●赤黒金青のバニーカルテット 「うさうさっ」 赤いウサミミ。赤いレオタード。赤いハイヒール。動くたびに胸の双丘がぽよんと揺れる。手にした日本刀がきらりと光った。 「……うさー」 黒いウサミミ。黒い燕尾服。ちみっ子ロリっ子。虚ろな瞳で無表情な顔。手にした人形には大量の針が刺さっている。 「この世界の空気、キ・モ・チ・イ・イ。アタシ気に入ったわん」 金のウサミミ。金のネクタイ。金のビキニパンツ。ハゲマッチョ。大胸筋と割れる腹筋。腰使いと共に揺れる股間の何か。 「うさうさアルヨ」 青いウサミミ。青いチャイナ服。無手。太極印を示すが如く円の動き。その足運びは只者ではない。 上位階層から開いた穴から出てきた赤黒金青のバニーカルテットは、辺りを見回すと人の多そうな場所に足を進めていく。 その瞳をこちらの世界で表現するとこういう感じだろう。 『強いヤツはいるかな?』 ●アーク 「討伐対象はアザーバイド四体」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は集まったリベリスタたちに向けて淡々と説明を開始する。 モニターに写るのは見た目は四人のバニー。ガールじゃないのが一名。 「このアザーバイドは闘争心が高く、町に下りれば動くもの全てに襲い掛かる」 可愛い格好……じゃないのも一部あるがやることはえげつない。放置すればどれだけの被害がでるかわかったものじゃない。 「今から行けばD・ホールが開いたときに到着できる」 ディメンションホールが開くのは、町外れにある河川敷。穴が開く時間帯も遅く、人が来る心配はないだろう。 「赤いウサギは日本刀による斬撃が得意。時々首を狩るほどの一撃を出してくる」 なんてヴォーパル。 「黒いウサギは後ろから人を呪う。ダメージは低いけど、足を引っ張る」 ああ、ヤンでるんですね。 「金のウサギはマッチョ。筋肉を誇示した踊りを踊って怒りを誘発したりする。あと防御力高め」 服着てないのに。 「青のウサギはチャイナ。上位世界の拳法で人体の気とかそういうもののバランスを崩す攻撃を仕掛ける」 異世界出身なのにチャイナとかこれ如何に。 「アザーバイドは連携を取って攻撃してくる。それなりに頭もいいので、しっかり作戦を練らないと隙をつかれる」 色物な見た目で騙されそうだが、パーティ構成はしっかりしている。リベリスタたちはむぅ、と唸り相手を見直した。 「作戦は皆に任せる。最優先事項はアザーバイドを止めること。可能ならDホールも塞いで」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年12月31日(土)00:17 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 異世界の穴が開き、四体のアザーバイドが現れる。 日本刀を持つ赤いレオタードのバニーガール。 呪いの人形を持つ黒い紳士服バニーガール。 鍛え上げられた肉体を持つ金のネクタイビキニパンツバニー……っぽい何か。 引き締まったボディの青いチャイナバニーガール。 四体のアザーバイドは戦いを求めてこの世界に現れ、そして穴をくぐったその先で八人の戦士と出会う。『万華鏡』により出現を予知したリベリスタたち。 「異界の方よ、兵をお探しならお相手しましょう」 名乗りを上げたのは源 カイ(BNE000446)。風体を見る限りではふざけているとしか思えないのだが、彼女達はアザーバイド。その実力は侮れない。何れにせよ、被害者が出る前に早々にお引き取り願いたいものだ。 「私の大好きな方が惑わされませんようにしっかりサポートしなくてはいけませんね」 やんわりとカイの隣で『A-coupler』讀鳴・凛麗(BNE002155)が微笑む。放置すれば大暴れすることが予知されているアザーバイドだが、見た目は可愛らしい兎である。歩くたびにひょこひょこゆれる耳に若干心引かれながら『祈りのダビデ』と呼ばれる鐘を強く握る。 「おとなしく元の世界に戻るというなら、命を取る必要はない」 薄い青色が混った銀刃を煌かせ、『硝子色の幻想』アイリ・クレンス(BNE003000)は剣を抜く。不必要に命を奪う気はない。だがしかし戦うというのなら引く気はない。そんな意思を込めて一歩前に出る。 「ふふ、理由はどうあれ初めてこちらに来られたのですし。紳士として彼女達をちゃんとエスコートしないとですね」 フライエンジェの羽根を広げながら『幸せの青い鳥』天風・亘(BNE001105)は静かに言う。笑みを浮かべたまま彼も武器を構える。エスコートと入ったが別にデートに誘う気はない。彼女達の流儀にあわせ、戦うつもりだ。女性の趣味に合わせるのも紳士の務め。 「待ちわびたぞ」 『飢餓獅子』マリー・ゴールド(BNE002518)は腕を組んで無愛想に四人のアザーバイドを睨んだ。マリーが求めるのは強者との戦い。その戦いの中で、何かを得ることができるだろうか? どうあれ強いものを求めてやってきたアザーバイドには好意的な印象を持っていた。その強さを待っていたのだ。 そして。 「うっひょー、バニーだぁ!」 「バニーちゃんといちゃいちゃするでござるよっ!」 「バニーガールと殴り合いたい殴り合いたい殴り合いたい殴られたい!」 発言順から『まごころ暴走便』安西 郷(BNE002360)、李 腕鍛(BNE002775)、『正義のジャーナリスト(自称)』リスキー・ブラウン(BNE000746)。この三人は男としてバニーガールを待っていた。 「赤はもう、正統派バニーな上にぽよんでたゆんなんだぜ? これは辛抱たまらんな!」 「ロリバニーもまた素晴らしい。未発達な肢体は保護欲をそそる。中身は邪悪ときたもんだ。もう文句のつけようがないだろ?」 「にはは、どれもこれもかわいいでござるなぁ。金以外」 「出来れば今後、こういうの抜きでまた会いたいな。念のため写真に収めておくか」 「間近で全身を見たい。撮影したい。あらゆるアングルから撮影したい。記録に残したい。記憶に残したい。っていうか撮る」 「『運用在心』……体は心の思うままに動かす。これは武術でも重要な事でござる。思うままにやるでござるよ。あ、拙者も写真を分けてほしいでござる」 盛り上がる三人。自分達を見つめる仲間の視線に気づき我に帰って、 「もちろん真面目に戦うでござるよっ! そう、業炎撃が偶然胸に触れちゃっても事故! 事故でござる!」 向けられる視線の温度が一気に三度下がった。 話題の中心であるアザーバイドたちはリベリスタたちの行動を見ていたが、向けられた武器と闘気に反応して戦いの構えを取る。 リベリスタたちもそれに合わせて武器を―― 「青の子もいいねぇ。こう、ボーイッシュな感じ? いいよいいよー。こんな野暮ったい事はやめてさ、もっと女の子らしくしたほうが良いぜ」 「チャイナ服? スリット? 戦闘中じゃなくても目が離せなくなっちゃうだろ? なんてナチュラルトラップ!」 「きっと上段回し蹴りとか来たらすごい事になるでござるよ。むしろそのためのスリットでござろう」 三人だけ、武器を構えるのが少し遅れたのはご愛嬌。 ● 「異界の技はこちらの常識が通じないかもしれませんね」 「全力でいくアル」 初手に動いたのは圧倒的な速度を誇る亘だ。亘は青バニーの元に走ると体内のギアを最大限にあげる。神経を通して全身に広がる集中力。反応速度と身体能力が上がっていく。その速度を乗せて、ナイフを繰り出した。その刃が青バニーの肩を裂く。 お返しに、とばかりに放たれる蹴り。下段を狙うと見せかけての上段。流れるような素早さが亘の顔を襲った。 「一番強いのはお前か?」 「あらぁん、ご使命カ・シ・ラ? 可愛いお嬢さん」 マリーが金バニーに向かって剣を構える。限界を超えて自らの気を爆発させて攻撃力に転換する。負荷が自らの身を痛めるが気にはしない。金バニーは防御に秀でている。ならば多少の無茶をしてでも火力をあげておかなくては倒せない。剣を握り締め、金バニーにたたきつけるように振り下ろした。 「……なかなかやるわネ。私の筋肉に傷をつけるなんて」 筋肉を誇示しながらマリーの一撃をたたえる。お返しとばかりに拳がマリーを捕らえた。 「まずは黒バニーを押さえます!」 カイは凛麗に自己回復の加護を与えた後で、気の糸を黒バニーに飛ばす。糸は地を這うように進み、黒バニーの直前で跳ね上がるように首筋に向かう。糸は肌を裂き黒バニーを捕らえようと絡まるが、黒バニーは一瞬脱力して糸の拘束を逃れた。 「ハイヒール脱いだらどうでござる? 河原だと動きにくいと思うでござるよ?」 「脱いだらどう、っておにーさんえっちー。こまるうさー」 腕鍛は赤バニーと会話を交わしながら、拳に炎を宿らせて赤バニーに襲い掛かる。半身を前に出し、拳を突き出すと同時に前に出る。インパクトの瞬簡に姿勢を正し、力を正しく伝える。確かな感触が腕鍛に伝わってくる。 当たったと同時、腕鍛は赤バニーから距離を開けた。赤バニーを他の仲間たちから離し、誘導するために。釣られて移動する赤バニー。 「やーん、逃げちゃやーうさー」 「拙者を魅了できるでござるか? このチャンネルにもたっくさん美人がいるでござるから拙者には通用しないでござるよ?」 ぴと、と体を当てて赤バニーは誘惑するが腕鍛には通用しない。いろいろやわらかいものが当たっていて、鼻の下が伸びていそうだけど通用しないのだ。 「いーなー、ちくしょー。おにーさんもバニーと触れ合いたい!」 リスキーはそんな腕鍛の様子を見ながら地団駄を踏む。後衛にいてはバニーと触れ合う機会はない。自分自身の弱さをこれほど悔しく思ったことはなかった。その怒りを魔力に変えて、矢を生み出して黒バニーにぶつける。 「痛かった……うさ」 黒バニーは笑いながら持っていた人形に針を突き刺す。薄い黒の霧がリベリスタに襲い掛かり、意思の力を削いでいく。 「させませんわ。打ち払います」 凛麗が鐘を鳴らし、音を響かせる。その音色は祈りの音色。呪いを打ち払い、明日へと立ち向かわせる勇気の音色。汚れなき凛麗の祈りと鐘の響き。それが黒バニーの呪いを打ち消した。 「……いじわる」 「お嬢ちゃん、どうしたんだい? そんな元気の無い顔をして」 郷は落ち込む黒バニーに優しく声をかける。 「折角呪ったのに回復された……うさ」 「まぁ、しょうがないよね。次があるよ。さぁ、笑って。折角かわいらしい服を着てるのにそんな顔じゃもったいないだろ?」 「おーい、郷。お前どっちの味方だ?」 「はっ! いやいや忘れてませんよ。ソニックキック!」 インラインスケートと化した脚で蹴りを放ち、黒バニーを攻撃する。ギアをあげた一撃が黒バニーに襲い掛かり、黒バニーの肉体に穿たれる。防御力は高くないらしく、ふらふらになりながらその場に留まる。 「これも戦い。まずは貴殿から倒させてもらおう」 夏の海を思わせる青いドレスを舞わせ、アイリが愛剣を黒バニーに向けて振り下ろす。夕日の赤に白刃が反射する。振り下ろされた一閃は黒バニーの胸を裂いた。視界内に他のバニーたちを治めながら、意識を黒バニーから外すことはない。 色物の見かけだが、バッドステータスを持っている者が多いアザーバイドたちの中において、呪いを放つ黒バニーは厄介と判断したのだろう。リベリスタの火力は主に黒バニーに向けられていた。 他のバニーたちもその意図を察しながら、しかし自らを抑えているリベリスタを放置もできない状態だ。流れは少しずつリベリスタにむいていた。 しかしアザーバイドたちも歴戦の兵。 リベリスタたちの隙を、虎視眈々と隙をうかがっていた。兎だけど。 ● 突く。払う。踏む。蹴る。多種多様の蹴り技が亘を襲う。彼はそれをナイフで払いながら、しかし体にいくつもの痣を作っていた。相手の足の動きのほうが速い。一撃は亘のほうが高いが、手数ならざる足数が多すぎて対応できない。 時折放たれる気を乱される攻撃も、何度かはよけきれずに受けてしまい、じわりじわりと体力をそがれていた。倒れそうになるも、運命の加護を使い戦場に立ち続ける。 正直、楽な戦いではない。だが不思議と不安はなかった。 「どんなに厳しい状況でも隣には頼りになる仲間がいます」 それが彼にとってどれだけ助けになるだろうか。青バニーもその心意気やよし、とばかりに構えを取り直す。 「お仲間さんがピンチのようよ。助けに行ってあげないのかしらぁ?」 マリーと相対している金バニーが言う。金バニーはマリーの一撃で飛ばされ、仲間から外れたところにいた。 「問題ない。お前を倒す」 防御力の高い金バニーを孤立できれば、金バニーに庇ってもらうという戦略が取れなくなる。うまく吹き飛ばして孤立させたのだが、それはマリー一人で金バニーを抑えていられることが前提なのだ。 「剣が邪魔か」 マリーは左手の防御用マントを前面に出し、それを使って金バニーの視界を奪いながら手を押し当てる。大地をしっかり踏みしめて、力を伝達させるイメージ。破壊的な気の流れが、厚い筋肉を無視して内部から金バニーを襲う。 「やるわねぇ。で・も、一撃自体は軽いわヨ」 マリーは無愛想に金バニーを見つめなおす。今の技は格闘の距離で放つ技だ。武器も格闘の武器であったなら、あるいは今の一撃も響いたのだろうが。 「なら倒れるまで打つまでだ」 「そういうのは、嫌いじゃないワヨ」 筋肉を誇示して耐えて見せるとアピールする金バニー。その耳がぴくぴくと動いた。 「所で、頭のそれを取るとどうなるのだ?」 「やめてよ恥ずかしい! 変なコトいわないでっ!」 恥ずかしいのか、ふーん。興味をなくしたようにマリーは戦闘を続行する。 (隙を見て奪ってみよう) 実は興味深々だった。 均衡を破る事件は、腕鍛が赤バニーを誘導しているときに起きる。 「こっちでござるよ。赤バニーちゃん」 腕鍛は距離をとって移動することをメインにしているので、拳の命中精度はあまり高くない。それは命中しても浅くかすっただけで、威力もあまり高くない一撃である。 体を密着させての誘惑も効かないのを見て、赤バニーは腕鍛の思惑を察知する。 「あ。この人、女の人の誘惑とか興味ない人うさー」 「そ、そんなことないでござるよっ! むしろどんとこいでござるっ!」 まぁ、魅了が効かないのは呪い無効のおかげなのだが。 それはともかく誘導するためにヒット&アウェイを繰り返している腕鍛だが、赤バニーの笑顔にただならぬ不安を感じた。あれ? なんで突っ込んでこないの? 開いた5メートルの距離が遠い。具体的には、ブロックできてないんじゃないのこれ? な感じで遠い。 にへっ。赤バニーが微笑んだかとおもうと、開いた空間から腕鍛を回り込むように移動して、凛麗のほうに走っていく。彼女が回復の要であることは間違いない。彼女を戦闘不能にすれば流れは取り返せるのだ。 「きゃあ!」 駆け抜けての日本刀の一閃に、悲鳴を上げる凛麗。一撃で倒れるほどではないが、体力の低い彼女は二度目を受けて立ってられる自信はない。 「これはチャンス! ……じゃなくて危ない!」 後ろにいたらバニーさんと触れ合えないとおもっていたリスキーは、思わず本音を漏らしながら突っ込んでくる赤バニーの前に立ちふさがる。両手を広げて、仲間の盾になった。バニーよカモン! 「おにーさんっ。あたしを助けてほしいうさー」 「もちろんですともっ!」 胸を押し付けられてあっさり魅了されるリスキー。 「ま、まずいっ!」 戦場を注視していたカイがこの事実に気づき、気の糸を放つ。赤バニーの腕に糸が絡まり、その動きを封じる。しかし、長くは続かないだろう。 目をハートマークにさせたリスキーが魔力の矢を放ち、郷を撃つ。まさかの攻撃に回避が遅れた。 「仲間の裏切り、だと。これは……悪堕ち! だが仲間を攻撃することなんてできない!」 郷が暑苦しく拳を握り、リスキーの魅了に驚く。 「安西さん、黒バニーは任せます!」 アイリはドレスを翻し、赤バニーへと走る。なびくドレスは青い風のよう。銀の剣を走りながら振り上げ、赤バニーに迫る。 キィン! 十字に交差する片手半剣と日本刀。アイリの動きはそれで止まらず、二度三度と剣を振るう。四度目で赤バニーの対応が遅れ、肩口をアイリの剣が裂く。 「ふふ、良い腕だな!」 打ち合えば相手の実力は知れる。今の一撃も運良く入っただけに過ぎない。味方の一人が魅了されて、正直不謹慎とはおもうがそれでもこう思う。 「私は楽しい!」 強者との戦いが楽しい。打ち鳴らす剣戟が血を滾らせる。ああ、この高揚感はいかなる美酒でも得ることはできないだろう。まだお酒は飲めないけど。 「それじゃお嬢ちゃん。悪いけどおねんねの時間だ。ソニックキック!」 郷の機械化した足の蹴りが、黒バニーを宙に浮かせる。そのまま受身もとれず背中から倒れ、黒バニーは力尽きた。 「みんな死んじゃえばいいのに……うさー」 まだ生きている。しかし郷はそれを知りながらとどめを刺すことなく仲間の元に走った。 ● 「貴様に恐怖を刻んでやる」 「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉー!? いやん、やめて……そこはだめぇ!」 野太い悲鳴が河原に響き渡る。金バニーが血走った目のマリーの攻撃を半狂乱になりながら逃げているのだ。 説明が必要だろう。 金バニーとマリーの攻防は、純粋な体力差で金バニーに軍配が下った。マリーは運命を削って起き上がるが、そのときなぜか半狂乱になって金バニーのうさ耳を一心不乱に奪おうと剣を振るい始めたのだ。 なぜだかわからないが、耳を攻撃されることはこのアザーバイド達にとって恐怖と恥辱らしい。必死になってよける金バニー。それをはらはらと青い顔で見ている赤青バニー。 「我が身いくら蝕まれようと、貴様がどれ程強靭であろうと、その耳を毟り取る!」 「いやぁぁぁぁ! そこ、だめ、かんじちゃうぅぅぅぅぅ!」 何を感じるのかは全くもって不明だが、とにかく第二ラウンドが始まったのだ。 黒バニーのほうに向かっていたアイリは赤バニーに。郷は青バニーに向かう。腕鍛も赤バニーに移動し、2対1の構図が出来上がる。 凛麗は赤バニーの日本刀の範囲からはなれ、鐘を鳴らす。リスキーが正気に戻り、魔法の矢を青バニーに向かって放った。 「これで決め手(チェックメイト)です」 カイの糸が青バニーの動きを封じる。そうなれば余裕も出てくる。 亘が青バニーの腰に手を当てて体を密着させた。そのままくるりと踊るように顔を近づける。 「ふふ、紳士としてエスコートするといったでしょう?」 言って微笑むトリックスター。青バニーの顔が、心なしか赤く染ま―― 「マジックミサイル!」 亘をかするようにして飛んでくるリスキーの魔力の矢。それが青バニーの意識を奪った。かすったのは密着しているからですよ。ええ。 「閉幕だ」 アイリの剣が赤バニーを捕らえる。赤バニーの日本刀をよけ、下から跳ね上がるような銀の軌跡。剣についた相手の血を振り払うようにして背を向けた。 「よき舞台であった」 赤バニーは最後まで笑顔のまま倒れる。それは彼女も十分に舞台を楽しんだからだろう。 「も、もうだめぇぇぇぇぇぇ!」 金バニーが倒れたのはその数十秒後。頭の耳はマリーに取られ、顔を両手で覆い隠して恥ずかしそうに悶えながら倒れた。 「この世には触れてはいけない世界があると思うんだ……」 郷が静かに告げ、それが戦いの終了となった。 ● リベリスタはアザーバイドを殺さずにDホールの向こう側に送り返す。 リスキー達はバニーの写真を撮ったりしてたが、神秘秘匿すべしの鉄則に従い後に没収されることになる。 「僕らはアークのリベリスタ、リベンジを希望するなら次はご指名でお願いしますね」 「リベンジ待ってるぞ」 カイやマリーが4人のバニーに向かってそう告げる。他のリベリスタたちもくるなら来い、とばかりに彼らを送り返した。 そして異界の穴が閉じる。 夕日もすでに落ち、夜の帳があたりを包み込む。 予知された虐殺は起きず、平和な夜が訪れる―― |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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