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<クリスマス2011>サンタクロースは真っ赤なヒーロー

「よっ、突然で悪いけどクリスマス空いてるか?」
 アークの休憩室で過ごす君たちに声をかけてきた『ブレイズ・オブ・ジャスティス』焔藤 鉄平(nBNE000010)。
 最初こそクリスマス恒例の2人きりなお誘いかと思った人も少なからず居たが、どうやら事情は違う様子。
「集まってくれてありがとう。
 実は大学で『孤児院でヒーローショーをやってみないか』って話になってな、筋書きはできてるけど肝心の人数が集まらないんだ」

 ここ三高平に住まう者の大半がリベリスタやアークについての見識は持っている。
 それはかつての惨事『ナイトメア・ダウン』によるものが大きく、この街はその跡地に立ったことに起因する。
 そんな三高平だからというべきか、この事件によって親を亡くした子も多く、そんな子達の為にと作られた孤児院もそれなりに存在する。
 今回の計画はそんな彼らにプレゼントを送り、クリスマスを楽しんでもらおうという内容だが、なぜかそこに特撮サークルである鉄平にもお鉢が回ってきた訳だ。

 が、蓋を開けるとやはりクリスマスということもあってなかなか参加してくれる人が集まらない。
 ヒーローショーから交換会に結びつけるという、クリスマスの予定を全部蹴ってまで打ち込み練り込んだ筋書き。
 しかしそれも人数が居なければ盛り上がりに欠けてしまうことだろう。

「だから、俺と一緒にクリスマスを熱く燃え……じゃなく、楽しく盛り上げてくれないか? 頼む!」
 鉄平は頭をもう一度下げ、君たちに頼み込む。
 果たしてこの聖なる夜を熱く、そして楽しく彩る事はできるのだろうか。



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:カッツェ  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年12月30日(金)23:58
メリークリスマス、カッツェです。
鉄平同行のイベントシナリオです、初めてだらけのことですができるだけ頑張れるようにします。

●場所
三高平にある孤児院の大広間で行われます。
スペースも十分ありますが、あくまで室内なのでやり過ぎは禁物です。

●あらすじ
今回は2つの場面を用意してます。
1:プレゼントの交換会直前に現れる怪人役こと鉄平は、みんなのプレゼントプレゼントが入った袋を奪おうとします。
ヒーロー役の皆さんはそんな怪人役から孤児院のみんなやプレゼントを守って下さい。
※怪人役での参加も大歓迎です!

2:無事に終われば交換会です。
各自持ち寄ったプレゼントを子供たちと一緒に交換してみませんか?
※プレゼントはランダムで振り分けられます、中身は開けてのお楽しみ。

1と2両方出ることも可能ですが、出方が中途半端になるかもしれません。
鉄平は今回怪人役として先陣を切る形での登場となります。

●お約束
スキルは使用禁止、怪人の猛烈なアタックで弾き飛ばされます。
危険な行為や良俗に反したプレイングは反映されないことがあります。
(あくまで室内で子供たちも居ます、程々がいいでしょう)
白紙は居なかったものとみなします。

初のイベントシナリオなので相当に緊張しています。
参加お待ちしてます。

参加NPC
焔藤 鉄平 (nBNE000010)
 


■メイン参加者 30人■
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
覇界闘士
テテロ ミーノ(BNE000011)
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
クロスイージス
新田・快(BNE000439)
デュランダル
新城・拓真(BNE000644)
クロスイージス
白石 明奈(BNE000717)
ソードミラージュ
上沢 翔太(BNE000943)
インヤンマスター
焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)
スターサジタリー
桐月院・七海(BNE001250)
覇界闘士
陽渡・守夜(BNE001348)
ホーリーメイガス
臼間井 美月(BNE001362)
スターサジタリー
百舌鳥 九十九(BNE001407)
クロスイージス
ツァイン・ウォーレス(BNE001520)
覇界闘士
設楽 悠里(BNE001610)
覇界闘士
祭雅・疾風(BNE001656)
覇界闘士
付喪 モノマ(BNE001658)
インヤンマスター
石 瑛(BNE002528)
デュランダル
真雁 光(BNE002532)
ホーリーメイガス
リサリサ・J・丸田(BNE002558)
覇界闘士
焔 優希(BNE002561)
マグメイガス
大魔王 グランヘイト(BNE002593)
クリミナルスタア
李 紅香(BNE002739)
ホーリーメイガス
エルヴィン・ガーネット(BNE002792)
クリミナルスタア
烏頭森・ハガル・エーデルワイス(BNE002939)
スターサジタリー
アイリ・クレンス(BNE003000)
デュランダル
飛鳥 零児(BNE003014)
覇界闘士
白鈴 藍(BNE003075)
ソードミラージュ
津布理 瞑(BNE003104)
スターサジタリー
黒須 櫂(BNE003252)
ホーリーメイガス
氷河・凛子(BNE003330)

●ピンチ! 交換会を襲う魔の手
『サンタさんはヒーローなんだよ!』
 誰かがそう言った。
 なら、その叶えてあげよう。
 それがヒーロー、もといサンタクロースならば!


「いよいよ待ちにまったプレゼント交換だぜ!」
 孤児院の大ホール、マイクを持った明奈が元気の良い問いかけに子供達の顔もいきいき。
 が、そんな彼らの期待を裏切る言葉が美月の口から飛び出す。
「大変だよ! プレゼントが」
「まさかプレゼント……無くした?」
「そうそう、だから今おまわりさんに……って違うよ! 変な奴に――」
 美月がその先を言おうとした瞬間、高笑いが響く!
「俺の名はダークエンド! このプレゼントは大魔王様の物だ!」

「あ、あいつだよ! 僕からプレゼント袋を奪ったのは!」
 マスク姿に黒マントの青年が担ぐは2つの袋。
 それは紛れも無く子供達やリベリスタがこの日のために準備した交換用のプレゼントに間違いない。
「さぁ残り1つもいただこう。みんな出てこい!」
 その言葉と共に左右のガラス窓が開き、わらわらと現れる悪役9人揃い踏み。
「くっくっく、そのプレゼントは我らが頂く!」
「わー、怪人だー!」
「悪いやつは帰れー!」「キャーッ!」
 個性豊かな悪役の面々に悲鳴を上げる子供達。
「ほーら、みんな落ち着いて。きっと大丈夫だから」
 スタッフや子供に混じって観戦していた瞑が天使っぽくなだめる中、司会の3人はステージの壁際まで追い込んでいく。
 狙いは間違いなく翔太のもつお菓子入りプレゼント袋!
「あぁ大変なことになってしまった。こんな時、皆を助けてくれるヒーローがいれば……
 そうだ、きっとみんなを助けてくれるヒーローが居るはず!」
「みんなで一緒に呼ぶんだぜ! せーの!」
 子供達が、3人が叫ぶ。『助けて』と!
「ハッハッハ! 叫んだって誰もこないぞ。さ、そのお菓子も……」
「そこまでだ、ダークエンド!」
「なに!?」

 ダークエンドが右を見れば、そこに立つは5人のヒーロー!
『聖夜戦隊! サンタレンジャー!!』
 聖夜戦隊サンタレンジャー。
 彼らはクリスマスの2日間、人々の平和を守るという使命を帯びた戦士たちだ!

 そして、左を見ても5人のヒーロー!
『充実戦隊! リア(れあ)ジュウレンジャー!!』
 そして充実戦隊リアジュウレンジャー。彼らもまた充実さを守り、堪能する5人の戦士!
 更に彼らに続けと出てきたヒーロー、総勢14人!
「まさか、本当にやってくるとは!」
「楽しいクリスマスを邪魔する輩は、ボクたちが許さないよ!!」
 名乗りと共にサンタゴールドこと藍が決める!
「何人集まろうと同じこと。袋は預けたぞ、やれーっ!」
「おーっ!」「イーッ!」
 ダークエンドの号令のもと、聖夜の戦いがここに幕を開けた!

●戦え、聖夜のヒーローたち!
 まずあらかじめ説明して置かなければなるまい。
 今回のステージはあらかじめ打ち合わせを済ませており、通しのリハーサルもされている。
 武器も危なくないよう全ておもちゃだということを念頭に入れてもらいたい。
 さぁ、2つの雄がぶつかり合うぞ!


「なむあみだぶつなむあみだぶつ! おらっ、念仏読めよ!」
 ぽくぽく木魚を鳴らし、悪役を追い込むリア住もといリアジュウブラウトことフツ。
 その念仏ロックスタイルにボッチバンもたじたじ。
「うぐぐ、年金生活のために、俺は頑張る!」
「子供達のプレゼントを奪うなんて許せねぇな!」
 指を立てるリアジュウオレンジことモノマ。
「このままじゃ危ないな」
 すかさずマットを敷く戦闘員Cこと七海。
 いつやられたかすら解らないが、裏方としてナイスなアシストをしてくれる。
「鉄拳制裁だ!」
 モノマが飛びかかり、ボッチバンを殴る! 蹴る! マット上に投げ叩き締め上げる!
 こいつぁやりすぎだ! 良い子も悪い子も真似しちゃダメだぜ。
「あだだだ!」
 このボロボロに伸されている中年っぽい男の正体は竜一、もとい孤独刑事ボッチバン。
 ヨレヨレコートに猫背姿、仮面の下は見せられない。
 彼は夢の年金生活のため今日も耐え忍ぶ、涙ぐましきダークヒーロー。

「こういってん! せくしーたんとう!」
 うっふん。
「てきにんっ」
 きりっ。
 しかしやることは応援がメイン、リアジュウピンクことミーノは目一杯応援の構えだ。
「みんながんばー、でもりゅーいちふぁいとっ」
 お前どっちの味方だよというツッコミはさておこう。

「いいのです? プレゼントを受け取って子供達がリア充になってしまって」
 道化仮面で毒々しい超☆嫉妬ピエロことエーデルワイスは、リアジュウイエローこと悠里に声をかける。
 彼もまた非リア充な臭いがする者なら、寝返って悪のロードを進んでくれると思っていた。が……
「人の幸せを妬むより、それを祝って自分が幸せになるように努力しようよ」
「勧誘失敗!? ならば仕方ない。滅殺、超嫉妬フィ――」
 嫉妬に濡れた拳の前に正義の当て身が炸裂!
「うぐぁ! 私が敗れても第2第3の嫉妬の使者が……ガクリッ」
 そんな彼女を安全な所に除け、イエローはボッチバンを向く。
「そう、ボクもリア充戦隊にいるけど彼女居ないんだ。
  だから気持ちはわかる、一緒にがんばろう!」
「いやオレ、彼女居るのだが」
「……」

 打打打打打打打打打ッッ!!

 拳をひたすらボッチバン……竜一にお見舞いするリアジュウイエロー設楽 悠里(彼女なし)。涙ふけよ。

 そんな数々の猛攻の末、ボッチバンは追い込まれていた。
 プレゼント袋を握る彼を逆に囲むリアジュウレンジャー。
 トドメと構えるのはリアジュウホワイト。
「さぁ、そのプレゼントを返してもらうぞ」
「ま、まて。4対1は……」
「だからといってその行い、その思想は許されん!」
 駄目だ、彼の真面目さの前には言い訳が一切通用しない。
 満身創痍なボッチバンは、このまま止めを刺されてしまうのだろうか。

 と、その時だった。
「もうやめてよ!」
「ボッチバンかわいそう……」
 前に飛び出そうとした少年とポツリと言葉を漏らした少女。
 少年は危ないからと止められ、少女の声は掻き消えようとした。が、その言葉は確かに彼らの耳に届いていた。
「オレを、許してくれるのか」
 ボッチバンの手から袋が落ち、仮面も落ちる。
 その下にあったものは、捨てられた子犬のような哀れみを感じる瞳。
「まだ許したわけではないが……」
「子供達が良いって言うんならオレも賛成だ。思えば念仏じゃなくてクリスマスソングのほうが良かったな」
 リアジュウレンジャーの動きが止まり、それをプレゼントのシュゴシンこと快がプレゼントの入った袋を回収する。

「がんばれー!」「やっつけろー!」
 悪がひとつ滅び、戦況は移っていく。
 子供達もその変化を感じ取り、恐怖からそれを打ち払うヒーローたちを応援する熱気へと変わっていく。

●相克、ダークな奴らVSサンタな奴ら!
「プレゼントはみんなが一年頑張ったいい子の証。悪の軍団には指一本触らせませんよ!」
 ミニスカサンタこと石の猫耳がぴんと立つ。
「ならば一年悪として頑張って我々が頂いてもいいだろう」
 張り合うように火花を散らすダークエンド。
「プレゼントは私がもらうわ。がおー」
 真っ黒サンタな櫂はお色気担当、ワイヤー入りツインテが上を向く。
「だめー!」「プレゼントとっちゃダメー!!」
 翔太の持つプレゼントを取ろうと手を伸ばす櫂も、子供たちの声の前にはタジタジ。
「ホァー、アチョー! この紅……じゃない、黒華娘々の前では子供達、そして子供達のプレゼントは渡さぬ!」
 唸るカンフー、無頼の拳(ただのパンチ)が櫂をあっという間にケチらしてしまう。
「……私だってプレゼントが欲しいのよ」
 そうつぶやき倒れる櫂を、子供達へと倒れこまないようフォローしたのは言うまでもないだろう。

「ふっふっふ、こいつらが居ては手が出せまい!」
「渡さないと、この子たちもただでは済まないぞぉー!」
 不敵な身を浮かべるのは黒い全身鎧とふわもこ獣怪人――を模したツァインとエルヴィン
 彼らの「正義の味方が子供達もろとも攻撃するはずがない!」
 腕の中でじたばたともがくのはなんと孤児院の子供。
 悪役お得意の人質作戦を出されては、流石の聖夜戦隊も手が出せない
「いいぞ、デュラハーンにウルフガーネット。さぁそちらのプレゼント袋と交換だ」
 ジリジリと追い詰めるダークエンド、うかつに手が出せない聖夜戦隊。
 なんて卑劣な戦法か!
 しかし、それを見越したか。翔太が思い出したように口を開く。
「思い出した、デュラハーンの弱点は兜なんだ。それが無いと彼は何も見えないんだ」
 その言葉に、デュラハーンは確かに動揺し――。
「な、馬鹿な! この鉄壁将軍たる私に弱点があるものか!」
 隠し通そうとするも、慌てから子供を抱える手はその拘束を緩めていた。
「こんのー!」
 子供達もそれに気づいたか、大暴れする子供がデュラハーンの顎めがけて渾身の頭突き!
「ぐわぁぁ!」
 ぶつかる頭と顎、よろめくデュラハーン。
 そして、彼の身につけていた兜がごろりと転げる。
「いってー……」
「わ、私の頭がー! 見えない、何も見えない~!」
 こうなるともはや子供どころではない。
「行くぞイエロー!」
「おう!」
 サンタレッドこと疾風が駆け、サンタイエローこと守谷が飛ぶ!
「子供たちは返してもらう!」
「しまった、ぐわぁぁぁ!」
 懐に入られたエルヴィンは哀れ腕の拘束を外されただけではなく、その後にイエローの蹴りまで食らってそのまま轟沈する。
「大丈夫かい?」
「うん! すごくかっこよかった」
 その言葉にレッドは笑みを浮かべると、後ろから声が聴こえる。
「そら、こっちまで来れば安心だぜ!」
 夏栖斗の声を聞き、かけ出す子供3人。
「待て待て、俺のところに来られても――」
 そのまま快の元へと走り、群がれた快は慌てふためく。
 それでも子供達が離れた今、心置きなく戦える。そう誰もが思っていたその時!
「そぉい!」
「ぐふっ!?」

 彼が当て身を繰り出したのは、相棒である快だった。
 子供達とプレゼントに足を取られては避けられるはずもない。
 だが何よりも、ここに来て裏切りとは誰が思ってようか!

●裏切り、ライバル、大魔王
「ふはは!相棒だとおもって油断したな! 裏切りは中盤以降のお約束だ!!」
 快の握っていた袋を取り上げ、してやったりな顔を浮かべる夏栖斗。
 その一撃に床へと身を投げる快。だが――。
「夏栖斗……間が悪すぎるぜ」
「ふははは……はっ」
 そう。何が悪かったって、聖夜戦隊の目の前が悪かった。
 子供達は逃げ、快が倒れ、狙われないはずがなかった。

 ぐわぁぁぁぁっ!!!

 …………

「本当は、お前が羨ましかったんだ。いつでもキラキラしていて……」
「何言っているんだよ、夏栖斗。俺達は、互いに競い合い、肩を並べて……
 時には拳を交えたこともある、友達、だろ?」
 正義のアタックをモロに食らった夏栖斗が、同じく倒れた快に問いかける。
 答えはいつもと同じ、熱く固い絆は2人を分かつことになっても揺るがない。
「僕、なにしてたんだろうな……ごめんな」
 力なく落ちる夏栖斗の手、それを触れる快。

 ああ、冬だってのに、暖かいな……。
 2人はステージの片隅で身を投げ出し、大きく息を吐いた。

「って、こんな脚本でいいの? また変な噂流れね?」
「え、マジで? やべえな、また変な噂ながされんの?」
 輝け青春、紅い華。

「ライバルと呼ばれるのも今日が最後だ!」
「ならば、その命貰い受ける!」
 戦いの宿命は、決してこの2人だけに巡ったわけではない。
 ダークフレイムとレッドイーグル。一進一退の攻防を繰り広げていた2人の戦いもまた、佳境を迎えつつあった。
「右腕に機械、赤い髪を持つ我がライバルよ。
 俺に似ているその容姿で、ヒーロー道を歩むなどとは忌々しい」
 正義の心など捨ててしまえ、憎悪にも似た感情の篭った鋭い拳がレッドイーグルを抉る。
 全ては芝居、だけど妥協はしない。
 それは優希だけではなく、零児も同じ。
「捨て、ない」
 その一撃を腕で受け、続けざまのハイキックが彼の身を揺るがす
「なら、これで終わりだ!」
 上段からの唐竹割り、よもやこれまでか。
 子供達が目を伏せ、金属音が鳴り響く!

「……?」
 そっと誰かが目を開ける。
 すると、そこにあったのは自身の腕で受け止めるレッドイーグルの姿ではないか!
 本来の鉄腕はコートの下にあるが、子供達にはそれが見えない。
 だが、レッドイーグルは倒れなかった。それは紛れも無い事実!
「確かに、俺とお前は似た者同士かもな」
 徐々に上がっていく腕が、ダークフレイムの剣を圧す。
「だが、正義の心だけは俺は決して失わない!」
 弾き、そのままレッドイーグルは剣を取り、無防備なダークフレイムの銅を斜めに斬り上げる!
「ク……この拳に免じて、今は下がるとしよう。
 今日という日を大切にするのだな。さらば!」
 そのまま2、3歩たたらを踏み、捨て台詞を残して外へ飛び出すダークフレイム。
 子供達が歓声を上げる中、零児はただダークフレイム――宿敵の背を見送るのだった。

「ぐはあ! まさかこれほどの力とは……」
「怪人Q!? ええいこのままでは」
 その風貌から子供達を心底怯えさせていた怪人Qが打ち負かされ、身構えるダークエンド。
 彼の持つ袋の中にはサンドバッグなどの比較的大きな物が入っているため激しく動けないでいた。
「何をしている、ダークエンド」
 狼狽するダークエンドを叱責するかのような重い一言。
 兜によって顔の見えぬ巨躯。その風貌から来る威圧だけで場は静まり返る。
「余が大魔王グランヘイトである」
 わあわあ本当に大魔王様来ちゃったよ。
 コレには子供たちも書いている中の人も大興奮、おっと失礼。突如あらわれた大魔王に子供達は驚くばかり。
「こ、これは大魔王様! このプレゼントだけは……」
「揃って役に立たぬクズ共が、下がっておれ」
 この大魔王が相手をしてやる、その言葉に正義のヒーローが次々と向かい撃つ。

「お前たちの悪事はこの勇者が許さない!!」
「どうした勇者よ、それで精一杯か」
 大魔王は光の攻撃を止め、逆に突き返されて思わず膝を折る。
「なかなかやるですね」
「なんて力だ……」
 ヒーローも連戦の疲れが見え始める。このままでは――。
「守るためならば、いくらでも力が湧き上がる……!」
 サンタシルバー、アイリは諦めない。
「みんな、今こそ力をあわせる時だね!」
 子供たちのプレゼントと楽しいクリスマスを守るためには、1人では駄目だ。
 サンタゴールド、藍は右手を天に指して、鼓舞するかのように告げる!
「ゴールドの言うとおりだぜ! みんな、大魔王を倒すために一緒に応援するんだぜー!」

 最初こそ、その声援はまばらだった。
『あの時』のように、また負けてしまうのではないか――そう思う子だっていた。
 でも、彼らは願った、叫んだ。
『頑張れ、負けるな』と。
 思いの限りを込めて、エールを送る!

「ぬぅぅ、余の姿を見てもまだこんなに声が出るとは」
 そして、その声援が一体となった瞬間――!
「シルバー!」
「分かった」
 声援を背に2人が真正面から打ち込む!
「お前たちの力とはそんなものか、ならば余の勝ちだ」
 だが、彼は気づいていない。更に真正面から来る光の姿に!
「ていやーとー!!」
 それは突き。揺るがず芯の通った一突きが、グランヘイトを捉えた!
「ぬおぉぉぉ!!」
「大魔王様! ぐあっ」
 吹き飛ばされるグランヘイトをダークエンドはその身で受け止める、勝負ありだ。
「ぬぐぐ、だが覚えておくがよい。
 お前たちがいい子にしていないと来年も余は現れる。院長先生の言うことをよく聞き、いい子にしているのだな。ぐふっ」
「大魔王様!? ええい作戦は失敗だ!」
 プレゼントをその場に置き、グランヘイトをおぶって退場するダークエンド。
「大魔王様の言葉、忘れるな!」
 そして、それに続くように悪役たちも一旦去っていく。

「キミたちも悪に屈してはいけないのです、正義の心をいつも胸に!」
 その言葉とともに、子供たちの拍手が沸き上がった。

●袋の中身を見てみよう
「みんなー! 曲に合わせてプレゼントを隣に渡すんだぞー!」
「わー! 新しい野球グローブだ!」
 こうしてヒーローたちが取り返したプレゼント袋の中身は、ランダムに子供達に行き渡っていた。
 お菓子や手作りのコースターなどもある中、リベリスタの品物だって負けてはいない。
「あっ、それは」
「ここに来てよかった、こんな良い子達に出会えて……!」
 プレゼントが無事に行き渡り、ぐずぐず鼻を啜っているところをリサリサに見られつつ立ち去るボッチバンもとい竜一。
 その手にはしっかり、子供からもらっただろう彼女のお手製クッキーが握られていた。

「僕からのプレゼントは自信があるよ!」
 自信満々な美月、中身は彼女が厳選して選んだゲームソフトと本体。
 どれもファッキンでシットなクソゲーばかりだが……
「…………」
 これを引き当てたのは孤児院の子供ではない。
 体型こそ子供だが、彼らに混ざっていた美月の式神『みに』だった。
「えーとほら、鉄は熱いうちに打てって言うしね、今の段階から布教を――。
 ちょっとまってなんでそんな心底見下げた目でこっち見てるの!?」
「うわ……ま、部長らしいっちゃらしいか」
「白石部員まで!?」
 子供の作ったリース入りの袋を手に、美月袋の中身を覗いた明菜は生暖かい笑みを浮かべるのであった。

「あっ、デュラハーンだ!」「大魔王といっしょじゃないの?」
「おっと、バレたならしょうがない。実はさっきの戦いでデュラハーンは正義の心に目覚めたんだぜ」
 そう子供に言い聞かせ、これがその証と鉄壁将軍変身セットを子供に渡すと、抱えていた頭部と剣は早速子供達のおもちゃとなった。
「音楽に合わせて交換、楽しいなっ!」
 紅香は木魚(バチ付き)を、櫂はお菓子入りブーツを見せ合い、戦った同士笑みを交わす2人。
 昨日の敵は今日の友、戦いが終わればこうして一緒にプレゼント交換ができるというのも大事だ。

「あら、これは誰かしら?」「ボッチバン!」
「外で遊ぼう!」「あらあら、その前にお礼を言わないと」
 子供たちの笑み、流れていく暖かな時間。
 それは彼ら――リベリスタ達がサンタクロースになった瞬間だった。

 ありがとう!!


「いつつ、生身の所やられるとやっぱ痛いな」
 交換会が行われている頃、通しを行ったスタジオでは事をやり遂げた悪役たちがそれぞれの健闘をたたえ合っていた。
 その中には、打ち身を負った部分を凛子に治してもらうダークエンド……もとい鉄平の姿もあった。
「注意しなければって、言ったはずですよ」
「ハハハ。でも、子供達の元気な姿が見られたのならこのぐらい何ともないぜ」
 痛がりつつも彼の見せる満面の笑みが、事が身を結んだなによりの証だろう。
 それは彼だけではなく、子供達も同じ。
 この笑顔を守る為に戦える、そう思えるほどに輝いていた。

 降り注ぐ粉雪が白く、夕暮れ迫る空に照り輝く。
 クリスマスは、まだこれからだ。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
『<クリスマス2011>サンタクロースは真っ赤なヒーロー』 いかがでしたでしょうか。
初めてのイベシナで慣れない所は多々あったとはいえ、何とか全員描写しきれて燃え尽き状態なカッツェです。
この出来事が、クリスマスの良き思い出になればと感じる次第です。

それでは、又の機会があったらよろしくお願いします、カッツェでした。
メリークリスマス、そして良いお年を。