●時の歪み 「ねぇ、本当なの?」 「本当だってばー」 夜の闇の中、小さな懐中電灯の光、後は月と星の灯りだけを頼りにして、二人の少女が暗い森を往く。 目的地は、この森の最奥――とは言え奥と言う程深い森でもないのだが――に存在するらしい、川。尤も、正確には湧水であり、規模がやや大きかった為に、川のようになっているだけなのだが。 ともあれ、彼女達は川を目指している。運がよければ“噂のアレ”を見る事が出来るかも知れない。そして、噂が本当なら、或いは――そんな、淡い期待を込めて。 ●冬はつとめて、されど 「かの有名な枕草子によると、冬は早朝がいいと言いますね」 ですが、と、天原和泉(nBNE000024)は、招集に応じやってきたリベリスタ達に、言葉を続けた。 「季節外れの風物詩が、冬の川に現れたようです」 勿論お察しの通り、E・エレメントですけどね、と付け加えるのも忘れない。 「フェーズ1の……と言っていいかすら微妙ですが」 最初のその言い淀みに、リベリスタ達はその時点で既に何かもう色々と察してしまった。 詰まる所、分類上は兎も角、実質フェーズ1と言う程でもないという事なのだろう、うん。 「光のE・エレメント。大きさは数ミリ程度で、動きも緩慢、寧ろ自由にのんびりとひたすら空中浮遊しているといった風情です。そう、さながら蛍のように」 冬の川に現れた夏の風物詩。成程確かに季節外れと言えよう。 「数は十六。ですが一度攻撃するだけでも倒せる程度の耐久力です。攻撃手段もこれと言ってありません。危機を感じると誰か一人に光線を放ちますが、一度しか使ってこない上に数十秒程度の目眩ましにしかなりません」 いっそ囲い込んで集中放火すればあっさり全滅させられるだろう。 「殆ど実害はないようにも思われますが、それでもエリューションはエリューションですので、出来る限り迅速な討伐をお願いします」 そして、和泉は軽く頭を下げた。 ●歪みの噂 「そう言えば」 思い出したように、和泉が手を叩いた。 「夜の内に討伐さえして頂ければ構いませんので、少しの間なら一風変わった冬の蛍狩りなど楽しめるかも知れませんね」 余裕があれば、友達や恋人など誘って見に行ってみるのはどうだろうか、と。 平素から仕事中はクールに、と心掛けている和泉がこんな提案をするのには、ある理由があった。 「あくまで近くの高等学校発祥の噂話なのですが」 和泉が語るその噂。 冬に森の奥の川で蛍を見る事が出来れば願いが叶う。特に友情や恋愛など、人との縁に関する願いに効果が高い。 更に、友達や恋人と共に見る事が出来れば、その絆はより強固なものになる――と。 そんな噂が、まことしやかに学校内で流布されているそうだ。 「勿論、今の話はエリューションが発生してから出来た噂に過ぎませんし、実際にはエリューションを発見する事自体にそんな効果はないのでしょうが……それでも、恐らく実際に願いが叶ったり、大切な人との絆を深めた方がいるのだと、思います」 確かに、考えてみれば、ある意味、夜に抜け出して光を見に行く事が勇気や行動力を与えたり、或いはこっそり出かけて二人で秘密を共有したとかで、その心に作用しているのだろうと、なんとなく判る。 また、そうでなくとも、宵闇に漂うほのかな光は幻想的なもの。季節感はないのでどうしても風物詩としての風情は感じられないかも知れないが、それさえ考えなければ十分楽しめそうだ。 今回の件、一風変わった依頼ではある。だが、神秘を楽しみつつ、使命もしっかり果たす。偶にはそんな夜もいいだろう。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:西条智沙 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年12月27日(火)23:26 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●星冴ゆる 冬の夜空の星は、空気の所為かより明るく見えると言う。 そんな明るい空の下、星とはまた別の“光”を目指し、暗い森を往く影があった。 「……これがE・エレメントでなければどれだけ良かった事でしょう」 ぽつりと、溜息交じりの声が漏れる。静寂の森に、静かにしかし確かに、木霊する。リサリサ・J・マルター(BNE002558)の声だ。蛍火の如きエリューション。これが風情として楽しめるだけなら、どれだけ心安らぐ事であろう。 「冬の蛍、なんとも風情があるのだ」 朱鷺島・雷音(BNE000003)も、そう思わず呟く。彼女は、大切な親友と手を繋いで。そして、縁によって此処に集った仲間達の姿を認めて。倒さねばならぬ運命だとしても、それまでは楽しめれば良いと。 彼女の親友、悠木 そあら(BNE000020)も柔らかく笑んで、その言葉に頷いた。 「真冬に輝く淡い光は夏に見る蛍より綺麗に見えるのはどうしてかしら?」 この季節になって蛍火が如き光が見られるとは思わなかったけれど、その小さく愛らしい煌めきは、想像しただけでも胸が躍る。其処に季節の隔たりは、きっと関係ない。寧ろ、引き合いに出す方が野暮とも思えてしまうのだから、不思議だ。 そんな光を、大切な人と見る事が出来るなら。それは友達であったり、或いは。 「えへ、静さん楽しみだね!きっと綺麗なんだろうなぁ」 「そうだな、皆と、何より玲と一緒に来られてよかった」 嬉しそうな宮藤・玲(BNE001008)の様子に桜小路・静(BNE000915)はその表情を綻ばせ、言葉を返す。玲はますますその双眸を輝かせて、静の手をぎゅっと握る。 その優しい温もりに幸せになる。それだけでこの寒い道程も気にならない程満たされる。折角繋がった縁、大切にしたい。それは此処に集まった皆と親交を深めるのもそうだし、何より、大切な互いとの絆を、より深く確かなものに。願いはもう、決まっている。 すぐ近くで、焦燥院 フツ(BNE001054)もまた、翡翠 あひる(BNE002166)の手を引いて、往く。 「暗いし、滑らねえように気を付けろよ」 「あ、ありがと……」 片手に持ったランプに照らされたあひるの表情は、はにかみつつも幸せそうだ。本当は、暗い森は少し怖くて、こうして彼と手を繋ぎたかったけど、後ろを往くだけに留めるつもりだった。けれど、彼が自らこの手を引いてくれるから、今は嬉しい。 そんな彼と見る蛍火。想像しただけでも楽しみだ。それに、蛍火に願う噂話はとてもロマンチックだ。 「……キレイなのに、倒さなきゃいけないのは……なんだか、寂しいものね……」 だからせめて、別れの時まで、記憶に焼きつけておこうと、そう思う。素敵な思い出として、心に残しておけるように。 「地球には様々な命が生きている」 彼なりのれっきとした正装、宇宙服で皆と共に往くのは、キャプテン・ガガーリン(BNE002315)。その言葉には、重みがあった。 自然も、動物も、当然、人間も生きている。ならばエリューションも、生きていると言えなくもないだろう。彼はそう語る。 「それらの調和があって地球はさらに美しく輝くのだ」 この青く悲しみに満ちた地球、それでもなお美しく思えるのは、生命の営み、その尊さが輝くからなのだと。 せめて最後は粛々と見送ろうと。彼の言葉に、頷かない者はなかった。 ●寒の水清く ややあって、目的の湧水が見つかった。流石に途中で途切れてはいるが、川のように澄んだ流れが横たわっている。間違いない、これが目的の湧水――川だ。それを確信して、一同は安堵の溜息と共に、僅かに笑む。 だがすぐにエリューションが現れるという事ではない。だから、出現を待つ間は手持無沙汰になる。だが、彼等は待つ間の事を考えてある計画を立てていた。 「ヒャッホゥ! お茶会だ!」 静がはしゃいだような声を上げる。そう、夜のお茶会。それぞれがお茶やお菓子を持ち寄って、皆が楽しめるようにと。 フツが魔法瓶や紅茶の葉、ティーパックなどを取り出して。更に玲が、クリスマスに因んだキャンディケインやジンジャーブレッドマン、星を模ったチーズサブレをペーパーナプキンに並べる。 「食べても良いし、持って帰ってもいいよ。ツリーに飾っても素敵だよ!」 にこ、と無邪気な笑顔を浮かべる玲に癒されつつ。皆に囲まれるように中央に鎮座する、あひるの用意したぬいぐるみも場を和ませつつ。 「サンドイッチといちごジャムを挟んだクッキー、いちごのタルトをバスケットに詰めて持ってきたです」 そあらの用意したバスケットには、苺尽くしのお菓子が用意されていて。すると、雷音とリサリサも、何かを取り出す。 「この前リサリサと一緒につくったシュトーレンがちょうど味がしみておいしいころなので、皆さんどうぞなのだ」 「皆さんで楽しめればいいと思いまして」 お菓子持参組がそれぞれペーパーナプキンに盛りつけていくと、静がそれに巨峰とラズベリーを可愛らしく添えて、彩って。 そしてフツとあひるは、お茶の準備中。 お茶を淹れるフツは真剣。皆のリクエストで、フツの持参したものから、雷音の家の喫茶店の特注ブレンドのそれ、中には唐辛子ココアなんて変わり種もあったが、丁寧に淹れていく。少し不慣れなその様子に、あひるや雷音がアドバイスして。上手く出来たら、フツも得意げ。 「お、オウ。やってみりゃ、意外とできるもんだな!」 彼が淹れたお茶を、あひるが皆に配る。 (愛の共同作業……! なんちゃって……) 嬉しそうなあひるの様子は更に場を和ませた。 そして一同、そあらとリサリサが用意したカイロを受け取り、雷音の持参したブランケットで身を包みつつ、シートに座して、お茶もお菓子も既に準備完了。 「では……茶と茶菓子をしっかりと味わおう」 ●極月の茶会 「そあら、ボクとリサリサでつくったシュトーレンなのだぞ」 「わ、美味しそうです!」 「お口に合えばいいのですが」 少し不安げなリサリサだが、静がその様子を打破した。 「甘くて美味い!」 「ええ、とても美味しい」 静とあひるが手放しで称賛してくれるので、リサリサも僅かに微笑んで。 「そあらさんのいちごのお菓子も、美味しいねー」 この寒空の下にあっても温かな笑顔の玲に静も頷いて。 「そあらさんらしくて可愛いな」 そして、最後には矢張り。 「玲の手作りお菓子! プロ級の味わいだぜ!」 「えへへ、静さんが喜んでくれてよかった!」 互いに、互いの大好きな、極上の笑顔を返して。 「あ、そあらのカイロ……苺のケースで蛍のチャームもついてるのね」 感心するあひるに、そあらもご満悦で。 「思い出に持って帰ってほしいのです」 「え……本当にいいの?」 「よかったな、あひる」 と、和やかな雰囲気の中、お茶会は続く。 そんな中、徐にキャプテンが何かを取り出した。それは一本のギター。 「ワタシもリラックスするための用意をしてある。地球を讃える賛歌を歌おう」 緩やかに、爪弾きながら。詩が、紡がれる。 「讃えよ地球(テラ)を。母なる大地を。そして月と星を見上げ、人類と地球の共生、そして未来の宇宙時代に想いを馳せるのだ――」 それは輝かしきこの星とそれを取り巻く宇宙、其処に息づく生命の煌めきへの敬意であった。 ●暖冬の灯 雷音とそあらとリサリサは、手を繋いで大人しく待っていた。 静と玲、フツとあひるもその身を寄せ合い、その時を待つ。 キャプテンも静かに見守る中、それは、現れた。 「きれいだな……」 柔らかな、白金の小さな煌めきが、明るく、緩やかに舞い始める。ひとつふたつとそれは増えてゆき、やがて川面をも煌めかせ、遂にはこの闇そのものを、仄かに照らし出した。 感嘆の声を漏らす雷音に、そあらも同調する。 「ほのかな光がとっても幻想的で綺麗なのです……」 「うん、なんて綺麗で儚いんだろうね」 ふと、思いを馳せる玲。 何処から来たの?帰れなくなっちゃったの?共存できる世界だったら良かったのに、その淡く儚い、それでも何処かほっとさせてくれるような、この穏やかな光に、思う。 「……いいのか、願い事?」 「あ……」 フツの言葉で、暫く見惚れていたあひるも、我に返る。 (『大好きなお友達の皆が、健康で、怪我なく過ごせますように』……それから) そう、願い事はひとつだけ、とは、噂では決められていない。だから。 (『大好きなフツと、これからも仲良くできますように』) どちらも叶えばいいと、そう、祈りながら。 静と玲も、それぞれ願う。 静は、この場にいる皆の顔と、三高平市で出会えた、戦友たちを思い浮かべて。 (『皆と友達になれますように』、『この先も生きて、皆と共に戦っていけますように』) 玲は、この世界と其処に生きる人々を思い浮かべて。 (『皆と仲良く出来る世界になりますように』) けれど、最後は矢張り、互いの手を、しっかりと握って、微笑み交わして。同じく願うのは、ひとつ。 ((『一番大切な人とずっと一緒に居られますように』)) そあらは、此処にいる友達と、そして、残念ながら今回は一緒に来ることは出来なかったが、愛する室長に思いを馳せる。 (『さおりんの最愛なる一番のパートナーで素敵なお嫁さんになれますように』……『らいよんちゃんやお友達とずっと仲良く過ごせますように』……『今日見たこの素敵な光景がずっと皆の心に残りますように』……) そんな彼女の心境を察してか、雷音も願う。 (『そあらと室長の仲も進展すると、いいな』) そして勿論、自分の願いも、沢山ある、ボクはなんとも欲張りだ、そう思いながらも、矢張り叶えたい、願い。 (『ここにいる皆ともっとなかよくなりたい』。『キャプテンみたいにしっかりしたい』。 『あひるみたいにかわいくなりたい』。『リサリサと、そあらと、これからも仲良くしたい』) 全てが、今の彼女の願い。ひとつには絞れない。 その隣、リサリサは、光と皆を静かに見守るキャプテンを、ちらりと見やった。 自分は皆と一緒にいてもいいのかと、ふと考えた。そんな自分を、励ましてくれた。彼には気を遣わせてしまったかも知れない。そう思う。 (でもその気遣い、包容力はとても暖かいものでした) きっと、彼は今までの人生を、それはとても有意義に過ごしたのだろう。だからこそ、広く温かな心で、人を包み込む。自分も彼のように、全てを包むような大きな心を 持てるようになれるなら。 皆の顔を見た。目を瞑り願う者、光をその瞳に焼き付ける者、見守る者、様々な表情がある。けれど、ある一点で共通していた。笑顔を浮かべていたのだ。そして自分も、笑みを零す。 (『願わくば三高平の全てのリベリスタに幸せを。皆が笑いあえる日々を』) 笑顔の絶えない日々は、きっと想像以上に素晴らしいものだろう。今此処にいる皆の笑顔でさえ、心を温めるのだから。 (そして『ワタシの遠き日の記憶がいつか戻りますように……』) その時にもまた、“トモダチ”と共にありたいと、笑い合いたいと、希う。 (願いをすれば叶うとは中高校レベルの噂話だという。だがそれは素晴らしいことだ。そういったロマンを忘れないことが、さらに明るい未来へと繋がるのだから) キャプテンは、幻想的な光の舞いと、願う者達の姿に未来を見た。此処に集った者達の中に、噂は噂と片付ける者はいなかった。きっと彼等の進む道は希望の光で照らされている。そしてきっと、彼等はこの星の明るい未来をも、切り開いていってくれるに違いない。そんな確信にも近い思いを抱きながら、彼もまた、静かに願う。 (願うのは当然『地球の悲しみがいつか全て消え去るように』だ) 悲しい事に、この地球はいつも悲しみに包まれ蝕まれている。彼は宇宙に赴き、それを見てきた。今の地球は悲しみの星と化している。だからこそ、いつか悲しみのない地球になる事を祈らざるを得ない。 その為なら、きっと何だって成し遂げて見せよう。幸いにも、希望はまだあるのだから。 ●名残の空 「そろそろかな?」 雷音の言葉に、皆が頷いた。 「じゃあ、見送るです。皆一緒に天(ソラ)に帰れますように……」 そあらの言葉で、皆が光を取り囲む。小さな光は、不思議そうに戯れるのみ。 「アレだ、また会えるさ。オレ達がこいつらの輝きを忘れない限り、オレ達がまた逢いたいと願う限り」 そう、きっと。彼等は願いを叶えると言われる光。望めばきっと、また会える。フツの言葉が皆の心に沁みてゆく。 雷音が一歩進み出る。本当は倒したくない。ただ願いを受け止める優しい存在なのだ。それでも、倒さねばならないのなら、せめて。 「ありがとう、少しでも痛くないように、來來、氷雨」 輪廻の流れに流す雨は、全てを洗い流すが如く、その存在に降り注ぎ、呑み込んでゆく。せめて、その魂に救済をと。 光の粒は、弾けて消えた。細かな白金の粒子が、虚空に溶けてその輝きを失ってゆく。その瞬間すら、綺麗だと玲は思った。 (次会える時は同じ世界で友達になれるかな) 共に笑い合えればと、改めて思う。不意に涙が零れた。頬を伝う前に、それは優しく拭われる。温かな、静の指だった。 「ごめんな、素敵な夜を有り難う。倒したり倒されたりなんて戦いの世の中は無くなっちゃえばいいのに」 けれど今は、平和な日々の為に、大切な人が涙を流さぬように、戦うと、静は決意を新たにして。 どちらからともなく手を握った。少し冷たくなっていたけれど、心が感じられる温かさは矢張り変わらない。それが玲には嬉しかった。 (静さんと一緒の世界で出逢えて良かった。ずっとずっと一緒に居ようね) その時、フツが微かに残る光の残滓に近付いた。 「この世界で感じる最後の思いが『申し訳なさ』じゃ寂しいだろう。オレ達と出会ってくれて、そして、願いを聞いてくれてありがとう。そう思いながら、見送ろうぜ」 輝きが完全に失われるその前に、その魂に向けて、フツは念仏を唱える。交霊術を交えての、魂に語りかける、言葉。皆の気持ちを伝える、想い。それはとても優しくて。リサリサは、念仏に乗せて皆の優しさが伝わるよう、願わずにはいられなかった。 「素敵な時間をありがとう。今度はお空で、キラキラ光ってね。なむなむ……」 「せめてこの儚い神秘に哀悼を送ろう。地球に還れ。次はただの蛍として地球に生まれ落ちることを願おう」 あひるとキャプテンも、手を合わせて。 「今日の……この日の素敵な時間をありがとです」 そあらも、天使の歌を手向けて。その声に耳を傾けながら、雷音も養父に今日の事をメールで伝えようと思った。友達と有意義な時間を過ごした事を。 彼等と同じ時間を過ごせた事が、リサリサにも嬉しくて。だから感謝を込めて、笑顔で送る。 「またね」 刹那、最後の光が応えるように輝きを増して、消えた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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