシュだ!」
「月に向かってダッシュ……!」
 アンジェリカのウルウル上目遣い、青春扇動の達哉、もうノリで叫ぶ櫂。
「えっちょっ夕日なんスか月なんスかぁああ~~!?」
「お姉さんに任せなさーーい★」
「ちょっとぉぉぉぉ~……」
 ゑる夢の高笑いと共にフェードアウト。

「暑っ苦しいノリね……」
 物陰から温かく見守っていた羽柴・美鳥(BNE003191)はヤレヤレと息を吐いた。熱血ノリはどうも苦手なのだ。
「もう大丈夫ですよ」
 気を取り直して声をかければ同じく見守り班だった『リトルダストエンジェル』織村・絢音(BNE003377)が顔を出し、 再度誰も居ない事を確認してから幻想纏いからライフルを取り出した。
「またメルヘンなエリューションもいたもんだな」
 手早く簡易な点検を行いつつ絢音は呟く。それに同意見と頷いたのは『幼き闘士』ベリル・ネス・アジュールド(BNE003308)、あどけない無表情に微かな期待を滲ませガントレットで武装する。
「マシュマロとか……チョコとか……そんな美味しそうなエリューションもいるんだね……」
 倒した後がすごく楽しみ。でも虫歯にならないようにしなくっちゃ。
 さてそろそろ異形がやって来る頃だろうか。
 アンジェリカと櫂はそれぞれ気配を絶つやベンチの影に身を潜め、『銀騎士』ノエル・ファイニング(BNE003301)は仲間の先頭に立ち白銀の騎士槍Convictioをその手に構えた。
 口元には薄く笑みを、装飾を排した壮麗なる『信念』を闇へと向ける。
「甘味であれ思想であれ、押し付けは宜しくありませんね。その人にはその人の趣味嗜好等等があるのですから」
 ちなみにわたくしは甘味は好きですよ――言いながら見上げる彼方には三つの影、甘い香り、殺気を放ちまた一歩と詰め寄って来る異形達。

 戦気を纏い、魔力を活性化させ、銃を構え、集中し、――突撃!

●スウィーツクリーク
「あれは……!」
 E・ゴーレムを見るなり達哉のサングラスがキラリと輝いた。
「2月の聖戦に向けた神の啓示(あるいは試練)と僕は見た!!」

 パティシエとしての使命――甘い魔人を倒し、美味しく調理する。

 そう、ここからが本番!
 達哉が超絶技巧でショルダーキーボードを奏でれば旋律は何本もの気糸へ姿を変え、執拗精密に異形達へ襲い掛かる!
「怪人達よ!」
 甘い魔人が命ずれば前に飛び出す怪人達がその身を呈して魔人を護った。そのままリベリスタ達へ襲い掛かる――が、好都合。魔人が一体、空いた。

 嗚呼、食べられるチョコ魔人。巨大なチョコの塊。なんて魅惑的な響きなんだろう。

 自分の所属している『お菓子研究部』にて絶賛開催中のチョコフォンデュを抜けてくるだけの味なら言う事なしなのだが。
(チョコ好きとしては気合が入るね)
 等と思いつつ――気配は零、チョコの背後、死角。指先より出だす気糸は夜に煌めき異形を強烈に縛り上げた。
「なッ!? いつの間に――」
 魅惑のチョコレートボディに喰い込む気糸に声をくぐもらせながら魔人が振り返った其処には、

「チョコレートにマシュマロ……甘いものは好きなので嬉しいわ」

 アンジェリカの後方、彼女と同じく気配遮断で異形達の背後を取った櫂の薄笑み。
 刹那に地を蹴り壁を蹴り――目にも止まらぬ超速多角、神鷹から弾丸を撃ち雨燕にて切り刻む。チョコの香り。良い香り。甘~い香り……食べてもいいみたいだし、2月に向けて研究もいいなぁ、なんて……大好きな人の顔がぽわんと浮かぶ。口元が緩む。
「!! い、いえ、別に」
 顔を振り飛び退き赤面した顔をそっぽ向け。
「どうしたの……?」
「ななな何でもないからっ……!」
 混乱して振り回されるチョコに腕を飛び退き躱したアンジェリカの問いに首をぶんぶん。そう、と答えたアンジェリカは地を蹴るや壁を足場に走り魔人との間合いを詰める。破滅のオーラで頭部を叩く。
 自分達の役目は甘い怪人が倒れるまでこのチョコ魔人を足止めする事。咆哮と共に襲い掛かる拳に吹っ飛ばされる――が、直撃はしていない。追撃しようと再度振り上げられたチョコの腕は櫂のソードエアリアルが妨害した。
 今の内。櫂が飛び退いた瞬間、アンジェリカが投げ付けるのは不吉の道化。

 それにしても甘い香りに理性が吹っ飛びそうだ。
 気力で冷静さを保っているが、時間の問題かもしれない。

「スイーツじゃなくてスウィーツですか……。ま、まぁ、あたしも嫌いじゃないけど……うん」
 色んな意味で後が怖いわね。苦笑を浮かべながらも美鳥は魔力を練り上げ大きな魔法陣を作り出した。それは荒れ狂う一条の雷、マシュマロ達を焼いていく。
 アンジェリカ、櫂のお陰でチョコ異形がこっちに来る事は無い。しかしあの甘い香りに今にも惑わされてしまいそうだ――ベリルは集中し精度を上げた真空刃を後方から放ち、絢音も同じく気を研ぎ澄ませてから流星の様な弾丸で同時に怪人を穿つ。
(油断は禁物……)
 再度照準を合わせ、深呼吸で集中しつつ。いきなり巨大マシュマロが飛んできたりするかもしれないし。
 スコープの向こうでは達哉の気糸に貫かれたマシュマロが倒れた――更にもう一体へ、ノエルが肉薄する。そんな彼女の口めがけ、怪人がそのマシュマロふわふわハンドを突っ込んだ!
「むふっ……!?」
 思わず止まるノエルの動き。しかし次の瞬間、迸ったのは怪人の絶叫だった。
「……口の中へ手を突っ込んでくるなど不躾も良いところですね」
 ペ、と鋭い目つきのノエルが吐き出すのは噛み切った怪人のマシュマロハンド。確かにおいしかったのだがそれとこれは別問題なのだ。
「甘味は落ち着いて、楽しい気分で味わうものです。まして闘争の最中になど――」
 言葉と共にゆらりと向けるConvictio、ベリルの斬風脚や絢音の弾丸に踏鞴を踏む怪人へ。激しい電撃を纏いながら。スパークする蒼白い光に銀髪を揺らめかせながら。

「――あり得ません!」

 放つ一閃、荒ぶる雷神が如き豪撃、哀れマシュマロは焼きマシュマロを通り越して炭マシュマロに。
「あとはチョコ残すのみね。最後のお楽しみ……一気に片付けましょう!」
 凛然と、美鳥の唱える癒しの祝詞が旋律となりリベリスタ達を柔らかく包み込んだ。癒える傷。消える痛み。
 甘い香りに魅了され正気を失っていたアンジェリカと櫂も仲間の声にハッと我に返った。振り返ったそこには甘い魔人との間合いを鮮やかに詰めたテクノパティシエの拳が美事な軌跡を描いてそのチョコ拳を打ち砕いた。飛び散るチョコ――それらを一つも逃さず確保。パティシエの名はダテじゃない。
 だが黙ってやられる魔人ではない。その巨体を活かし、達哉・ノエルへ倒れ込む!
「っッ!!」
 潰されまいと慌てて支える。しかし、重い、潰される……

 そこへ!

「一年前のあの日から、私の運命は廻り出しました。あなたと戦えたというのも運命なのでしょうね。
 来るべき善き狩猟祭(ばれんたいん)に向け、その首貰い受けます!」

 灯りを背に艶然と、颯爽と、浮かび上がるのは赤い瞳と『J』の刻印。
 突き付けるチョコレィトのような斧、万感の思い背に、敬意と双眸に、決意を胸に、いざ尋常に。

「バレンタイン守護者★聖ゑる夢見参!」

 MDKを安全地帯まで誘導したゑる夢が帰って来たのだ。
 そう、無理とは分かっちゃいるが歪曲運命黙示録すら発動せんとする意気込みで。
 刹那揺らめく残像、幾人ものバレンタイン守護者が仲間を圧し潰そうとしていた甘い魔人を殴り飛ばした!
 そこへすかさずベリルと美鳥が真空刃と魔導砲で援護射撃し、達哉とノエルは間合いを取る。ふざけた敵ですが能力は油断ならない、銀騎士は信念の槍を構え直した。
 魔人にできた隙――櫂はそれを逃さず多角的に弾丸を撃ち込んでいく。吸血したら鼻血が出たりするのだろうか?
「それにしても色んな意味で酷いにおいだ」
 羽で仰げば少しは隠さん出来るか。絢音は照準を合わせつつ羽をパタパタさせるが――効果なしか、致し方ないので引き金を引く。着弾は達哉の気糸、ノエルの雷槍と同時であった。
 怒涛の攻撃によろめき呻く甘い魔人――その懐にアンジェリカは飛び込み、

「君はボクが美味しく食べてあげるよ……!」

 オーラで作り上げた死の爆弾を、撃ち込んだ。

●スウィーツタイム
 かくして倒れた甘い魔人。

「バレンタインの守護聖人は、こんな所では倒れません!」

 最後にビシッとゑる夢は決めポーズ、そしてそわそわうきうきと手に取ったのは魔人の手――何故かサムズアップしているチョコの塊。
「いい土産が出来ました。ハッピーバレンタイン……」
 ほくほく。

「マシュマロは焼くと美味しいのよね」
 勿論そのままも好きだが。櫂を始め、ベリル・絢音の手には魔人と怪人の欠片。
「エリューションスウィーツの味はどんなものかね」
「いただきまーす……」
「え? みんな齧るの? まぁ……あたしも嫌いじゃないから、みんなが齧ってるならちょっとだけ……ホントにちょっとだけ味見を…」
 妙にうきうきしている美鳥も加わり、一口。
「「……美味しい!」」
 もう一口、もう一口。戦闘中に我慢していただけに勢い任せ。

 アンジェリカも無表情ながら頬を紅潮させ魔人の欠片を手に、ドキドキしながらそぉっと一口――
「……!」
 ぱぁっと華やぐオーラ、輝く瞳、微かな、でも幸せそうな笑み。もう一口もう一口。

「コレ食って鼻血出して出血のバッドステータスからの重傷突入とかなったらそれはそれで嫌だなあ……」
 なんて。さて、帰ってパティシエ特製のチョコトリュフやチョコフォンデュを作るとしよう。これはバレンタイン商戦への布石になる。達哉はそんな事を思いつつふと仲間達へ目をやって……

 絶句。

「ちょ!? おぉおい!! 鼻血出てるぞーーー!!」
 だくだくどろどろ。幸せな顔と垂れる鼻血。
「大丈夫、ティッシュは持ってきてるわ……箱で」
「そういう問題じゃないぞ!!」
 スッと箱ティッシュを取り出した櫂に猛然と突っ込み、達哉は慌てて天使の歌を。まさか戦闘後に使うとは思わなかった。

 ノエルはその様子にクスリと笑み、颯爽と踵を返す。
「さて、ちゃんとした甘味を摂取しにいきましょうか。祖国と違い、日本は実に様々なものがありますからね」

 適度な糖分補給は肉体、頭脳双方にとって有益でございます。



『了』

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
メルクリィ:
「お疲れ様です皆々様、ご無事で何よりですぞ。ゆっくり休んで体の疲れを取って下さいね。」

 だそうです。お疲れ様でした。
 如何だったでしょうか。

 執筆中、凄くチョコが食べたくなりました。

 これからの依頼も頑張って下さいね。
 お疲れ様でした、ご参加ありがとうございました!


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レアドロップ:「グッドラック★チョコレィト」
カテゴリ:アクセサリー
取得者:番町・J・ゑる夢(BNE001923)