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あとりえ

●†悪魔†の☆ウェブサイトBBS

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 せんこーマジムカツク あこ: 2011/3/30(水) 23:44 No.814

 たま中の広瀬うざいしね

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 Re: せんこーマジムカツク 悪魔☆あとりえ : 2011/3/30(水) 23:52 No.816

 いいよ、悪魔が殺してあげる

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●任務
 携帯に映るのは、乙女達による秘密の掲示板。
「中学校教諭、広瀬健次郎は、3月31日の深夜未明に死んだ。遺体は発見されていないし、当然ニュースにもなってない」
 アーク所属のフォーチュナ『駆ける黒猫』将門伸暁(ID:nBNE000006)は淡々と告げる。
「俺がそこから"見た"ところ。どうやらこの事件で二件目らしい。
 最初の被害者は斉藤恭子。塾講師。捜索届けは出ているが、遺体は見つかっていない。美人だったのにな」
 将門がデスクチェアーのひじかけを、こつこつと叩く。
「悪魔を名乗る跡部梨恵香――『あとりえ』はフェーズ2のエリューションだ。残念ながらフェイトはない」
「そういう仕事なわけか」
 答えるリベリスタに将門はため息一つ。
「わかってんじゃん。俺も気はすすまねえけど。気づいちまったもんはしょうがないよな」
「だけど、どうして」
「大方のガキが考えるようなこと、そのままだろう」
 将門が指折り数える。
 くだらない校則。
 身に入らない受験勉強。
 厳しい親の躾。
 面倒なお塾。
 大嫌いなアノ子。
 ちっとも振り向いてくれない素敵な先輩――。
「俺のブログに書き込んでくれるようなお子様方だって、大体その手合いだよ」
 将門が鼻を鳴らす。
「それがひょんな事から素敵な悪魔の力を手に入れちまったって、そんな所かね」
 たしかに、そんなものかもしれない。
「"俺が見た遺体"には、鋭利な刃物で斬りつけられたような激しい裂傷がある。辺りには焦げ跡、床にはおびただしい血の跡――そういう能力なんだろう」
 そう言うと、将門はデスクに数枚の紙切れを放った。
「跡部梨恵香。静岡県……近いな。中学校の2年6組」
 資料には少女の詳細なプロファイルが並んでいる。
「学校での成績は上の中。授業態度は真面目。父子家庭。母は死別。父は大手メーカー勤務の課長か」
 写真の中で、長い黒髪の少女は、どこかぎこちなく笑っていた。
「けっこう可愛い娘だろ?」
 指差す将門の口調は軽い。
「さて、どうしたものか」
「いっそ掲示板で誘い出したらどうだ?」
 そう言って将門は携帯のボタンを押すようなしぐさでおどけると、やおら立ち上がる。
「で、そろそろ携帯返してくんない? ウェブホー入ってなくてさ」
 資料に目を落とすリベリスタに、そっと手が伸びる。
「メルアドおしえてくんない? サイトのアドレスを送っとくからさ」
 将門が気取って笑う。
「そうだな、とりあえず女の子から」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:pipi  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年04月17日(日)23:58
 はじめまして。pipiと申します。
 どうぞよろしくお願い致します。
 以下は補足です。

●情報まとめ
 敵あとりえはノーフェイスで、フェーズは2です。
 配下エリューションの類は存在しません。
 あとりえの能力は、斬り付けと、広範囲の稲妻であると思われます。

 跡部梨恵香は毎日17時には学校から帰宅し、一人で夕食を済ませて塾へ向かいます。
 梨恵香の父は毎日23時頃に帰宅します。
 梨恵香は同じ頃に、塾から帰ってきます。
 毎週木曜は父の仕事が遅く、深夜2時ぐらいになります。
 二件の事件は、どちらも木曜深夜に起きました。


参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
スターサジタリー
フランツィスカ・フォン・シャーラッハ(BNE000025)
スターサジタリー
早瀬 直樹(BNE000116)
ナイトクリーク
塵馳 雷嘩(BNE000489)
プロアデプト
遠野 うさ子(BNE000863)
スターサジタリー
百舌鳥 九十九(BNE001407)
クロスイージス
雪城 紗夜(BNE001622)
ナイトクリーク
リゼット・ヴェルレーヌ(BNE001787)
スターサジタリー
結城・ハマリエル・虎美(BNE002216)

●黒い髪
 少しだけ風がある夜だった。
 進学塾の前で、跡部梨恵香は友人に別れを告げて携帯を覗き込んだ。
 小さなディスプレイに映るのは、深夜二時過ぎの帰宅を告げる、絵文字一つない簡素なメール。
 発信者は彼女の几帳面な父親だ。
 小さな嘆息と共に思い浮かぶのは、その疲れた顔だった。
 偏差値の高い大学を出て、若くして課長となって、深夜遅くまで無給の残業を繰り返す。
 その姿は彼女にとって痛ましく……いや、滑稽とすら感じられた。
(……だけど、パパはまだマシ)
 彼女は父が敷いたレールの行く先を思う。
 このまま進学を続けたとして、父程度の評価さえ受けられるだろうか。
 漠然とした不安が、彼女の心を渦巻いていた。

 梨恵香が振り返る。
 緑色に光る進学塾の看板の横、明るい窓ガラスの向こうに、まだ居るであろう片岡先輩の顔を思い浮かべた。
 昨日の放課後、彼は唯子と手をつないで――
 窓の横には切り抜いた方眼紙が張られ、赤と緑のマジックペンで書かれた文字が踊っている。
『目指せ偏差値+10』
 今日も今日とて、くだらない受験対策の必死の暗記を強いられて、こんな行為に何の意味があるのか――
(もう、嫌!)
 梨恵香は、ブラウスに重ねたベージュのベストを整え、携帯電話のタッチパネルに指を走らせる。
『たま中の広瀬、悪魔にやられたってマジ?
 あいつウザかったしすっきりしたー』
 携帯電話が照らすのは、少女の小さな笑み。
『ついでに、最近公園に出るゴスパンマスクの女もやってくれないかな。
 私がいるのに彼氏が惚れたみたいでさ、むかつく』
 授業の最中に、休み時間に、移動中に、何度この書き込みを眺めたことだろう。
 ヘアアイロンで丁寧に整えられた黒い髪が、春の夜風にさらさらとなびいた。

●銀の月
 静かな夜の公園で『偽悪守護者』雪城 紗夜(ID:BNE001622)は熱心に――否、そう見えるように手元を動かしていた。
 その手の中から、小さな音と光だけが漏れている。
 彼女のグロテスクな白い仮面を照らすのは、上弦を過ぎて満月へと向かう白銀の月と外灯。
 そして携帯ゲームの小さな灯りだった。
 ふと、彼女の指先に細く伸びた影が落ちる。
「その格好、何のつもり?」
 影の主――梨恵香がくすくすと問いかける。
「りずって子、知ってるでしょ?」
「知ってるよ」
 紗夜は顔を上げ、静かにゲーム機をしまいこんだ。
「私は思いの代行者……悪魔なの」
 その手にはどこにでも売っている小さなカッターナイフが握られている。
「それも知ってる」
 少女が悪魔を名乗ること、その思いへのかすかな共鳴と違和感が紗夜の心をちりちりと焼いていた。
 返すべき返答を探る紗夜の思案をさえぎるように、梨恵香が口を開く。
「誰か居るのね。誰にチクられたの?」
 エリューションとなった影響か、梨恵香の明敏な直感が第三者の存在を告げている。
 しかし辺りを見回す彼女の視線が、物陰に潜むリベリスタ達に向けられることはなかった。

 錆びかけた滑り台の影で、早瀬 直樹(ID:BNE000116)は安堵していた。
 戦場の選定には、不本意ながらも白昼学校をサボるはめになったのだ。
 補習を賭けたのだ。そうそう見破ってもらっては困るというもの。
 直樹は仲間達が居るであろう、桜の陰に、塀の裏に、トイレの後ろのダンボールに、ちらりと視線を送る。
 夜の広い公園の中で、紗夜と梨恵香以外の気配を感じ取ることは不可能だった。
 梨恵香が静かにつぶやく。
「でもね、何人居ても同じこと」

 キチキチキチ――

 梨恵香が握るカッターの刃が鳴った。
「それでやる気?」
「こうするの」
 梨恵香は凄絶な笑みが浮かべて、カッターを自身の手首に当てて振りぬいた。
 そのまま手からこぼれ落ちたカッターには、一滴の血もついていない。
『あとりえ』が迸る一条の鮮血を握り締める――それは長い一本の剣だった。

●赤い剣
 リベリスタ達の視界からあとりえの姿がぶれ、掻き消える。
 直後に襲う異質な感覚は彼女が展開した強固な結界。
 だが彼等は、結界に包まれると同時に幻想纏いのダウンロードを終えていた。
 身構える紗夜の眼前に出現したあとりえが、細い両腕で真紅の大剣を振りかぶる。
 迫る刹那の剣閃が、小さな盾を強かに打ちつけた。
 つま先が芝生にめり込むほどの重く強烈な斬撃。
 一撃目こそ防ぎきったものの、返す刃が再び眼前に迫る。
 速い。赤い剣が肩を掠めて鮮血が飛び散った。
 しかし初撃の奇襲は予測済み、まだ大した傷ではない。
 後戻りは出来ない。する気もない。
 紗夜は顔をあげた。
「今から私は、君の存在を叩いて砕いて押しつぶす――」
 赤い血に彩られた静かな宣言が、静かな公園に浪々と響き渡る。
「――世界を護る悪魔になるよ」
 その決意が戦いの火蓋を斬り裂いた。

「悪魔ですか……気持ちは分かるですがね」
『イノセントローズ』リゼット・ヴェルレーヌ(ID:BNE001787)が駆ける。
 美しいペイルブロンドが、春風のように軽やかなステップと共にふわりと舞い上がった。
 金色に変質したあとりえの瞳と、リゼットの紫の瞳が交差する。
 あとりえは放たれた気糸を避けようと体を捻る。だが僅かに間に合わない。
「何なの!?」
 白い脚に血が滲む。
「そうそう縛られては、くれませんですか」
 あとりえにかすかな焦りの表情が浮かんだ。
「オレも行くぜッ」
 負けじと、『爆発症候群』塵馳 雷嘩(ID:BNE000489)が皐花壇の影を飛び出す。
「ネチネチネチネチ、背中が痒くなってくんぜッ」
 可愛らしい腕から放たれた気糸があとりえに迫り、その腕を縛り上げた。
「悪魔あとりえ、ね」
 戦闘開始を合図にして、『カチカチ山の誘毒少女』遠野 うさ子(ID:BNE000863)の頭脳は急速に回転を早めていた。
「速い。鋭い。だけどちょっと稚拙なのだよ」
 大きな赤い瞳が、気糸にもがく少女を緻密に解析する。
「あとりえで居る内に、終わらせてあげる」
 あとりえは強力極まるエリューションではある。
 しかしうさ子は彼女の僅かな動作から、実戦経験が少ないことを見抜いていた。
「やれやれ、結界とは。親切なお嬢さんで手間がはぶけましたのう」
 ダンボールの天井が開き『怪人Q』百舌鳥 九十九(ID:BNE001407)が姿を現した。
 香辛料を選別するかの如き軽妙な指先が、銃に素早くスラッグ弾を装填する。
「どうしてツ!」
 あとりえが叫ぶ。リベリスタとの交戦など想定していなかったのだろう。
 そもそも、己以外にエリューションが存在することなど、知っていたのだろうか。
 次々に現れるリベリスタ達を避けるように、縺れた足であとりえが走る。
 しかし、その視線の先に現れたのは、月光を浴びて鈍色に輝く銃身だった。
「良い夜ですわね……クス」
『血色の吸血婦人』フランツィスカ・フォン・シャーラッハ(ID:BNE000025)が微笑む。
 艶やかな香りを共にした予期せぬ伏兵の出現に、あとりえの口元が驚愕に歪んだ。
 フランツィスカが放つ火線が、夜露に濡れた芝を縫い付ける。
 あとりえは身を捻り、火線を避けようともがく。
「フフ……」
 しかし冷酷なライフル弾は、その肩に、胸に、五月雨のように突き刺さる。
 ベージュのベストが点々と赤黒く花開いた。
「せいぜい愉しませてちょうだいね。リエカ?」
 結城・ハマリエル・虎美(ID:BNE002216)が引き金に指をかける。
「浮かれる気持ちは分からないでもないけどねー」
 感覚を研ぎ澄ました虎美が、交差した二挺の拳銃で狙いを定めた。
「でも、悪い事はめっ、だよ」
 狩人の瞳が向かう先は細い脚だ。
 狙い違わず、少女の脚が朱に染まる。
 撃たれた少女は、すでに人ではなかった。
 その事実が、直樹の重い心を打ち払う。
「取れる手段は一つ。あの時も、今も、これからも……!」
 引き絞られた弓から放たれた矢があとりえの形良い胸に突き立つ。
「むかつくッ!」
 人ではない少女は俯き、逆腕で矢を引き抜いた。
 通常の人間であれば動けるはずもない重症を負い、気おされたように見えていたあとりえが頬を歪ませた。
「そういうこと」
 悪魔が笑う。
「みんなグルだったってわけ……」
 全身に血化粧を纏ったあとりえが、ニタリとした表情を浮かべる。
 その口腔には、ぞろりと揃った人ならぬ牙。
 あとりえは矢を手放し、細い指を鳴らした。
 突如、夜の公園に焼けたイオン臭が漂い、一条の紫電がはじる。
 激しい雷撃が紗夜、雷嘩、リゼットを襲った。

●白い腕
 戦いは続いていた。
「もう、うざいッ! 早く……死んでよッ!!」
 あとりえが叫ぶ。
「一つだけ聞きたいのだよ」
 激昂するあとりえに、肩で息をするうさ子が口を開く。
「悪魔にやられた私達は、どこに連れていかれるのだよ」
 唐突な問いかけに、再びあとりえが叫んだ。
 赤い瞳を細めてうさ子が笑う。
「なーんだ」
 被害者の自宅にいけばすぐに分かるのであれば、何も面白くはない。
 あとは終わらせるだけだ。
「君と私の違いはね」
 おぼつかない足取りで、なおも紗夜は立ち続ける。
「何のために悪魔になったか、だ」
 仲間からの確かな火力援護が彼女達を支えていた。
 倒れるわけには行かない。
「やれやれ、考え方は甘っちょろいのですがね」
 人ならぬ魔血を吸い、活力を得ていたリゼットも、苛烈な剣と稲妻の猛攻を浴びて限界が近づいている。
「でも、潜り抜けた修羅場の数が違うですよっ」
 悲鳴をあげる腕に鞭打って、走る気糸が夜にきらめく。
「ちぃーっとキツイな」
 極限の疲労は戦場に踏みとどまる雷嘩とて同じだった。
「でもよ――」
 唇に血を滲ませた雷嘩が、巨大な鎌を振り上げる。
「――そろそろ覚悟してもらうぜ!」
 大振りの一撃が、一陣の暴風となり荒れ狂う。
 胸を袈裟懸けに切り裂かれ、あとりえが吹き飛んだ。
「本物の悪魔ってのを教えてやるですよ」
 その体を貫く気糸。放つリゼットがにっと笑う。
 桜の花びらが舞い、鮮血が夜の空を染めた。
 それでも。あとりえは剣を振るい続ける。
 夜風を切り裂き、九十九のスラッグ弾が少女の薄い腹部を貫く。
 しかし、よろめくあとりえは依然倒れない。
「ぼちぼちカレーの時間と行きたい所なんですがのう」
 のんびりとした口調とは裏腹に、九十九の仮面の裏には汗が滲んでいる。
「ええ。ですが、やるしかありません」
 引き締まった唇を真一文字に結んだ直樹が、再び矢を放つ。
「これはまた、上出来な暇つぶしだこと」
 どれだけの弾丸打ち続けたのか。
 後方で十字砲火を担うフランツィスカの両腕は痺れ、感覚すら乏しい。
「もう少しで、いけそうだよねー」
 銃創と矢羽に彩られ、今にも千切れそうなあとりえの両腕、両脚、首。
 セオリーに従い9mmパラベラムを狙い打ち続けた虎美が、二挺の拳銃を再び構える。
 あとりえの腕に、二発の銃弾が牙を突き立てた。
 止まぬ銃弾の雨。走り続ける火線。漂う血と硝煙の香り。
「知ってる? 悪魔は、その力の対価に命を奪うの」
 揺れ動く戦いの天秤は、ようやくリベリスタ達に傾きつつあった。

「……して」

「………うして」

「…………どうしてッ!」

 くしゃくしゃに濡れたあとりえの顔を、水銀灯が冷たく照らしあげる。
 ずたずたの芝を踏みしめて、紗夜が再び剣を構えた。
「私も悪魔を自称しているし、力を使って誰かのためになるのなら必要悪になることも厭わない」
 戦線を支え続けていた紗夜が、己の限界を賭けて走る。
「フェイトを得、アークに出会い、この世界の真実を知る」
 赤と白。二振りの剣が交差した。
「その過程が無ければ、私は君だったかもしれないね――ッ!」
 紗夜が叫んだ。
 悪魔の装束に赤い大剣が突き立つ。
 赤い血が噴き出し、白いマスクが染まり――
 薄れ行く意識に、しかし止まらぬ銀の光は突き立つ剣を切り裂いて、あとりえの腕を走り抜けた。

 月を隠す手のひら。
 宙を舞う、か細い――。

●終の風
 リゼットに支えられ、立ち上がる力すら残されていないサヤが薄目をあけた。
「大丈夫です? サヤ」
 とはいえ、支えるリゼットの足元も覚束ない。
「悪魔になんてならなければ良かったのにね」
 へたり込んだ虎美が小さく呟く。
 愛らしいツインテールが揺れた。
(俺に出来るのは……)
 笑う膝を押さえつけて直樹が静かに立ち上がる。
(……犠牲を忘れず、心に刻む事か)
 うさ子は己の震える指先を握りこんだ。
「あの子が悪魔なら、私は一体何なのだろうね」
 リベリスタ達は日常を取り戻した。
「さぁーてね、あとは本部に任せて、トンズラと行こうや」
 たとえその中から、小さな欠片失われたとしても。
「悪魔が地獄に帰っても、何が変わる訳でもないですよな」
 九十九が霞む月を見上げる。
「では、ごきげんよう」
 赤を纏うミストレスが颯爽と歩き出す。狩った獲物に興味はない。
 春の夜風に散り行く桜が舞った。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 第一弾のリプレイが完成となりましたので、お届け致します。

 みなさま素晴らしいプレイングで、心躍る執筆となりました。
 それにしても、なんと凶悪で禍々しい作戦ッ!
 もちろん褒め言葉です。

 さて、今回発生した戦闘不能ですが、ペナルティとは考えていません。
 最初から倒れるまで最前線に立ち続け、仲間を守りきった名誉の負傷でした。

 では。再びご縁のあることを願って。